脚本:太田愛 監督:近藤俊明
たまきさんが一時入院した病院の同室の少女の証言から、公害問題解決に動く若手国会議員が変質者まがいの行動をしていたことと、ルポライター殺人事件に結び付いていく話。
解決までの変遷のお話を捻ってくる『相棒』では、どうということもない話。
最初の5分に出てきた要素で、話の展開とオチが完全に読めてしまう、ものすごいストレート展開。
今時と言っては失礼かもしれないが、環境問題という大枠ではなく公害問題(それも過去の被害云々の話ではなく現在進行形の事件になっている)に絞って話が構成されているあたり、Season7正月SPを連想させるので徳永富彦脚本かとも思ったが、実際は太田愛脚本…
話の展開をあまり捻らない回の場合は、大抵キャラの方を捻ってきたり描写を充実させたりするのだけど、そういった遊びが薄すぎて、全体的に薄味な印象に終わってしまった…
登場人物の会話のすべてが説明セリフ、とすら思える。
最初の病室での、少女や母親との会話もおそろしくテンプレートで、ああいうタイプのテンプレートが苦手な私には見てられなかったほどだったし…
徳永富彦脚本もいろいろ不評が多いけど、ストーリーを進める中での登場人物の扱いやキャラの転がし方はまだ上手いレベルだと思うので、話もキャラも不作続きの太田愛の『相棒』適性を疑ってしまう(←何様?
神戸が国会議員と警察庁&福祉省の知り合いだったのでスムーズに取り調べできたり、右京に「君にうってつけの役があります」と言われて高級クラブに潜入させられたりと、神戸尊のストーリー上の使い方について「こういうこともできます」と可能性を示した回だった、とも言えるけど、神戸の経歴や容姿を利用しているだけなので、キャラが膨らんで面白くなったかというとそうでもなく…
今回の犯人は、地位の割に何でもかんでも自分で動きすぎ(地位の高い人は自分で動かずに人を使う)で、「わざわざそんなことを自分で出向いたり自前でやってるから、逆に怪しまれるんじゃねぇのか?」というお間抜け感があるんだけど、キャリアの若さを考えると何でもかんでも自分でやるしか他に仕様がないというリアリティがあるので、あんなモンか。
そして、今回の話で一番面白かったのは、議員が罪を認めて『相棒』が終わった直後に「民主党・小沢幹事長 不起訴」という『報道ステーション』の予告が流れたことでしたが(笑)