『続~』を、冒頭のゴジラのために録画。
なんと邪な録画目的だろうか(笑)
実写国産怪獣映画が絶滅寸前の現在、怪獣映画ファンの中ではこの冒頭を差して“最後の国産怪獣映画”などと言われることも(笑)
「是非このクオリティで次回の怪獣映画を…!」などと望む人もいるようだが、残念ながら私の目には『ガメラ3』以上の映像センスがあるようには見えないなぁ
『GFW』よりは地に足がついたVFXかなと思うし、この映画の中では所詮お遊びの部分なのだから、スタッフが本気だせばもっとすごくなるかもしれんが。
話のメインが、夕日町の茶川駄菓子店と鈴木オート周辺のセット内が繰り広げられ、他の部分・背景のほとんどはミニチュアとCGで当時の様子を再現しているこの映画。
セットは少ない規模で作って、他の広大な部分をCGで補って、セットの窮屈さを感じさせない広大で栄える見かけにできているのは、お安く仕上がっててお得だろうな。
『三丁目~』も『続・三丁目~』も、脚本は監督・山崎貴と共同で、私の大好きな古沢良太が担当。
私にとっては『相棒』でおなじみ、舞台劇の映画化『キサラギ』でも脚本を書いていて、結構面白く仕上げている。
小さいエピソードの積み重ねをしながら、ラストに向けて映画全体を俯瞰して終えるように着実にタメを作っていっており、古沢脚本はまっとうなことをしてると思うのだけど、いかんせん撮り方がなぁ…
個々のエピソードの時だとそんなに気にならんのだが、特に物語の全体を〆るべきラスト付近でダメさというか、感情移入を不十分にする撮り方をしてる気がする。
『三丁目~』の時は、本当の親元から戻ってきた淳之介を茶川が何度も突き放そうとし、何度も茶川を掴もうとする淳之介と何度も淳之介を放そうとする茶川のシーンが繰り返され、最後には本音が漏れて茶川が淳之介を抱きしめるというシーン…
場所がかなり奥行がない歩道のところでこれをやっていて、しかも二人のバストアップショット(接写)を細切れにして編集しているので、狭ッ苦しそうな場所でせせこましくやり取りしてる感じしかしなくて、見てて落ち着かない。
『続・三丁目~』の時は、またも淳之介と引き裂かれる茶川が最後の言葉を伝えようと淳之介を連れ出したところに、出て行ったヒロミが帰ってきて、淳之介の話共々丸く収まるというところ。
みんなが集まっているところから連れ出して二人きりの話をしようというのに、鈴木オートの家の中から出てすぐの、鈴木オートの家の真ん前…しかも、その様子をみんなが見に行くというカットが工夫なく映し出されるので、連れ出した意味があまりないことが強調されてしまう上、そんな状況のところにヒロミ帰還し、みんなに見られてることそっちのけで「これからはずっと三人一緒だぞ!」と盛り上がってしまうので、茶川側の状況と見ているみんなの状況が絵的にちぐはぐに接続されてて、なんだかなー…
ちなみにかなりどーでもいいことかと思いますが、『続・三丁目~』で茶川が芥川賞候補になった作品、しかも今後の生活を筆一本でできるかどうかを賭けた作品は実体験を基にした私小説の体だったが、この路線で将来食っていこうとすると、実際の人生によほど紆余曲折がないと、後々もこのクオリティを保てないのじゃないだろうか、と要らん心配をしてしまった(汗)
二週連続で『三丁目~』と『続・三丁目~』が金曜ロードショーで放送されたわけだが、淳之介役の須賀健太の成長ぶりが、映画的に残念すぎる(汗)
二作目では声変わりが始まって、茶川が守ろうとするか弱い対象、という風には見えなくて、おまけに、お向かいの同年代・一平が前作とそんなに変わってないから余計に変化に違和感が…
そして明日から公開の『~'64』では淳之介は高校生のはずだが、すでに吉岡秀隆(31)の見てくれと大差ねぇ!
それにしても、堤真一はこの映画ではいい演技してるなぁ~
気が短くて粗野だが気取らず接しやすい良い親父というのを、オーバーになりすぎず分かりやすく、けっこうな自然体で演じられているので。