ふはははは、映画に行くのがだいぶ不安になってきたぞ!
映画『踊る大捜査線 THE FINAL 新たなる希望』公開に合わせての新撮テレビスペシャルが放送された。
これで映画公開への弾みをつけたい感じなのだろうが…
弾みになるどころか、個人的には意欲がだいぶ下がってしまったとさ(汗)
今回の新撮テレビスペシャル『踊る大捜査線 THE LAST TV サラリーマン刑事と最後の難事件』は、全編通してギャグ、という感じで、元祖テレビシリーズの「第2話 愛と復讐の宅配便」のコンセプトに近い作り。
それはそれでいいんだけど、今回のスペシャルは、話の流れに芯らしい芯が見えなくて、散発的にゴチャゴチャとギャグを飛ばしているような、締まりのない話だったなぁ、という印象。
…まぁ、「話に芯がなくて散発的にギャグ飛ばしてる締まりのなさが、いつもの『踊る』じゃないか」という意見もあろうが(汗)
ただ、今回のは、単に芯がないというのではなく、「はい、じゃあ話のココでギャグ入れまーす」「話のココでこういうエピソード挟みまーす」というタイミングが、完全に間違えているのではないか、と感じたもので。
強盗傷害事件発生!ということで湾岸署刑事課主導で捜査始めようとしている直後に、「事件より冠婚葬祭」と魚住課長への事件報告を遮られて、王刑事の結婚式の準備の話を真下署長に振られたらノリノリで準備状況の報告をワイワイ始める青島以下刑事課強行犯係の様子を長々と描写して、「事件の捜査はどうすんねん」と強く印象付けてしまっていたり…
殺人疑惑が高まる事件が起こり本庁も乗り出しての共同捜査がいよいよ始まりそう!とテンション上がりかけた直後に、署員の誰もが揃いも揃って結婚式の出し物の練習してる風景を事細かに長々のんびりと描写して、「事件の捜査の話を進めてよ」と思わせる順序になっていたり…
本庁の刑事と一緒に捜査してきて帰ってきたら、披露宴の料理の試食会をやっていたので、捜査報告もそこそこに「うまそう!」と試食会の方に向かっていき、本庁の刑事はまじめに話し合っているのに、料理に興味津々の湾岸署刑事課組を映してて、「これじゃ“所轄のクセに”とか本庁に言われても文句言えないぞ」と思わせる描写になってたり…
真下新署長と神田前署長の派閥争いの話は、なんかのエピソードの合間合間に細切れに入れておいても良さそうなのに、途切れずに延々と話が続いたり…
「こんな時に何ですが…」という真下のセリフが至極ごもっとも過ぎる、犯人が現れるか否かの一番緊迫する場面…劇中の登場人物的にも最も集中しなければならないタイミングで、室井とすみれのお見合いを始めたり、そのお見合いの中身があんまり厚みも面白みのないものだったり…
神田前署長が出てくるタイミングなんて、全シーンが話の波に乗れてないからね。ただでさえ出てくりゃ浮くキャラなのに、浮きっぱなしだからね。
とにかく、それまでの話の流れの腰をことごとく折るようなタイミングで、違う話題に突入したり、あるいは特定の事柄を長々と描写したりするもんだから、観てるこっちのテンションが乗っていかない。
というか、何かと慌ただしい湾岸署―たとえば、『歳末特別警戒SP』では年末で大小の事件・事務が入り乱れる、『THE MOVIE 1』では3つの事件が同時進行、『THE MOVIE 2』ではお台場の観光地化でそっち関係の仕事が増加、『THE MOVIE 3』では庁舎引っ越し作業―において、今回慌ただしくなってる理由が、“結婚式の準備”、というのが、個人的に気に食わない、という事情が大きいだけかもしれないが。
他の回での慌ただしさは、一応は警察の業務に関連して忙しくなっているのに対して、今回は、いかに政治的思惑が絡んでいるものであったとしても、結婚式という個人的な行事、警察の業務とは特に関わらない事柄で忙しくなっているので、「事件起こってるのに、そんなことしてる場合か、しかも必要以上に派手にやりすぎ」という思いを強く持ってしまう私なので。
湾岸署のみなさん、仕事してくださーい!
まぁ、やりたいことは分かるんですよ。
このギャグをやるためには、このシーンの前までにあのエピソードが欲しい、とかの打算などで、話の順序をこうせざるを得ない部分があるということとか。
王刑事の結婚、夏美の育児の悩み、室井とすみれのお見合い、ラストで青島が強行犯係を家族にたとえて説得する、などのエピソードが出てきているので、プロデューサー・脚本家・監督らのブレインストーミングの段階では、「家族」をテーマにしよう、それをテーマにして話にまとまりを付けよう、最後に「家族」としてまとまるような話なら、その前段階では強行犯係の気持ちをバラバラにしてラストへのタメをつけよう(警察辞めようとしてる栗原や、青島の押し付けにうんざりしてる和久くんのエピソード)、というような話が出ていたであろうことは想像に難くなく、チェック機能は働いているのだろうが…
でも、ラストの青島の説得で家族のたとえ話持ってきたのが唐突と感じられることからも分かるように、各要素がラストに向かって有機的に繋がってる感がないようでは、いろんなエピソードを出してきても、全然意味がない。
今までの『踊る』で、上に挙げたような不満点になるようなことを全然していなかったといえば、そうでもないのだけど…
今までは「本庁から上から目線で仕事を取り上げられて、不貞腐れる以外にしようがない湾岸署」という青島たちの立場があったから、事件の捜査とかが進んでいる裏で湾岸署側がギャグやってても、そこまでではなかったのだが。
あるいは、例えば『THE MOVIE 1』で、青島が事件の捜査そっちのけでレースクイーンたちと会って鼻の下伸ばしてる弛緩シーンがあっても、その直前のシーンで青島が真下や雪乃さんが捜査している場面を描いていて、青島以外にちゃんと別の人が動いている・真面目に仕事を進めている、という引き締めシーンを入れているので、ギャグシーンがそこまで不快にならなかったり。
今回はそういう方面の打算があまり見えないからなぁ…
制作側のまとめ能力不足というところもあるだろうけど、脚本や準備稿段階では話のつじつまが合ってたり流れが自然だったものが、役者のスケジュールの都合が合わなくて撮れなくなってきたシーンとか、スポンサーから突然ゴリ押しされた展開を捻じ込まなくてはならなくなったりして、最終的におかしくなっている部分もあるだろうから、あんまり制作側を悪く言うべきではないのかもしれない。
…まぁ、そんな不満がありつつ観てても、その一方で、今回の話を楽しんでいる私がいたりもするのですが。
テレビシリーズではヒラ刑事・係長だった真下・魚住が、今回から署長・刑事課長に立場が変わったことによるエピソードとか、袴田課長が副署長に昇進し、神田署長・秋山副署長が退職して指導員で再雇用されても、相も変わらずのスリーアミーゴスだったり、新スリーアミーゴスが結成されたりと、テレビシリーズからの時間の積み重ねを経てのエピソードとか、私の好物です。
乗り気じゃないすみれさんにお見合いさせようと、署長権限振りかざして凄んで見せるものの、すみれさんに「(後輩のクセに)タメ口かよッ」と凄まれたら、一瞬にして立場逆転、なんて小ネタは、まさに今回見たかった内容だからね。
どうも容疑者と会っていたことを隠してそうな署員がいそうな中で問いただすときに、「よしみんな目をつぶれ。今君たちのことを見ているのは先生だけだ。会っていた人は手を挙げて」とか言い始めた真下は、それじゃあ真下やのうて『平成教育学院』のユースケ先生だよ!…とツッコミたかった(笑)
室井から青島に、王刑事の結婚式の進行についてという、仕事外の話題について、電話で軽くやりとりしているところは、室井が出世していても、テレビシリーズ時からさほど変わらぬ関係性(「秋の犯罪撲滅SP」でのセリフに当てはめれば「腐れ縁」?;笑)が続いていることが感じられて、何だか嬉しかったり。
『~THE MOVIE3』では、演者(織田裕二・柳葉敏郎)の不仲のせいか、青島と室井の絡みが極端に無かったので、制作側は何とか二人を顔合わせさせずに以前から関係性を壊すことない雰囲気の話になるよう、調整に苦労したんだろうなァ、と勝手ながら思ってしまったのだが、直接役者が顔合わせなくても、現代ならばこういうケータイとか便利なツールがあるのだから、今回みたいな感じで活用して絡みを作れば良かったのに。
松本サウンドと菅野サウンドが入り乱れて聞こえてくるのは、なんか凄いものを聞かせてもらったような気がする。まぁ、判別できる私も私ですが。
8/10-A「流しサラリーマンそうめんだゾ」
脚本:うえのきみこ 絵コンテ・演出:横山広行 作画監督:針金屋英郎
『クレしん』で時たまある、ひろしの取引先に遊びに誘われて、取引先の人の趣味に付き合わされたら、仕事に関係してきて、ひろしたちが遊びにマジになる、という話。
ここまではよくあるパターンで、今回は趣味の題材が「流しそうめん」だったということだけなのだが、なんでこの後の日付の放送で『ドラえもん』でも流しそうめんネタが出るのかな…?
流しそうめんを取る、ということに関して、しんのすけが全く活躍しなかったのは、このパターンの話の中では珍しいかも。
最後にしんのすけがおいしいとこ持ってたり、解決のキーになるのは、このパターンのセオリー通りだが。
8/10-B「水もしたたるシロだゾ」
脚本:きむらひでふみ 絵コンテ・演出:横山広行 作画監督:間々田益男
台風の日に、野原家の玄関が浸水の危機に見舞われ、玄関内に小屋ごと避難させられていたシロが必死に被害を食い止めようとするのだけど、そんな事態になってるとは露程も知らないしんのすけたちにお漏らししたと勘違いされ、散々な扱いを受ける、という話。
シロ中心回で個人的に嬉しいのだが、やっぱり扱いが良くないシロである(汗)
ただ、最後の最後には誤解も晴れて、野原家全員から「ありがとう、シロ」と礼を言われるのは、珍しくもあり、シロびいきの身としては嬉しくなるラストだったなァ~
8/24-A「スキマにはまったゾ」
脚本:川辺美奈子 絵コンテ:義野利幸 演出:平井峰太郎 作画監督:原勝徳
マサオくんのアクション仮面人形が、手では取れないところに挟まってしまい、かすかべ防衛隊でアイデアを出し合って、何とか取り出そうと画策する話。
しんのすけが助っ人として呼んで来たら、シロだった、とか、最近シロの出番が増えている気がする。
ついでにザリガニ2匹も登場して、ある意味、動物回みたいな感じになっているな。
怒りで作画がカクカクになった風間君に、水を浴びせたら、スッキリして顔がキラリンッと光るとか、義野利幸コンテと原作監のお遊びが楽しい回だな。
8/24-B「夏の帰り道だゾ」
脚本:阪口和久 絵コンテ・演出:平井峰太郎 作画監督:木村陽子
仕事からの直帰で早帰りしたひろしが、偶然鉢合わせたしんのすけと一緒に家に帰る話。
シロがまたまた登場。出番が増えてる気がする。
ひろしが水切りを始めたら、しんのすけの方が水切りが数倍上手かった、ってのは、しんのすけのハイスペックを考えるとさもありなんだが、ひろしの方が年季入ってそうなのでアドバンテージ発揮しても良さそうな感じもする。
全体的に夏の夕時の穏やかな雰囲気で話が進むが、ひろしの髪の毛の話題になった時だけ、構図や雰囲気の勢いが違ってきて、面白かったな。
8/31-A「夫婦の危機を相談されるゾ」
脚本:翁妙子 絵コンテ・演出:高橋渉 作画監督・原画:高倉佳彦
ミッチーとヨシリンが、それぞれ相手の浮気を疑って、夫婦仲が急速に危機を迎える話。
野原家に招かれた際、誰も何も言及しないけど、ミッチーとヨシリンがいつも来ているハートマーク入りのシャツが、きちんとというか、二人の気持ちに合わせてヒビ入りマークに代わっていたのが、何気にツボだった。そのことに誰も何も言わないから余計に。絵コンテ側か作画側が気を利かせたのかな?
8/31-B「まさかの時に備えるゾ」
脚本:翁妙子 絵コンテ・演出:高橋渉 作画監督・原画:大森孝敏
まさか震災のコトに暗に言及するとは…
シロが空を見上げる絵ヅラが良かったな。
8/17-B「出さない手紙の返事をもらう方法」
脚本:清水東 絵コンテ・演出:今井一暁 作画監督:をがわいちろを
しずかちゃんに架空の手紙の書くときに、「ちょっとエッチなことも…」「うわあ、そんなことまで書くの? ウヒヒ」とか、悪ノリし合ってるのび太とドラえもんの様子は、結構グネグネ動いてる作画の様子も含めて、楽しい。
をがわ作画監督回は、キャラクターの描き方のバランスが、動くと栄えるような感じだな。
のび太「(恐る恐る封筒を開ける)意外にいい返事だったりして。(手紙を読む)“あきれたわ”」の直後で、既に床に倒れてるのび太の様子をパッと映すジャンプカット的な笑いの取り方とか、今井一暁コンテは何か私好みだ。
スネ夫がジャイアンに宛てた架空の手紙のところも、ジャイアンの手紙の恐ろしさが十二分に伝わってくる演出だったな。
どんな内容だったか直接描写を避ける清水東脚本のテクのおかげかもしれないが。
ちなみに細かい話だが、ジャイアンは来た手紙に律儀に返事書くようなヤツではないんじゃないだろうか?
罵詈雑言の内容の手紙なら、読んだ直後に本人の家に怒り心頭のままダッシュだろう(笑)
今回のアニメ化では、実際に出されてしまったしずかちゃんへの手紙を取り戻そうと走り回るスペクタクルを追加。
8/24-A「走れ!流しそうめん」
脚本:相内美生 絵コンテ・演出:西田健一 作画監督:志村隆行
テレ朝アニメ幹部の中には流しそうめん好きでもいるのだろうか?
2週前に『クレしん』でもネタにしたばかりなのに、今度は『ドラ』にまで…
夏の風物詩とはいえ、今の子どもたちはそこまで流しそうめんに興味持っているのだろうか?…と思うもので。
何とか流しそうめん食べさせたいと思っているのび太とドラに対して、あんまり流しそうめんに興味持ってなさそうなしずかちゃんの様子が、端的に表している気もするが。
内容の方は、道具の名前が“スーパー流しそうめん”という如何にもなテキトーなネーミングだったり、一度延長した流しそうめん軌道を変える時には必ず最初からやり直さなければならないという面倒くさい操作方法だったり、外出するしずかちゃんにそうめん露と箸持たせ続けるという意味不明なプレイ(笑)をしていたり、雨が降ってきたら流しそうめんの竹の上に無数の和傘がポコポコ生えてくるアホな仕様だったり、そんなマヌケな光景に「これがスーパー流しそうめんの力か…」と真剣に大真面目な顔して納得してるのび太だったり、全体的に愉快な感じに仕上がっていて、なかなかに良い。
8/31-A「ジケン爆弾」
脚本:大野木寛 絵コンテ:誌村宏明 演出:矢花馨 作画監督:小野慎哉
これから起こる小事件を予告し、本体に付いてる青の導線か赤の導線のどちらか正解を切れば、危機回避できるという道具。
ジケン爆弾@新井里美ボイスで危機を淡々と予告してくれるのだが、しずかちゃんのスカートがめくれるピンチの時には、同じような淡々とした調子ながら、「今から1分後、しずかちゃんのスカートがめくれて、しずかちゃんにぶたれます」と、他のアナウンスと比べて詳しく説明したのが、なんか笑えた。
「1分後、しずかちゃんにぶたれます」だけでいいんじゃん!
買うさ、買ったさ、OVA付き『イカ娘』12巻!
久々に新規で動くイカ娘が見られる!
アニメ1期のオープニングテーマのノリがイカ娘の作風と合いすぎてて、2期のスフィアの歌が酷評されていたが、それ以上に過去最大に合わないオープニングテーマが…
2期ではお馴染みのオープングアニメでのイカ娘コスプレショー。
チャイナドレスイカ娘と忍者イカ娘は巻末イラストネタだが、魔女っ子イカ娘はどこのネタ?
あんべ先生が今年のプリキュアにハマっているとの情報もあるが、それの関係か…
・OVA1話目「壊さなイカ?」山本靖貴コンテ・演出回
OVA制作決定一報の時に発表されたビジュアルイメージは、この回のものだったな。
RPG風衣装の画しか出てこなかったので、「なぜにRPG風衣装?」「アニメスタッフ、何か『イカ娘』を勘違いしてない?」と一部で物議を醸していたっけ(笑)
原作の「壊れなイカ?」(7巻収録)は、イカ娘の魅力が全然出てない回なんだけど、3バカがゲーム機の頑丈さをアピールする時の独特のテンポの空気感とか、頑丈すぎて扱いづらいゲーム機にひたすら苦しめられるネタで全体が巧くまとまっている感じとか、なんか好きな話だ。
今回のOVA化で、攻撃の当たり判定がてんでダメ、とか、RPGの平民は何故か城の中の情報に詳しい、とか、クソゲーネタやあるあるネタが増えてたのは、ゲームをテーマにした話として良かった。
原作では栄子主軸回でイカ娘がチョイ役なのだが、今回のアニメでは、栄子と一緒に行動したり、2画面で同じ動作をやってたりして、イカ娘の出番が増えているのが良かったのと、栄子と仲いい感じが出て良かったな。
突き抜けた特徴は無いんだけど、楽しげな雰囲気で満たされている感じが、山本コンテらしさが出ている。
・OVA2話目「普通じゃなイカ?」水島努コンテ・演出回
今回発売の12巻のネタだが、今巻で深められた、鮎美が人外となら物怖じせずに話せる設定を知っていないと、話に乗っていけない部分もあるのが、アニメシリーズ単体の流れで見るとちょっと難儀か。
この話の最大のツボ、悩める最終兵器魔王・千鶴さんが、ちゃんと可愛いらしく演出されていた。
ラストの、イカ娘の触手攻撃の連打をかわしきって人外レベル認定受ける早苗の動きは、原作だと、地に足の着いた感じの高速運動だったが、アニメでは重力無視してるかのごときマクロス軌道(笑)で縦横無尽に避けきっていて、人外レベルっていうか、明らかに人外だ!(笑)
早苗は水島コンテだと活き活きしてるなァ~
あと、その直前の「普通の女の子として接してほしければ、私に対して怒っちゃダメでゲソよ」と千鶴を丸め込んでほくそ笑むイカ娘の、それはまぁ悪そうな感じの笑顔が、とてもよろしかった。
そうそう、私の好きなイカ娘は、こういう悪そうな部分があるところ(そしてその悪そうなことは完遂されない他愛無さ)なんだよ。
そういう意味でも、水島コンテは私の“『イカ娘』感”に合ってるなァ~
・OVA3話目「隠れなイカ?」池端隆史コンテ・演出回
11巻収録ネタ。テンポで一番安心して見られたのは、この池端コンテだったな。
一度もアニメ『イカ娘』に噛んだことがないはずなのに、初登板でこの安定感。さすがはベテランにして、水島努の師匠格。
家の中でかくれんぼしてやる、という他愛無いネタでまとめ上げられた一篇なので、池端コンテの雰囲気に合ってる題材だった、ということかもしれんが。
原作読んでた時は「一日中家に居ながら見つからないようにして、出てきた時に驚かせてやるでゲソ」という考えで唐突かつ一方的にかくれんぼを始めるイカ娘の思考はよー分からんかったが…
行方不明になってたイカ娘を心配したりずっと家に居たと知って大きくリアクションを取ってくれる相沢家の皆さん(というイカ娘の想像)の様子を、動きの着いたアニメで見せてもらえると、確かにここまで反応してくれたら勝手に始めるかくれんぼも楽しいだろうな、と思えてきて、すんなり理解できたなァ。
この回全体に漂う独特の雰囲気が、オチで失速したのは残念。あの慌ただしい雰囲気のラストは、むしろ水島コンテの方が巧く調理できる流れのようにも思える。
あと、OVAの他の回と違って、イカ娘@金元寿子とたける@大谷美貴の声の演技が甲高い気がする。
もしかして、声の収録の日程が他の回とは違うのでは?…とか思ってしまったが、秋田書店はアニメにあんま予算かけてなさそうなので、そんな拘束時間長引かせて予算増やすようなことはしないか。
一方の本編・原作12巻では、鮎美が、ヒジョーに残念な娘さんと化していた(笑)
「人と話すのが苦手」という鮎美のキャラクターを掘り下げるというか、言葉遊びみたいな感じで「人間以外のものと接するのは緊張しない」というところに持って行って、人外のイカ娘や、人外級の千鶴・早苗と絡めさせたのは、持て余し気味だった鮎美のキャラクターに弾みが出てきてよろしいのだけど…
犬と会話が弾んでたのは、さすがにやりすぎではないかと思ったりもする。
本物の幽霊が出てくるようなマンガなので、動物と会話できる特殊能力ぐらい寛容に見るべきなのかもしれんが、そんなエスパー能力持ってる人間が近くにいるとイカ娘の特殊性がががが…
イカ娘の特殊性を脅かすキャラは千鶴とか早苗とか3バカとかいたりはするが、一応イカ娘との関わりを起点にして顕れてきた特殊性が、対イカ娘以外にも広くシナリオに使われてきた、という流れなのに対して、鮎美の動物とも話せるのはイカ娘大して関係ないから、そこが個人的にどうも好かん、というのもある。
というか、本人の目の前で怪物だの妖怪だの勝手に認定したり、アレックスが吠えてるのを勝手に雰囲気までマネして通訳してみたり、もはや雰囲気読めないアホの子だ(笑)
それはともかく、OVA付属版の今回全員参加的な特別表紙絵に鮎美は出てこれてないのに、こんだけキャラ出ししてもらえて、すごい躍進だなァ~
巻頭書きおろしマンガは、初の夏ネタ。
今まで発刊時期に合わせて、ずっと真夏の本編では描けない季節ネタを描いてきてくれたが、今回は本編の季節とリンクした形。
1ページ目は、夏にしたいことをズラズラ並べてみるが、最終的に「早く秋になるといいね…」と言ってオチるのほほんさが面白い。
2ページ目はエロい。何か溜まってますか、あんべセンセイ?(笑)
前半収録の話は、比較的構成がまとまってたかと思うのだが、後半収録作品になってくると、私の好みから外れてくる話が多い。
ずっと真夏の侵略コメディが、ついに、夏でも開店している屋内スケート場に行ったり、季節外れの臼と杵持ち出したり、季節感を飛び越え始めたり、それから、栄子と磯崎だけで話回したり、ネタ切れ感がしてくるのも。
巻末の作者コメントでも、「この時期かなり苦しかった」と書いているので、実際ネタ作りの苦しさが相当のモンだったのだろうけど。
それでも、11巻の感想で「出番が…」と書いていた渚の出番も12巻では増え、鮎美の話や愛子先生の話にうまいこと絡んでいたり、まだまだ好きな話が多かったりはする。
イカ娘がキャスター(ローラー)をいろいろなものに付けて回る話が、最終ページのセリフ・効果音一切なしでオチまで突っ走るラストの独特な感じも含め、一番好きだ。
磯崎が栄子との格ゲーで使った最終手段のキャラは、確かあんべ先生が昔描いた読み切りマンガの主人公ではなかったか?
そして、誰か、愛子先生に愛の手を(笑)
巻末描き下ろしイラストは、赤ずきんイカ娘。背後でオオカミな早苗が狙っているので要注意(笑)
なんだろう…
オタクならこれより『おおかみこどもの雨と雪』を観に行くべきじゃないのか?…と自問自答したりするのだけれど、まぁ、現在進行形で「『ゴジラVSスペースゴジラ』サイコー!」とか言って好き好んで複数回観てたり、日曜洋画劇場はセガール主演のアクション映画とか頭をあまり使わない作品はよく見るのに、良作とか途端に敬遠してしまったり、細田監督作品でもブンガク臭のある『時をかける少女』よりもアクションっ気の強い『サマーウォーズ』の方を好んでいるとか、根っからのエンタメ派な私なので、こっち優先してる方が性に合ってるっちゃー合ってるのかも。
ちなみに、現時点で『MOVIE 1st』は観ておりません(えー
アニメとして映画の出来が良かった、とは決して言いたくないが、『なのは』として良い出来の映画だったなァ、と。
何が言いたいのかと言うと、『なのは』ファンが“見たい!”と思っているものを漏らさず取り込んで強化して映してくれている、そのせいで映画としてのバランスを欠いているし、前作以上に一見さんお断りになっているだろうけれど、劇場を後にした時の満足度がとても高い映画だった、ということ。
年端もいかぬ少女たちの純真な交流と友情
ロボットアニメみたいなノリの魔法の小道具やバトル
登場人物の誰もが善意で行動している快い世界観
んでから、時折出てくるきわどいエロ(笑)
テレビシリーズで魅力的だったこれらの要素、さらに言えばその要素で組み上がっていたシナリオ展開自体を、映画化の際に劇場スタイルや尺に合わせてオミットすることなく、作画や演出は劇場版の予算と準備期間に合わせて強化して描写しているのだから。
『マクロス』軌道を描いてぶつかり合う魔法弾とか、スタッフロール見たら、多数の絵コンテマンの中に田中宏紀の名前があって噴いた。
『なのは』のアクションに一定の方向性を与えたはずの斎藤良成の名前が全然ないなぁー
というか、TV放映当時から、私は“八神さん家の家庭事情”が織り成すドラマには泣かされっぱなしなのだから、そのせいで観終わった時の満足度が高くなるのはしょうがない(笑)
『A's』は最終回に近くなるに従って、ファンからもツッコミを入れる部分が多かったが、今回の映画化に際してその辺には、布石が置かれるようになった
・唐突に現れる、何だか事情ありげだが描写不足でさっぱり感情移入ができないラスボス・リインフォース(体ははやて)
・ラスボス=はやての体に向かってビームを最大出力で直撃させる、あんまりにも人体への配慮がないなのはさん
・そのラスボスを倒したらなんか現れる防御プログラムという名のモンスター
→事前にはやてとリーンフォースの邂逅を済ませ、防御プログラムはリインフォースにまとわりつくモンスターたる別の個体として描写
この2期クライマックス最大の弱点、はやて側(ヴォルケンリッターサイド)の問題がはやて自身の手だけで解決されて、主役たるなのはやフェイトの活躍が大きく関与してこない、という点は、まるで解消されていない!
(書きかけ)
最近はCパートが、居酒屋トークではなくて、本編に関連したショートアニメになってきた。
ベスト主題歌セレクションが始まったのも、なんかの影響あり?
「アクション仮面を忘れないゾ」
お散歩に連れてってもらいたいシロが、窓にへばりついてちょこちょこ前脚動かしてるのが、たいへんに可愛かった!
アクション仮面熱に浮かされたしんのすけに市中を引きずり回されて、ボロ雑巾のような状態で帰宅させられたシロは、たいへんに憐れだった…
「女子力をあげるゾ」
女子力を上げたいネネちゃんの乙女修行。
いろいろな人に修行のアドバイスをもらって、実践できたら女子力ゲージが表示されてチャージされていく、という演出がなされていたが、まつざか先生の時だけゲージが表示されず、むしろしんのすけから不意“撃ち”コメント喰らって、間髪入れずにピストル音がすると共に崩れ落ちて瀕死に陥るまつざか先生には笑った。
まぁ、園児へのアドバイスに「合コン」なんて言ってる大人の末路なんて…
そうか、女子力が高いのは、マサオくんだったか。
怒り心頭でウサギ殴りまくるネネちゃんに対して「ネネちゃんは女子力じゃなくて、破壊力が増したゾ」というしんのすけのツッコミが、何気にツボだった(笑)
「海の家でアルバイトだゾ」
サブタイトルの字が「海の家でアルバイトでゲソ」に見えた私は、相当『イカ娘』熱に浮かされている(^^;)
「早起きしちゃったゾ」
今回に限ったことではないけれど、しんのすけが一人で行動する話だったせいか、塀の外を見ている描写の後のカットには脚立が描かれていたり、ポットでお湯を入れるシーンでも足場として雑誌を積み重ねていたり、しんのすけと対象物との身長差を意識したセットデザインがされていたな。
しんのすけが早起きしてやることがないのに、散歩をねだっても結局連れてってもらえないシロがまたまた憐れだ。
あんまりにも好き放題やらかした後のオチのカットで、当然怒りに満ちたみさえの様子が描かれるんだけど、後方でひろしが怒ってるよーな、やらかしたしんのすけに対する呆れのよーな、そんな表情を浮かべて覗いてる様子も描かれていて、夫婦二人が同じレイアウト内に収まっているのに似たような違うような感情が描かれていた珍しい絵ヅラがなんか面白かった。
「カユ~イおジャマ虫だゾ」
末吉作画で、ブルース・リー化してアクションするひろしに大笑い。
しんのすけがあれだけ部屋を散らかしてしまってたのに、みさえには珍しくも叱られなかったな。
「防衛隊の手帖だゾ」
かすかべ防衛隊テーマの話なのに、まさかの風間君単独オチだった。
「のび太の部屋は進入禁止」
アイデアでカバーしてた部分もあるけど、時々セリフを読むスピードが遅い箇所が。時間調整?
「決戦!ジャイアンvsオバケ軍団」
脚本:清水東 絵コンテ・演出:腰繁男 作画監督:善玉琴
裏山に作った手作り秘密基地をジャイアンに奪われたのび太たちが、幽霊に化けてジャイアンを追い出そうとする話。
…って、それ幽霊やのうて、妖怪ですやん!
どちらかというと、サブタイトルの“オバケ”という表現の方がまだしっくりくる。
オバケに扮してジャイアンを驚かして追い出そうとするが、ジャイアンがオバケを怖がらない人種の上、人遣い荒いので、逆にオバケの能力を利用されて、作戦が一向にうまいこと進まないというネタなのだが…
ジャイアンがオバケ怖がらないのはともかく、オバケとすら認識しようとせず、のび太たちも妖怪能力が使えるという優位性を意識することなく、オバケの姿で現れた直後ジャイアンが「これやって」と命じたら素直にそれに従って労働させられる、というのは、「ジャイアン、オバケに平然と命令するのはいいが、その前にちょっとでもいいから、“(雪女に対して)顔色が悪い人が来たな”とか、本人があまりオバケをオバケと思っていないようなリアクション取ってくれ」とか「言いなりになる前に、もうちょっとオバケの姿してるという自覚を持って行動してみてよ、のび太たち」とか、見ていて要らん気を起こさせるなぁ…
大入道が出現!…というラストの大ネタなんか、目の当たりにする方も驚かす方ももうちょっとなんかリアクションや行動の仕方があるだろうて。
オバケを怖がらないジャイアンを驚かせて追い出すことに成功できたのは、ジャイアンの母ちゃんの顔でした、というオチは倒錯な感じが効いていてなかなかに面白いけど、そうなった理由が、突然現れたハチの大群に刺されて顔が腫れたたせいで、というのは、なんかテキトーな感じも受ける(笑)
「世界記ロック」
脚本:相内美生 絵コンテ・演出:腰繁男 作画監督:丸山宏一
Aパートの「ゆうレイ」もそうだが、どうしてアニメオリジナルの道具は、こうもことごとくネーミングセンスがないというか、ダジャレでまとめ上げて、道具の機能が想像できないようなデザインに仕上げてしまうのだろうか?
いやまぁ、原作にも、Yロウとかそういう類の道具はあるけどさ。
それはともかくとして、世界記録を実際に体験するという道具の機能を利用して窮地を脱するネタや、道具を作動させると実況で各競技の世界記録がどれだけすごいのか解説して盛り上げてくれる流れはなかなかに楽しかった。
ただ、オチの、最後に残った世界記録が競歩だったのでしずかちゃんの家になかなか辿り着けません、というのは、ちょっといただけないかもしれない。
世界記録レベルの競歩は、一般人が普通に走るより早いぞー。
『ナイトライダー・ネクスト』のレンタルも始まったことだし、オリジナルシリーズの方の感想もまだやってない話数あるので、書いてみる。
今回はシーズン3の話。
DVD-BOXにおいて、シーズン3からはDVDの仕様に変更点が。
シーズン1~2のDVD仕様は、ロード直後に原語選択があるにも関わらず、メニュー画面になってエピソード選択した後もさらに音声・字幕原語の選択を要求されたりして、何度も指示をするのが面倒な形だった。
シーズン3のDVDからはロード後の著作権等警告画面が映った後はメニュー画面まで直行で、音声・字幕選択はメニュー画面からの選択のみとなりすっきりとした。そして、シーズン1~2のDVDではできなかった「ALL PLAY」―各話終わってから次の話を観るのにいちいち選択し直すほかに、ぶっ通しで観ることができるメニューが搭載されて、連続鑑賞がより楽になった。
メニュー画面自体も、シーズン1~2はほぼ本国版と同じ英字のみ仕様だったが、シーズン3からは英字に日本語が併記されて、より分かりやすくローカライズされている。
ただ、そのせいでなくなってしまった非常に惜しい機能が、英語字幕。
日本向けに特化された仕様になったのはいいが、おかげで英語字幕が出ないようになってしまった。
原語では何言ってるのか確認するのに、ネイティブ英語の聞き取りがたいへん不得手な私にとっては英語字幕はたいへんありがたい存在だったのに、残念…
「強敵!赤い殺人カー」
(原題“KNIGHT OF THE DRONES”…訳すと「無人機の騎士」)
サンフランシスコ・ロケ敢行! ボニー復活! 凶悪犯大集結! ナイト2000敗北!…からの内装・機能一新!
テンションが上がって来る要素満載でお送りする新シリーズ開幕!
…でもお話の方は、どうしてこうなった!
ストーリーとしては、ナイト財団を離れて大学の研究機関に戻っていたボニーの、その上司・ホルストン博士と協力者マーゴが凶悪犯を脱獄させ、連邦準備金庫から金を盗み出す計画を進めており、マイケルたちも脱獄犯の行方について調査を開始するが、ホルストン博士の発明した無人武装車の襲撃を受けナイト2000は大破、ボニーも連れ去られてしまう。連れ去られる直前に改造を施されて復活したナイト2000の新機能を駆使し、マイケルはホルストン博士とマーゴの計画完遂を阻止、ボニーを救出して、ボニーはナイト財団への帰還を果たす…というもの。
あらすじだけなら、いつもの『ナイトライダー』の話なんだけど、敵側の計画がやることデっカい割には、あまりにも粗が多くてですね…
まず敵側は、刑務所から金庫破りの達人を脱獄させるのだが、怪しまれずに刑務所内に持ち込めるラジカセを改造して、脱獄のための道具として使う。
その方法というのが…
ラジカセが「トランスフォーム!(by『トランスフォーマー』)」して、人型っぽいロボットに変形、刑務官に催眠ガスを浴びせて眠らせる、というもの。
…なぜ、催眠ガス嗅がせるのにトランスフォームする必要がある?
まぁ、ここでは、独房の開錠ボタンを押すのもこのラジカセロボが行うので、トランスフォームする意味もなくはない。
次に、サンフランシスコの地下道に詳しい華僑の男を仲間に引き入れようとするのだが、ここでもやはり改造ラジカセが登場。
で、どうするかと言えば…
男が働いている厨房で、男が目を離した隙にラジカセがこれまた「トランスフォーム!」、コショウのビンを倒して男が調理していた料理の中にぶちまけ、そうとは知らずに食べた客からの苦情により、男は店を解雇されてしまい、店から出てきた男を計画に勧誘するというもの。
…ハイテクなメカ使ってる割にやることが、セコいッ! そして、回りくどいわッ!
そして金庫破りの達人とサンフランシスコの地下道に詳しい二人を外部から仲間に引き入れてやらせることが、ひたすら穴掘りばかり。
…あのー、そんな単純作業、リスク犯して連れてきた二人にやらせることですか?
それとも、金庫破りの達人の方は、どこぞかの国の強盗が銀行の地下金庫まで穴掘って中のものを盗み出したように、穴掘り強盗が得意な人なのかしら?
しかも、計画の最終段階になったら、計画の裏の目的に気付きかけた二人を、博士がラジカセロボの毒ガスで暗殺。
ま・た・か・よ!
しかも今度はガスを噴きつけるだけなので、本当にトランスフォームする意味がねェ!
本当に欲しかった金庫の中身を取り出す際には、博士が自分で金庫に穴を開ける作業をして、目的達成…
…金庫に穴開けるという一番リスキーな段階までは、金庫破りの人にやらせとけよ! なんでこの手の犯罪的作業には素人のはずの博士が自分で実務やってるんだよ!?
その後、マイケルたちに追いかけられ、博士はご自慢の無人カーを2台遠隔操作して、前と後ろからナイト2000を挟み撃ち!
ここまでは良かったが、両車ともナイト2000に向けてミサイルを同時発射したら、あっさり避けられて、それぞれ相手のミサイルを喰らって撃沈…
たとえ敵を間に挟んでも、味方同士で相撃ちになりかねない位置から攻撃するのはご法度、っていう攻撃の基本というか、博士ほどの頭脳をお持ちなら普通で考えて分かりそうなものなのに、なぜこうなった!?
バカなの? 博士、実はバカなの? 知識はあっても知恵がないタイプなの?
津嘉山正種の渋い声で悪役の雰囲気たっぷりに吹き替えられているのが、もったいないぐらいだ!
…などなど、普段からツッコミどころはある『ナイトライダー』とはいえ、普段以上に敵側の行動にツッコミどころが多い!
とはいえ、文句ばかりの見どころのない話かといえば、決してそうではなく…
やっぱり今回から新しくなるナイト2000の内装は、何度見てもいいなぁと、個人的な好み込みで思ってしまう。
今までは、いろいろなランプやボタン・計器がダッシュボードの所狭しと出っ張ってて戦闘機ばりの派手な内装だったものが、今回からは、埋め込み型というか、フラットタイプのランプやボタンに変わり、派手さはあるもののすっきりとシャープなイメージに変わったし、キットの顔ともいうべきボイスインジケーター部分も、バーグラフ周りの警告ランプが4連から5連に増え、文字も小型化してシャープになり、「化粧直し」が効いているし。
敵のミサイル直撃を喰らって、いつもは無敵のナイト2000がズタボロになるという、何かいけないモノを観てしまった感じのシーンは、ハラハラ感もあり、何度も見返す。
その際キットが自分の意志で、「間に合いません! 非常手段を!」とシートイジェクション作動させて、マイケルを車外に脱出させ、ダメージを喰らうのを自分だけにするところは泣かせる。
車として動くのもやっとの状態というところまでダメージを喰らったキットを、先述の化粧直しと新機能搭載の改造込みで、劇内時間で数時間のうちに完璧に修理しきってしまうボニーは、ある意味ツッコミどころかもしれん(笑)
新機能のIGP(変装見破り機能)を試す際に、試しに出してきた変装男の写真にデボンが「あー、暗い夜道では会いたくない顔だな、こりゃ」と感想を漏らすと、「ではこの顔写真をIGPにかけます」とキットに機能を使用させられたら、変装男の顔からデボンの顔が出てきて、マイケルに「同感だ、暗い夜道では会いたくないね」と呟かれて、デボンの顔が曇る辺りのコントは大好きだなァ~
「凶悪バイク・ギャング!顔を消した男!!」
(原題“THE ICE BANDITS”…訳すと「氷結の強盗たち」)
今話だけの話ではないのだが、シーズン3のDVDのオープニングの日本語解説は、この後の全話通して、前話の「強敵!赤い殺人カー」の時の吹き替えが流用されている。
つまりナイト財団に戻ってきたボニーが「“元”ナイト財団のメンバー」という解説が延々と繰り返されるという奇妙な状況に。
なんで通常時のオープニングの日本語解説を入れてくれないのかなぁ…
(書きかけ)
『ナイトライダーネクスト』が遂にレンタル開始。
これを観て、私の中でようやく、あの80年代の『ナイトライダー』が終わった気がする。
『~ネクスト』第1話である序章のラストには、デビッド・ハッセルホフがマイケル・ナイトとして登場する、というオリジナルシリーズのファンには嬉しいサプライズ(といってはみたものの、事前情報で結構出てたな;)が存在している。
そして日本語吹き替えはテレビシリーズでお馴染み、ささきいさおという、こちらも日本版ファンには嬉しい配役であり、オリジナルシリーズからの繋がりを強く感じさせるもの。
何だかんだでお歳を召されているので、姿にも声にも老いが感じられて、「ああ、もうあの頃みたいにムチャやって悪人相手に暴れ回るには酷な年齢になったんだな」と強く思えると同時に、最後に新シリーズの主人公に「体に気を付けて」と言って去っていくので、何か「マイケル、お疲れ様」と言いたくなる寂寥感があった。
『新ナイトライダー2000』を観た後の不満感や、『チーム・ナイトライダー』の情報を聞いた時の消化不良感(最終回にマイケル・ナイトがデビッド・ハッセルホフではない人が演じて登場するのだが、直後にシリーズ打ち切り)を持ったまま今日まで来ていた私としては、「あの頃の『ナイトライダー』の新作をもう一度観たい」という思いが常にしていたので、今回のエピソードで、マイケル・ナイトというキャラクターの“引退”を実感を持って目にできたことで、個人的な思いとして一区切り着いた気がしたりする。
…とかいいつつ、レンタルDVDの冒頭に付いている他作品宣伝で、『ベイウォッチ』出演時の様子そのままで出てきて不敵な役柄こなしてるデビッド・ハッセルホフが映る『ピラニア・リターンズ』の予告見てたら、「まだまだ元気やのう、デビッド・ハッセルホフ」などと真逆のことを思ってしまうのだが(笑)
クリストファー・ロイド(『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のドク役など)とかも、こんなトコで何やっとんねん!(前作の『ピラニア3D』にも出てたみたいだけど)
閑話休題。そんな個人的な感傷はさておき、本編の感想です。
話は、武装産業スパイが軍事機密・プロメテウスの強奪に必要な情報を盗むためグレイマン博士の屋敷を襲うが、博士は死んでしまう。敵は次の標的を博士の娘・サラとして、サラを狙う。その際、博士の屋敷に隠されていたナイト3000が危機を察知し、サラを救出。助けを求めて、サラの幼馴染である元軍人マイク・トレーサーのもとへ急行する…というもの。
冒頭で、旧シリーズのナイト2000のあの特殊な形状のハンドルやタイヤのホイールなどの部品が分解されて出てくるのは、旧シリーズ視聴者へのファンサービスか。
(ナイト2000本体であるトランザム自体は、シートに覆い隠されていて、出てこないのだけれど。)
『新ナイトライダー2000』と同様、結局ナイト2000は分解される運命なのか!…となんか悲しい気分がしてくるが、グレイマン博士がナイト2000の制作時点からナイト財団に絡んでいたという設定から、分解されたのはカールみたいなスペアモデルの可能性もあるし、その分解シーンが出てきた直後に、今シリーズの目玉・ナイト3000が起動し、華麗な走りで初登場シーンを魅せてくれるので、世代交代を印象付けるには効果的な演出ではあったか。
ストーリーは全体的に、ナイト3000とマイクがサラやプロメテウスを敵から守る、という形になっていて、この手の番組の基本フォーマット(「事件が起こる→主人公が犯人を追う→犯人を捕まえるための行動を起こす→犯人を捕まえ解決」)を踏襲したストーリーラインにはなっていない。どうやって追うか、ではなく、追われるのをどうするか。
登場人物紹介やナイト3000の性能の凄さをアピールする意味合いが強い回なので、それを考えて話を組み立てると基本フォーマットに沿わせるのは難しいのかもしれないが…
ただ、旧シリーズの第1話(パイロット版)は、人物紹介やナイト2000の性能を披露しつつも、ちゃんと産業スパイ・タニア一味を逮捕するために追う、という基本フォーマットに則った形にはなっていたんだけどな。
『ナイトライダー』といえば、お喋りする車は欠かせない。
今シリーズのナイト3000に搭載されたA.I.の名前はキット。旧シリーズのキットと名前は同じだが、中身は別人、というか別A.I.。
元祖キットの正式名称が"Knight Industry Two Thousand(2,000)"で、今シリーズのキットが"Knight Industry Three Thousand(3,000)"なので、略したらどちらもK.I.T.T.(キット)になるから、無問題らしい。
ただし、日本語吹き替え版の声優は、元祖キットと同じ、野島昭生さんである。キャラクターとしては違うけど声は一緒ということで、ウチの家族も、「声同じだけど、前のキットと一緒?」と勘違いしていたので、要注意かもしれない。
吹き替え版だとややこしいはややこしいが、おかげで、旧シリーズからいろいろ変わってる部分もある中で、ナイト3000の複雑な設定の内で野島さんの声を聴くと「ああ、これはお馴染みのキットですね」と、そこの部分だけは設定をすんなり飲み込みやすいので、良し、か。
まぁ、折角新しい配役・新しい設定のキットやマイケルになっているので、旧シリーズを引き摺らない日本語吹き替え配役での新コンビの掛け合いを聞いてみたかった気もするが。
ちなみにマイク・トレーサーの日本語吹き替えをしている丹沢晃之は、小山力也に似た声加減だったので、いつジャック・バウアーよろしく敵に銃を突き付けて拷問かけるのか、という考えがしばしば頭に浮かんだ(笑)
いやなに、サラに今朝からずっと敵に追われている、と聞くと、すぐに容姿を変えて敵に分からなくしろ、という頭のキレも見せるし、旧シリーズで主に体当たり度胸で突き進んでいったマイケルに比べて頭脳勝負できるような部分がマイク・トレーサーにはあるので、余計ジャック・バウアーが被る(汗)
キットと人間の絡みは、前半がサラ、後半がマイク中心となっている。
サラはキットの存在については予め知っていて、マイクはこの話で初顔合わせという流れ。
視聴者にも今作の設定を知ってもらわないといけない前半で、キットについて知っている人物を絡ませて、視聴者に対する説明不足ができやすい状況にするというのも不親切な気もするが…
まぁ、旧シリーズ体験者にとっては喋る車が出てくるのは当然の流れとして頭に置いているので、それを見越したエピソード順序にしてあるのかもしれないし、物語上絶対必要になってくる“スペシャルカーを目の前にして驚く主人公”もマイクの登場によりちゃんとツボを押さえていて、巧いこと役割を分けている気もする。
キットのスペシャルカーぶりは、映像的にはCGでウネウネ車体の形状や色が変わるトランスフォーム装置や、ダメージを瞬時に補修するナノテク防御で魅せてくれる。
うん、それ、何ていう『ハイテク武装車バイパー』?(笑)
その他の機能は、GPSを利用して最適な走行ルートを打ち出す自動走行システムなど、カーディスプレイ上のCGやセリフでの説明で済まされる。
そーいえば、旧シリーズ当時は、車にテレビ載せるなんて贅沢でうらやましい機能だったが、今となってはカーナビの普及で普通のコトになったなぁ。
今シリーズのキットは、ガソリン車であることが明言された。
旧シリーズのキットは水素エンジンを載せてた時期もあり、未来的動力か旧世代ガソリン駆動かファンの間で議論になったりもするが、今話の劇中で「水素エンジンとかじゃないの?」―「どこにでもあるような燃料じゃなかったら、緊急時に補給ができないでしょ」とツッコミ込みで断言されてしまった。
夢の無いような感じだが、まぁ、リッター当たり70キロ以上走行可というバケモノ級のスペックは、充分夢の車の域か。
いろいろな機能が出てくるが、ただし、今話では、『ナイトライダー』最大の特徴・ターボブーストは出ない。(この後の話数ではバンバン出てくるようだが)
ラストのキメは、高速で逃げる敵の車の前に、急停止しての体当たりで、傷一つつかないナイト3000の頑丈さをアピール。
…ただ、あれだけ交通事故同然のダメージ与えて犯人側全員ほぼ即死なのに、救出すべき人質だけが生きていたのは、なんかご都合主義に感じられるなァ
せめて、人質が後部座席にいたので、同じく後部座席にいる犯人も生きているとか(犯人側を全員死なせて話を終わらせたいなら、その後犯人が自害するとか)、「衝撃デカくても、それなら人質が生きていても納得だね」と思えるような“シナリオ上の嘘”をついてもらないと。
全体的に日本語翻訳が、私好みな感じではなかったなァ…
何か、自然な感じの会話に聞こえないというか、会話の終わりが、文章の途中で終わったような感覚がするような箇所が多かったり、「ここのセリフ量は少ないですが、前後の文脈込みで意味を補完して判断してください」的な会話が多かった印象を受けるので。
たとえば、ラストのセリフ、サラ「無茶やってキットを壊さないでよ」―キャリー「修理代はFBIが持つ」―マイク「分かってるよ」という会話があるけれど、キャリーのセリフは「修理代は我がFBI持ちなんだから、サラの言う通り壊さないでよ」という意味というのは分かるんだけど、取りようによっては「修理代はFBIが持つから大船に乗った気でいろ」という意味にも取れるような翻訳なっているのが、何というかもどかしいというか…
昔と違って、契約とかの関係で、原語から直訳せよみたいなお達しが出てて、翻訳側で自然な会話に聞こえるようなアレンジ効かせにくいのかもしれないし、ただでさえ外国語を日本語に置き換えるのは難しいかとは思うが。
ナイト財団のキット護送用トレーラーが、今作では航空輸送機になった、というサプライズ(ただし、飛行機に車載せて移動、というのは『チーム・ナイトライダー』で既に使われている)を見せたところで、次回に続く…
ただし、この序章はパイロット版なので、本国では本シリーズが始まるまで半年かかったという。
その点、すぐに次の話を見られる日本はいいね! …まぁ、そもそもアメリカでの本放送からここまで来るのに、3年近くかかりましたが(泣)
すごい。
宇宙人を倒すために、友達をルアー代わりに釣竿の糸に括りつけて、眼前のイージス艦を飛び越すように放り投げる……なんて、文章で説明してたらギャグにしかならない展開を、しっかりと真っ当にクライマックスとして盛り上げてくれているのが、すごい。
ルアーフィッシングを通じてユキ・ハル・ナツキ・アキラが交流を深めていくシリーズ前半部分も、この手の青春モノに要求される要素をクリアしていて良いし、江の島に潜む水棲宇宙人の退治に国際機関が乗り出してきて事態がどんどんエスカレートしていき、その国際機関も太刀打ちできなくなった時に、主人公チームが解決に乗り出してくる後半部分も、個人的に好みに合った盛り上げ方で好きだったなァ~
監督の中村健治は、ノイタミナ枠で『モノノ怪』や『空中ブランコ』とか、尖った題材や画面演出で有名だった監督だから、今作もどんな尖ったものが出てくるのかと身構えて見ていたのだけれど、すごく取っ付きやすくて私の身の丈の好みに合った作品に仕上がっていた。
『プリキュア』で一年間腕を馴らしてきたシリーズ構成の大野敏哉の手腕によるところもあるのかもしれんが。
エピローグで、目的を達成してた上無二の親友まで作れて晴れて帰星したハル、予てからの夢だったフィッシングの腕を磨くために渡米したナツキ、苦手な人付き合いを克服して進級したユキ、とそれぞれのキャラクターの成長や進展が描かれているのに、アキラのその後の様子の解説は、お伴のアヒルに恋人ができました、という点だけ説明されていて、ひどく扱いが…(笑)
まぁ、勤め人だと成長も進展もなく、あんなレベルのエピローグになるのが相場なのかもしれん。
#10
何の脈絡もないドッキリクマネタの連発だが、大いに笑った。
姫を狙って以降の、作画の動きとテンポの応酬がノってきてる辺りからが特に。
ちなみに、つみき提案の「ソリに乗ったクマが微動だにせずこちらに近づいてくる」ネタは、クマの姿が風圧で作画動きすぎてて、“微動だにせず襲ってくる”ホラー感が皆無だったな。
あの提案を忠実に演出するなら、クマの作画が動かすところは耳ぐらいにしといて、効果線で動きを補いつつ、真正面からのカットを連続でコンテ繋いだ方が“らしい”かもしれん。
#11
餅つきで杵担当になったつみきサンの、普通に振り上げる体力足りないんで、餅ついた後の杵を横軌道から頭上に持ってきて、体重が足りないので振り落した後にちょこっとジャンプして重さを加える時のリピート作画が、振袖の袖を捲り上げてる姿と相まって、何ともかわゆい。
ちなみに余談ですが、上記のようには書きましたが、餅つきは腕力なくてもつけますよ。普通につく分には、ほとんどは杵の重さを使ってつくので。
#12
怪しげな雰囲気でチョコかき回してる真宵の姿が、1コマ作画でリピートしてて、思いっきり醸し出されてた怪しい雰囲気に笑えた。
このアニメ、結構テキトーに肩の力抜いて作ってるよーに見えて、時々作画に凝りだすから、訳が分からない。
演出に合った作画をしている分、真っ当には作っている気もする。が、しばしばその演出が話の流れ的に効果的か怪しいところではあるのだが。
「シロを特訓だゾ」
脚本:扇妙子 絵コンテ・演出:平井峰太郎 作画監督:原勝徳
シロのタレント犬修行。
こんなハイスペックのワンちゃん、今までタレント犬にしようと思わなかったことの方が不思議だと思うのだが、ようやっと着眼してもらえたか。
しかし、コトの発端が、しんのすけが女優とお近づきになりたいがための修行だったり、風間君たちが言っているタレント犬としての運動能力や演技力をしっかり発揮しているのに、やってる時には誰も見ていないとか、シロはどこまで行っても不遇だな…
最後、タレント犬としての栄光よりも、野原家の一員として暮らす日常を選ぶのは、この回の話の中でも積み上げが無い上にベタベタすぎるオチなんだけど、泣けて泣けて仕方がない、そんなシロ信者の私(笑)
というか、シロの回想に出てきた、しんちゃんとシロが走る様子は、二十年前に『クレしん』が始まった時の一番最初のエンディングの作画を模した動きなんだから、いい齢してまで観てるヤツはここで感動しなくてどうする!
…あ、別の意味でも泣けてきた(笑)
そして、タレント犬を諦めたシロの選択をフォローするかと思いきや、台無しにするCパート(^^;)
(Cパート脚本・絵コンテ・演出:ムトウユージ 作画監督:木村陽子)
「恋する水族館だゾ」
脚本:うえだきみこ 絵コンテ:義野利幸 演出:平井峰太郎 作画監督:高倉佳彦
最近のクレしんでは久々な気がする、しんのすけが道化役というか狂言回しで、今話限りのゲストキャラが話のメインとして進む回。
恋愛話が絡む場合、しんのすけの介入によって見事に破談になったり、逆に最後の最後でうまいこと成就する、というようになるのが普通なのだが、今回の話のオチはしんのすけの行動関係なく終わったな。
あの調教師のお姉さん、老け専なのが勿体ねェ(笑)