溜まりに溜まりまくっていたけど、身内の諸事情により話の内容を把握する必要があったので、このタイミングで一気見ですよ(←どんな事情だ
Key作品のテレビアニメ化といえば京アニ、という図式はもはや揺るぎないものになってきたのか、『AIR』、リメイク版『Kanon』に続き、3回目のKey×京都アニメーションスタジオタッグ作品。
京アニ制作だからクオリティには問題がないだろうから純粋に楽しめるぞ、と期待していると痛い目を見ることになる。
なにせ登場人物のほとんどが天然ボケを軽く凌駕し、冗談抜きで「ちょっと精神病院に入ってもらおうか」レベルの言動や思考をしているKey作品なんでね(汗)
ギャルゲーやエロゲーではお脳の弱いヒロインたちが出てくることが、今となっては、最早当然になっているものの、Key作品は、その原点であるにもかかわらず、それら後発の作品の追随を許さないほどの頭の弱さを誇っているから、エロゲー業界に初めて「泣ける長大なドラマ」の要素を取り入れたエポックメイカーとしての評価とともに、電波な少女の巣窟として、今でも有名。あと、奇妙なデッサンや顔デザの樋上いたるの絵で描かれていることもね(笑)
だから、ギャルゲーという分野に耐性がある以上に、その世界観を普通のものとして受け入れられる素質がないと、この作品は見ること自体厳しいだろう。
私の場合は、耐性があるものの、小説版を読まされた経験のある『Kanon』や、ネットで情報拾い読みしていた『AIR』は、アニメ観る前からどういう話なのか分かっていたんだけど、『CLANNAD』についてはそうした原作の情報を全然仕入れてないから、一体どういうことを目的としたストーリーなのかというところから不明なので、ちょっとギャンブル気分で観ることに…
ただ、主人公・岡崎朋也と正ヒロイン・古河渚のカップルが迎える結末についてだけは僅かに知っていて、それが結構私好みだと思ったから、そこに期待してはいる。
以下、一話ごとの感想。
#.01「桜舞い散る坂道で」
あれ? 京アニって、こんなヘタだったっけ?
…って、アバン見て思った。
カメラ位置や編集の仕方が何かおかしい…
(まぁ、大元のフィルムは16×9サイズで作ってるから、4×3サイズの地上波ではサイドカットされていて、切られた部分がないと演出意図が伝わらなくなっている可能性もあるわけだが。それに、退屈なモノクロ世界が希望溢れる天然色世界に変わる際、カメラのハレーションを利用してたのは面白いと思った。)
それに加えて、Key作品のキモであろう、ギャグパートが致命的につまらないのはマズイ。
なんか、京アニ作品って全般的に、実写的な演出や撮り方を目指しているっぽいので、それがメチャクチャ“まんが的”なKey作品の雰囲気と齟齬を起こしているのかも、とか少し思った。
(京都アニメーションは不思議なスタジオだよねぇ。実写的な撮り方やリアルさのある作画が得意なのに、手がける作品はほとんど、それとは対極の、アニメ的な描写に長けた原作ばかりなんだから。)
そして、ギャルゲーなのに、男キャラの動向の方を長く見たい欲求に駆られるねじれ現象が(笑)
阪口大助は偉大だなぁ~
まぁ、これは私の趣味の問題かもしれん。やはり、お脳の弱いヒロインキャラは(以下略
(とはいえ、今回出てきたヒロインキャラの電波度はかなり低かったように見えたなぁ。皆が皆、萌えキャラ向きな高音声芝居をせず、音量を抑えていたからかもしれん)
それでも、やはり映像面では大満足のものを仕上げてくる京都アニメーション。
カメラが周囲を回転して撮っているかのように、人物のデッサンを整えたままキレイに動画させる初歩的な技術がきちんと、しかし何気なく発揮できているのが、その底力を見せている。
そして、各所でもう散々言われていることだろうが…
ものの見事にゴキブリ一家(笑) これだから、オレはアホ毛に存在意義を見出せないんだよ!
…ところで、この作品、どこが面白いんでしょうか(笑) 1話の段階ではそんな感じ。
#.02「最初の一歩」
杏が、バイク事故の話をバラそうとした朋也を止めに来る辺りの、二人のやりとりは面白かった。
そして、各所で言われている通り、杏・椋の姉妹が『らき☆すた』の柊姉妹に見えて仕方がない(笑)
#.03「涙のあとにもう一度」
何の意味があるんだろう幻想パートの、1コマ打ち作画が狂気過ぎる!
冒頭の渚のオヤジと朋也のコントが、大笑いまであと一歩のところまで来ていたのは好かった。
しかし、オヤジのキャラは良すぎるなぁ~
あと、変キャラの電気工が、映像面でもちゃんと変キャラの演出がされていて、それまで不発気味だった演出に比べればだいぶ満足な出来。
それにしても、やはり男キャラの方がいいキャラクターしてるってのは、どうしたものか(笑)
風子がカッターナイフ返してもらう直前、風子からカメラが引く時に、PC上で画像データを縮小していってそれっぽく見せているのではなく、動画でやってて、やはり京アニはアホだと思った。
渚が「だんご大家族」を解説する際には、カメラがキャラから急速に離れて、背景に説明図が出る、なんていう京アニらしからぬ真にアニメ的な描写がなされていたけど、個人的にはこっちの方が体に合う。
そして、そんな幼稚な言動をする渚の声が、ちゃんとだんだんバカに聞こえてきた。
さすが中原麻衣(笑)
#.04「仲間をさがそう」
前回からの流れで、休部中の演劇部を再興しようと奮闘する渚と、後押しする朋也……ということで、ようやく『CLANNAD』がどういう方向性を持った作品なのか分かってきた。
ラスト近くになると、ここから想像されるストーリーラインからまた外れていくことになるんだろうけど。
同時に、ここにきてギャグがかなり冴えてきている感じ。
園庭での朋也&春原「何でしょうか」―風子「変な人がダブルでいます!!」のやりとりの間のとり方、「同性愛告白!?」な雰囲気の中での椋への渚の「告白」が意外すぎたために扉をぶち抜いてズッコける杏、朋也の言いなりになって変なポーズで告白してしまったことに自分でツッコむ春原などなど、面白かった部分が多い。
ただ、渚と勘違いしている椋との百合パート(同性愛っぽい雰囲気)は、もうちょっとはっちゃけた演出をして、さらに悪ノリを加えても良かった気がする。
しっかし、『電脳コイル』観た後のせいか、智代とイサコが被って見えてしょーがない(笑)
さすが桑島法子効果。アニメでは智代はしっかりした娘のように見えるけど、原作ではやはり電波なのかなぁ? 最強戦闘能力設定なのに「女の子らしく振る舞うよう心がけている」と豪語するところに、電波っぽさの萌芽が見える気が…
教師である姉の結婚式を生徒一同で祝ってほしいのに、3年前に転任しているから、覚えているものは誰もおらず、風子の呼びかけがムダになっている中、病気で留年していた渚だけが先生のことを知っていた、という流れは設定的に面白かった。
んでもって、風子は、Key作品おなじみ、実体を持つご都合幽霊、という設定発覚。うぐぅうぐぅ(笑)
#.05「彫刻のある風景」
演劇部員探しを一旦中止して、風子に姉の結婚を祝わせてやるための広報活動開始。
そして風子は古河家に居候することに。
朝、風子の指示で黙々と大量の星形ヒトデの木彫刻を作り続けている古河一家のアホな様子を目撃して以降の話の中での朋也のツッコミ役っぷりが素晴らしい。
どこが面白いのか分からんストーリーだったが、ようやく漫才として面白くなってきたぞ(←オイ
…って、アレ!? この作品を面白く思うなんて、オレ、Key作品の電波に毒されてきた?
幽霊となって以降、高校生活を送ったことがない風子へのプレゼントとして、レギュラーキャラが総出で授業ごっこをするシーンでは、風子が擬似クラスメイトを友達と実感したことを演出で表すためにカメラが教室奥から引いてきて教室全体が見えるようになる部分で、サイドカットの悪影響が出ている。全員が映ってませんよー
それにしても、ここのシーンの喜久子お姉ちゃん、ノリノリだなぁ(笑)