特撮オタクにとっては注目回。
平成ウルトラマンシリーズで、手堅くて印象的な回を数多く手がけてきた太田愛が『相棒』脚本初登板。
『相棒』の作品的な性格は、生みの親たる輿水脚本よりも、シーズン中の脚本家の手によって作られてきた印象もあるので、その意味でも要注目。
輿水脚本では、新相棒・神戸を薫のイメージに被らないようにしようという方向性が見られたのだが、今回は、神戸のキャラクターや立ち位置を、薫のそれに近づけようとする意識が感じられた。
神戸が結構マヌケな姿を晒していたんでねぇ~
(ちなみに、薫がいないおかげで特命コンビと捜一の絡みがイマイチ弾まないせいか、芹沢が特にひっかけもないのに、うっかり特命コンビに情報を漏らす流れになっていて、芹沢のドジっ子ぶりがだいぶ浮いている(笑))
神戸のキャラクターや立ち位置がまだ開発途上な分、その不安要素の保険というか、『相棒』の2話目にしてはオーソドックスな内容で攻めてきた。
登場人物の誰もが不自然な説明口調、突如始まる容疑者たちの自己紹介、偶然殺人現場というか殺人事件発生エリアに出くわしてしまう主人公…という推理モノの定石をこれでもか積み重ねていく構成で、まるで現代の推理モノの初期バイブルともいえる『名探偵コナン』を観ているかのような感覚に…(汗)
(ちなみに『相棒』は、右京たちの刑事という立ち位置を活かして、事件のあるところに乗り込んでいくことが多く、毛利小五郎みたいな偶然居合わせのパターンは、『女王の宮殿』他数えるぐらいしかない)追記:失礼。巻き込まれた方が多いよね、特命係、というか主に薫ちゃん(笑) 右京と二人セットで巻き込まれるのは珍しいかもしれんが。
しかしまぁ、話がオーソドックスな割には、殺人トリックは偶然性が高くて確実なものではなく、行動の説得力に欠けた辺りは苦しい感じがする…
神戸をダシに使った挙句、「動物の鳴き声がする」という誰に対しての言い訳なのか不明な理由で他人の机を無断で漁るとか、右京のキャラクターがどんどん過激になっていく…
犯人逮捕のためなら強硬な手段も辞さないキャラだったけど、そこまで露骨に犯罪的だったっけ?