え~、アニメ『コナン』の救世主・青野厚司氏が、コナン班の作画監督を辞職していたというニュースを知って、大変ショックを受けてながら飯食ってたTakeです(笑)
毎週各話スタッフチェックしているというのに、半年前から名前を見かけなくなったことに全然気付かなかったこの自分の鈍感ぶりをどうしてくれようか…
青野さんはコナン開始当初から作監として番組に参加してた古参なんで、神作画云々以前に単に惜しいなぁ…
しかし、作画の問題は青野さんだけに留まらない気がしますよ。
スタッフ表を見ると分かるんですが、ここ最近の回の作画監督には、志水泉・村中博美のような古参や増永麗・川島明子みたいな中堅が登板していなくて、知らない名前ばかり。コンテ・演出からはベテラン青木悠三の名前も見えなくなっています。
最近現れた作監陣のレベルがどのくらいなのかは、古参の佐々木恵子が総作画監督に入らなければならなかった「八岐大蛇の剣 前後編」の回の作画レベルがどれだけ悲惨だったのかを考えれば、自ずとその新参作監全体の力量も推し量れるのではないかと…
そんな面子で作画ローテ回してるところを見ると、『コナン』の作画環境に何か良くないことが起こったんじゃないかと不安に思ってしまいます。
ひょっとして、古参と中堅を締め出して新人(?)投入してもっと安い経費で作っていこう、なんて方針が出されてるとか…?
(しかしアニメ業界の格の上下の違いで浮く経費なんて知れているだろうに)
あるいは、「もう『コナン』の現場で働くのイヤ~」と、古参・中堅連中がボイコット、とか?
何にせよ、この状態が続くならば、『コナン』の作画面はどんどん恵まれない方向に進んでいくことは必至だと思われます。
年々酷くなっていってるのに、もう勘弁して…
ようやく『コナン』本編への感想。
今年からの新OPは久々登場のB’z。
B’zのときはOPアニメを使い回す、という決まりでもあるのか、前回の『ギリギリchops』と同じく、今回も過去のOP映像を再編集して使い回し。
前回の試みはアレンジが上手くて結構成功してたと思うが、今回はどれもこれも動きが大人しい画ばかりの上に演出に工夫がないから、歌の調子に合ってなくてイマイチ。
さて今回の本編。
大谷育江が入院しちゃったんで、ガッシュベル、『ワンピース』のチョッパー共々、わが『コナン』の光彦も別の声優に声変わり。(ピカチュウは録音使い回しらしい)
後任が折笠愛なモンだから、微妙にハスキーボイスっぽいのがキャラに合ってない気がして違和感が…
大谷育江の特殊なソプラノボイスに似せるなら若手の声優に任せた方がイメージ合うのに、なんで大人声のベテラン声優連れてくるかな~
…いや、逆にベテランだからこそ選ばれたんだろうけど。
内容。
通常、放送1話分には原作2話分のエピソードが欲しいところを、今回は原作1話をムリヤリ引き延ばして30分番組にするというとてもデンジャラスなことをやってくださったので、あちこち間延びして酷く退屈なことに…
例えば冒頭のゴミ箱漁りのシークエンス。
コナンがゴミ箱横倒しにして中身散らかしてるのに、歩美たちどころか由美婦警までぼけ~っと見てるだけってのはどうなんだ?
普通は「危ない」とか「ゴミを散らかすな」とか注意するでしょうが。
そうしたらコナンが「ちょっと探し物」云々返事して、キャラ同士のちょっとしたやりとりが成立するから、少しは有意義な時間稼ぎになるのに、そうした工夫なしに、ただカット数増やして無言の顔芸シーンを延ばすだけだもんなぁ…
なるべく原作に沿ってアニメにする方針は喜ばしいとは思いますけんど、そのせいで作品としての面白さが削がれてるのは本末転倒でしょうて。
脚本に描写がしっかり書かれてても、絵としての見栄えを重視して絵コンテ段階で変更したり、演出が入って付け加えたりするのがアニメ制作だというのに、なんで出来ないかねぇ…(今回脚本家いないけどさ)
…まぁ、『コナン』の場合は「特殊な事情」があるから、原作を改変することに臆病になったとさえ言えるほど、手を加えることに神経質になったというのがあるんだろうけど。
内部事情とか営業方針なんてまったく知らないんですが、アニメ初期と今を比べると、アニメスタッフの方針がどう変わったのかよく分かります。
放送一年目のアニメ『コナン』は、黒の組織というややこしい設定を排して純粋な推理モノとして売り出そうとしていた節があって、原作に出てくる黒の組織との絡みを全て削った上で、オリジナル要素ガンガン詰め込んで原作削りまくるなど、結構改変に積極的でした。
(当時の原作も、長い間黒の組織が全然出てこなくて、組織の設定が足枷になってたから、そういう判断も致し方ないんですが)
ところがどっこい、原作の方向転換か予定通りか、その後やたら組織の話が出てくるようになって、遂には灰原哀なんていう組織と関わりの深いレギュラーキャラまで出てきたモンだから、さあ大変。
灰原登場に不可欠な原作初期のエピソードを黒の組織の話なしのほとんど別モノとして既にアニメ化してたので、アニメ版は原作との辻褄合わせるのに中途半端なオリジナルエピソードを挿し込んで、何とか整合性を持たせてましたね。
(ついでにいうと、ジンとウォッカの名前もアニメ版では何の前触れも無しに急に判明してたっけ)
そういうわけで、オリジナル展開を盛り込んだせいで伏線を台無しにしたので、その教訓からそれ以降の原作話は、原作のエピソードから外れるような改変は一切せずに、原作に忠実に話を進めるようになったわけです。
何が伏線になるか分からずにエピソードの取捨選択に苦しめられる映画版『ハリーポッター』状態。
でもなー、シリーズ展開に影響しない部分にはオリジナル要素ぶっこんで改善しても構わんと思うのだが…
それから、キャラ萌えの女性コナンファンが大量に出てきたというのも、話が退屈になるひとつの要因かもしれない。
コナンを支えているのがそうしたキャラ中心に見る人たちということは、キャラが前面に出ていれば見続けてくれるということで、逆を言えば、キャラのクロースアップが出てこないと興味を失って見てくれない、視聴率がとれないということになる。
だからキャラのクロースアップを重視せざるを得ない状況から、あまり大胆なレイアウトやカット割りその他演出ができず、画面が単調になってしまうんじゃなかろうか。
まあ、あくまで情報ソースのないただの想像ですけどね。