洞窟で特殊部隊が謎の浮遊石への銃撃を止めた後の子ども二人を映すカットの、カメラぶれとピントボケに「うおおおお!! めっちゃリアルやー!!」と魂を震わされた『ラーゼフォン』#15「子供たちの夜」の脚本・演出を担当していたことが個人的に印象深い磯光雄が監督をやっている『電脳コイル』がNHK教育で本日放送開始。
某掲示板で、このアニメの制作陣について、
「何、この、10年ぐらい前にオタクが勝手に妄想しそうな“ぼくのかんがえた、スーパーアニメをてがけるスタッフ”みたいなスタッフ構成は!?」
と評していたのも、どうでもいいコメントだけど印象に残っていたり(笑)
とりあえず、それだけ作画方面でスゴイアニメ。
しかし、そこはかとなく漂うNHKアニメ臭。
それに各所で言われてたけど、最初引っ越し中の姉妹が出てきて、妹の方が後ろ髪を二本に束ねていて、好奇心旺盛に丸っこい謎な物体を追いかけていくのは、確かに『となりのトトロ』に見えるなぁ~
違うトコの意見では『ドラえもん』の後継者とも。確かに、四次元ポケットとか、不思議だけど日常的なデザインの便利アイテムの名前の頭に何でも「電脳」ってつけちゃう安易さがそれっぽいよな。
(←そして長ーい釣竿がスルスル出てくる四次元ポケット風)
でも、『電脳コイル』は世界観の説明が必要な未知の未来を舞台にしているけど、『ドラえもん』は未知の未来の道具を説明不要の既知の現代ないし経験済みの過去を使うことで、不思議アイテムの説明の煩雑さを回避しているという違いが、ネックかな。
で、まぁ、Takeとしてはストーリーよりも、作画とか絵コンテとかに着目すべきなんでしょうが、「ああいうことを表現したいならこの編集でいけよ!」「うおおお、動きが崩れてる!」みたいに直感的に気になった部分がなかったから、まぁ良かったんでしょ。
…なんか、「すごいスタッフのアニメなんですぅー!」とか自分で言ってる割に、ものすっごく低いレベルの感想だけど(汗)
私が分かるというか、何か言いたくなるのは、笑いの演出だけだけど、でも、結構巧くいってるんじゃないだろうか。
例えば、電脳ペットのデンスケが一発芸をやるシーン…
ゆーっくりとした動きを後ろに転げるまでワンカットで見せていたのがいい感じに微笑ましい。
オヤジは存在自体が笑える。
頬を赤らめるシーンでは、フレーム外からツッコミ役の顔が入ってきたのが、面白い。その後にこの娘、フレームから顔引っ込めるから位置的にも的確。
そして極め付きが次回予告の最終カット。
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ギイイィィィ… ジャン!!!
狭くて暗い木造の便所がゆっくり開きながら、視界の開けた明るい場所の便器に鎮座している絶妙な表情の婆さんを、下から煽って撮ってるこのカットを見たら、もうこれは笑うしかないでしょ。
来週はこの婆さんのシーンが楽しみだ(笑)