ディスク7・8は、通常放送版の収録は1話ずつのみ。
ディスク7には前に書いたようにパイロット版(2時間)が収録されていて、ディスク8にはナイトライダーの直系の続編『新ナイトライダー2000』が収録されている。
シーズン1のオープニングもこれで見納め。
しかし、DVDにはオープニングの日本語吹き替え版は途中の部分までしか収録されていない。
日本放送版ではシーズン1該当話数はシーズン2の後に放送され、それに合わせて、シーズン1該当回のオープニングもシーズン2準拠で、ボニーとエイプリルの部分だけ差し替えた日本オリジナル編集でされているので、吹き替えが微妙に合わないと思われ。
でもシーズン3のオープニングの吹き替えも不完全なので、ボニーのことをちゃんと紹介したオープニングはシーズン4以外ないことに…
…恨むぞユニバーサル。
「コンピューター泥棒を追え!ナイト2000大追跡ジャンプ!!」
(原題“NOBODY DOES IT BETTER”…訳すと、「誰も上手くやれない(アイツが一番上手くやる)」)
ゲーム会社に産業スパイが入ったことについての調査依頼がナイト財団に入る。マイケルは会社幹部のジュリアンが怪しいと睨んで調べるが、彼の周りにはフラナリーという謎の女性がつきまとっていた…
冒頭は、目出し帽を被った全身黒タイツがゲーム会社に侵入しようとするシーンから始まる。
「今話の事件の発生か?」と思ったら、その犯人はすぐに捕まってしまい、社長室まで連れてこられたらそこにデボン登場、目出し帽を取ったらその正体はマイケルであり、今回の事件がすでに起こっていて既にナイト財団が調査を開始していたと判明する…
シーズン1も終盤となり、フラナリーに本筋とは違うところで翻弄され事件の核心に迫れないマイケル、後々に判明する真犯人の正体など、凝ったシナリオが展開されるようになってきた。
マイケル・ジュリアン・フラナリーが犯人に捕まった後のカーチェイスシーンや、真犯人との最終決戦では『ナイトライダー』に珍しい雨中の戦いとなっている。
…ただ、最終決戦の撮影は、キットのカウル横に取り付けたカメラからの映像が、レンズが泥水で汚れまくっていて、ほとんど見えないという残念な事態に(汗)
「死の銃撃戦!マイケル・ナイト2000」
(原題“Short Notice”…訳すと、「性急な通告」)
ヒッチハイクしていた女性・ニコルを乗せ街まで向かう途中モーテルに泊まったマイケル。そこに二人組の男が襲いかかってきて、マイケルは格闘のもみ合いの末、男の一人を射殺してしまう。ニコルは姿を消し、マイケルは第二級殺人容疑で逮捕されてしまう。デボンの助けで保釈されたマイケルは、陪審が始まる前に自分の正当防衛を証明しなければならなかった。正当防衛の証人であるニコルを探し当てるが、彼女は陪審での証言を拒否。モーテルを襲った二人は、ニコルの夫ハロルドの部下で、人質になっている娘ナタリーの救出をニコルは目指していたが、ハロルドは自分の下から逃げたニコルを制裁しようと躍起になっていた。マイケルは娘を助け出す代わりに証人になってくれと頼むが、一方、部下を殺されたハロルドはマイケルへの復讐をも企てていた…
日本未放映のエピソード。
マイケルに殺人容疑、しかも証人は証言拒否でいきなり背水の陣、別の事件を解決しなければならず、おまけに命を狙われる、という緊迫したストーリーが展開される。
こんなに魅力的なエピソードなのに、なんで日本で放映してくれなかったのかと恨みに思うほどの出来である。
正当防衛とはいえ、実際に引き金を引いたのがマイケル自身、というのがネックだったのだろうか?
「事件を解決しないと、証言者が協力してくれなくて、ピンチ!」という展開は、「消えた証人を探せ!爆走ナイト2000波止場の大激突!!(THE FINAL VERDICT)」と似たものがあるが、あっちが、証言者が必要とされている事件と証言者が抱えている事件がまったくの別物で、片方が「いやぁ、証言が間に合って無実になって良かった」とひどく簡単かつ強引に解決された、というものであったのに対し、今回の話は、どちらも同じ犯人、しかも一つの当事者は主人公マイケル本人なので、クライマックスで敵と対決したら両方の問題がキレイに解決、ということで話としてまとまりがいいよな。
後半は、ニコルと救出した娘ナタリーを裁判所まで送る旅になる。
キットと秘密の会話するナタリーの様子が微笑ましい。
特に、ナタリーは「楽しくないわ」が口癖("fun"という単語を良く使う)のようだが、終盤のアクションシーンでキットの派手な走行を体験して、「面白い?」というキットの問いに「うん!(Yeah!)」と満面の笑顔で答えているのが、何とも微笑ましい。
キットがナタリーを脱出させている間、マイケルとニコルはハロルドたちとガチンコ対決。
リボルバー式拳銃を片手に、カントリー風の建物の影を進みながら敵と銃撃戦を繰り広げるという、西部劇の世界が展開されるのが憎い。
最後の、キットと敵の車が真っ向から接近し合ってのチキンレースは、無敵カー・キットの性能を見るに結果は明らかなのだが、それでも低い位置からのカメラの撮影映像をクロスカットさせて見せるのは、燃えてくるシチュエーションだねぇ
最後、マイケルが話の冒頭の状態になぞらえてニコルに「ヘイ、ヒッチハイカー、乗ってくかい?」と尋ねて、二人いい感じで財団まで戻っていく、始まりと終わりを意識した〆方も快い。
…と、シーズン1のエピソードはこれで終わったわけだが、DVDセットに収録された最後の話、『新ナイトライダー2000(KNIGHT RIDER 2000)』のこと…
うーん、ナイトライダーファンならば誰もがそうだと思うが、あまりこの作品について語りたくないなぁ…
いや、ある種の言いたいことは山ほど出てくるので、語れないワケではないし、むしろそのことで語りたい人もいるだろうが、それはすなわち壮絶な愚痴り合いになることを意味する(汗)
『ナイトライダー』シーズン4の終了から5年、放映当時は10年先の未来だった西暦2000年を舞台にして、マイケル・デボン・キットが再集結、新たなメンバーも加わって、『ナイトライダー』の新たな物語が始まる……というのがこの『新ナイトライダー2000』。
以前、私がまだ満足にインターネットも見られず、シーズン3より後の話がどのようなことになっているか知りもしなかった時分のこと、私の何度目かのナイトライダー熱が再燃していて、どうしてもシーズン3より先の話が見たい、というか『ナイトライダー 激突!装甲戦車』(=シーズン4第1話)以外にそんなものがあるのか、いや存在していてくれ、などと思っていた時があって、そんな時に深夜の映画放送枠に「ナイトライダー」の文字を見つけて、喜び勇んで見た思い出がある。
新聞のTV欄には「字幕版」(=吹き替えは無い)と書かれていて、作品を見るまでは「なんで吹き替えてくれないんだよ!」と怒ってさえいたと思うが、実際見てみた後はこう思った…
「ああ、吹き替えじゃなくて、本当に良かった」と(汗)
だって、佐々木功さんたちの声で吹き替えされていた日にゃ、それで慣れ親しんでいる私にとっては、その作品を正史扱いにしなければならなかった(オフィシャルでは正史なので、個人的な気分として、という意味だが…)ので。これが私が愛した作品の真の結末なのだ、と。
つまり、それほど期待にそぐわなかった作品を見せられたということですね。
なんせ、無敵を誇った82年型トランザムのナイト2000は、登場シーンであっさり分解され済みで姿が出てこない…
かつての熱血漢・マイケルはすっかりヘタレで何とも残念な姿になっていた…
デボンにとって残念な結果が訪れるが、それが本筋の事件の進展とは関係ない流れで起こって必然性が感じられない…
今話で退場するマイケル・デボンに代わって、その二人からかなり見劣りする主役コンビに交代…
ニューデザインとなったキット…ナイト4000は見た目カッコ悪い上に機能がちっとも魅力的じゃなくてスペシャルカー感皆無…
オリジナルシリーズで魅力的だった勧善懲悪のシンプルな流れに比べ、この話の終劇時の爽快感は相当薄い…
他人が見れば、少しは面白いところ・魅力的なところも見つけられるかもしれないが、個人的には『ナイトライダー』としてみる上での不満点の方が大きくてねぇ…
というか、このDVDセットはなぜにこんな位置にこの作品を収録してるんだろうか。この後は、シーズン1から直結のシーズン2・3が控えているのに。
…ということで、気を取り直して、シーズン2と3を見よう!!(笑)