劇場版の監督が山本泰一郎に代わってから、初めてじゃないでしょうか、ここまでバランス良く面白い作品に仕上がっているのは。
相変わらず、前提条件の説明に尺を使いすぎていて演出が間延びしているように見えたり、テンポや上映時間を有効活用している風ではないのだけど、犯人たちが行動開始してから起こっていく事件が、脇道に逸れずに直線的に進行していくので、話を追いやすいし、コナンとテロリストたちの直接対決まで緊張感が続き、その直接対決で伏線とカタルシスを一気に開放というのも、クライマックスでの充足感があって良い。
過去最高にスケボーアクションがキマっている!
ラストバトルで、飛行船が現実的に考えればありえないことになってしまうが、犯人に最後の一撃を与える一発逆転というハッタリ効きすぎてて、むしろ好きです。
幼いコナンを一切の躊躇なく上空から放り捨てるというのが、情け容赦なくて敵として分かりやすいし、ここまで分かりやすいと絶対黒幕いるよな、という伏線まで読めてしまう親切設計。
今回限りのゲストキャラの子どももシナリオ展開にそれなり貢献させていて、脇の小ネタも上手く拾っているし。
…ただ、映画おなじみのダジャレクイズは、合間に入れるのキツかったのか、初めて終盤で披露されたが。
あ、話の行く末を決めるオチを、エンディング後に明かすやり方も今回初だな。
そして、超二枚目のキザったらしキャラとして定着してしまった怪盗キッドが、『まじっく快斗』ばりの二枚目半ぶりを披露して、怪盗キッド元来の立ち位置に戻ってきてくれたのが嬉しい。
おかげで、一つの敵に対してのコナンと怪盗キッドとの共闘というスペシャル要素も、それほど違和感なく受け入れられる。(緊急事態に対して協力するというのは、『銀翼の奇術師』であったけれど)