全パートにわたって、思いのほかレイアウトに偏りがあるとか画面のバランスが悪くて、いったい誰が今回の話作ってるんだと絵コンテ・演出をチェックしたら、畑博之…
えーっ、6話の時はもっとがんばった画面構成だったじゃないか!
『銀魂』とか『宇宙ショーへようこそ!』の演出担当もしてたんだぞ。
なんで今回に限って…と思ったが、作画が殊のほか冴えていなかったので、連動してレイアウトも崩れたのかも…
何せ今回一番作画が良かったのが、“美味しそうに焼けた肉”だったからな(^^;) 人体デッサンがんばれよッ!
「焼かなイカ!?」
原作9巻「焼肉じゃなイカ?」
このサブタイトルだと、イカ娘がムキムキマッチョを目指して日焼けに挑戦するあの話(原作1巻)がまずよぎってしまう……そんな原作読者の私(^^)
原作ではそうでもないのだが、焼肉争奪戦に相沢家内で火花が散る話。
でもこの手の話だと、自分のプライドを保ちつつ如何なる手段を使ってでも他のヤツを出し抜こうとする登場人物の腹の黒さが足りないなぁということが感じてしまう……そんなアニメ『銀魂』ファンの私(^^;)
というか、栄子だけが焼肉に執念というか怨念めいた執着見せているに過ぎないので、要らない気を回しすぎている栄子に空回り感がせんではない。
こーゆー話にするなら、欲望の赴くまま素直に焼肉パクついてないで、イカ娘や千鶴にも参加させろよ、焼肉争奪計略戦線!
また栄子中心に話が進む、イカ娘の影が薄い話になっているなぁ…
栄子・イカ娘・千鶴で焼肉争奪戦して、最後に千鶴が勝ったと思ったら、蚊帳の外だったたけるにみんな気付いて反省して、おいしいところを全部譲るというオチなのだが…
争奪戦の様子がヌルい割には、3人が受ける「(しまった、たけるのこと、忘れてた…!)」というショックが、演出的にデカすぎ。
逆を言えば、ショックのデカさを演出している割には、争奪戦部分の演出にしつこさがなさすぎ。
「護らなイカ!?」
原作10巻「護身術じゃなイカ?」
鮎美、護身術を習う/千鶴、護身術を教えるの巻。
画面レイアウト手前に座ってる栄子と鮎美の背景に浜辺のゴミを拾うイカ娘の構図で、栄子が「護身術を学びたいなら私よりも他に…」と言ったところで、早苗がイカ娘に突っ込んできたと思ったらいつものごとく触手で弾き飛ばされて、「あれは参考にならんな」と吐き捨てられるのを、ワンカットで全部見せてしまうのが、なんだか好きな笑いの演出だったなぁ~
護身術をマスターした鮎美が、不意に近づいてきた南風のおっさんまで合気道で投げ飛ばしてしまって「反抗期か…」とか勘違いされてしまうのが一応のオチなのだが、アニメ版のおっさんはそれでもまだまだ余裕の表情だった。
原作では、愛娘に邪険にされた親父という生き物の悲哀っぽいのが感じられたのが好きだったし、オチがはっきりしてて良かったのに。
ある意味千鶴以上に手強い存在のおっさんのキャラを大事にすると、アニメ版みたいな解釈になるか。反面、オチがはっきりしないけど。
「寒くなイカ!?」
原作9巻「寒くなイカ?」3巻「侵略!イカ娘 in Winter」
“ずっと真夏の地上侵略コメディ”が冬になる話。
今回のパートの中では一番料理しやすいネタだけに、オリジナルも面白い形で膨らませていた。
ベースは3バカが海の家れもんに超強力冷房機を付ける話で、そこにイカ娘たちが雪遊ぶする番外編を接続しているが、侵略部の面々や早苗もうまく合流させていた。
「いやー体感的に3年くらい夏が続いてるような暑さだったからな」という原作のメタセリフは、アニメ1期の開始時期に合わせて「夏が1年以上続いてるような」に変更。
でも、原作は間断なくずっと続いているからメタセリフがくすりと笑えるものになっているけど、アニメは断続だからちょいとセリフの改変具合がお笑い的に弱い気もする。
EDアニメーションは雪降る浜辺を歩く冬着イカ娘、という大幅改変。
でも、サビ開始以降が夕方の光景になるのに合わせて、雪verのEDでも暗くなるのだけど、曇り空をそのまま暗くしているので、なんか文字通り灰色な気分がする色彩設計に…
色彩、もうちょっと何とかならんかったのかなぁ…
次回予告ナレーションは清美。侵略部副部長だったことがこんなところで判明(^^)