脚本:古内一成 絵コンテ:芹沢剛史・佐藤真人 演出:山崎茂 作画監督:斎藤新明・岩井伸之
うおおおおおお、スミマセン!!
先週の感想で「作画が低調」などと書いたけれど、今日はそれ以上にそれどころじゃなかった!!!!
線が死んでます!!
動きも死んでます!!
アニメ動画には、動きのキーポイントだけをピックアップして描いていく原画と、その間を埋める中割りから成っていて、中割り部分には、動いてる最中だからということでわざと崩れた絵を紛れ込ませて「動いてる感」を強調する手法があるけれど、これは原画部の話である。
つまり、キレイに描いておかなければならないところが崩れているという…
これが小学生か中学生の描いたラクガキに見えるのは、私だけだよね!?
原作信者が厳しい目で見ているから、ちょっとキャラ表と違うだけで大きな不満を感じているせいだよね!?
ゴールデンタイムで素人以下の仕事が出てくるなんて、ウソだと言ってくれー!!!
前番組の『ヤッターマン』もかなり良くない作画状況ではあるけれど、ギャグ的な作風という免罪符を除いても、まだ手抜きの仕方を分かってるし、部分的にお遊びな作画も散見できて、よっぽど安心して見てられるわ。
シリアスなストーリーやってて、作画がギャグアニメ以下って何やねん!!
くそッ!!
ただでさえ今回の話は、黒の組織の手による同時多発事故で街中が大パニックになったり、時限爆弾処理のために壮絶なドライブテクで車を走り回したり、アニメーション栄えするシーンが連続するからいろいろと期待していたのに、よりにもよって作画が一番底の状態だなんて…
しかも外注じゃなくて、本社で作ってて国内原画家陣を集めてるのに、このテイタラクはなんだ!?
…いや、今の時期、劇場版と同時並行で制作しているから、自社の有力原画家陣は全部クオリティの求められる劇場版の方に行っていて、むしろ自社で作ってた方が人手不足でキツい、ということなんだろう。
だったら、「なんでグロスばっかんだよ!」といういつぞやの文句は撤回しますから(笑)、この時期は外注多めで作ればいいのに。
『コナン』と同じくトムス制作の『ぷるるんしずくちゃん』見てたら、外注でも良い仕事するのは分かってるんだから(笑)
作画もさることながら、毎度のこととはいえ、音響方面もヒドいモンだと思うんだけど。
どのシーンでどの音楽のどのパートを流すかという選曲が、全然場面の状況に合ってなかったり、尺が合ってなくて無音のシーンが長々と出来上がってしまったり、本来場を盛り上げる手段として用いられる音楽がまったく逆の働きをしているのはなんだ!?
今回だと、『時計じかけの摩天楼』に使われていた管楽器中心の緊張感あるハイキーハイテンポの「危機一発!!」的なBGMが流れた直後に、かなり不自然なタイミングで、かなりゆっくりとしたテンポのローキー中心の「疑惑のシーン」的なピアノ曲というまったくベクトルの違うBGMが流れ始めたりして、全然有機的な時間の繋がりを考えずに、シーンごとに音楽をはめ込んでいっているだけの超短期的な考えの選曲になっているし。
それに、火事や病院駆けつけ騒ぎで街中がかなり騒がしくなっているはずの(というか、なっていてほしい)シーンで、サイレンとかガヤ音とかの効果音がまったく無くなってしまって、今回の話全体を包み込んでいるはずの緊張感がブツ切れになっていたり、「さっきから」時計の音が聞こえてきているシーンなのに、いきなり音が鳴り始めて、「言われてみれば」聞こえる程度の音量のはずが、気付かないのがおかしいほど大音量になっていく一方だったり、などなど効果音の使い方もその場限りの構成になっている気も。
まぁ、『コナン』はセリフ芝居が長々と続くので、音のタイミングが取りづらいところがあるから、これでもどうにかしようと苦慮した結果ではあるのだろうけど・・・
作画と音響があまりにもあんまりだったせいで目立ってないけど、ちゃんとキャメルが「敵のツラ」っぽい怪しい人物であることを強調するよう、脚本の意図を汲んで、ちゃんとタメを作るべきところで作っていたりして、コンテ的にはさほど問題がなかった。
でも、前番組の『ヤッターマン』で演出担当だった荻原露光…
元は『コナン』で仕事してた人だろう? こっちに戻ってきてー!!