やっぱりいつものパンチの効いたOPでこそ、うまいこと流れを受け止められる導入なんだよなァ~
棋士の世界での殺人、というあまり探偵モノでは取り扱わない分野で、マニアックな専門知識をひけらかしながら話が進んでいく(ような感じがある)ので、誰の脚本なのかすぐに分かる。
『相棒』草創期の今風に小ジャレた脚本と演出で売り出していた時期に、「1-3 秘密の元アイドル妻」で落語という言っちゃ悪いが古臭い感じのする題材を持ってきて、「1-7 殺しのカクテル」でカクテルについての蘊蓄と執着愛を格式高く情感たっぷりに描いて見せ、「2-3 殺人晩餐会」でフランス料理自体を中心に話をまとめてしまう繊細な力業を見せつけた、櫻井武晴!
Season7第7話にして満を持しての登場だ!
警察や企業の不祥事隠蔽をテーマにして問題提起的に仕上げた「3-12 警官殺し」や「4-6 殺人ヒーター」、裁判官制度にまつわる問題を批判的に描いた「6-1 複眼の法廷」など、社会派なテーマのドラマを本格仕立てに作り上げることで定評のある櫻井武晴だけど、そういう硬派モノ以外の路線もあるのよね。
マニアックな方の(笑)櫻井脚本の場合、社会派のときみたいな緊張感を出せないせいか、全体的に緩い空気が感じられることが多いんだけど(それもまた味になっているが)、今回は謎が謎呼ぶ展開になっていていろいろとこちらの予想を引っかき回してくれる引き締まった構成になっていた。
しかし、その果てに訪れるラストについて、今回の被害者が自殺である明確な証拠って、何か出てきたっけ?
状況証拠によるフォローも何か明白さが薄く、全部右京の推測の上に推測を重ねて成り立っていたような感じだったんだけど…
やっぱり緩い作り?(笑)
薫が将棋用具の詳細について右京に尋ねて右京が飄々と答えた後、薫が不審な封筒についても「何ですかね?(こんなところに封のあいた封筒があるなんて)」と訊いたら、同じ調子で飄々と「それは便箋です。文章や手紙を書くときに使います」「ってそれは分かってますから」というやりとりになる辺りが、何か可笑しい。
アンジャッシュのコントで見たことがあるぞ(笑)
キャラの生みの親である輿水泰弘以上に『相棒』に登板している櫻井武晴だけあって、特命コンビの性格の使い方を心得ているな~
そんな櫻井脚本の一方で、今回のメガホンは長谷部安春。
前と同じく、「自動車に乗って大通りから歩道に幅寄せして停車してドアを開けて閉めてしばらく歩いて目的の建物に入る」みたいな省略可能な移動シーンを逐一撮って残している辺り、これが『相棒』内でのこの人の特徴だなぁ(汗)
ジャンプのサイトで『ドラゴンボール(DB)』の新作アニメが公開中。(2009年1月末まで)『DB』世代としては懐かしい限り…
…と、言いたいところだが、世代的には直撃なんだけど、マンガもアニメも飛び飛びにしか見ていなくて、あまりどっぷりブームに浸かった記憶が全然ないので、特にこれといった感慨がなかったり…(汗)
よく覚えているのは、正月に特番として再放送されてた劇場版ばかりだったりする(汗)
随分軽い作りになったなぁ、物語的にも、作画的にも。
あんまりかっちり描いてない、リニュ『ドラ』のような粗めに描いて塗った背景が印象的。
Web公開ということでダウンロード負荷が少ないような仕様にわざわざしたのか、デジタル化の今風の作りで『DB』を再現するという目論見なのか、スタッフの世代交代のせいなのか。
とはいえ、息抜き回の話の延長と見れば、まずまずの出来でなかろうか。
劇場版偏食型の私からしたら、中規模な戦闘をしているくせに緊張感皆無な軽すぎる作りなのは気になったが、フリーザクラスの戦闘をピクニック気分で観戦、という大らかさが見える辺りが、とっても鳥山明的にも見えて、微笑ましかった。
でも、パーティ参加にイヤイヤだったのが飯に釣られて行くことにした悟空の一言が「しょーがねぇーなー!」という、真意を隠したものだったのは、何か違う気がした。
悟空の性格から言って「だったら行く行く!」と素直に言いそうなのだが…
あと、ベジータの弟の存在意義があまりなかったのは気になったし、嫁は完全に不要だろ。
ま、そこらへんをとやかく言う作風でもないし、いいか。
今回は伏線の回収っぷりと交差させっぷりが目を惹いた感じ。
ガンダム乗りの刹那に、その正体を知らずに親しさを求めて接近したルイスは、今や発作を薬で抑えながらガンダムへの復讐のためにアロウズで軍人やっていて、そのアロウズには刹那の正体を知るビリーがガンダム憎しの気持ちで入っていて、ルイスが発作を起こしたことで、刹那とビリーが心配して駆け寄って、一気に全員の正体バレ、というのが、今までの設定をキレイに使ってシチュエーションを作り上げていた感じ。
演出的には…
ショックを受けるティエリア、という意味を、ティエリアを斜め上から撮っていたカメラの角度を下方にずらして水溜りに映った天地逆向きのティエリアを映すことで端的に表していたり…
ロックオンの幻と面と向かった会話、というファンタジーすぎる状況を、ロックオンをティエリアの背後のガラスに反射させたように映して、ガラスを背にして正面向いたティエリアが言葉を口にすることで、向かい合っているように見せつつも幻であることを強調してリアリティを維持していたり…
尖らせすぎない程度に技巧的なところを見せる演出が、ところどころ目に付いて面白かったかも。
前回の実験的な話より、こういうストレートなドタバタの方が好きだなぁ~シャイだが実直な性格なので、一人で勘違いして延々と事態をややこしくして話を転がしていく大鉄…
良いキャラだ。
露骨なエロネタが、しかも長々と描写されるのはどうなのだ?
あそこまで長くしつこくなければ、アンジャッシュのネタのようにカラッとした感じになって、オレに良しなのに(笑)
先週のは、延々とふすまの映像しか出てこない冒頭を見て、何か演出的にくくりを設けてやっていると思って、ナギを直接には映さないようにするのがそれかとも思ったり、事件の発端が描かれないのではとか、いろいろ想像してたけど、顔は出てこないとはいえ途中でふすまの中のナギの脚が画面に出てくるし、発端はあっさりと語られるし、くくり的なものが最後には全部頓挫しているような…秋葉のオタクゆえの救世主っぷりと、オタクゆえのズレっぷりが、オチとして面白いな。
ま、お話自体は、「だから?」という感じだったなぁ…
作画なり演出なりワンシチュエーションに限定した作劇なり、お話以外の部分が見ものなのではあるが。
『キャッツ&ドッグス』の影響が全開ですなー、とか思いつつ、着地点はいつものところ。
動物と人間の関係を軸にして感動的な話を作る時に、動物の気持ちを言葉にして表すやり方がよく使われるのだけど、個人的に常々「言葉が通じない異生物が本当に考えているなんて分からないのに、あたかも人間と同じように物事に反応して考えているものだと決め付けて描かれて言葉として表されるのに、少し違和感がある」と思っていて…
今回は、犬に寄生した生物の考えていること、ということで、普通の犬とは違うという前提で進んでいったので、そういう違和感はなかったのが工夫かもしれない。
ちょっと泣かせ演出はくどいような気がした。シナリオ的にも画面演出的にも。
ジェシーおいたん、ちょっと力みすぎだ(笑)@堀内賢雄
勿論、そうした実力派を連れてきたことで、感動が強調された面もあるし、今回は何より、麦人の、全体的に芝居染みているがゆえに自然体のじいさん喋り(江戸っ子喋り?)がかなり効果的だったなァ~
「くだばれと言い合い続けることが情」という逆説こそが正論(もしくはベターな選択)であり感動のポイントである、というのは、『銀魂』が幾度となく使ってきた手なのだが、ああ、そういう多少捻った程度のベタベタさ加減がが大好きなのよ、私(汗)
捻っているようで、「最期まで張り合っているぐらい気をしっかり持って生きられた」というのが「最期まで元気に幸せに暮らせた」という普遍的な価値観と結び付く構造になっていて、オーソドックスな感動になっているのも、巧い具合に計算できている。
ネコ派でもある私としては、もうちょっとネコの方にも肩入れして欲しかったが、まぁ、話のバランスか。
銀時と新八の出番が若干少なく、出てきてもあっさりしているものの、出てくるタイミングが印象に残りやすい場面ばかりに設定されていたバランスは、ちょっと好きだな。
最後に遠くから犬を狙う狙撃ネコを、本筋とは関係のないところで轢いてしまって、敵の存在を意図せず片付けて終いなところとか(笑)
先週のミニコーナーで、前のED作画についてのフォローがあったけど…
スタッフ側もそう思ってましたかー!!!(笑)
ご存知の通り、びわこ放送の『銀魂』は、テレ東やテレ阪での放映からは1ヶ月近く遅れて放送されてるのだけれど、そういうズレがあると↓のような事態が起こる…
←「次の回休み」の告知
新手のギャグか!?(笑)
単巻でちびちび見ていくには話が繋がりすぎてるし、一気に見るには解決まで話が長い……ということで、見るのをちょっと敬遠してしまっていた「Season3」の初回と最終回なのであるのだが、またもやTSUTAYAの半額レンタル遭遇できたということで、思い切って一気借り。
ああ、やっぱり輿水脚本は話のテンポの重さがくどいなぁ~(笑)
今回はその御蔭で、日本の中枢たる首相官邸を揺るがせにする大事件が起こる、という規模のデカさを、足取りの重いテンポでじわりじわりと見せてくれることで、それを描くにふさわしい緊張感が出せていて、お腹いっぱいで満足満足。
脚本に書かれていない部分で、撮影班がそういう工夫をしようと頑張ってる感じで、そういう撮影班に裁量がある分、輿水脚本ってありがたかったりするんだろうか…
政治の舞台という動的なイメージのある官邸について、サラリーマンたちのお仕事場という感じで静的なシステムのように描かれていたのが、今まであまり見なかったタイプの描き方で、ちょっと好みかもしれない。
そうした本筋の大事件の一方で、脇の部分でも、薫が異動、美和子が離縁、右京がクビ、という『相棒』基本設定を揺るがす事態が起こるのが、この「Season3」序盤。設定が修復されるのがもう分かっている身分で見ているので、この動乱も長い期間放送している作品の中でのバリエーションとして楽しめているけど、先がどうなるのか分からないリアルタイムで見ていた人たちにとっては、如何様な気持ちにさせるシーズンだったのだろうか…?
二人とも特命係から離れることになるというのは、二人の関係性を揺るがせてドラマを作り出したり、視聴者が求めるシリーズへの安定感を崩して緊張感を持たせたりするためのギミックなんだろうけど、何だかんだで結局コンビとして行動しちゃってるのを見ると、「所属は離れ離れだが事あるごとにコンビとして活躍する」というのは、このシーズンのこの後ずっと続いても良い面白い設定のように思える。
バリエーションって、やっぱり面白く感じる。
他の部分で思ったのは、それまでのシーズンと比べて、無感情的な右京のキャラが若干感情の抑揚が大きくなってコミカルになっているような感じもする。
最終回直前に朝倉ネタを取り出してきて、薫と美和子の仲を必然的に再接近させてみせるのは、無理なく復縁への手順を作っていて巧いなぁーと思ったんだけど、最終回で寄りを戻すわけじゃないのか…
尼さんの生存を目にして捜一が固まるところは、大爆笑!(笑)
その前のカットからジャンプ気味に編集してあるという落差が効いてるよなー
ただ、そろそろ寒くなってきて暖房器具が欲しくなってきたころにこのネタとは、その意味でも時機が合ってるなぁ~
新規購入しづらいじゃないかッ!(笑)
…オリジナル商品という扱いなので、デザインが著作権に引っかからないよう美術スタッフが一生懸命作った(あるいは加工した)んだろうが、ディティールがビミョーに詰められてなくて、どこか安っぽさが感じられるのが哀愁漂わせてるなァ(汗)
ヒット商品の器じゃないかも(笑)
亀山「責任のなすり付け合いじゃないですかッ!!」
この問題提起的なセリフで分かる櫻井脚本臭(笑)
不祥事を会社ぐるみで揉み消すために殺人を犯したのでは……という規模とインパクトのデカいネタを投下しながら、結局それはミスリードでしたー、というオチは何か拍子抜けな気はする。
そもそも、今話で起こった様々な事件がある一つの黒い陰謀に収斂されていくのではないか、という期待を持たせる構成だったのに、放火事件と殺人事件と隠蔽事件それぞれの犯人が別々だったというのは、巧くまとめられていないという評価を下すことも可能だとは思う。
ただ、殺人事件と隠蔽事件を切り離したことで、別の犯人が起こした殺人を隠れ蓑にして隠蔽した人間が捕まりもしない、というテーマが重くのしかかってくるようになったのは確かで、社会派ネタを扱うときの櫻井脚本でよく使ってる手口だ(笑)
あと、某国の諜報機関とか浮世から遠い閉鎖的組織とかじゃないんだから、殺人なんて大層なものは、組織の秘密を隠蔽するために使う、なんてことはそうあることではないというのがフツーの感覚で、現実の大概の殺人は金目当てか、もしくは愛憎こもった感情的な、場当たり的なものであることが多いので、その辺の現実感覚でリアル感は出ているようにも感じられる。
なんだかんだで櫻井脚本は、私の面白さ感覚を巧いこと突いてくれるなァ(笑)
…とはいうものの、結局は投げっぱなしで終わった感じの隠蔽事件についてのテーマを重々しく提示しながら、その横で本当の犯人に関わるネタを絡めて良い話っぽく〆たように見せかけるラストは、何かズレた感じがしはする。
まだまだ頑張る昭和一ケタ(^^;)
映画第1作の『あぶない刑事』のメイキングで見たときから既に結構な爺サマだったから、今フラフラになりながらメガホン取ってるんじゃあなかろうか…
若手があまり育ってなさげなこの業界の老舗会社では、この年齢程度ではまだまだフツーぐらいなのかもしれないが。
今回は、めちゃくちゃ漂っております、サスペンス劇場臭(笑)
近親者の犯歴が人生を狂わせるみたいな重い要素も、表面なぞっただけで、深入りしたり別視点から見直したり演出的に重くしたりしない、ラストの人情を際立たせるただの刺激要素でしかない、というのが多少感じられるラフな扱いの撮り方なところが特に。
先週の、国家を揺るがす空前の規模の事件から比べたら、かなりスケールダウンした小市民的なものになってしまったが、普段の『相棒』からすると、このぐらいに気負ってない方がいいとは思う。
エスカレートしていったら、インフレ現象で収拾不能になるし。
「6-8 正義の翼」で太平洋戦争ネタなんかを引っ張り出してきたりして、視聴後に重量感が残る骨太な撮り方をする長谷部監督と、「6-7 空中の楼閣」で完全な悪役キャラがありえないほどの改心ぶりを見せてハッピーエンドになってしまうなど、感情的な部分を強調する岩下悠子脚本とのタッグ回。
「登場人物の証言を基に推理を組み立て物証を集めたが、実はその途中に嘘があった」というのが今回のトリックだけど、物証を集めるまでの過程は、右京が事件にある数々の疑わしい点を見抜いて進展していったので、右京一人の判断で物語が進んでいった形なので、その途中で判断を間違えていたので意外な展開になりましたと言われても、「だって、“これはこういうことです”と大前提のように脚本が定義づけて出してきた要素を、後々で“それは大前提ではなくて、違うことなのです”と言われても、意外という以前にヒキョー」という感じが若干しないではない。
普段なら捜一トリオが動いて一般的な解釈や視点を提供することで、右京の発言が意外なもの・真相解明に有効なものとして見えるようにしている視点の広さがあるのだけど、今回はほとんど特命コンビ二人だけで動かして、ただでさえ狭い『相棒』の視野がさらに狭く見えたような…
撮り方と編集のことについてだが、「2-19 器物誘拐」でもそうだったし、「2-18 ピルイーター」でも輿水脚本の油断っぷりを誤魔化せていなかったなど、移動シーンをビミョーに尺長く取ってあまり省略演出を心がけていないのが、長谷部メガホンの特徴かもしれない。
っていうか、人物も満足には動画させられない作画リソースで、峠のカーチェイスを緊張感たっぷりに描くなんて、まず無理だろ! しかも3回も!
音の再現も多分、テキトーなところで妥協してお茶を濁すしかないだろうなー
「大勢の人の中から、声色の似た人を選んできた」というネタを成立させるには声優選びがまず大変だし、「悲鳴みたいなタイヤ音」と「タイヤ音にも聞こえる悲鳴」という微妙な違いを分かりやすく聞き分けられる音を作ろうと思うと、音響効果担当の頭がパンクしそうだ。
あと、前にあの車が出てきた時には、「アンフィニ」という名前がアニメでは全く使われずに「このエンブレムが付けた車種と同じ車」というまどろっこしい言い回しに何度も置き換えられていた、という権利関係の事情が透けて見えていた事態になっていたんだけど、今回は大丈夫なのだろうか…?
FDなら商品名じゃなくて型番だからOK?
それはさておき、この巻で思ったことは…
遂に目暮警部の「死神」呼ばわりが、毛利のおっちゃんからコナンにシフト?(笑)
しかしなー、初期を除いて、コナンが少年探偵団絡みで関わる事件って、ある程度の時期まではあまり殺人事件の発生ってなくて、蘭と小五郎と一緒のときに関わる事件が殺人中心として差別化している感じが少しあったんだけど、もういつの頃からか、どんな小さな事件にも殺人が絡むようになったよねェ…
「コジマさん選手権」での被害者となった小嶋会長は、死んだのがちょっと可哀相かも。
ミステリーの定石である「恨みを買うような登場人物が死ぬ」に当てはまる行動ということではなかったし、自分のものを取り返したいという当然の要求が行動原理だったわけだし、事件の発端からして偶発的なものだったんだから、意識不明の重体、という程度で留めておいても問題はなかった気はする。
「元太のオヤジさんが殺人者!?」という、話の緊張感を生み出すためだけに死が与えられたような感じで、哀れなキャラだなぁ…
あと、もう主要キャラクターは美形だけ、という方針なのかなぁ?
元太みたいな、ブ系だけど性格や行動で良い味出してる主要キャラって、最近(前から?)全然居ないので。
今回出てきたとある近親者は、あまり納得のいく造形では…
File9のラスト7ページは、最近『コナン』では見られなかった、ルーティン的ではない、緊張感を生み出すシチュエーション(後ろに居たと思った車がもう横に!)とかコマ割とかで、演出が効果的だったのは目を惹かれた。
中二病的な思考やベタベタな展開が良しや悪しやという議論はとりあえず置いておいて、アニメで大事なのは、内容がアレでも雰囲気的に(理屈をひとまず忘れさせるように)どう盛り上げるか、という演出技術であって…今回の話はその辺巧いことやっていると思う。
…が、部分的にちょっとだけ引っかかったことについて、少し。
屋上から飛び降りたきららを助けようと、銀時がビルの壁面を壁走りで追いつこうとする、現実ならありえないシーン…
その嘘を「ありえる」ように見せるために、自由落下より壁走りが早く追いつくには、縦横をひっくり返しただけの普通の走り方ではなくて、もっと下へ下へ向かって壁を蹴り上げる(下ろす?)前傾姿勢の作画の方が説得力があると思う。
まぁ、そのシーンは背景動画がんばっているので、説得力を持たせる努力はしてると思うけど。
嘘をつき続けてきた二人が正直に言葉を交わすラストに、この話の発端であった文通ネタを持ってきて〆るのはまとまりが良くて結構なのだけど、あの割と危険な状況でのんびりと文通やろうとする必然性は薄い…
読めるかどうか分からない小さい文字を書くよりも、声を出して伝えろよ、という感じで。
あのシチュエーションが許容される状況を作るには、声を出して伝えるには周りがうるさくて、字を書いて伝えなければならないという風にしなければならないはずなので、そのシーンの直前までガヤ音はもっと大きくしておくべきだった。
まぁ、その直前といったら、きららと銀さんの「感動的な」会話が続いているので、それに水差すようにガヤ音を被せるわけにもいかなかったのだろうけど。
昨日の『刑事貴族3』で、水谷豊がやたら不逞な腹巻オヤジやら酔っ払い工事現場オヤジの変装を披露していて、今の右京さんとのギャップを考えると、そのはっちゃけぶりが笑えて仕方がない。
今話は脚本・徳永富彦×監督・東伸児という、『相棒』のブレインスタッフに初挑戦のコンビ。
東伸児はずっと『相棒』助監督だったので、今回満を持しての『相棒』初監督ということに。
2本のジュース瓶でバイナリ爆弾ができるのではと言う薫に「そんな混ぜ合わせ方をする人はかなり珍しいですネ」とツッコむ右京さんとか、監視映像で確認したら推理が外れててうろたえる薫とかは、若干輿水脚本テイストで、ラストのすっきりしない雰囲気のセリフ回しも含め『相棒』テイストを色濃く出そうとがんばっている様子。
先週とは打って変わって、『ブラッディ・マンデー』よりこっちの方がよっぽど巧く和風に翻案できているだと言いたい(笑)『24』チックに、ハイテンポで話が進む。
議員会館で爆弾事件という、シャレにならん規模のデカいネタを持ってきて、ワーキングプアという社会問題も取り上げてしまって、それでも卒なくまとめ上げるストーリーテリングが、相変わらずトバしてるな~
2時間スペシャルとのテンポを比較してふっと思ったけど、レギュラー放送回の『相棒』のスタンスは、2時間ドラマで展開するような物語要素を1時間に詰め込んでお送りする「いつでも心に土曜ワイド劇場」な感じだったりしたりして、それがこのハイテンポを生み出しているのだろうか?(汗)
オタ的には、磯部勉が出てきたことに惹かれておくべきかな。
「時事問題を取り上げれば、社会派風ということで好意的に見られるだろう」という上層スタッフ側の安易な計算が見えてくる感じもしたのだけど、そういう安易なネタを波及させて「ワーキングプア問題が取り上げられて揺れている現代だけど、冷遇されている貧しい人はずっと昔から連綿と存在して続けていたんだよ」ということまで深めて言及していて、「軽いネタにはしないぜ」的な意地を見せている感じなのは、現場スタッフがどこまで自覚的だったんだろうか?
ただ、それでもまだまだ甘い感じは否めず、この辺を深く掘り下げるともっと面白い話ができたかもしれないが、そこまでいかないのが『相棒』テイスト…
…私が他の作品でこういう感じの話を観ていたら、「この程度で言及を止めているのは中途半端だ」と酷評しているだろうに、『相棒』には甘い証拠(汗)
