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Take@管理人が、知ったかぶりのテレビ番組批評やとりとめもなく面白くもない日記などを書く、オタク臭さ全開のくどい不定期更新ページ(泣)
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エンドカードにて

 あのー、こんな密やかなところで、幼少の視聴者には分からない表記で、続編への継続を謳い上げるのはやめてくれんかなぁ…
 もっと目立った形で表明してくれないと、今日のが『00』の完全な最終回だと思われて、尻切れトンボにも程がある終わり方になってしまうんだけど。
 あっ、ひょっとして、土6(今度から日5になるらしいが)のゴールデンタイムに戻ってこれず深夜枠で放送という『ガンダム』としては不名誉な事態がありうるから、あまり大々的に言いたくはない、とか?

 まぁ、そんな感じで第1シーズンに出してきた謎や伏線をあまり解消しないで終わってしまった『00』だけど、その未消化な要素の量に比べると、消化不良感は思ったほど大きくなかったりする。
 これはスタッフが頑張って、リキの入った激しいロボット戦闘作画、勢いと耽美さを両立させたキャラ作画、ヒロイズムに満ちた最終決戦的なシチュエーションなどなど、第1シーズンの最終話というこの場この瞬間を盛り上げる労力を、惜しみなく投入してくれた御蔭でしょう。その分がかなりプラスになって消化不良感を抑えてくれている。
 とはいえ、まぁトータルで見ると、ゴチャゴチャした話になっちゃったかなぁ…

拍手


 オーバーテクノロジーな無敵のガンダム4機を使って、武力による戦争根絶という矛盾に満ちた行為を遂行していくことから始まったこの物語も、世界がガンダムの力を手にしたことで、主人公側のガンダムを壊滅する作戦が始まり、2クールをかけて深めてきたキャラたちが敵味方関係なく次々と戦死していく最終決戦へ。

 

 まさかここに来て、とうの昔にシナリオ的な決着がついていたはずの二重人格キャラ・アレルヤを活躍させて押し出してくるとは。
Before After
 半面を隠していた長髪を後ろに束ねて、相反する二重人格同士が協力して本気モード、というのは画的にも寓意的にも分かりやすい安易な最終決戦っぽさだけど、アニメキャラが髪型変えるとだいぶイメージが変わって新鮮な感じがして、ちょっと「おおっ!」と盛り上がってしまった。
 四方のディスプレイに反射した自分の姿が別人格として(カットごとに)話しかけてくる、という演出も、ありきたりなんだけど、リアリティを損わないレベルで踏みとどまっていた今までの二重人格表現の演出に比べると少し冒険していて凝っていて、ここぞの演出という感じになっていたので、それもまた面白い。
 おまけに、右半身を失ったガンダムキュリオスで、今まで痛めつけられていた2体の敵ガンダムを圧倒する、というシチュエーションも、作画力に助けられて、かなり盛り上がる。

 哀しいかな、相手にした2体というのが、頼れる中年・セルゲイと着実な人間的成長を遂げている軍人少女・ソーマ、という二大高好感度キャラだったので、完全勝利はさせてもらえなかったけれど、しかし、実際は両者ボロボロの敗戦状態なのに、アレルヤ・セルゲイ・ソーマの誰もが勝利したかのような雰囲気で終わらせられるシナリオの匙加減は大したモンだ。
 ソーマがアレルヤの見知った人物(肉親?)だったという衝撃的な事実も判明したし、右眼に大怪我を負ってビジュアル的に目立つ外見になったし、アレルヤのピンチを救ってきた好戦的別人格・ハレルヤも消滅して、これからは一人で戦っていかなければならないという葛藤、なんてドラマを深める状況も付加されたことだし、第2シーズンに向けてシナリオ的に優遇されそうな要素を持たされて退場したなぁ~


 肝心要の主人公・刹那とラスボス臭漂うアレハンドロ・コーナーとの戦いに、ガンダムエクシアで勝利するヒントを伝える者として回想に現れたり、あるいは死ぬ間際(?)のティエリアに「もうすぐあなたの許へ…」と言われたり、ここにきてもロックオンは良いポジション与えられてるなぁ~


 …でも、同じく良いポジション与えられたはずのグラハムが、何の脈絡もなく突然宇宙に現れて、しかも擬似太陽炉搭載型フラッグなどという「いつの間にそんなモン作ってたんだよ!?」「っていうか、“フラッグでガンダムを倒す”と宣言してた割に、ガンダムと同じエンジンと武器積んでちゃ、それってフラッグの形をしたガンダムに乗ってるんじゃねぇの!?」と言いたくなるシロモノに乗って、ラスボスを倒したガンダムエクシアに復讐鬼として襲いかかってくる真ラスボスとして登場してきたのは、何じゃこりゃ!?
 これまでのキャラを深めていく丁寧な積み重ねに比べて、あまり杜撰な扱いではないか!
 なんか、アレハンドロがラスボスでは大味すぎるので、急遽ラスボスに相応しいキャラに仕立て上げでもしたかのような…

 とはいえ、グラハムほどラスボス、というか、主人公・刹那が最後に対峙しなければならない敵に相応しいキャラというのも、良く考えればいないわけで。
 刹那と正反対のキャラ付けがされているけど、モビルスーツで戦うことの部分については重なり合うところも多くあり、それなのに個人の持つイデオロギーが噛み合うことがない、という、刹那の鏡像みたいな存在だから。
 場の雰囲気的に「ガンダムの武力で世界を変える」ことを認められたかのような刹那をシナリオ的に本当に認めるためには、「そんなオチで本当にいいのか!?」と疑問を投げかけてくる存在を刹那が乗り越えることが必要であり、それが誰かというと、実は刹那自身が自分で自分に問いかけた場合にその意義の大きさが最大化するのだけれど、そんなことは実際問題無理なので(でないと、自問自答の『エヴァ』世界になってしまう)、「もうひとりの刹那」というべきキャラクターが必要になる。でも、何から何までそっくりだったら敵対する意味すらないのだから、どこかしら違うところがあった方が良くて、その点、鏡像的なキャラだとやりやすい。
 アレハンドロみたいに「私の邪魔はさせん」という我の押し付けで殲滅戦仕掛けてくる敵より、「なるほど、よく言った。しかし!」とこちらの主張にも納得してくれる部分があるキャラの方がありがたいわけで。
 それにラスボスとは言ったけれど、刹那に「お前は歪んでいる!」とかボロクソに言われてる割には、グラハムの意見には悪役めいたところが薄くて、むしろ正当性すらあるほどだし。
 そもそも、ここに到るまで、矛盾に満ちた行動目的を持つソレスタル・ビーイングの正当性(要するに創設者であるイオリア・シュヘンベルグが本当は何を企んでいて、それを知った後の刹那たちがどう決断するかを見せる、などのシナリオ展開)なんて明確には示されずに、なぁなぁで進められてきたわけで、グラハムはある意味それを最後の最後に浮き彫りにさせるために登場したとも…

 でもやっぱり唐突すぎるわな。

 あと、作品を総括するかのように、争うことをやめない歪んだ世界に対する絶望と疑問と陳情を書き記した刹那の遺書が出てきたり、それを読んでいるのが誰かというと、刹那と3回ほどしか絡んだことがないマリナだったり、唐突とまでは言わないけれど、「登場人物の言葉で作品を総括しときたい」というシナリオの都合を自然に視聴者に納得させるための段取りが充分ではない気がする。


 それと、これは「ガンダムシリーズ」として見た場合だけど、ずいぶんとこじんまりとした最終決戦になってしまったなぁ、という感想が…
 『ガンダム』ってのは延々と「戦争」を扱ってきたシリーズだから、どの作品も最後は国と国との威信を賭けた最終手段として万単位の兵を率いた軍隊同士の総力戦になるモンなんだけど、『00』の場合、戦記としてのダイナミズムよりも、キャラクター相関図を物語へ回収することを主目的にシナリオが紡ぐことを優先しているせいか、大規模化しなかったので。
 でもこれは、戦争が、国と国を巻き込む大規模な戦闘を行うものから、テロリズムなど世界中で細々と繰り返されるものへと、その語意を変えてきた時代的な感覚を反映させた結果と見るべきかもしれない。


 そして、最終決戦から4年後を描いたエピローグで、地球連邦成立。
 こういうアニメの中で「連邦」という単語が出てくると興奮しちゃうのが『ガンダム』体験者の性でして(笑)
 『ガンダム』っぽい部分が少なかった『00』だけど、この単語の御蔭で少し『ガンダム』を感じられるように…
 ひょっとして『00』第1シーズンって、『ガンダム』の「宇宙世紀」が成立するまでの時代っぽいものを描く試みだったりしたのだろうか?
 第2シーズンから宇宙世紀色が出てきてたりして。

 

 さて、今回が一応の最終話ということで、延々と感想を書いてきたもののけじめとして、総評を述べるべきなのだろうが、ちょくちょく言ってた通り、最近視聴態度がえらく短絡的で、広い視野で見てなかったから、全体を見通しての総評なんてとても…
 それに、いろんな意味でしっちゃかめっちゃかになっちゃった『ガンダムSEED』シリーズの後ということで、よっぽど作品的に大失敗な出来にならなければ、もうどんな作品になろうとも、諸手を挙げて歓迎して賞賛できちゃう心理状態になっているので、正当な評価なんてオレにはまず無理(汗)

 まぁ、見た目には派手に仕上がってた『SEED』に比べると、丁寧に作られていた分、派手さが抑えられていて、分かりやすい盛り上がり方が足りなかったのは、ちょっと考え物だったかもしれない。
 あと、シリーズ構成的に、沙慈やグラハム、ロックオンみたいに毎回毎回描写をじわじわと積み重ねていって、その有機的な繋がりが最終的にここぞという見せ場で爆発力を生む、という感じで成功したキャラがいる一方で、他のガンダムマイスターとか、ある回では登場したけどこの回では登場しなくてしばらく活躍してないなぁ、と思ったらいきなり登場しまくりだしたよ、という感じで伏線の有機的な繋がりに欠けていた部分もあって、ロングスパンで見るとところどころ苦しい箇所があったのは、シリーズ構成力に定評のある黒田洋介としては厳しかろう。
 とはいえ、あれだけの数のキャラとロボットを毎回出してきて有機的な繋がりを維持し続ける、というのは正気の沙汰でやれることじゃあないだろうから、それを考えるとあれで正解なんだろうなぁ。ゴールデンタイムの放送コードとか、玩具商戦とか、二次創作人気のためのネタ提供とか、外野からの意見も相当に多いだろうし。
 「今回の話でこちらの火は点いた。次回の話ではあちらの火を点けて…」という風に、連続的ではないけど、順々に点火していって、総合的に底上げしていって最後に盛り上げるというのも方法だろうし。

 何にせよ、第2シーズンがどういう仕上がりになるか、ですな。
 まだまだ全然回収できてない伏線が山ほどあるので、それらを放ったまま終わったりしたら、『SEED』に向けられた批判どころではないぞ。
 でも、太陽炉ってのは結局何なのかとか、ソレスタル・ビーイングの本当の目的とか、ガンダムマイスターがどうやって選ばれてきたか(あるいは志願してきたか、それすらもはっきりしない)とか、説明せずに「雰囲気で何となく分かるでしょ?」という感じになっているものもあるので怖いのだけれど。
 まぁ、単話的な盛り上がりがちゃんとある分、『SEED』との比較の上での『00』の評価は揺るがないが(汗)

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