思い返してみて、私が『イカ娘』にハマったのって、イカ娘のキャラクターにあったんだよなぁ、と
凡百の萌えアニメにありがちな、どんな性格をしていても男主人公の好意を得るのに媚びた表情もしくは笑顔・得意顔ばかり見せるキャラクターたちとは一線を画し、侵略するという意図ですごく悪びれた表情も見せたり、多彩な表情や行動を見せてくれるところだった。
今期はそういう悪びれた部分が削ぎ落とされて、萌えに走りすぎてる気がしたが、今話は侵略にこだわっていたり、原点的な部分が多く見れたのが良かったなぁ。
シリーズ構成・横手美智子、副脚本家・國澤真理子、1期監督・水島努、2期監督・山本靖貴に続く、第5の脚本担当・満仲勤のお蔭か?
今話のA・Bパートの脚本・絵コンテ・演出が満仲勤だったが、原作に沿いながら、原作から発展させたオリジナル部分が違和感なく、なおかつ面白かった。
『おおきく振りかぶって』で魅せた演出力を活かした1期10話「野球しなイカ?」や、2期2話「小学校に行かなイカ!?」でもそうだったけど、動きで魅せる部分が大きいオリジナル。
最近の作画力低迷は、この回にリソース回すためだったのかな、と勘繰りたくなるぐらい動いていたなァ~
早苗が催眠術を会得して海の家れもんに困惑をもたらす話。
催眠術にかかったふりをする登場人物の様子を描いて、最後にまったく相手にしないイカ娘にがっかりする早苗を描いて原作は終わりだったが、アニメではイカ娘が催眠術にチャレンジして大成功してしまうオリジナルが追加。
侵略以外のことは何でも卒なくこなしてしまうイカ娘なので、さもありなん、なオリジナル。もちろん3バカの発明品の影響だったが。
原作ラストのコマは、エビで釣られて操られるイカ娘で〆られていたが、アニメでは、催眠術で海の家を操ろうとしたことで千鶴の怒りを買ったイカ娘が言うことを聞かざるをえない状況になり、催眠術というテーマと登場人物の相関関係を上手く使ったオチに。
しかも、お調子者のキャラクターが「もう○○はこりごりだー!」と叫んで終わる定番オチに繋げて、心憎い。
作画の方は、イカ娘の催眠術にかかった渚(サル)・栄子(カラス)が、まぁよく動く。
冒頭、糸に吊るした5円玉でアレックスを陥落しようとする早苗を真横から描いたカットで、5円玉を揺らす手の微妙な動きがリアルに細かく動画されていたところからして、何か作画への力の入れようが違う感じ。(フツーなら、手を固定して5円玉だけを動かすように省力するはず)
南風のおっさんと宇宙人調査チーム3バカトリオがタッグを組んで、3代目ニセイカ娘を作成し、イカ娘と対決する話。
原作ではページの都合上あまり稼働してなかった3代目ニセイカ娘だが、3バカのオーバーテクノロジーがアニメでは遺憾なく発揮されていて、触手攻撃対決・イカ墨攻撃対決など、白熱したイカ娘VSニセイカ娘の対決になった。
いろいろなバトルものでもそうだが、同じ能力を持った者同士が互いに秘技をぶつけ合って拮抗するというシーンは、いいねぇ
今回だと、イカ墨対決↓が
以下のような感じに見えて…
…すみません、完全に私の趣味での選択ですね(笑)
原作ではオート機能付きロボットという感じで無機質な存在であったのに対し、アニメのニセイカ娘は、イカ娘のメンタルを抉る毒舌攻撃を的確に繰り出し、最後に「じゃあな」と言って3バカたちの後に付いて帰っていくなど、A.I.が付いて独立したいちキャラクターみたいな存在になっていたなぁ。
ニセイカ娘というか、メカイカ娘と呼んでもいいような感じ。姿は似ても似つかんがな。
しかし、3バカにすら「メンタルが弱い」と看破されてるイカ娘が哀れだ(笑)
「ふたりきりじゃなイカ!?」
原作4巻「悪じゃなイカ?」9巻「千鶴と2人きりじゃなイカ?」
カンのごみ箱にビンを捨てて、悪事を働いた気分になるイカ娘が、可笑しみがあってカワイイ。
千鶴とおしゃべりして打ち解けたと思ったら、ラストにイカ娘が「人外の割に人間っぽいところがあるね」みたいな発言をして、千鶴の怒りを買うが…
原作では発言に千鶴がしっかりショックを受ける様子を描いたコマがあって、その後怒ったっぽい千鶴がイカ娘を説教部屋に連れ込む、という流れだが、アニメではイカ娘の発言直後、千鶴を背後から撮るアングルのカットに切り替わって「…私、人間なんだけど」とドスの効いた声で来るので、落胆するよりもまず先に怒りが頂点に達した感じ。
原作がまだ千鶴の感情を同情的に描いているのに対して、アニメは最終兵器魔王・千鶴の発動を的確に表現してるな(笑)
EDはメカイカ娘登場。やっぱり動きがキモイ!