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Take@管理人が、知ったかぶりのテレビ番組批評やとりとめもなく面白くもない日記などを書く、オタク臭さ全開のくどい不定期更新ページ(泣)
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 川原和久(伊丹役)・大谷亮介(三浦役)に親しく絡むこともなく、変なタイミングで相槌っぽく二人の会話にポツポツ割り込み、自分が語るとなると、自己分析はよくできてるんだけど修飾語ばかりでダラダラと長く脈絡なく話し続ける…
 Disk1特典映像のトリオ・ザ・捜一の山中崇史の人間性のどんくささに、とてつもないシンパシーを感じて仕方ない!(笑)


 それはさておき、Season4である。
 私が『相棒』という作品に開眼した記念すべきシリーズだったりする。

 その他のシリーズに比べると相当オーソドックスではあったんだけど、テレ朝×東映の刑事モノにしてはやけにスタイリッシュな、それでいて尖がりすぎてない落ち着きもあるOPタイトルの映像と音楽に惹き付けられて、「ちょっと見ててみよう」と思って以来どっぷりハマってしまったのだから、Season4のOPが私に与えた影響は偉大である。

 群像劇の要素もある刑事ドラマでは多数の登場人物(出演者)を紹介するのがOPの定石なのに、たった二人しか出てこない、それも薄暗く青系の彩に統一されていて目を惹かれる部屋で、明るいスライドを証拠品写真をパッパッパッとテンポよく映し出し、スクリーンの前に一人が紹介がてら立つのだけど、途中でもう一人と交代する時にカメラの低速度撮影による高速早回しになるのがこれまた目を惹き、その後種類の違う様々な静止画がモンタージュされていって、二人がそろった画が最後に出て、タイトルが表示される…
 いやぁ、いいねぇ~

拍手


 その回が、砂本量の最後の仕事「4-4 密やかなる連続殺人」だったのも、影響が大きかった。
 この後、その他の砂本脚本回を見てみたけど、どれもこれも私好みで、趣味が合ってたんだなぁ~

 大体私がハマる場合、目新しさがある時ぐらいなんだけど、今思えば「密やかなる~」って、結構土曜ワイド劇場の臭いが強くて保守的な感じがしてくる。
 連続殺人という過激さで視聴者の目を惹き付け、少数のはみ出し者が捜査を行うのがそれだし、自分が犯人と疑われないために警察の目をすり抜ける最低限のことしかしないトリックといえないトリックだってあまりに地味で西村京太郎原作の作品を連想しそうになる。

 しかし、そのトリックというのが、「縦割り行政のせいで情報交換がなされないので、別々の都道府県で殺人を行うことで大量連続殺人が気付かれなくなる」という、ギミックを使った一般的なトリックではなくて、行政システムという個人ではどうともできないところで動いているものを利用しているところが、今まであまり見たことがない手で、知的な犯人の匂いがして、すごく目を惹かれた。
 また、『踊る大捜査線』で味方が捜査を阻んでくるという物語を盛り上げるためのハードル要素として大々的に取り上げられ、その後の刑事ドラマの流れを変えたそのシステムを作劇に使うという手が、敵(犯人)に利用されるまでに到った、その要素の昇華も興味深かったように思える。
 それに、一件の事件から始まった疑惑の真相(といってもこれさえ物語の途中でしかなかったが)として明かされることで、あまり手間をかけない撮影方法で事件の規模が巨大だという昂揚感を効率よく演出することができる、アイデアの見事な使い方にも関心した。
 とにかく、トリック一つで、いろいろな意味の面白さを感じさせられたわけだ。

 その推理を右京に地図を使って説明されて、そんな推理なぞ不要だと、あからさまな敵意むき出して追い返した後、無言でおもむろに地図に寄っていて右京の推理を指でなぞり始める内村刑事部長が、何気にツボだったりする(笑)

 それに捜一の存在も大きかった。
 『踊る~』以後は本庁や勝鬨署みたいに主人公の行動の障害となる存在が大上段に出てくることが多くなり、それ以前においても『あぶない刑事』の神奈川県警みたいな扱いのもいたけど、総じてそういう存在は、主人公とは絶対に相容れない無機質な壁として単純に描かれるものとなっていた。でも、捜一はそういう類のポジションではあるにもかかわらず、ビミョーに外している。
 しがらみの多い組織捜査には加わらずにグイグイ進んでいって主人公としての魅力を炸裂させる窓際特命コンビに対して、警察組織のしがらみにバリバリに染まり他を見下すステレオタイプの悪役キャラと描かれ、事あるごとに突っかかって進行を阻んでくる花形部署の捜一、ってのはともすれば戯画的なぐらいの障壁ポジションなんだけど、他の作品のように主人公コンビの行動を完全に制約するほど絶対的な権威を持っているというわけではなく、軽くあしらわれたり、ほとんど無視に近い扱いを受けたり、最悪の場合、特命コンビと絡むことすらなく終わったり、敵としては役者不足の感じすらある。
 そんなのが『相棒』におけるいつもの捜一なのだが、この回ではさらに、別々のルートから容疑者に辿り着いて互いに出し抜こうと張り合うこともあり、壁というよりは主人公との競争的な要素さえがあったので、この手のキャラのポジションとしては新鮮な使われ方で、その競い合って話を進めていく様子が面白かったなぁ~
 また、主人公の破天荒なヒーローぶりを強調するために、ノーマルな立場と頭脳程度を知らしめる役割として捜一が機能していて、そういう、力関係を示す基本的な作劇ができているのも、いい加減には作ってない感じで良い。

 そして私が『相棒』にハマったのは、この回のラストが決め手だった。
 刑事ドラマ(サスペンス劇場)のお約束通り、暗雲立ち込め風吹きすさぶ断崖絶壁(とはいうものの、マンションの屋上)に犯人を追い詰めるのだけど、風に流される雲がCG合成感バリバリの安っぽさ、しかし、色合いの使い方が何か独特だったしCGを使ってまでこのシチュエーションにこだわる作品も見たことがなかったしで目を惹かれ、そのおどろおどろしい背景の前に立つ犯人は余裕綽綽(小市民っぽい小日向文世だからこそできる腹に一物秘めた悪魔的ないい演技!)にして、観念して最後の真相を語るどころか、謎の呪文を繰り返して自分の世界に浸り、そのまま投身自殺して駐車場に血が悪魔の羽のように広がり(これもあからさまなCGではあるのだが)、真実を永遠に隠してしまう、悪魔の勝利を高らかに謳うラスト…

 …ああ、保守的なテレ朝×東映で、こんな道徳否定的な話をやっていいんだ!! やれる作品なんだ!!

 という感じで興味を惹かれて、この回の後編があることを知って積極的に見ようと意気込んで、そのまた次も見て…という感じで、どんどんこの作品に近付いていき、「6-1 複眼の法廷」で完全に『相棒』熱にやられてしまった、というのが私の『相棒』体験なのである。
 まぁ、後編はかなり無難の出来で、前編であるこの話ほどワクワク感がなかったのだけど(汗)



 さて、今回のこのブログエントリーは、借りてきたDVDを見た感想を書こうとしていたのに、なぜ借りてきてない話数のことについて、こんなにも長々と自論を書き連ねているんだ、私はッ!(笑)
 というわけで、ようやくDVDの感想↓



「4-1.閣下の城」
 右京の事実上の敗北、と見ていいのかな?
 悪意に満ち満ちた明らかな殺人教唆が裏に隠れていたことに気付けなかったのだから、今までの話で直接手を下さなくとも人が死なす遠因を作った人にも「ここまで追及してこそ正義」とばかりに右京が説教していたことを考えると、彼女の真意を見抜けなかったのは右京の正義に反するんじゃなかろうか。
 でもそのくだりがないと、右京が真相を暴いて逆恨みされたせいで無関係の人間が殺された、というこの作品を破壊しかねないアンチテーゼになってしまう(とはいえ、追い詰めすぎて死んだ人は何人もいるが;)からなァ…
 なんか、どっちつかず。

 「1-12 特命係、最後の事件」で、閣下を逮捕するために「証拠は必ず見つけます」と大見得切って特命係を犠牲にしてまで右京と薫は証拠探しに出かけて番組も終了したけど、Season2が始まり特命係が復活しても特にそのことについて触れられることがなくて、「閣下を放っておいたら、右京の正義に反するんじゃないの?」と思わなくもなかったところに、そのリベンジとばかりに閣下が再登場なので、忘れられていなかったのがちょっと嬉しい(というより、脚本のネタを探してたら使えそうなの見つけた、ぐらいのことだろうが)
 でも、この話で「新たに起こった事件を追いつつも、閣下の昔の犯罪の証拠を見つけ出す」という流れを期待してたのだけど、昔の犯罪については冒頭5分間のナレーションですべて片が付いてしまったことになっていて、見ていて壮絶にコケた。

 閣下は純粋な悪意しか持たず、しかもそれに自覚的だから、攻撃(口撃?)をのらりくらりとかわしてまんまと逃げおおせる能力を持つタチの悪いキャラで、シリーズを貫くもう一人の敵であるところの知能犯・浅倉が特命コンビに葛藤を与えて苦しめたというドラマ性もあるキャラであることを考えると、社会的にはともかく、心理的には何の気兼ねなく激突できるどストレートな敵ボスと言ってもいいぐらいの登場人物なので、これで終わりではなくもっと特命コンビと対決してもらっても面白かったかもしれないが…
 「世界はオレを中心に回っているんだから、オレの犯罪を裁く道理などあるわけねぇだろ!」と、冗談でも要約でもなく、本当にセリフとして喋ってしまう強烈にして過激すぎるキャラだから、あまりにも長く『相棒』に居座り続けられると完全に主役の特命コンビを食ってしまうこと確実なので(というか、もうすでに?^^)、今回復活しただけでもありがたいのかもしれん。
 閣下の言ってることは、少年マンガに出てくる考えの底の浅いラスボスみたいな中坊思考レベルで、引いては『相棒』の作品の質自体を疑わせるような感じなのだけど、それを70歳を超えて分別と落ち着きが身に染みてるはずのジジイに言わせるのがミソなんだよな~
 にしても、そういう強烈過激なキャラを見事演じきっちゃう長門裕之がスゲェ…



「4-2.殺人講義」
 「よく考えると穴も多いんだけど、勢いで突っ走ってる割には補足ができているから面白い」と私は思っている古沢良太脚本なのだが、これは勢い任せ(というか衝撃展開の連続)の進行でなくて落ち着いているんだけど結構考えてあって面白い。
 子どもが犯人の顔を知っていると言って事件の切り札になりそうな雰囲気を作っておいて、実は違ってましたというのは話の流れ的には必ずしも要るわけではなくて、視聴者の興味を一時的に刺激するだけの機能しかないのだけど、その後に犯人をはめる罠の口実として使われて、話の流れに組み込まれるようになるのが、「出した要素は伏線化する」作劇のフォローが効いてるなぁ~

 今回が古沢良太の『相棒』初登板回だけど、キャラの設定を忠実に踏まえて話を作っていて良い。
 おかげで、普段はあまりクロースアップされない熱血設定もお話として有効に活かされて、被害者の苦しみ・罪を隠し続ける苦しみを語って犯人の情に訴えかけて自首を勧める、珍しく薫主体の印象深いシーンが生まれた。
 それを軽くあしらって情の効果を否定するドライな展開が『相棒』らしく、その後に右京の罠で自身の犯行を証明してしまった犯人に「卑劣だ」と言われて、「亀山君の言葉にも耳を傾けないあなたには、存外有効な手だったと思いますよ」というセリフのレベルで情を活かす匙加減もまた『相棒』らしい。

 でも、ラストの右京・薫と管理人さんのやりとりは、それまでの話の流れから浮いていて、何かアドリブめいていたなァ



「4-3.黒衣の花嫁」
 砂本量単独での『相棒』最後の仕事は、何とも残念な出来。(「密やかなる~」は連名)

 「結婚式前夜に新郎が殺害される」というシチュエーションで、花嫁と新郎の人間関係にじっくり迫っていっていったのに、花嫁の話題がフェードアウトしないままに新郎の大学時代の殺人事件の話に移ってしまって、しかもその話も唐突に「実は死んでませんでした」と種明かしされる(ことが望まれる流れでもなかったが…)ので、視聴者の興味の誘導がうまく行っていないシナリオ進行の配分が気になった。

 右京が新郎の友人たちの話を聞いて、「真相がわかりました。あなたたち全員が犯人です」と断言するのだが、確かに友人たちの話を整理するとそのトリックが可能なことが分かるのけど、友人たち全員が犯人としか考えられない状況ではなくて、「友人たちがアリバイ殺人を成し遂げるにはどうすればいいか?」という前提で推理が始まってるかのようなのが、何か座りが悪い…
 おかげで薫に「証拠なんかこれからいくらでも見つけてやる」というセリフを吐かせることになるが、それはどちらかというと、なりふり構わないトリオ・ザ・捜一のセリフだろうが! スマートじゃないなぁ…

 ブラッシュアップできていない砂本量脚本の柱なんてこんな程度のデタラメぶりなのかもしれないが、それを肉付けでフォローしきって支えてしまうのが砂本脚本の本領でもあるし、ひょっとしてこの回も「4-5 悪魔の囁き」同様、砂本量が全部は書いてないんじゃなかろうか…
 それとも病気のせいで、推敲が巧くいかなかったか。



「4-14.アゲハ蝶」
 「幻の蝶を追う人、蝶の幻に追われる人、いろいろですねぇ」というラストの右京の言葉が見事すぎると感じられるようになる一作。
 蝶のコレクターというマニアックなテーマと、企業による不祥事隠蔽というメジャーな話題、両極にある要素が無理なく絡んで話が組み上がっているのは、すごいバランス感覚かもしれん。岩下悠子、侮りがたし!

 容疑者の狂信的な蝶マニアが、蝶の標本が失われたと知るや取り乱して周りの問いかけに一切反応せずに延々独り言を続けたり、かなり狂ってる感じが出ているのには感心するし、それでいてクローゼットに「一人にしてください…」と絶望して入ってしまうのを滑稽味のある同情的な演出で描いている感じなのは、輿水脚本的なキャラの面白さがあるように見える。

 そして、伊丹が薫の気配を察知するエスパー能力を会得していたことが判明(笑)
 論理的な『相棒』にそぐわない非現実的な設定だが、2回目にそのセリフが出てきた時点ですでにギャグとして使われている辺り、扱い方をよくお分かりのようで。

 ただ、肝心要のミヤモトアゲハの標本がどーみてもボール紙を加工したものにしか見えなかったり(蝶の羽はあんなに厚くないのだよ)「死体の衣服に争った跡がある」というセリフはあるのに服の様子がかなりキレイだったり、「争っている最中に標本が割れて蝶の鱗粉が服に“べったり”付着したんだろう」ということなのに、回想シーンでは争っている場から遠くに放り投げられて割れた拍子に空気中にキラキラと飛散していて、とても“べったり”付く感じではなかったり、撮り方はイマイチだったなぁ~
 犯人を尋問するために使ったロケーションが、真っ白な部屋から紺碧の海が見えるという目を見張る色彩設計だったり、良い所もあるけれど。



「4-15.殺人セレブ」
 櫻井武晴が絡んでる割には、どーということない内容のようでもある(どこを協力したんだ?)
 物をホイホイあげてしまうことで起こる悲劇のあれこれということなので、容疑者が金持ちである必要性はあるけれど、金持ちとセレブは何かイメージが違う感じがあるので、わざわざセレブをテーマにする意味はなかったんじゃなかろうか? 最終的にはセレブから離れるんだし。

 「刑事って何?」「デカレンジャー?」「変身してよ!」と園児に言われて、「人前で変身することはできないのだ、ダメなのだ」と調子を合わせた時の薫の、何か妙な動きとセリフのイントネーションが頭から離れない(笑)

 あと、取り乱した妻を「まぁまぁ落ち着いて」となだめていた夫が、コレクションがないことにオーバーリアクションで気付いて、「こ、ここにあったプレートは!? お、お、オレのD-51~!!!と取り乱し、「フォー!!」という何ともいえない奇声を発しながら凶器をバンザイの格好で持って襲いかかる一連の流れも、何か滑稽で頭から離れない(笑)

 それを見た後で冒頭で取り調べを意気消沈して受けていた夫のことを考えると、自分が妻を殺した犯人と悟られないために妻を失ってショックを受けている演技をしている、というこの手の話のパターンであるように見えて、実はそんな考えすら頭に回らないほど、D-51のプレートを売っ払われてマジでへこんでいる、という風に見えてるので、今回の話全体が狂気じみていたような感覚になるという(汗)
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