知人曰く、絵が上手くなりたければ良い絵に触れることである。
美術館にでも行ってみるのが好ましい、と。
イラストホームページ立ち上げてるくせに、絵については素人同然の私。
美術館なんて生まれてこの方一度も行ったことがないし、家の本棚にはハウツー本や絵の資料はもとより、落書帳の一つさえありません。
慢性的に知識不足、経験不足です。
そんな状態だから、美術館行って絵を見るだけでもちょっとはタメになるかなぁ…と思いつつ、そんな状態で絵を見ても何かが理解できることがあるんかい?…と疑問に思うところも。
まぁ、最近そんなことを考えていた折も折、今日は大学の講義の課外学習みたいなもんで、近所にある兵庫県立美術館の「ドレスデン展」に行くことになってました。
ドイツのドレスデンを治めた王の名コレクションがずらりと並ぶ豪華なラインナップ。
とにかく、こうして機会があるのだから美術館に行かな損でしょ、ということで見学に参加しました。
果たして、どこまで目を肥やすことができるか…
「2時間じゃちょっと時間足りないかなぁ」と心配しつつ結局教授が2時間の見学時間をとったところを、わずか1時間で見終える私。
…明らかにじっくり鑑賞してませんな。
こんなんで目を肥やせるかッ、ボケぃ!
「このサーベル、柄にカノン砲がついてますよ! アホな作りですねぇ~^^」
などなど、ネタ探しに一所懸命になっていた一回生と一緒に回っていたので、ソイツのコメントが気になって集中できないわ、上記のような変な言葉が頭にこびりついて離れないわで、あんまマジメに鑑賞してなかったのですよ…(←責任転嫁)
うう……美術館なんだからヤボなツッコミなしの純粋な目で作品を見たかったのに…
そう、ホンモノの“美”の前では、人間はあらゆる俗的・即物的な考えを捨て去ってしまうものなのですよ!
…などと言いつつ、大量に並べられた王を讃える記念メダルを見て「ああ、権力者って栄光を形に残したがるもんだなぁ」とか、誕生日記念の贈呈品に数百単位のダイヤを散りばめた装飾品を前にして「ああ、なんか女の人が宝石欲しがる気持ちが分かったような気がする」とか、結構不届きなこと考えてしまってましたが…(笑)
マトモに鑑賞したのはフェルメールの絵ぐらい…
出会えたことに感動して、もうそれだけでお腹一杯。
(………ん? …ってコトは結局あまりマトモに見れてなかったってコトか!?)
レイブラントあたりはフツーにスルーしてましたからねぇ…
たぶん齢取ってから、滅多に見られない名品に触れる折角の機会を得たのにもかかわらず何も感じずに素通りことに、激しく後悔するんだろうなぁ…
まぁ、写実的な風景画には素直に感動していましたけどね。
ルネサンス期の作風が残ってる絵とか印象派臭い絵とかはそれほど心に残ってはいないんですが…
要するに、描画のタッチとか色彩とかではなく、作家の風景コピー技術がスゴイというただそれだけの理由で感動しているだけってことですな…
ああー、ダメダメだー…
「この雲の表現イイ!」「この光の描き方サイコー!」などと心の底から言ってみたかった…
そんな中で一番記憶の残ったのは、最後の土産店コーナーですな。
ア・ホ・かッ!
角度を変えると絵が変わって見えるホログラムカードが売ってました。
ラファエロの聖堂画に描かれた男性同士が指を合わせてETみたいに光るというバカバカしいノリのものや、ゴッホの自画像の耳に包帯が…という悪趣味なものまで、まぁいろいろ。
ついでに、自動的に角度を変えるための、カードを乗せたままユラユラ揺れる台まで付いてます。
おお、なんとサービスがいいんだ(棒読み)
これを見つけてきたのは例の一回生…
またオマエかッ!