刑事ドラマ・推理モノ好きのウチの母の午前中のテンション↓
母親「今日からキムタクのドラマが始まるで!『HERO』みたいなドラマらしいで!むっちゃ楽しみや~!友達から関連グッズも貰ったんやで!絶対見忘れんとこな!」
ドラマが始まってからのウチの母のテンション↓
母親「なんか私には合わん話やなぁ~(ケータイをいじりながら)」
まぁ、『ブラッディ・マンデー』放送してた枠だし、『恋空』とかジャニーズの若い衆主演の『RESCUE』やってた枠だし、10~20代の人向けに中二病テイスト織り交ぜたマンガチックな作風がこの枠の特徴っぽいから、そら合わんだろう。
無闇矢鱈にガラス張り&透過ディスプレイタッチパネルが使われてる科警研の近未来的な雰囲気とか、いかにもって感じ。
世界観設定もシナリオも軽さが目立つけど、それはこの枠のドラマが意図的に作り出してる特徴ということで、納得しましょうよ。…できるだけ(汗)
本筋と関係あるのかどうか分かりかねるホスト(キムタク)と失恋女(ヒロスエ)の小噺から始まってオチが付いたところで、前後の筋関係なく唐突にキムタクが壁の下敷きになる、やりたいことがよく分からない、どーにも進行が巧くないアバンを見てると、意図ではなく演出力の問題とは思うが。
全体的に、刑事ドラマモノのヒット作品の要素を全部ぶち込んでみました、的な感じがあって、チグハグ感がするのは私だけでしょうか?(笑)
爆弾事件で規模をデカく見せる(見せかける)のは、この手の番組のお約束だし、既存施設を利用した大規模セットを使ったり、スロモとやや構図意識の撮り方をしたりするのは『踊る大捜査線』以降のスタンダードではあるけれど、殺害現場に血文字の記号を残していく猟奇モノになったり、壁を通り抜ける犯人が出てくる怪奇モノになったり、容疑者の怪しい行動を「火サス」並みに分かりやすく尺をとって描写したり、コロコロと話の、しかもそれに合わせて演出方針までコロコロと極端に変わって統一性がない。
その一方で、設定や話の筋がマンガ的なのに、『TRICK』みたいにそれを活かす効果的な演出はないしなぁ…
ウリであるはずの「脳科学分析に基づいた捜査&犯人追及」が、単なるウンチク披露のレベルに終わってて(キムタクのCGチビキャラによる解説画面が出てくる始末)、話の本筋にはまるで絡んでこないけど、それでいいんだろうか…?
技術監修を何人も付けている割に、作り手側が脳科学をどう話に絡めて扱っていけばいいのか分かってない感じがするなぁ…
防犯カメラの映像をクリアにしたりする画像解析班(理系作業)に猟奇殺人現場の記号の意味分析(文系作業)をやらせてるような脚本に、何をかいわんや、かもしれんが(汗)
キムタクがバナナ食う仕草を性的にモノローグなんかしたりして、『おっぱいバレー』といい、綾瀬はるかは最近こんなビミョーなヨゴレ役ばっかだな(笑)
映画放送前の解説代わりとして、『相棒』新撮カットが挿入された。
新・特命係の神戸尊@ミッチーが、特命係が関わった事件を調べていて、映画の事件についても詳しく知りたいという流れなので、回想形式で映画本編に突入するのかなぁー、と思っていたら…
神戸「事件のことを、杉下警部から直接お聞きしたくて」
右京「それは、もうすぐ分かります」
神戸「はい?」
米沢「失礼します! もうすぐ『相棒-劇場版-』が地上波初放映されるんですよ!」
神戸「ええっ!」
右京「皆さんも楽しんでください」
メタオチかよッ!!
2時間ドラマを通しで見るには気力みたいのが必要だったりするし、寺脇康文とか高樹沙耶とかが出てたりするので『刑事貴族3』の方が個人的な注目度高かったりしたので、こうなってしまった感じが…
しかし、ネットのファンサイト見てると、『2』に比べて『3』評判悪いなぁ…
中山忍が若いなぁ、と思うのは、私が怪獣オタクでもあるからか(^^;)
「9人の優しい日本人」
キーワード:冒頭から海岸で代官署刑事大集合で犯人逮捕→謎のヘリ登場で犯人が銃殺、新任のしのぶは宮本課長の姪、制服を着なさい、しのぶ誘拐される、しのぶ解放条件は証拠品との交換、検察に渡します、非情な宮本課長に全員円陣で愚痴り合い→本城「はい、この件はこれで水に流そう、散ってくれ」、本城が検察官を拉致→証拠品を泣き落としでゲット、本城と犯人がガン飛ばしあってる隙に犯人車への発信機取り付けを誤魔化す、『3』ではあまり聞けない本城の「お恥ずかしいったらありゃしない」
感想:まだアクション刑事モノが標準的だった時代の作品だけあって、そこらへん面白い
「ラブソングをあなたに」
キーワード:店の花を全部買うよ、こいつの長所は真面目なところ・短所は真面目すぎるところ、怒りをかって水をぶっかけられるミノル、彼女の歌を邪魔するんじゃないよ
感想:ミノルメイン回。2話目にして、いきなりアクションが激減して物語のハードさの雰囲気も皆無になってるのはどうなのとか思いますが、真面目すぎるミノルのストーリーはなかなかに面白い
「ビッグ・ママ」
キーワード:刑事を圧倒し騙しまくるおばちゃんパワー、どこまでも追っていくカズ、本城「だから散ってくれッて!」―(散る方向バラバラに混線する代官署刑事たち)―「…ああ、こっちでいいのか」(←アドリブっぽい一言)
感想:(書きかけ)
「刑事の娘」
キーワード:タケさんの娘が事件に関係する
感想:タケさんメイン回だけあって、一昔前というか、『はぐれ刑事』みたく説教的というか人情重視の雰囲気になってるな
「疑心暗鬼」
キーワード:自殺しそうな女性を止めようとするリョウ→女性「(リョウの顔を見て)トミー!?」→リョウ「へ?」→本城「そうだよぉ、トミーだよぉ」、リョウ「結婚しよう!」→本城「演技なんだか本人も分からなくなってるんだ」、リョウの顔に瓜二つの人の良い詐欺師、トミーと自分の顔がそっくりなことを気にしすぎるリョウ→本城「考えを広く持とうよ」→リョウ「分かりました!犯人はトミーをオレだと勘違いしたんですよ!」→本城「こいつ、人の話聞いてなかったんだ…」、結局リョウと顔がそっくりなことは関係ない犯行動機
感想:事件関係なく、疑心暗鬼のリョウが必要以上にオドオドしまくる話に途中からなって、挙動不審の様子何か危ない臭いが(^^;)
「汚れた顔の天使」
キーワード:カズ撃たれる&銃奪われる、ハチぃ~、犯人の居所探るために演じるチンピラ風の本城&リョウ、「顔は殴らないって言ってたのに」―ミノル「日頃の行いだよぉ」
感想:冒頭の何気ない会話がラスト近くで伏線として活かされる、っていうところはなかなか面白いのだけど、カズが撃たれるという重大事件が頭に起こった割には、ハチに出し抜かれて追い掛け回してるの中心だし、ハチの過去もイマイチな感じで明らかにならないし、全体的に締まりのない展開。
「遠いあの日に」
キーワード:昔の思い出の影響で容疑者に肩入れするナツミ&後押し本城
感想:(書きかけ)
「ツイてない奴」
キーワード:強盗やった後に裏切られる男、関西弁の彼女を逃すカズ、彼女が人質に取られたと思ったら…
感想:カズメイン回だが、最後の最後に本城もカズの命令違反的な行動に乗っかって、一応の主人公らしく人質救出に活躍するかと思ったら、スカされて、お目玉食らう……出演時間の短さに対して処分が重いっていうのは、一番ツイてなかったのは本城か?(笑)
「ガセネタ」
キーワード:通報、少年、マンション団地、ダイアルQ2
感想:タクメイン回。
「若者たち」
キーワード:イケイケファッションしのぶが勝手に歩き回って振り回される本城&リョウ、間違って捕まえるリョウ、若者が刑事を撒く、本城撃たれ演技、雑誌で防刃服代わり
感想:何気にキャラ登場のバランスがいい感じ
「天国と地獄」
キーワード:サチ「本城ぉ~」、本城の腹が刺されて貫通、と思ったら銃の御蔭で辛うじて命取り留める、医者「これ(銃)が致命傷を逸らしたんだ」→本城「命を守るものです」、本城「こんなところで油売ってないで捜査に行けよぉ」-リョウ「口を縫ってもらいましょうか」、誘拐されるサチ
感想:銃の扱いがテーマ的に面白かった。原監督面目躍如のアクション回。アクションステージが廃工の屋内限定なのは絵的に栄えなくてちょっと残念かも。
「約束」
キーワード:歌手・鈴木雅之に脅迫状、敵の襲撃を難なくよける鈴木雅之、ヤクザ出身の芸能事務所社長、それとは関係なく昔の仲間との何年ぶりかの約束、サングラスは外さない鈴木雅之
感想:駐車場で一人の時に刃物持った男に襲撃されるってのは、フツーの刑事ドラマなら殺されてるところだが、相手の動きを見切って避けるって、優遇されすぎじゃないのか鈴木雅之!?(笑)
「別れた理由」
キーワード:妻「借金のために泣く泣く別れました」
感想:(書きかけ)
「誰かが見ている」
キーワード:非番のしのぶが重要アイテム持ったまま四国旅行、盗まれる覆面車両ズタズタにされる後部座席、四国に行ってもしのぶに会えない・行き違う代官署刑事、ラストで本城の回転キックで海に落下する犯人
感想:ケータイが普及した今ではできない、この時期だからこそできる行き違いストーリーが面白い。
「挑戦」
キーワード:いきなり逮捕から始まる物語、舞台の半分は取調室、犯人がタケさんを暴行罪で訴える、父を亡くした幼稚園教師
感想:フツーの刑事モノではなかなか扱わない「逮捕した後の話」を扱うという意欲作で、強引な取調べによる冤罪疑惑まで掘り返すというところまで、どうもうまく行っていないような…。ちゅーか、何かしらの後味の悪い結末を迎えなきゃおかしい流れにまでなっていたのに、「やっぱり正義は勝ちますね」と本城に断言させるまでのハッピーエンドで終わったのは、あまりにも強引すぎ。急に脚本書き換えた?とすら思えるんだ…
「それぞれの旅立ち」
キーワード:恩師の警察署に引き抜かれるタク、結婚間近のナツミ→でも特殊部隊の審査に受かってました
感想:タクとナツミの卒業回。タクのご友人の婦人警官…アレが死亡フラグというヤツか(笑)
「氷の女」
キーワード:ジュンコ復帰、捜査一課長を疑うジュンコ、ジュンコ「人の心をなくしました」
感想:『刑事貴族』がこれで初視聴の私は、ジュンコってこの話の中みたいな冷血女性という特徴的なキャラかと認識したのだが、次の回ではしのぶと笑顔で「そうだよねぇ」とか言い合えるフツーのキャラに(笑) 初対面でリョウ@寺脇康文に攻撃かますジュンコ@高樹沙耶、そしてその後険悪な二人、というのは、『相棒』に慣れてる身からしたら、イメージ違いすぎて笑える。
「青春のかけら」
キーワード:ダイは過去に野球部でいろいろありました、野球は一人じゃできないぞ
感想:だからどーした。前回から新登場のダイメインの掘り下げ回だが、あまりノれなかった。
「神様なんて信じない」
キーワード:容疑者の弟と仲良くなろうと試行錯誤の本城、容疑者を真犯人に先回りで殺されて本城後悔のブチギレ
感想:何気に水谷豊、子ネコの扱いがうまいぞ(笑)
「悪魔がくれた拳銃」
キーワード:本城「あいつが本物なんて持ってるわけないだろ、おもちゃおもちゃ」→本物の銃持ってました→本城「どうなってんだよ!?」…というお約束、フィットネスクラブで銃を突き合わせる
感想:考えてみれば、最初の本城の油断がなかったら、後の事件全部起こってなかったよなぁ(^^;)
「乙女座の彼女」
キーワード:殺人事件の目撃者探し中に一目惚れするリョウ
感想:リョウ主軸のストーリーは、どうしてこうもまとまりがいいのだろう
「偶然の略奪者」
キーワード:かばんの取り違い、引っ叩かれるリョウ→「ダイのヤツぅ~」、かばんを奪おうとする犯人にあわや殺されかけるリョウ、AV…に見せかけた脅迫用盗撮ビデオに映る別の映像
感想:クライマックスの展開が、BGMともども気が抜けてるのがなぁ~
「姉 おとうと」
キーワード:
感想:(書きかけ)
「湖の記憶」
キーワード:饅頭をおもむろに奪って食べる記憶喪失の男、保険金殺人の疑惑、ジュンコの不動産屋変装、本城「お恥ずかしいったらありゃしない」→リョウ「出た!久々!」
感想:全体的にいまいち
「ファイナル・バトル」
キーワード:アソウナオミが脱走・復讐、本城宿直で代官署に独り、何本持ってるんだよ!?
感想:アクション主体でがしがし押してくタイプの話としては、ちょっと物足りない感じもある気はせんではないんだけど、それでもターミネーターばりに暴れまくる犯人と何とか渡り合う代官署刑事たちとの戦いは、結構面白かったなぁ
笑い飯…
うーん、去年よりは格段に良くなっているし、笑いのヒット率も低くはなく、短い間でパターンを捻ってみせる器量もあったが………全体的にイマイチ、パワー不足。
ネタの物量が、他のコンビと比べて少ないようでもある。
勢いが、同系統スタイルのキングコングに負けているようでもあり、何とも残念。
そのキングコングも「高速ボケツッコミ」のスタイルが前回と同じで捻りがなく(そもそも、そのスタイル自体が、漫才の基本を矢継ぎ早に繰り出すだけの捻りのないものだから飽きが早いし)、引き出しの少なさを露呈してしまっていたが、あそこまで低い評価だったのは意外。
ヒット率という点では、笑い飯よりも高かったように見えたので。
ナイツは、他を追い落として進むM-1向きじゃないなぁ~
流行に巻かれずに絶対に笑いを取れる安定力はバツグンだとは思うけど。
優勝したNonStyleは、ボケの上に「ボケた自分に対する戒め、というボケ」を重ねるのが、おかしみを重ねてて、「1ボケで2度おいしい」ということで優勝も納得。
今日が『篤姫』最終回で、初めて『篤姫』を頭から終わりまで見た。
大河ドラマは欠かさず見るのが我が家の慣例なんだけど、私はあんま大河に興味無くて、家族が見てるのをちょこちょこ見てて、全編通して見た回がなかったんで。
回想シーンテンコ盛りで、番組開始当初の映像も出てきたけど、それと最終回付近の話を比べると、宮崎あおいも瑛太も演技が上達(?)してるなぁ~
私が「演技上手い」と思う基準は、叫び声と凄む声がしっかりと聴けるものになっている(=声量と音域の幅が広いので、鍛えているのが分かる)ところにあるので、初々しさ全開の青年期の様子から比べると、壮年期での演技は、他の者を引っ張り責任を果たす説得力があるように聞こえる、低音で凄味を効かせたものになっていて、成長が見えるよう。
…まぁ、青年期の初々しさこそが力の入った演技(=常に上ずり気味な声になるよう意識し続けなければならない演技)であって、元々から演技力があったということかもしれんが。
篤姫の姑を演じた高畑淳子は、『金八』見てた縁で注目してたというのもあるけど、常にネチネチと、家定死亡時みたく時に激しくイヤな姑っぷりを演技くささなくナチュラルに発揮していたのが見事だと思う。
最終回間際では、呂律の危うい耄碌した感じを演技できてていいなぁ~
明治に入った途端、大久保@原田泰造がいきなり欧米スタイルというかモミアゲが伸びてて、ちょっと笑った。
篤姫死亡の瞬間の画面アップを見てたら、とても47歳とは思えんキレイなスベスベな肌で、メイクもうちょっとどうにかならんかったんかい。
宮崎あおいが老けメイクを拒否でもしたのか…?
その後、テレ朝で『忠臣蔵 音無しの剣』のラストらへんも見る。
なんか画質が変だなぁ、と考えていたら気づいたけど、今時、テレビでフィルム撮影かい!
…いや、フィルム撮影の方がありがたいか。
田村正和の、古畑任三郎演技のままで素浪人やってるのは、なんか変なモノを見せられる気分だ…
今回のネタ(誘拐)の性質上仕方ないのかもしれんが、もはや、何とか33分持たせるという雰囲気じゃなくて、古今東西のギャグを詰めたい放題やりたい放題な無法地帯になっとるじゃないか!(笑)
犯人を倒す方法(=ギャグ)が、なぜか歯磨きをしてあげる、というネタだったのは、剛がやってるせいもあって、何か笑えた。
緊張感のあるシーンで間違い電話がかかってくる、というギャグシーンによく使われるのが、「全然関係のない出前の注文」というネタなのだが、それを臆面もなく工夫なしに使ったと思ったら、その被害者の家が本当に出前受付の食堂を営んでいた、という形で、定番ボケの上にさらに捻ったボケを重ねていたのは、この番組のギャグテイストの高まりも何か変な領域に達してきたなぁ、と感じてしまった。
くそっ! 大好きなカラオケボックスシーンを見るには、帰ってくるのが遅すぎた!
スポンサーや製作サイド等々、特に後ろ盾がなさげな、それもアニメ映画なのに、こうして晴れて天下のフジテレビで2度目の地上波放送と相成ったのはちょっとした驚き。
ひょっとしてフジは、繰り返し放送することでこの映画を、日テレのジブリのように成長させようとしてるのか!?
おお、お目が高い!!
…と思ったら、直後に放送される『ハチワンダイバー』のための、単なる前座でした。
嗚呼、所詮は後ろ盾のないアニメ映画…
(…とは言い切れんけどね、2時間もゴールデンの枠を貰ってる訳だし)
途中から見たので、やっぱり作品の面白さが激減してしまったような感じだった。
前半に出てきた描写を後半で伏線として機能させているからこその面白さがこの作品のキモなんだから、その大事な前半部分を見逃していては、以前見た記憶を頼りにするだけじゃ、何か物足りない。
そういう意味では、この映画は真に映画的なんだなぁ~
劇場の椅子に縛り付けられてスクリーンから目を背ける自由を与えられないからこそ得られる感動があるのだもの。
基本的には日常生活を営んでいる合間に見るテレビでは、受験勉強に追われる学校風景を映すシーンであったり、千昭が時を止めた世界で歩き回るシーンであったり、千昭のいるグラウンドに向かう真琴の疾走シーンであったり、がああいう無音に近くてリリックな場面は、単なる環境ビデオにしか見えなくて、見ていてタルいと感じられてしまうけど、スクリーンに出てくるものしか注目できない映画館では、かなり重い意味を持った体験として私らの目に映るんだわ。
そう考えると、さっき比較に出した宮崎駿作品って、テレビと映画という放映形態の違いを考える上では、奇跡のバランスの上に成り立っているんだなぁ、って思う。
多くの論者が指摘しているように、宮崎作品のシナリオ構成って結構矛盾が多くて“甘い”作りになっているんだけど(っていうか、殆どの作品で、制作を始めた段階で話が半分しかできていないという時点で、何か察しなくては^^;)、しかし、それはテレビで放送するに当たっては、映画を頭から見ていないとその後の展開が理解不能になるということではなく、割とエピソードが細切れになっているので、どの瞬間から見始めても大丈夫な感じになっていて、好都合な部分が多いということ。
しかし、テレビじゃあの豪快かつ繊細な作画力の勢いを堪能することはできず、劇場で見ないと意味がないと言えるレベルであり、その意味では実に映画的である。
いち映画作品として高品質であり、なおかつ大衆に知らしめるのに適した構造になっていて、ここら辺が奇跡のバランスといえる所以。
『時かけ』は、近頃のアニメ映画……いや、邦画の中でも珍しく、思いっきり映画的なバランスに仕上がっているので、そこら辺が難で注目を集めるのに損かもなぁ、と。
「時間を遡ってやり直せたら…」というのは誰しもが望む夢想であり、その夢想をタイムリープというアイデアとして作品の中で実現してしまうのが『時かけ』を魅力にしている要素だけど、映画というものを「夢を夢として叶えるもの」とするならば、この作品は、齢を食った人間の「青春時代っていいなぁ、戻れたらなぁ」という夢想を、作品の概要それ自体が形にしているという側面もあり、その意味でも映画的だったりするなぁ……とか考えた。
親は去年の放送でこの映画を一度見ているのだけど、こういうドラマ的なものについての記憶力が全然なくて、1時間前に見たドラマをもう一度見るときでも「アレ? この後どういう展開になるんだっけ?」と訊いてくるぐらいのドラマ健忘症(笑)
ところが、この映画のラストのことだけは覚えていて、真琴が千昭を画面から押し出そうとしている場面で、「ここ覚えてる! この男の子、この後戻ってくるんやなぁ?」と珍しく正常な記憶力を発揮していた…
…のだけれど、それを聞いた私は、「いや、戻ってこなくて、女の子泣くやん」と、さも親の方が間違いであるかのように細かい間違いを意地悪く指摘してしまった(汗)
シークエンスの大枠としては、親の方も何も間違っちゃいないわけだけど、でも、あそこで一旦千昭の姿がなくなってしまうというその意味は結構大事だと思ったりしているわけですよ、私は。
タイムリープ能力を利用したことで発生した数々の負の要素を解消したり元に戻したりして、最後に残った懸案事項である、真琴は何より観客も待ち望んだ千昭の告白イベントの回復。
しかしそれは叶わず、結果として時間を弄んだ代償として真琴が受けるちょっとした因果応報の罰となってしまう(真琴の横を通り過ぎるカップルの自転車が分かりやすい象徴)。
そこで終わっても作品のテーマ的にはまとめられる(=映画が終わることができる)んだけど、最後の最後になって千昭が戻ってきて施される、回復とは言えないけれど、真琴に対して千昭の気持ちの前進を示して上げるという救い。
「リアリティがないと夢は語れない」という鉄則と、「夢を夢として叶える」という映画としての役割の、両方を果たして終わるのは、この映画が持つ作品的なバランスが見えたりする部分だなぁ~、と。
作品の作り的に敷居が高めだから、敬遠していた部分もあったんだけど、何だかんだで私もまだ語れるなぁ、この作品。
そういう話を聞いていたので、ロクな紹介番組にならないのは重々承知しているつもりだったが……
うわっ、紹介番組でございというポーズすら見せない!
アキバ散策に、『コードギアス』の話題を無理からに混ぜてみました、という構成になっている。
ちゅうか、途中でそれさえも放棄した作りになっとるぞ!
いやまぁ、それは想像の範疇だったともいえるし、アニメに興味がないバラエティ番組班が撮影してるから(そういうスタンスのスタッフを回すのはどうなの、という問題もとりあえず忘れる)、アニメ紹介という部分がおなざりになったのかもしれんのだが、アニメ制作サイドの人間が唯一関われるであろう番組内容を伝えるダイジェスト映像の編集さえ、短い時間で同じ場面も何度もリピートさせていて、映像の幅が狭かったのは、この番組のヤバさを伝えているようで…
新撮の手間は省くためのダイジェスト映像を編集する手間さえも取れないほどの、急ごしらえだったんじゃあないのか、ひょっとして?
まさか、元々、ただ単にアキバを紹介するバラエティ番組を撮るという企画が立ち上がっていて、それを無理やり『コードギアス』特番に仕立て上げた…とか?
…という前情報を知っていれば、容易に想像できる仕上がり。
堤幸彦特有の遊び演出がなくなっていて、しかし遊びがあったせいで漂っていたストーリーのイマイチ感とグダグダ感は解消されておらず、何もかもが中途半端な作品になってしまった。
石原さとみ演じる、金にがめついくせに英語が全く出来ない英語教師が、二重性格を利用しながら謎を解いていくという、大雑把に言えばそんな話。
ふだん土曜ワイドとかでマジメにドラマを撮っている演出屋が、がんばって『TRICK』っぽくしているように感じられる。
それはそれで、「どうやればその作品の演出のように見せられるか」というのを作品からちゃんと技術的に分析していて、ちゃんと再現して見せられるという演出技術力の高さを示しているのかもしれない。(編集かカメラマンが『TRICK』と一緒なだけかもしれんが)
固定位置から撮った映像をジャンプカットで見せて時間経過を伝えるやり方とか、ボケが炸裂したら短く甲高いBGMが差し込まれるとか、ちゃんと『TRICK』の演出になっている。
しかし、ところどころでマジメっぷりが漏れている。
最初の剣道部の練習風景を映すところなどでは、“順当に”1ショット2秒ぐらいかける短カットとか、移動カメラで全体の様子をちゃんと見せていくところとか、なんでもパッパッパッと見せて流してしまう『TRICK』らしからぬ丁寧さがある。
そのマジメさが悪影響になっているのが、笑いの演出。ことごとくそのシチュエーションから生まれるだろう笑いのツボを外している
例えば、夕方に「待ってて」と言われて、寒い真夜中まで待ちぼうけを食らうというギャグの部分。
ここは、夕日の中でウキウキと待っている男子学生連中が、次のカットでは凍えながら、あるいは無感情で突っ立って「もう終電過ぎた…」と力なく呟いて、そのカット繋ぎのギャップで笑いを取るべきところ。
でも実際には、散々待たされた風でもなく、むしろ「なんか遅いよねぇ~?」と余力さえある普通の演技で撮ってしまうマジメさ。
この手のギャグは、ちいと様式めいているから、土曜ワイド的な笑いの取り方では合わないんだよなぁ…
演出はまぁ仕方ない部分もあるとして、脚本の方ももう少しマジメな演出家スタッフに歩み寄ってやればよかっただろうに…
たぶん、『TRICK』後期のゆるゆる世界観であれば許容されたであろうトリックも、この演出の語り口では単に「甘い」だけ。
「密室かと思ったけど、こんなところに隠し部屋が!」というトリックも、「これで犯人の姿が消えた謎は解けるが、この後一体どうやって脱出するんだろう?」という二重トリックかと疑わせる謎をわざわざ出してきた直後に、「こんなところに出入り口に使えるトコが!」と安易に解決してしまったり。
最初の暗号トリックも、爺さんの書いた英文の暗号をなぜ強引に日本語で読まなければならないのか、という肝心の解き方の理由・根拠が説明できていなくて、単に英語ができなくて何でも日本語で考えてしまう英語教師という主人公の設定を活かすためだけのものにしかなっていない。
これを例えば、「あの年齢のジジイに、英語がわかるわけないだろ」とでも何でも理由を付ければ、多少はマシな暗号になるだろうし、その後生徒に「なるほど、年齢が近いから同じ発想で解けたんですね」とでも言わせて怒った主人公に威圧させれば、キャラで遊びながらストーリーを紡ぐこともできただろうに。
そもそものキャラ設定にしたって、いろいろとウケた要素・ウケるであろう要素を組み込んで作ってるんだろうけど、逆に組み込みすぎて、何かあまり巧くギアが噛み合っていない感じがするものに仕上がってるような…
なぜ主人公の性質を、『TRICK』の山田と上田のキャラクターを一緒くたにしたようなものにしてしまったのか。
あれは、博学で小心者の教授キャラである上田を、学はないけど頭はキレる山田がフォローするという逆転現象、そして時に山田の知恵が及ばない部分を上田が博学でカバーする、というバディムービーとしての役割分担が基本を抑えられていて、なおかつバランスがいい具合に取れているから面白いのに。
石原さとみが一人で、上田のように物語が始まるきっかけを作って牽引し、山田のように謎を次々と解いていき、上田のように虚勢を張って周りに迷惑をかけ、山田のようにがめつさを発揮して失敗し、しかし上田のように巧く立ち回って立場を良くする、という『TRICK』の面白いところの役割を担っていて、お付きの生徒たちの意味があまりなく、面白くない。
それに、主人公らしからぬ金へのセコイがめつさというのは、『TRICK』では山田が万年崖っぷち金欠の貧乏キャラという同情できる背景があったから許容されるものなのに、『パズル』の主人公はあの外ヅラの良さで順風満帆そうに見えるから、いまいちキャラ設定にノれない。
いや、同情できる背景を作る必要は実はなくても良くて、臆面もなく堂々とがめつさを発揮するような、感情移入不要の超人キャラクターにしてしまえば、「そういうキャラなら仕方ない」と納得してもらえるし、「どこまで傍若無人なんだろうか?」という期待感による面白さも出るだろう。
そこまで精神的に無敵だと話を転がしにくい、ドラマの登場人物たるもの何か一つは弱点を持っていなければ……というのなら、散々無敵っぷりを披露してある程度物語が進んだ後に、ふとしたきっかけで「アレ? 先生ひょっとして…」と弱点が発覚する、という流れなら、第1話のキャラ紹介話として順当な仕上がりになるのだが…
出てきてすぐに弱点が露呈していて、事あるごとに相棒役の生徒たちからつつかれていて、傍若無人キャラの権威がなくなっているのがなぁ…
とにかく、生徒役の役割が、頭いいクセしてボケ担当なのか、傍若無人の主人公に対するツッコミ担当なのか、その二つがうまい具合にミックスされたキャラなのか、はっきりしてくれないとどうしようもない。
3人もいるんだから、何とかしてくれ!
でも、続けているうちに役者や脚本や演出がノってくる作品ではあると思う。
そこまでいけば、この番組独自の面白さというのが出てきて、見ていて楽しくなってくるはず。
だからそれまで、個人的にはサヨウナラ~
何の因果か、神戸大学のどこかのゼミが映ってた。
京都旅行のはずなのに奈良の斑鳩町に置いてけぼりにされたスザンヌが、気の向くまま入った金鍔屋で食事していて、教授がスザンヌに金鍔分けてあげてた。
歴史とか考古学に関係するところだから文学部かな?
情報求む。
しかし、この番組、どこに向かいたいんだろう…
元々の特殊頭脳戦から、普通のクイズ番組へ、そして現在はおバカタレント披露会に(笑)
今回なんか、ほとんどクイズしてないのはそもそもとして、全然趣旨と関係ない100%旅番組化。
でも最近、この手のタスク付き旅番組ってないんで、人気番組の看板の威光を利用して潜在需要を探る実験企画を通そうとする試みとしては面白いかも。
奈良を京都と勘違いして観光しまくるスザンヌたちの行動は、「京都に着く」というタスク付き旅番組の目的に照らし合わせれば大バカには間違いないんだけど、観光旅行企画という大枠の目的の中では結構真っ当な楽しみ方してると思う。
『仮面ライダー電王』総評(※書きかけ)
『仮面ライダーキバ』第一話感想(※書きかけ)
当然のごとく予想していたけど、2話になっても全体像がつかめない…
日常に潜む吸血鬼怪人っぽい敵がいて、それを追う化け物退治組織があって、ライダーもその戦いに単独参戦している、っていう基本図式さえ理解していれば、他の枝葉末節や肉付け部分はどーでもいいってコト?
「敵との戦いは世間からは秘密で、仮面ライダーは正体を隠して戦うものなの!」というパターンを視聴者が理解しているものとゴリ押しして、説明せずに突き進んでいる感じがして、しかもそのパターンを少しヒネって、時に外しているのにそうだから、余計分かりにくいと思うんだけど…
というわけで、2006年大晦日の「笑ってはいけない警察」に続き、今回は「絶対に笑ってはいけない病院24時」。
いつもはダウンタウンの松ちゃん、浜ちゃん(あるいはココリコの田中か遠藤)、どちらかが仕掛け人になってもう一方を笑わせにかかる対決モノなのだけれど、今回は、「笑ってはいけない」レギュラー全員参加の豪華版。
去年までの、ただ貪欲に出演者&視聴者を笑わせようとしていた構成に比べると、アトラクションゲームに見せかけたコーナーがあったり、爆笑ソングライブがあったり、夕飯にネタが仕込んでなくて鍋の具がおいしそうに撮られていたり、ホラーハウスチャレンジがあったりして、笑わせること主体というよりは、年末の3時間半という貴重な時間を『笑ってはいけない』だけの需要で終わらせてしまわないように、様々なバラエティ要素をぶち込んでいろいろな視聴者層を取り込むために抑揚をつけている感じ。
そのおかげで笑いの濃度が薄味になってしまった気もする。
とはいえ、今年も抱腹絶倒の笑いどころはちゃんとあって、時間をおいての「落とし穴」ネタの連発にはしっかり笑わせてもらった。
一回目のココリコ遠藤の落下は、松ちゃんが言うとおり、「看板に何か笑わせるネタが書いてあるんだろう」というミスリードが見事だったし、半時間もおいての二回目は、マイケル富岡の登場が『ダウトをさがせ!』世代にとっては懐かしく、そのキザっぷりを発揮して颯爽と車から降りるかと思ったら、情けなくも落とし穴に見事に落下というギャップがすばらしく、三回目は楳図かずおの登場自体がサプライズな上での落とし穴だったので、余計に効いた。