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今回はどれも原作1話分のネタで一本アニメ化していて、シナリオスタッフが原作の扱いに慣れてきたのかなぁ~と思ったり、単に2話分の話を繋げるやる気がなくなったのかなぁ~と疑ってみたり(汗)
「人形じゃなイカ?」
所謂“恐怖の人形”回
とはいえ、原作では恐怖風味はそれほど強烈ではなく割と通常営業の演出なのだが、アニメ版は良質のホラー演出が施されていて、異様に雰囲気が出てる。
途中から色彩設計を、いつもの原色的なバランスから、くすんだ感じに変えてきているところとか。
ただ、アニメ版のこの話は、「怖くなイカ?」で完全に心霊現象に無関心・無反応だった挙句「非科学的なものは信じないでゲソ」とまで切り捨てていたイカ娘が、しっかり不可思議現象に恐怖して「呪いでゲソー!」とまで叫んでしまうのは、キャラが崩壊している印象も受ける。
ちなみに原作では、シンディが連れてきた本物の霊にショックを受けて一転、心霊現象がてんでダメになってしまうというエピソードがあって、一応布石は置かれている。
「疑惑じゃなイカ?」
透明スーツによる超常現象的なものに大騒ぎする栄子とイカ娘。Aパートとネタを重ねた?
メカ小バエからの視点ショットがかなり凝ってた。
「登山しなイカ?」
イカ娘が山彦を試す際に3バカを絡めて話の流れをスムーズにしていたり、原作では登場しない早苗をラストに引っ張り出してきてオチに繋げたり、うまいコト原作の引き伸ばしをしている回。
…でも、イカ娘に森の動物たちが次々と絡んできてキングコブラまで出てくる箇所は、なんか蛇足な感じもする。キングコブラとの無用なバトルで、イカ娘の触手無敵説に傷をつける結果になっているし。
イカ娘視点のロックオン表示で、グリッドが触手の形で構成されてる辺りの小ネタは好きですが(笑)
地震発生後、初めての『イカ娘』放送。
L字枠付きでの放送となったが、放送されただけありがたいもの。
…ただ、L字に流れてくる地震関係情報が、滋賀県内のことに限っての情報しか発信されてないのだが、この情報って需要あるのだろうか?
流すんなら、もっと被災地についての情報とか、もしくは滋賀と被災地両方に関わる情報の方が良いだろうに…
…って、リアルタイム能力に限りのある地方局では、そういう情報を出し続けるのは難易度が高いか。
「てるてる坊主じゃなイカ?」
原作では、誰にも頼まれてないのに一晩中てるてる坊主を演じてたことに文句言い出すイカ娘の部分がアホながら健気で好きなのだが、アニメでは1日の出来事にされているのでばっさりカットされていて残念。
イカ娘画伯のポートレートは、アニメでカラーが付くとインパクトの威力が増すなぁ~。最後の呪いのてるてる坊主っぷりも見た目パワーアップしているし。
ただ、たけるの姿を描いた絵だけは、原作の描写の方が好きだなぁ~。アニメ版はリアルさがビミョーな感じがして、「うまいというより次元が違う」という評が的外れにも聞こえる。
「好かれなイカ?」
水島監督コンテによって、完全にホラー回になってる、イカ娘断ち早苗回。
途中、「さよなら、私の恋…」という早苗のセリフがあるが、いやいや、アンタ、イカ娘に好かれるためにここまでやってるんじゃねぇのか!(笑)
「野球しなイカ?」
原作ではバドミントン部だった清美ですが、何かの事情により、アニメでは硬式女子野球部キャプテンに転身。
大人しめのメガネキャラという文系インドアイメージがある中では最大限のアクティブな感じの部活ってことで、バドミントンは良いチョイスだと思うのだが、アニメ的には地味なのがダメだったんでしょーか?(笑)
『おおきく振りかぶって』とスタッフ被っているせいもあって、おかげでほとんどオリジナルの様相なのだが、冒頭で清美が振り向くと腰に手を当ててドヤ顔のイカ娘の姿がある、とかビミョーに「部活しなイカ?」の要素を使ってたりする。
野球アニメとしても使えるコンテの完成度は言わずもがな。
「ピンポンダッシュしなイカ?」
清美登場回。
全体的に話や演出が急いでいる印象があって、ちょっと余裕が無い気がしたなー
清美のお母さんがイカ娘のことを「変わった子ねぇ」と言ったところで、原作では千鶴が「イカ娘ちゃん、友達多いんですよ」とイカ娘を持ち上げてたけど、アニメでは「イカですから」と身も蓋もなくバッサリ落としていたのが、さりげにヒドい(笑)
ただ逆にラストは、清美が相沢家に最悪の印象を持って帰る原作と違って、先に清美を帰したイカ娘がまな板の上の鯉状態になってる一方清美は「イカちゃんって変な子(笑み)」という感想を持って済むという何とも微笑ましい雰囲気で終わった。
「メイクしなイカ?」
話の途中でイカ娘が店の客から施してもらうメイクが、原作のガングロメイクからエビちゃん系巻きメイクに変更。
まぁ、原作の時点でも流行遅れのメイクだったから無理からぬ改変だが、栄子から「即メイク落とし!イメージってモンを考えろ!」と言われなければならないほどのものだったかなぁ?
ガングロよりはよっぽどイメージを損なわない感じだと思うのだが。
「秘密兵器じゃなイカ?」
「っていうか気持ち的に一度死んだぁー!」と言う役が、原作の栄子からイカ娘に変更。
ツッコミ役のイカ娘というのはどことなく違和感あるが、相手が3バカなので、「まぁ、いいか。問題なし」とも思えてしまう(笑)
原作での“頭が良くなる弾”はともかく、“侵略者の威厳が付く弾”ってのは、何のために発明したのか(どういう風に実証したのか)よー分からん感じもあるが(汗)
1シーズンでは異例、というか、まさかの2回目登板の陣川警部補。
前回登場時の感想では、「毎回脚本家と監督が変わるねぇ~」という感想を書いていたが、今回は、戸田山脚本並びに東監督としては2回目。
今まで女絡みでややこしい事件に首突っ込んだり巻き込まれてたりした陣川だが、今回はとうとう男に同情して行動する守備範囲の広げっぷりを見せた。
今回はコントの作り込みが秀逸。
冒頭、コンビニで陣川が当たり前のように呟いた「今日は何食べようかなぁ~」というセリフからしてまず笑える。
“今日は”って……そんなに毎日コンビニ飯で済ませとるんかい!(笑)
それを強調するかのように、店長とはかなりの顔なじみという話も出てくる。
(ちなみに、その直前の布石として、陣川が劇場版Ⅱで貼ってた“振り込め詐欺にご用心”のビラを見つけて、神戸が陣川と店と犯人の関係に勘付くというシーンがあるんだけど、ビラについての説明が特にないので、劇場版Ⅱとか映画前夜の第9話見てない視聴者には、何をもって神戸が気付いたのか謎だろーなー…)
組の構成員尾行しようとしてた以降がまた笑いのツボ。
神戸「そんな簡単に来るわけが…」
陣川「来た!」
神戸「うそぉー!?」
…のところのセリフのタイミングがコントとして絶妙すぎて、笑うと同時に唸ったぐらいだ(笑)
陣川「そうやって、言葉巧みにボクを誘導して…」
…などと言っていたが、言葉巧みにと言うよりも裏心あるのがミエミエの演技だったので、簡単なミスリードにも引っかかる陣川の滑稽さが余計に出てくるという事態に。
「病気じゃなイカ?」
イカ娘がエビのコスプレした早苗に対面するときのカット割が上手くて、しっかり笑った。
その時、前後不覚のイカ娘が飛び掛る際の「キシャー!」という何とも言えない金元寿子の奇声の演技が、病気でなりふり構わなくなってきたイカ娘の錯乱状態をうまいこと表現してて、なんか好きだなぁ~
「新能力じゃなイカ?」
「イカ娘の頭のピコピコが動く話」と「砂のお城自慢の話」をくっつけているが、個人的にくっつけるのに一番無理がある組み合わせと思う回(笑)
「ピコピコで砂の城を動かせるでゲソー!」って、まるで説得力ねぇよ!意味不明だよ、イカねーちゃん!(笑)
原作エピソードを駆け足で消化してるせいで、いつの間にか、イカ娘の発光機能が周知の事実になってたな。
「ささなイカ?」
イカ娘が一番アホっぽく見える回(笑)
とにかくビニール傘で遊び倒す、小二レベルのイカ娘の行動が他愛無く可愛らしくって仕様がない。
「犯人の処罰は法に則って」「たとえいかなる理由があろうとあなたの行ったこと(法を犯す行為)は許されることではありませんよ」、というのが1話から続く右京のスタンスながら、犯人逮捕のためなら割と平気で法を逸脱した捜査をしてきたダブルスタンダードが目立つ右京なのだが、遂に……というか、まぁ今までも刑事部長とか大河内監察官に散々呼び出しを喰らってたのでアレだが……人事権を握る部署からの正式な監察対象になってしまう回。
散々視聴者から「右京さん、あれだけ暴走して、よく上層部から(お目玉喰らうレベルではない)処分下されないよね」「劇場版であんなことになってしまって、特命係ヤバいんじゃないの?」と言われてることについて、本家でネタにしてしまうことによって、セルフツッコミがしたかった回とも言えるけど(笑)
それについては、「(越法行為を問われるなんて、)今さらですね」の一言で切り捨てていて、開き直りが潔いことこの上なかったが。
劇場版で小野田の身に起こったことについて触れかけていたが、結局明言されず終い。劇場版未体験者には優しい仕様だったかもしれないが、劇場版への興味を惹かせるやり方でもあり、あざとい気もした。
Season8の「右京、風邪をひく」と同様、時系列を弄くる系のトリッキーな話だったが、監察室での聴取を元に過去軸の話が回想形式で流れており、監察室という時間の主軸があるので、主軸自体がなく時間が動いてしまう「右京、風邪をひく」ほど複雑ではなく、時間があちこち移動しても見やすくはなっている。
見やすいけど……試みやそれに関わるシナリオの妙としては、「右京、風邪をひく」の方が好きだったな。
「狙われなイカ?」
渚歓迎会in相沢家+渚恐怖心隠しの話。
「研究しなイカ?」
シンディの研究所に行って3バカ初登場の話…だが、半分はその前フリのイカ女王様ネタ。
研究所の方のネタをもっと広げてくれても面白かったかなーと思うのだが、原作以上にオチがビミョー。
「働かなイカ?」
イカ娘・ニセイカ娘トレード回。
放送当時は、“「被り物より素の方が遥かに良かったじゃん!」という一発ネタ”だと思ってた中の人=鮎美が、原作ではこれ以降本格始動。作品中唯一の言っていい、分かりやすい“萌え”狙いキャラだったりする。
アニメではこれ以降も、ニセイカ娘の被り物で出てきて、キャラの立ち位置にブレがなかったりしますが。
そして海の家・南風の店長の傍若無人っぷりも笑える。言ってる意図は分からんでもない人なんだけど、“そのタイミングで言うなよ!”“事前に説明せい!”という言動ばかりなのが、ある意味オヤジとしてリアル(笑) 屈強なジャック・バウワーボイスで大分誤魔化されてはいますが(笑)
「ただ立ってるだけなんて、仕事とは言えないでゲソ」とか言えるイカ娘は、居候キャラにしては偉いなぁ~ …元は侵略者キャラのハズですがね(笑)
むりやり舞台に上げられた後、原作では半分辞めたがってムチャクチャな墨吐きとドラムを披露してウケてたが、アニメ版では、「期待に応えなくては!」と自発的に一芸加えていって、触手歩行・触手メリーゴーランド・発光芸が追加されて、賑やかに。
アニメも最終的にドラム叩いて「侵略以外の才能が憎いでゲソー!」と言って終わるが、ちなみに原作では「(嗚呼、侵略以外の才能が憎い!)」というモノローグ。あれだけ「ゲソ」とか「イカ」とか語尾に拘っているのに、ツカミのオチだというのに、ここだけ語尾付かないんだよなー。
前回徳永富彦が職人モノを書いて、今回社会派モノを櫻井武晴が書いてる。
社会派モノ・陰謀モノの櫻井脚本は評価高くて、僕も好きなんだけど、職人モノは別の人に任せて、櫻井脚本は社会派モノ専属で行くつもりなのかな?
職人モノの、細部をきっちり作っていながらゆったりとした雰囲気が心地いい櫻井脚本も好みなので、あまり専属になってもらいたくない気もする。
Season2の朝倉絡みでも刑務所での事件が取り上げられたことがあったけど、捜一や特命コンビが刑務所内を聞き込みに回らなければならない、という閉鎖型ミステリーに仕上がっているのは今回が初めて。
それだけで興味をそそられる題材なのだが、冒頭、三浦刑事が特命コンビを巧みに誘導していいように使ってたのが笑えた。
「ヒーローショーじゃなイカ?」
原作5巻第90話「ヒーローショーじゃなイカ?」
脚本:水島努 絵コンテ・演出・作画監督:東出太
個人的に、ヒーローショー会場を描いていた場面が、モブキャラがそれほど多くないし、舞台も波打ち際に近くて宜しくない場所でやってて、どことなく物寂しさを感じるのだけど、実は作画監督の一人原画回。
それほど多いモブキャラを描かなくても済むような工夫だということか…
劇中劇のOPまで作ってしまう演出のノリの良さは好き。
「勉強しなイカ?」
原作2巻第28話「勉強しなイカ?」
脚本:國澤真理子 絵コンテ・演出:きみやしげる 作画監督:西村理恵
イカ娘が東大の問題解いてる時と解答した後のポージングは、ドラマ『ガリレオ』のパロディだな。『イカ娘』にこういうパロディは珍しい気がする。…私が気づいていないだけかもしれんが。
原作1話のシナリオを水増ししているが、数学が天才的なイカ娘というネタを広げて、イカ娘が他のレギュラーキャラに頭が良い所をひけらかす(そして全くうまくいかない)ということで他のレギュラーキャラも登場させて、無理のないバランスでオリジナルが仕上がっている良回。
「恋じゃなイカ?」
原作4巻第61話「恋じゃなイカ?」&原作4巻第62話「狙われなイカ?」
脚本:國澤真理子 絵コンテ・演出:きみやしげる 作画監督:高原修司
正規の形の人間関係を勘違いからゴチャゴチャさせて話をドタバタと広げていくタイプのシナリオなのだが、『イカ娘』の人物相関がそこまで複雑にできていないので、ゴチャゴチャさせづらくて、お陰で話もいつも以上に面白くないというか…(汗)
今回のEDアニメーション差分は、「ヒーローショーじゃなイカ?」に出てきたイカ魔人の着ぐるみが沖をプカプカと流れて行って、最終的に沈む。
総監督の楠葉宏三が自らメガホンを取り、そしてリメイクものではなくオリジナルで行く、という気合の入れようで制作されたが、しかし、どこからともなく漂ってくる『海底鬼岩城』臭さ…(笑)
バトルフィッシュっぽい乗り物のせいか?
(ただ、オリジナル云々については、最近のドラ映画が、リメイク→オリジナル→リメイク→オリジナル→…という順で意図的に隔年構成してるからではあるのが)
可もなく不可もなく……という評価が一番合ってるんじゃないかと思う。
同じくオリジナルで、「うーん、いろいろとバランスが悪くて、ちょっと難があるんじゃないの、コレ」と思っていた『緑の巨人伝』では、前半のキー坊との交流とか地球がとにかく凄いことになっている後半とか、ある種の熱気みたいなものを感じられたのだけど、今回はバランスをとろうとして熱気が感じられない雰囲気がある。
昨年の予告の段階から思っていたことではあるが、中世ファンタジーものの要素を入れる必然があったのだろうか……というか、いい加減くどい。
一昨年の『緑の巨人伝』でも、植物星の姫様が出てきたし、頻繁に特権階級出てきてるところが。
そして、科学的・SF的にこじつける『ドラ』にあって、こじつける気もなく原理不明の不思議な力が作用して魔法とか伝説としか良いようのない事象が起こる、という要素が出てくる座りの悪さ。
クライマックスの伝説の剣登場とかラストの機能発動とか
これは、最近の子どもたちや親御さんは中世ファンタジーものが好みだというマーケティングの結果?
『のび太の恐竜2006』、『緑の巨人伝』と同じように、“のび太たちの日常に異世界物が入ってきて、日常の中で親しく交流するが、その後のび太たちの方が異世界に放り込まれる”というドラ映画テッパンのパターンを使っているのだけど…
のび太が親的な立場で実に自然と交流できていたピー助やキー坊と違って、今回のソフィア姫はのび太よりも年上・先輩格の雰囲気があるから、同じ目線で一緒に楽しむ、というのではなく接待的な雰囲気が感じられて、日常を謳歌する風景に“心底楽しそうだ”という徹底した雰囲気を感じられない気がした…
伏線の練り込みも甘い気がする。
例えば、テキオー灯のタイムリミットが迫っていてしずかちゃんにも危険が迫っていると緊迫感を盛り上げようとしているシーンでは、テキオー灯にタイムリミットがあるという設定を説明するのがその危機が起こる直前で、「こーゆーシーンが後にあるので、その手前に説明を入れときました」程度のテキトーさが感じられる…
…ただ、お子様向けということを重視すると、あまり凝った伏線に仕上げると、子どもたちに理解してもらえないかもしれない、という判断が働いて、できるだけ分かりやすい、出した伏線は直後に回収する(説明が必要なものは直前で説明する)、ぐらいの姿勢で意図的にこうしているのかもしれん。
クライマックスのバトルシーンも、メインタイトルで「大海戦」とか謳っておきながら、(子ども向けアニメだから描写をハードにできないとはいえ)さしたる戦闘の押し引きもなく、漫然と「戦ってます」的な雰囲気で話が進んでいくので結構拍子抜けなのだが、必要以下の描写にレベルを落としておかないと保護者受けが悪いという判断があって、わざと緊張感薄くしてるのかもしれん。
そうでないとプロデューサー以上の人たちに受け入れられないとか? 巨大プロジェクト化したアニメ映画はそこら辺の調整が難しそうだからなぁ…
年々、規制(たぶん)で表現のハードさとか緊張感・熱気が薄まっている映画ドラ…
今年の『新・鉄人兵団』は原作・旧映画が映画ドラ随一の緊迫感・ハードさを持っていた作品なので、リメイクでどこまでマイルドにされるのだろうか…
個人的に笑いどころや微笑ましいポイントが多いパートが集まってて、イレギュラー要素も多い割に地に足の付いたシナリオ設計が見やすくて、好きな回。
「宇宙人じゃなイカ?」
原作2巻第33話「宇宙人じゃなイカ?」&原作2巻第34話「宇宙人じゃなイカ?2」
脚本:横手美智子 絵コンテ・演出:津田尚克 作画監督:小菅和久
原作では渚より先に出ていたのに、このタイミングでシンディ登場。
原作2話を繋げているのだが、2話とも「シンディがイカ娘を宇宙人扱いしてイカ娘らを困惑させる」というコンセプトが同じなので、違和感まったくなし。
「私はあの海で生まれて~(略)~のでゲソ!」と怒るシーンで、魚眼パースになっていてレイアウトが熱弁するイカ娘も熱弁対象の海も両方強調された効果的な画になっていたのが、なんだか印象的だった。
「学校に行かなイカ?」
原作2巻第31話「高校に行かなイカ?」
脚本:横手美智子 絵コンテ・演出:畑博之 作画監督:るたろー
軍服や実験器具やハッキングの概念は知っててても、学生服・理科室・パソコンルームの意味が分かっていないイカ娘の歪な知識基準は、やはり謎だなぁ~
原作では、校長に襲い掛かったところで栄子のツッコミが入って話が終わるのだが、アニメでは実際に校長室・放送室を制圧してしまう。 …が、別に大勢に影響がないところは、しっかり『イカ娘』クオリティ。
ただ、エビアレルギーの校長にエビを食べさせようとするイカ娘の心境がよく分からん。「エビを食べないとは!! お主、何を楽しみに生きているのでゲソ!?」とか言ってるのでお節介焼く気でいるのかと思いきや、割と早いタイミングから拷問っぽい様子だから余計に。
「飼わなイカ?」
原作2巻巻末「ひと口サイズ!イカ娘」
脚本:横手美智子 絵コンテ・演出:水島努 作画監督:井出直美
多くのアニメファンをイカ娘に注目させた、ミニイカ娘回。
セリフなし・BGMだけというサイレント時代のアニメーションっぽいシンプルな作りだが、その分視覚的に面白くしなければならないという、作画に負担がかかる作りながら、その構成上の要求に見事に応えていて、ミニイカ娘の動きや仕草を可愛らしく魅力的に演出できていて、完成度高くて見事。
身動きしない不審物におそるおそる触れてみる辺りの小動物っぽいリアルな確認の仕方とか、イカスミ吐いて反動でイカダが後退りしていたり徐々に鮫の小物が黒くなっていったり、という小ネタの作り込みも見所。
今回のEDアニメーション差分は、イカ娘がいない…と思いきや、終了間際の2回目のサビフレーズ時から、ミニイカ娘が小走りで画面を横切る。
20周年で、クレしんコンセプトから外れるような“SHIN-MEN”なる新キャラを登場させて、ドラえもんズみたく『クレしん』も変な商品展開するようになったなー、と呆れ目で見てたんだけど…
湯浅政明を召喚して、突拍子ないシナリオとシュールなデザインワークと尖った演出でアニメ化がされていて、画面がエラいことに!
ほどよいアニオタから見たら面白い回なんだけど、クレしんの通常運営から違いすぎてて、子どもが見てて楽しいんだろうか、コレ(笑)
そして今回は、おもちゃに名前を付けて、しんのすけに片付けクセを覚えさせようとみさえが奮闘するという話だったのだけど、あれこれ試して夜までかかった結果…
「さあ、ひろしを片付けるのよ!」
ひろし「はっ!!!?」
「殺るの?殺らないの?」
何も知らないひろしの帰宅というシチュエーションと、みさえの声の無駄なシリアスさ加減のおかげで、このシーン大爆笑!
途中、おもちゃにマサオや風間くんの名前つけてモノマネをする箇所も、みさえ@ならはしみきの演技が、当の本人の声にすごく似ていたのにも笑った。
さすがにベテランは技量高いな~
亀ちゃんがいた頃なら、櫻井武晴が書いてそうな、職業ネタ。
前シリーズでは、社会派の黒い系ネタにも手を出していたし、やっぱり神戸尊相棒時代のポスト櫻井になる気か、徳永富彦(笑)
前々回で犯人を欺くための奇妙な芝居、前回でスポット当てられて子どもたちのために奔走、と普段よりだいぶ目立っていた神戸だったけど、そのしわ寄せが来たのか、今回あまり出番がなかった。
というか、専門的な話題が多くなったりセレブ的な感じのあったりするオーダーメイドスーツの話では右京無双になって然るべきとも言えるけど。
回想や証言でも物腰穏やかな姿しか出ず、最後の最後で犯人からの証言で本性が見えるのも、ゲスなキャラが徹底してていいなぁ~
冒頭で、夜の公園の階段踊り場で殺され倒れた被害者からカメラPANバックして、朝の警察の動きが慌しい公園のカットに繋がるシーンが、カメラが不規則に動いている割に、編集があまりにもシームレスに繋がってて、どうやって撮影(編集)したのかなぁ、と気になった。