…というわけで、滋賀ではびわ湖放送で『侵略!イカ娘』の放送が始まった。
『ARIA』を夕方の枠で放送し、『銀魂』をゴールデンに格上げしちゃった実績のあるびわ湖放送なので、『イカ娘』の扱いにはちょっと期待もしていたが、やっぱり深夜放送になっちゃった。
まあ、『イカ娘』は極端に放送局少なかったから、1クール遅れでも地方局で放送してくれるのはありがたい。
ブルーレイを最高画質で録画だ…
…ええ、結局買いましたよ、ハードディスクレコーダー!
番組が始まる際に「テレビを見るときは部屋を明るくして離れてみてね」とテロップが出るのは地方局のご愛嬌(笑
その代わり、提供バックに社名が表示されないので、提供バックが壁紙仕様で見られるぜ!
原作読んでから改めて放送第1回分を見直すと、気になるところが出てくるなぁ~
原作の1話分が8ページと短いので、1回3話構成にしても、1話に原作2話分を費やさないともたないので、傾向の似た原作話を繋げているのだけれど…
2話で、イカ娘の行動に興味津々のたける登場回と、イカの帽子を被っただけの人間を同胞扱いするアホっぷりを示すイカ娘回を、一緒にしているおかげで、前半のまったくの無邪気っぽかったたけるが、後半ちょっと思慮深い感じになっていて、キャラが幾分か乖離している気がする。
最大の違和感は、3話目で千鶴登場回であるイカスミスパゲッティの話を持ってきているせいで、2話目で千鶴から指図されてイカ娘が働いているのに、やたら時間を置いてから「あれは誰でゲソ?」とイカ娘が尋ねているところで、初見の時でも「本当は原作で2話目ぐらいにやってた話なんだろうな」と勘付いてしまったぐらいだったし。
それでも、この第1回は、原作を実に丁寧かつ的確にアニメ化してるなー、と感心してしまう出来。
原作ではどうも野暮ったかったお話をうまいこと改変しているし。
イカ娘というキャラクターを説明するのに原作では野暮ったい段取りになっていたところを、侵略者が一介の市民にこき使われるというこの作品のキモの部分を第1話の途中にも挿し込むことで、全体の流れを殺すことなく「第1話でこの番組の全体を把握してもらおう」という正しい第1話のあり方になっていて、横手美智子のこういう仕事には卒がないなぁ~、と。
3話のイカスミの話も、原作ではイカスミ出すのが善意の協力になっていたところだけど、アニメではイカ娘が千鶴にケンカ売って撃沈する話と連結させているので、いつも高慢に振舞っているイカ娘がイカスミスパゲッティに協力するのも不自然ではなくなっているし。
地球人口が“億”いることにショックを受けるイカ娘の箇所では、原作ではページ数の関係もあって、人口を説明するフキダシと驚くイカ娘を同じコマ(しかもその話の中でも有数の大コマ)に収めてしまっていて、若干駆け足で演出が不自然だったところも、アニメでは人口の説明を栄子のカットで行い、直後に驚くイカ娘のカットに繋ぐことで、自然な正しい演出に改変していて、コンテもうまいこと割り振りをしている。
触手作画がよく動く動く。イカ娘の表情も百面相というぐらいによく変わり、蚊退治に悪戦苦闘するイカ娘の姿や千鶴のアクションシーンと、作画面に関しても申し分なし。
空ビンをケースに戻すのにイカ娘が触手を使っているカットや、切られた触手が再生している描写は、最終回でリフレインされることになり、この作品自体が第1話と最終話が対になるようになっていて、シリーズ構成もポイント押さえているし。
EDは、伊藤かな恵が歌う穏やかな曲調の「メタメリズム」に乗せて、夜の海を見つめるイカ娘を後ろからロングで捉えた一枚絵レイアウト(波だけがアニメーションする)を延々と映し出す、というもの。
アッパー系の曲調と動きまくる作画のオープニングとの対比で、勢いを抑えた曲調と省力作画のエンディングが各話の終わりを印象付けるという番組の構成が、古き良き「まんが映画」の伝統を踏襲している気がして、なかなか良いと思える。
2話以降、アニメーションが各話で微妙に変化したり追加作画があったりするのだが、基本系とも思える1話のEDでも差分が発生。歌い出しの箇所で、夜空に流れ星が流れていくのは1話のEDだけ。イカ娘が死んだと勘違いしたイカ帽子の魂が星に?(笑)
#1A「侵略しなイカ?」
原作1巻第1話「侵略しなイカ?」
脚本:横手美智子 絵コンテ・演出:水島努 作画監督:石川雅一
#1B「同胞じゃなイカ?」
原作1巻第3話「逃げなイカ?」&原作1巻第17話「同胞じゃなイカ?」
脚本:横手美智子 絵コンテ・演出:水島努 作画監督:石川雅一
#1C「最強じゃなイカ?」
原作1巻第2話「吐かなイカ?」&原作1巻第5話「好機(チャンス)じゃなイカ?」
脚本:横手美智子 絵コンテ・演出:水島努 作画監督:石川雅一