大阪は東京ネットから一週遅れなので、次の週の話のあらすじをネット感想見て知ってたりするので、実質的な最終回の今回の酷評されっぷりは大体把握してた。
「ラストの展開の意味が分からない」「安直なハッピーエンド」「この作品は何を描きたかった作品なの?」などの意見が多くて、相当残念な出来だったことは想像つくので、そういう事態になってしまった原因を考えてみたり、擁護的な考えを巡らせてみたりしたのだけれど、実際に見てみないことには何とも言えない。
で、実際に見てみたわけだけど…
奇跡が起こって、どうしようもない状況が劇的に改善されて一気にハッピーエンドになる、という結末の付け方は別に悪いことではないと思ってる。
「奇跡は起こらないから奇跡って言う」ということもあるが、フィクションのエンタメなんだし、絶望を抱えたまま後味悪く終わるよりは、どんな方法であってもハッピーエンドになる方が心地いいし、趣味の時間をこの作品に割いてきた甲斐もあるというもの。
特に、ハッピーエンドがお似合いの、穏やかな日常生活を延々と描いてきたこの作品では。
だから、「奇跡が起こってハッピーエンドになるなんて安直な展開は、見るに堪えない」という大勢の意見は、少なくとも私にはそこまでのマイナス要因とは見えないハズ。
「奇跡で全部解決ってオチじゃ、今までの鬱描写とかの意味がなくなってしまって、何のテーマを描きたかった分からない」という批判もどーんと来い!
・・・という気持ちで見てみたのだけど……………うん、ダメだこりゃ。
問題は、「(このアニメが)何を描きたかったのが分からない」からではなく、「(今回の話が)何を描いているのかが分からない」こと、そのシナリオ演出にあるぞ。
原作ゲームでは確か、街に住む人々の思いが形になった光の球を集めることで願いが叶う話があって、そこに平行世界論が関係して、「奇跡が起こって死んだ人間が救われた」というオチになる(ハズ)なのに、奇跡が起こったかどうか、その時点からして分からないんだもの…
そして、その奇跡とやらが、どこにどう作用しているのかが全然把握できない、というのも白けさせる原因。
奇跡で渚の命ひとつが死から引き戻されたのか、いやそもそもの虚弱体質が改善された結果なのか、それとも世界からして本来の結末とは違う別の歴史が生み出されたのか、ただ単に話の視点だけが平行世界に飛んだのか…
(ついでに、その奇跡は汐の死にも作用するのかね?)
それがないから、渚生存エンドで朋也たちがようやくハッピーな生活を手に入れられたというご褒美映像を見せられても、「私が今見ている幸せそうに生きているな渚たちの姿は一体何?」という感想がまず頭に浮かんで、ご褒美映像かどうかさえ判断つかないということになる。
これをゲームでやってたら、「うわーなんで、死んじゃうんだー!!」とバッドエンドを見てしまい、しこたまヘコんだ後でタイトル画面を見たら、「おまけ」とか「新セーブデータ」とか何とか今までなかったアイコンとかが出てきて、「おや、これは何だろう?」と押してみると、「やったー、ハッピーエンドのルートが見れるようになっているぞー!」という感じにでもなっているだろうから、分かりやすいんだろうが。
アニメとして分かりやすくするなら…
二人の出会いがもう一度やり直されるシーンは、前後の場面から見て、冥界かどっかでの幻想のやりとりだと解釈するとして(汗)
せめて、渚が死ぬはずだったあのシーンでは、渚が死んでみんなが悲しみに暮れているところに光の球が渚の身体に落ちてきて(いや、光の球がそういうシステムかは知らないけど)、渚が死から蘇って、一転みんなが喜びの表情になり、こうして本来とは別のルートになりました、と示すぐらい分かりやすく、奇跡をあざとく見せてくれないと…
先に販売されている劇場版サントラとTVサントラにも収録されているスコアもあるので、それを持っていると新録部分は31曲分。
このデラックスのサントラだけ買ってる人は網羅されてていいんだろうけど…
その31曲も、他の曲のバリエーションで、あんまり印象が変わらなかったりして、余計に満足感が経るぅ…
…とは言いつつ、「帰還」のバージョンアップ版とも言える「真実の果て」は、聞いてて満足だったりして、バリエーションだからどーのこーのと文句垂れるのはお門違いかもしれん(^^;)
あと、シーズン1のテーマ曲が「ロングバージョン」で収録されている、ということになってるけど、テレビサイズとどこが違うんだろう…
こいつとシーズン7テーマ曲には期待してたんだが。
…という文句は、まぁ、ケチんぼの戯言ということで(^^;)、本来ならば劇中曲をほぼ網羅した大満足のディスクだというのは間違いないでしょう。
私も、前にサントラ買えた時は相当嬉しかったもの。
『相棒Season7』も終わってしまった…
まとめて感想。
No.15「密愛」
右京に、フランス文学が苦手らしい、という設定が追加された。やっぱり、古沢脚本回には右京のバックボーンが増えるなぁ~
実際の登場人物は右京と先生の二人だけで、放送時間の話の半分は右京の想像話に映像としての形を与えて、事件が起こるまでを回想的に振り返る、という、撮影場所も登場人物も時間の経過も限定されたすごく実験的な回。
お話的には、情に訴えかけるある種のパターンをストレートに進めているだけで、話の筋だけを追うと面白味はない気はするが、この実験的な構成自体は好きかも。
No.16「髪を切られた女」
“捜一”芹沢が相棒となった今回。
芹沢@山中崇史が亀山@寺脇康文っぽい演技を出そうと奮闘していて、好感度高いヨ~
『刑事貴族3』のしのぶを思い起こさせる「勉強になるナァ~」のセリフには、思わず笑った
捜査一課等々から隠れて右京とコンビ組んで行動しなければならないという変則的な相棒設定も、もっと続けてくれてもいいのにと思えるぐらい魅力的ではあった。
徳永富彦脚本は『相棒』の外枠を見極めて堅実に話を作ってくるなぁ~
途中から映画撮影所の話にシフトしてしまい、警視庁での芹沢のコソコソぶりが出てこなくなったのは残念だった。
No.17「天才たちの最期」
これも、無難の域のシナリオだなァー
話の進み方が無難でも、被害者の部屋を調べているシーンで、右京が面白い言動をするとか、キャラで遊んでくれる部分があれば、満足が少し以上違うのに。
No.18「悪意の行方」
存在自体がネタとも言える特命係第3の男・陣川が出てくる回を、『相棒』の格子を理解してキャラの言動を書く櫻井武晴が脚本担当なのだから、ハズレなわけがないじゃないですか( ̄ー ̄)ニヤリ
陣川のキャラクターがよく滲み出た回になって、陣川ファン(?)としては嬉しい限り。右京との絡みも可笑しさがあって、良い感じ。
薫がいなくなってからパッタリなくなっていた「侮蔑的に“特命係の○○”と呼ぶ」ネタが、やり方を変えてちゃんと盛り込まれていたのもポイント高いですよ~
陣川の魅力はお話の進行自体をかき乱すところにあると思うんだけど、今回は全容が知れない謎の事件に巻き込まれたせいで話にかき回されてる感じがあって、そこら辺は少し残念。
ネットの問題点の数々をできるだけ挙げながら、挙げるだけに満足せずに、各要素がストーリー的に生きて話が進行していくのは、伏線回収作業をきちんとやっている感じがあって面白さがある。
やっぱり櫻井脚本はバランス感覚がいいなぁ~
『踊る大捜査線 The Movie2」で、斬新な犯人像として「リーダーの居ない集団犯罪」というのが出てきたけど、『踊る』のはその実斬新でも何でもなく強敵っぽさもなかったのに対して、今回の話のはその完成形といえるのではないかなぁ、と思った。そこら辺も、また面白いなァ~
No.19「特命」
冒頭のシーンで、この間『クイズ雑学王』で「『必殺仕事人』で走るシーンの迫力が増す演出」として説明されていた、靴に発煙筒を括り付けて疾走感を出す方法が使われていたっぽくて、こんなシーンでそんな演出してどーすると少し笑った(^^)
ミッチーが新相棒として正式に決まったという一報を目にした時は、大丈夫なのかと不安でいっぱいだったが、まぁ何とかなるか、という感じ。
ただ、体育会系の薫との対比ですこぶるエレガントなキャラとして描かれていた右京なのに、同系統のミッチーが来ると、相対的にそのエレガントさが弱くなって、キャラlクター的に堕ちた気がするのは、なんか哀しいなぁ…
右京@水谷豊には老いが見える一方、ミッチーはまだまだ若々しいから。
それはともかく、新スカイラインは大活躍でしたねぇ~(笑) でも、この車のあの顔はどうも好かんのだよ。
じわじわとどーしょーもなく苦しい結末に向かっていく話は悲劇性のドラマがあって見応えがあるんだけど、大 きく引っかかる点が一つ…
イデオサヴァンが描いた絵を実際の出来事として取り扱う右京だけど、「“絵だから証拠能力に大いに欠ける”と思っている人(これが普通の感覚)と、サヴァンの能力に絶対の信頼を置いているから“絵を現実のものとして扱う”右京(この作品的には真実に近い優れた判断)」というそれぞれの立場が強調されて説明されていなかった(ただ単に、犯人だから絵を否定する、刑事側だから絵を信頼する、という単純な対立構造に見えた)ので、ミッチーたちが「でもこれ絵ですよ」という理由で否定しているのに、右京は「この絵に描かれていることと実際が違っているから、実際の方に隠滅工作がされている」という反論をして、ズレた会話になっていたりするのが、難だった。
一つの事件が終わってから、それとはあまり関連しないもう一つの事件が起こって、でもすぐに解決しちゃう、という構成も、お話を面白くするために有効なのか疑問だけど、輿水脚本的だなぁ、で済む気も(笑)
とりあえず、特命係に半年属することになったミッチーだけど、来シーズン開始時点(ちょうど半年後)ではどうなっているんだろう…
予告編見たときは、捜一や特命係がもっと子どもに翻弄される事情の入り組んだ話になるかと思ったけど、流れとしては相当にストレート(子どもに嘘をつかれた男が復讐しにくる、という下手な捻りがないシナリオ)だった。
ストーリーの意外性はないが、これはこれで面白い。
ストーカー男の「気弱で相当不器用だが表面上はフツーっぽい人が、表面上はフツーなまま、程度も分からないほどイカレてしまっている」演技がナチュラルすぎてスゴイ!
「5-13.Wの悲喜劇」
「6-17.新・Wの悲喜劇」はお笑い要素多めの割に推理モノとしてもしっかり作ってあるバランスが素晴らしくて大好きなので、その原型であるこの話にも期待したのだけど、基本シリアス調で、あまり分かりやすい笑いどころが多くなかったのが残念。
美和子スペシャルの奇怪さと周りのリアクションは分かりやすい笑いどころだし、夫の目論みがデブ専によって阻まれるというのは高度な滑稽さがあるので、お笑い分が少ないということはないのだけど、雰囲気としてもうちょっと緩くてもよかったなァ~
「5-14.貢ぐ女」
「5-15.裏切者」
金田明夫は、どの作品に出ても「憎まれポジションだけど憎めない性格で、かつ何かの板挟みになっている」という似たような役が回ってくるなぁ~(笑)
しかし、櫻井脚本回にハズレなし。
善良な主婦が銃殺されるという理不尽な事件が、警察の裏帳簿作りという不正が絡んで起きたという社会性のある問題が絡む理不尽なもので、その追究をすると同じ警察に薫が襲われて危機に陥るというキャラ側のドラマもあり、それですべての証拠が隠滅されたかと思ったら、そもそもの裏帳簿作りがアダとなって事態が明るみに出る、というドラマ性も伏線にするかっちりとした構成は見事。
かっちりとはいえ、病室のシーンでは、目の前にいる美和子より右京に事情を話すことを選ぶというウホッな選択をした割には何を話すわけでもなく、「助けが必要な時は必ず頼るから」と美和子に入れたフォローを数分後に“何をどう助けて欲しいのか分からん”タイミングで実行して、説明不足感があるところには、輿水脚本にも通じる緩さを感じたりはしたけど。
薫は性格がお人よしで真っ直ぐだから、先輩刑事を追及することとの板挟みになって警官に襲われるし、それを受けて右京が真実の追究に向けて最後の手を打つ、という感じで、キャラがドラマに組み込まれて進む理想的な形態の話だったなぁ~
「5-16.イエスタデイ」
“昨日のことだけ記憶喪失”という、実際にそんな都合のいいモンねーだろ、何か裏があるだろ、というツッコミ待ちのネタなので、リアリティ重視で考えると「誰かの謀略で一日中眠らされるか何かされて、その間に犯人だと疑われる状況に仕立て上げられた」というのが順当だと思ったのだけど、本当にそんな都合のいい記憶喪失だったから、想像と外れて驚いたわ(^^;)
そういう設定を「アリだな」と納得すると、今回の話は、残された物証から昨日の自分の行動を探っていくという、少し捻った形の推理モノになっていて、なんで持っているのか分からない意味付け不能の物証が、次々と意味が与えられていて、話が繋がっていく様はなかなか面白い。
ラストもホロリと〆て満足が高いし、勢い(=設定)で突っ走ってる割にフォロー効いてる、という古沢脚本らしい回だったなぁ~
「5-17.女王の宮殿」
特命コンビが山中に置いてけぼりを食らう、という滑稽ながら一風変わったアバンに始まり、雨宿りに立ち寄った館の中のうろうろするだけで、途中まで事件らしい事件が起こらず、途中から判明した事件もそれほど大きいものではない、という『相棒』のパターンを外しにかかっている変則回。
個人的には、小さい事件の積み重ねがあって話の刺激が絶えず供給されてることもあって、こういうゆったりした話も面白く見れたなぁ~
戸田山脚本回はやっぱりネタが小粒なほど細部が光る。
「5-18.殺人の資格」
街中での殺人未遂を目撃し、交換殺人が行なわれることを知る、という目を引く設定から始まり、次第に行き過ぎたジャーナリズムが人を殺すことがある、という社会性のあるネタが絡んでいることが明らかになっていき、その悪意も意図も罪もない間接殺人的な行為になぞらえて、悪意と意図を込めた犯罪として実行されようとしているというクライマックスに雪崩れ込んでいくも、しかし最後に良心が勝つという怒涛の流れは、ドラマ的にも充実しているし見ていて面白い。
テーマ的には櫻井武晴が扱いそうなものだけど、岩下悠子が書くと、エンタメ寄りで後味の悪くない話になるので、これはこれで好きな方針だな。
「5-19.殺人シネマ」
森山周一郎@紅の豚に星由里子@三大怪獣地球最大の決戦!!
…という配役だけで興奮するアニオタ&ゴジオタ私は、まだまだ青いでしょうか?(笑)
話的には特に捻りがない順当だったもので、どうしても他の部分に興味が…(汗)
ていうか、捻りがないのは「映画」という題材それ自体に、この番組のスタッフが入れ込んでいるせいじゃないだろうか、とふと邪推してしまうのだが…(映画系のネタが毎シーズン必ず1本はあるし)
珍しくビミョーにしおらしい内村部長は、なんだかんだで面白い。
「5-11.バベルの塔」
うーん、2度も見るもんじゃねぇなぁ~……というのが、DVD見た感想(^^;)
オチが分かっていながら見ると、尺を取って緊迫感を演出しようとしている部分が、余計な引き延ばしであるということが強く感じられてしまうので。
後、前回再放送で見たときは、事件が起こった辺りから見始めて、話の基礎設定は想像で補っていたので、事件が起きるまでの状況設定の説明的な部分を実際に見てみると、想像よりも描写が薄い(娘を思う母の気持ち、とか)と思えて、その後の展開の説得力も薄まっているのが分かってしまったし。
でも先が読めない初見の時は、本当に面白かったんだよ…
愛娘を人質に取られているために犯人に言いなりになって犯罪に手を染めなければならない母@大塚寧々が、縁も所縁もないテロリストに仕立て上げられて味方する者なく、警察によっていとも簡単に射殺されて真犯人と真実が葬られる理不尽な展開になるはずのところに、偶然その場に居合わせ唯一真実に近付いていたものの毎度のように蚊帳の外に追いやられている特命コンビがヒーロー然とその目論見を阻止し、なおかつ真犯人のあずかり知らぬところで密かに包囲網を狭めていき、特命コンビの助力のおかげで真犯人を確保して事件解決かと思いきや、実は真犯人は別にいることが分かり、まったく手がかりを失って急速に絶望感に襲われていく…
…という、大塚寧々、真犯人、警察、特命コンビそれぞれのラインの話があって、互いの知らない部分で互いの目論見がせめぎあって話が進んでいく構成が、とても緊張感があって面白かったんだ。
暗殺に失敗して一旦逃げたはいいものの、どう考えたって多勢に無勢で捕まるしかない大塚寧々のところに、運よく通りかかったウエイトレスが人質にされて、その後の展開を乗り切る、という一見ご都合展開も、後でちゃんとフォローが入って「なるほど」と思わされる憎い作りだし。
話を一旦「結局誰一人救われなかった悲劇」として終わらせる思い切った結末の付け方と、最終的に犯人グループの一人が改心や後悔することなく「関係者全員に悲しみを与えられた」ことで満足して高笑いしたままフェードアウトする、というシナリオの側が犯罪者に一切の反省を求めない終わり方…あるいは「ここまでの大事件を計画・実行するぐらい憎悪が強い犯人なら改心・反省なんかするはずもなくから狂ったままの方が自然だろう」というリアリティがあるともいえる終わり方は、「こんなやり方アリか!」というサプライズと悲劇ドラマとしての見応えがあって、そこも良いんだよなぁ~
そして、狂った犯人から誰も手出しできない(逃げる者もいる)中、娘を失った悲しみを越えて、ただ一人残った愛する人=大塚寧々を救うのために、犯人に向かってがむしゃらに突っ込んでいって元妻の代わりに撃たれてしまう父親の行動は、ベタ過ぎるがゆえに何度見てもグッとくるし、もう一人の犯人の方が最後に贖罪行為を取るのも、同じ理由で涙腺にクるものがあるなぁ~
…まぁ、人質を取って篭城してから、全然犯人側のアクションがないのが不自然なのと、観覧車から狙撃するという銃の土台の安定性を考えたら全然オススメできない方法をとっていたり、新たに見直してみたら気になる部分は出てきたけど(汗)
この回で右京が手話ができることが判明するが、やぱり古沢脚本回は右京に新たな設定を与えることが多いなぁ~
右京の姪っ子・杉下花が登場して、ダブル杉下が縦横無尽に動きまくる話。
「3-9.第三の男」みたいに主人公サイドの設定をいじくるネタは、個人的にはずれなしの勝ちだと思っているので、これも例にも漏れずという感じだけど、古沢脚本回って、右京のバックボーン設定を増やしていく話が多い気がする。
ある意味、真実追求マシーンのような完璧性があって動じないのが右京というキャラクターだと個人的には思っていて、そんなキャラクターと相反するように、花の推理活動をことごとく否定して意地になったり、先に花に真相に辿り着かれたことを突かれて動揺したり、そんな今までにない右京の反応は確かに面白いんだけど、右京はこんなときでも無敵であって欲しいなぁ、と残念な思いもあったりして、少し複雑(^^;)
しかし、意地になっているから配慮がなくて当然ではあるが、右京が花にダメ出ししたこと全部、普段の右京の行動にはね返ってきて「お前が言うな」状態になっていたなぁ~
そりゃ、薫も思わず笑いがこぼれるわ(笑)
「4-17.告発の行方」
この社会性のある話題を問題提起的に描くやり方は、まぎれもなく櫻井脚本回。
今回は、「いかなる真実も追究し尽くしてこそジャーナリズム」というテーマを右京が援護しすぎていて、ちょいと内容が“左”過ぎる気がせんではないが。
おかげで、中立公平であるべき警察官の職務を右京が無視しているかのような感じが(^^;)
うーん…
父子が互いの本当の感情を吐露し合って和解する感動の回なんだけれども、どうもノれないなぁ…
汐@こおろぎさとみの演技が、だいぶ作為臭く聞こえてしまったので、素直な感情を出しているような感じに見えなかった。
前回までの、考えていることがイマイチ分からない子という演出だと、こおろぎさとみの子ども演技でもごくごく自然に聞けたんだけど、素直さが幾分か足りないというか…
菜の花畑をキャッキャ言いながら楽しんでるようなところとかは、『クレしん』のひまわりとか系の演技になっていて、汐の落ち着いた演技とギャップがあるけど、あそこまでキャラの年齢を下げた演技だと、また自然に聞こえるんだよなァ~
こういう作品分析本とか論評本とかは、新たな視点からの面白さを気づかせてくれたり、自分の知らない作品情報が手に入ったりするから、読むの好きなんだ。
そうかそうか、「5-9.殺人ワインセラー」とか「6-14.琥珀色の殺人」に出てきたあの酒種の数々は実在しないのか、そうかそうか…
…あれだけ「詳しく調べてるなァ~」と感心した感想を書いてたのが、ひどく滑稽だ(汗)
ていうか、ネットが発達したこのご時世なんだから、自分で調べなさいよ、という話がないではないが(汗)
いろいろな作品情報が載っていてありがたいし興味深いのだけど、でも文章とか章立ての構成は感心しない。
「数字で読む『相棒』マトリックス」という章にかなりのページを割いてあるのだけど、なぜ『相棒』を数字を読み解かなきゃならんのか、その必然性がよく分からない。結局、各話の話題がバラバラに出てきてまとまりがなくなってしまってるし。
そして、そういう章立てを作って小節ごとにテーマを出して分析してるのに、どの章でも事あるごとに「(テーマとは関係ないが)この話では、この部分がなかなか面白い」という所感じみた記述が出てきて、脱線しまくってるのが、『相棒』ファンのための作品分析アイテムというよりは、著者の随想になってるようだし。
…まぁ、私も似たようなものか、それ以下の文章をこのブログで書いているので、真っ向から批判する筋合いなんてあるはずもないんだけど(汗)
それに、こういう類の本で、どういう構成にしたり、どういう話題をネタにまとめるかは著者の自由の部分もあるし、私個人には合わなかったということだけ。
ただ…
サブタイトルの打ち間違えが多いのは、誰が見たって納得できないぞ。
たぶんパソコンで各項目の様式をコピーアンドペーストして書いているので、それでコピー元のサブタイトルを直し忘れてこんなことになっているんだろう。
おかげで、「6-19.黙示録」の説明しているのにそのサブタイトルが「6-18.新・Wの悲喜劇」…
日本の死刑制度の問題点を炙り出し、事件を取り巻く人々の悲劇のドラマを描く社会派のお話に、「なんで歯磨きのチューブ、真ん中から押すねんッ!? お尻から押さんかい!! あと、目ェ開けたまま寝るなッ!!」というしょーもなさすぎる理由で夫婦がドタバタの殺人計画を練る話のサブタイトルが付いてるのは、あまりにもあんまりだろうて!!(笑)
犯罪人引渡し条約についての日本の脆弱性をネタに、「外国に逃げたから逮捕できない」という事件の始まりを復讐として逆に利用するという話の持っていき方は、「4-9.冤罪」っぽくて、実に櫻井脚本的。
国家レベルの大事件という視聴者が興味をそそられる題材で話をかき回しつつ、ちゃんと1時間の放送時間内で落としどころまで持っていけるように要素を配置し、拡げた風呂敷を閉じられるようにしてある行儀の良さがありながら、なおかつその解決にも考えさせられる部分が合ってドラマ性を持たせているのが、見事。
そして、そんな重い題材を扱っているのに、小野田の「相手国に犯人を引き渡してもらうには、もっと頭を下げないといけないねェ」などなどの言葉に逐一反応して御辞儀の角度をどんどん下げていく刑事部長&参事官のお笑いネタも練り込んでいるところも、何気に好きだなぁ(笑)
No.13「超能力少年」
米沢相棒回。
予知能力というトンデモネタを扱いながら、そのネタを見事に話の主軸としてストーリーを描ききると同時に、親子関係にも言及してドラマ的な要素も交えて話の厚みを見せつつ、最後の科学的裏付けがあることを説明する、というパワー押しの部分が見えるのは砂本量的にも見えた。
ポスト亀山の相棒として最も納得できる描き方で、米沢の扱い方を心得ている辺り、さすが古参脚本家。
No.14「男装の麗人」
ブレイクタイム。ここ最近の技巧凝らしまくりのハイクオリティから見たら、だいぶ楽に、オーソドックスに作ってる感じがする。
今話は右京の相棒役がいないので、「これってどういうことですかね?」と聞いてくれる薫ちゃん的役割というかワトソン的役割不在のせいか、右京が聞かれてもいないのに勝手にベラベラと解説をしている感じになっていたのが、ちと滑稽だったかもしれない(汗)
帝都劇団の事務社員が、なんか見覚えがあるなと思ったら、『ウルトラマンネクサス』の副隊長だったヨ。印象代わるもんだなァ
2時間ドラマを通しで見るには気力みたいのが必要だったりするし、寺脇康文とか高樹沙耶とかが出てたりするので『刑事貴族3』の方が個人的な注目度高かったりしたので、こうなってしまった感じが…
しかし、ネットのファンサイト見てると、『2』に比べて『3』評判悪いなぁ…
中山忍が若いなぁ、と思うのは、私が怪獣オタクでもあるからか(^^;)
「9人の優しい日本人」
キーワード:冒頭から海岸で代官署刑事大集合で犯人逮捕→謎のヘリ登場で犯人が銃殺、新任のしのぶは宮本課長の姪、制服を着なさい、しのぶ誘拐される、しのぶ解放条件は証拠品との交換、検察に渡します、非情な宮本課長に全員円陣で愚痴り合い→本城「はい、この件はこれで水に流そう、散ってくれ」、本城が検察官を拉致→証拠品を泣き落としでゲット、本城と犯人がガン飛ばしあってる隙に犯人車への発信機取り付けを誤魔化す、『3』ではあまり聞けない本城の「お恥ずかしいったらありゃしない」
感想:まだアクション刑事モノが標準的だった時代の作品だけあって、そこらへん面白い
「ラブソングをあなたに」
キーワード:店の花を全部買うよ、こいつの長所は真面目なところ・短所は真面目すぎるところ、怒りをかって水をぶっかけられるミノル、彼女の歌を邪魔するんじゃないよ
感想:ミノルメイン回。2話目にして、いきなりアクションが激減して物語のハードさの雰囲気も皆無になってるのはどうなのとか思いますが、真面目すぎるミノルのストーリーはなかなかに面白い
「ビッグ・ママ」
キーワード:刑事を圧倒し騙しまくるおばちゃんパワー、どこまでも追っていくカズ、本城「だから散ってくれッて!」―(散る方向バラバラに混線する代官署刑事たち)―「…ああ、こっちでいいのか」(←アドリブっぽい一言)
感想:(書きかけ)
「刑事の娘」
キーワード:タケさんの娘が事件に関係する
感想:タケさんメイン回だけあって、一昔前というか、『はぐれ刑事』みたく説教的というか人情重視の雰囲気になってるな
「疑心暗鬼」
キーワード:自殺しそうな女性を止めようとするリョウ→女性「(リョウの顔を見て)トミー!?」→リョウ「へ?」→本城「そうだよぉ、トミーだよぉ」、リョウ「結婚しよう!」→本城「演技なんだか本人も分からなくなってるんだ」、リョウの顔に瓜二つの人の良い詐欺師、トミーと自分の顔がそっくりなことを気にしすぎるリョウ→本城「考えを広く持とうよ」→リョウ「分かりました!犯人はトミーをオレだと勘違いしたんですよ!」→本城「こいつ、人の話聞いてなかったんだ…」、結局リョウと顔がそっくりなことは関係ない犯行動機
感想:事件関係なく、疑心暗鬼のリョウが必要以上にオドオドしまくる話に途中からなって、挙動不審の様子何か危ない臭いが(^^;)
「汚れた顔の天使」
キーワード:カズ撃たれる&銃奪われる、ハチぃ~、犯人の居所探るために演じるチンピラ風の本城&リョウ、「顔は殴らないって言ってたのに」―ミノル「日頃の行いだよぉ」
感想:冒頭の何気ない会話がラスト近くで伏線として活かされる、っていうところはなかなか面白いのだけど、カズが撃たれるという重大事件が頭に起こった割には、ハチに出し抜かれて追い掛け回してるの中心だし、ハチの過去もイマイチな感じで明らかにならないし、全体的に締まりのない展開。
「遠いあの日に」
キーワード:昔の思い出の影響で容疑者に肩入れするナツミ&後押し本城
感想:(書きかけ)
「ツイてない奴」
キーワード:強盗やった後に裏切られる男、関西弁の彼女を逃すカズ、彼女が人質に取られたと思ったら…
感想:カズメイン回だが、最後の最後に本城もカズの命令違反的な行動に乗っかって、一応の主人公らしく人質救出に活躍するかと思ったら、スカされて、お目玉食らう……出演時間の短さに対して処分が重いっていうのは、一番ツイてなかったのは本城か?(笑)
「ガセネタ」
キーワード:通報、少年、マンション団地、ダイアルQ2
感想:タクメイン回。
「若者たち」
キーワード:イケイケファッションしのぶが勝手に歩き回って振り回される本城&リョウ、間違って捕まえるリョウ、若者が刑事を撒く、本城撃たれ演技、雑誌で防刃服代わり
感想:何気にキャラ登場のバランスがいい感じ
「天国と地獄」
キーワード:サチ「本城ぉ~」、本城の腹が刺されて貫通、と思ったら銃の御蔭で辛うじて命取り留める、医者「これ(銃)が致命傷を逸らしたんだ」→本城「命を守るものです」、本城「こんなところで油売ってないで捜査に行けよぉ」-リョウ「口を縫ってもらいましょうか」、誘拐されるサチ
感想:銃の扱いがテーマ的に面白かった。原監督面目躍如のアクション回。アクションステージが廃工の屋内限定なのは絵的に栄えなくてちょっと残念かも。
「約束」
キーワード:歌手・鈴木雅之に脅迫状、敵の襲撃を難なくよける鈴木雅之、ヤクザ出身の芸能事務所社長、それとは関係なく昔の仲間との何年ぶりかの約束、サングラスは外さない鈴木雅之
感想:駐車場で一人の時に刃物持った男に襲撃されるってのは、フツーの刑事ドラマなら殺されてるところだが、相手の動きを見切って避けるって、優遇されすぎじゃないのか鈴木雅之!?(笑)
「別れた理由」
キーワード:妻「借金のために泣く泣く別れました」
感想:(書きかけ)
「誰かが見ている」
キーワード:非番のしのぶが重要アイテム持ったまま四国旅行、盗まれる覆面車両ズタズタにされる後部座席、四国に行ってもしのぶに会えない・行き違う代官署刑事、ラストで本城の回転キックで海に落下する犯人
感想:ケータイが普及した今ではできない、この時期だからこそできる行き違いストーリーが面白い。
「挑戦」
キーワード:いきなり逮捕から始まる物語、舞台の半分は取調室、犯人がタケさんを暴行罪で訴える、父を亡くした幼稚園教師
感想:フツーの刑事モノではなかなか扱わない「逮捕した後の話」を扱うという意欲作で、強引な取調べによる冤罪疑惑まで掘り返すというところまで、どうもうまく行っていないような…。ちゅーか、何かしらの後味の悪い結末を迎えなきゃおかしい流れにまでなっていたのに、「やっぱり正義は勝ちますね」と本城に断言させるまでのハッピーエンドで終わったのは、あまりにも強引すぎ。急に脚本書き換えた?とすら思えるんだ…
「それぞれの旅立ち」
キーワード:恩師の警察署に引き抜かれるタク、結婚間近のナツミ→でも特殊部隊の審査に受かってました
感想:タクとナツミの卒業回。タクのご友人の婦人警官…アレが死亡フラグというヤツか(笑)
「氷の女」
キーワード:ジュンコ復帰、捜査一課長を疑うジュンコ、ジュンコ「人の心をなくしました」
感想:『刑事貴族』がこれで初視聴の私は、ジュンコってこの話の中みたいな冷血女性という特徴的なキャラかと認識したのだが、次の回ではしのぶと笑顔で「そうだよねぇ」とか言い合えるフツーのキャラに(笑) 初対面でリョウ@寺脇康文に攻撃かますジュンコ@高樹沙耶、そしてその後険悪な二人、というのは、『相棒』に慣れてる身からしたら、イメージ違いすぎて笑える。
「青春のかけら」
キーワード:ダイは過去に野球部でいろいろありました、野球は一人じゃできないぞ
感想:だからどーした。前回から新登場のダイメインの掘り下げ回だが、あまりノれなかった。
「神様なんて信じない」
キーワード:容疑者の弟と仲良くなろうと試行錯誤の本城、容疑者を真犯人に先回りで殺されて本城後悔のブチギレ
感想:何気に水谷豊、子ネコの扱いがうまいぞ(笑)
「悪魔がくれた拳銃」
キーワード:本城「あいつが本物なんて持ってるわけないだろ、おもちゃおもちゃ」→本物の銃持ってました→本城「どうなってんだよ!?」…というお約束、フィットネスクラブで銃を突き合わせる
感想:考えてみれば、最初の本城の油断がなかったら、後の事件全部起こってなかったよなぁ(^^;)
「乙女座の彼女」
キーワード:殺人事件の目撃者探し中に一目惚れするリョウ
感想:リョウ主軸のストーリーは、どうしてこうもまとまりがいいのだろう
「偶然の略奪者」
キーワード:かばんの取り違い、引っ叩かれるリョウ→「ダイのヤツぅ~」、かばんを奪おうとする犯人にあわや殺されかけるリョウ、AV…に見せかけた脅迫用盗撮ビデオに映る別の映像
感想:クライマックスの展開が、BGMともども気が抜けてるのがなぁ~
「姉 おとうと」
キーワード:
感想:(書きかけ)
「湖の記憶」
キーワード:饅頭をおもむろに奪って食べる記憶喪失の男、保険金殺人の疑惑、ジュンコの不動産屋変装、本城「お恥ずかしいったらありゃしない」→リョウ「出た!久々!」
感想:全体的にいまいち
「ファイナル・バトル」
キーワード:アソウナオミが脱走・復讐、本城宿直で代官署に独り、何本持ってるんだよ!?
感想:アクション主体でがしがし押してくタイプの話としては、ちょっと物足りない感じもある気はせんではないんだけど、それでもターミネーターばりに暴れまくる犯人と何とか渡り合う代官署刑事たちとの戦いは、結構面白かったなぁ