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1話アバンの、水彩画チックなボヤけた影の付け方をした特殊な仕上げと、PUFFYの歌と「みんなのうた」チックな簡略の行き過ぎた記号アートなアニメーションで、最初「NHKアニメ!?」と思ったりした(笑)
松ケン・芦田愛菜主演で実写映画が公開されるのに合わせて、『ハチミツとクローバー』・『のだめカンタービレ』みたく宣伝兼ねてアニメ版も放送しよう、という企画で作られたであろう、実にフジテレビ・ノイタミナ的発信なアニメ。
ちなみに、関西は「ノイタミナ」という枠ではなく、「アニメわ~く」という枠名称になっている。
制作しているのはプロダクションI.G.で、日常ドラマ系アニメをI.G.が手掛けるのは意外な気がする。
…って、調べてみたら、『君も届け』もここでしたね(汗)
爺さんの隠し子という身寄りのない幼女を、冴えない30歳独身男性が引き取って、慣れない子育てに奮闘するという、よくある設定の疑似家族モノ。
「爺さんの隠し子」の衝撃性以外は、物語の前提設定はよくある感じなのだが、よくある設定というには中身がちょっと異質な気がする。
子育て奮闘モノに、というか、この手の日常リアクションが大事な作品には当然あるべきであろう“衝突”がない。
たとえば、育てる側の方が、子育てを甘く考えていて失敗したり、「この子は一体何を考えているんだ、さっぱり分からない!」とか子に理不尽な怒りを覚えたり、仕事と子育てどっちを優先させるのか悩む場面に突き当たったり、子どもの方は「(おじさんは、私のこと分かってくれない)」みたいな事を言う…いや言葉には出さずに行動だけなんか変になっていたり、とか…
登場人物同士の考えや思いのズレ、理想と現状のズレが発生して、そのズレの不満を他の人にぶちまけて“衝突”したり、葛藤の末打破しようと突き進んでいく“衝突”が起こってドラマが進んでいく、というのが普通のTVドラマとかの作劇だと思うが、この作品にはそれがない。
りんが悩んでいる理由をすぐに察して解決したり、仕事もほとんど迷いなくスパッと変えたり、あるいは、葬式の場で親類に無下にされても不満を発露させることなかったり、託児所でも不満を感じなかったり…
大吉もりんもいい子すぎます。
とはいえ、この作品見てる分には、それがとっても心地よかったりするんですが。
1話終盤~2話前半の、年下の叔母さんネタを活かしたやり取りはちょっと好み。
現実的かどうかで言ったら、葬式でやたら暴れまくってたウザい親類の麗菜とか、「りんちゃん、それ壊さないでね。バイバーイ」と仲良さげながら自分の都合を押し付けて帰ってく託児所の子みたいに、我を目一杯主張する子どもの方が、現実的。
劇中にそういう人物が的確に描かれているということは、制作側に描く能力がないのではなく、メイン二人のキャラクター設計をわざわざそういう風にしているということで、ここら辺突いても詮無いことではある。
3話目で、りんの本当の母親の情報が入ってきて、ようやく衝突要素が発生してきた感じではある。