今週も飲んできました。毎週飲んでる気がします。
学生のくせに大層な身分で。
またまたつぶれてしまって、午前3時までダウン。午前様決定。
下宿に帰ったらベッドに倒れこんで昼まで居眠りこくのが定石なんですが…
唐突に「映画を朝イチの回で観たい」という欲求に駆られ、酒でグロッキーになっているのに、わずかな睡眠時間しかとらなかったフラフラな体にムチ打って、1時間かかる三宮までの道のりを朝早い内からトボトボと歩いて映画館まで行きました。
………アホだ。
そうまでして観たかったのか、と尋ねられれば
「いや、それほどのものではない」
とハッキリ否定できる程度の作品だったんですけど(笑)
いや~、酔っ払ってるときの心理は自分自身でも分からん。
で、何を観てきたかと言えば、本日封切りになった、アノ『踊る大捜査線』の外伝、
『交渉人真下正義』!
ホントはビデオレンタルが始まってから観ようと思ってたんだけどなぁ…
だって、真下正義@ユースケ・サンタマリアが主演の映画なんて全然華がなくて見ごたえなさそうなんだもの。
実際、本編観てもその印象は変わりませんでしたよ。
というか、制作スタッフも真下というキャラの弱さを承知していたのか、はなっから真下主役で描こうとかいう意思は感じられませんでしたけど。
真下のキャラの弱さを補うためとしか思えない濃いキャラの脇役がずらりと勢ぞろい。完全に主役の真下を食ってます。
しかも、この映画の本当の主役は「事件」そのものだから、余計に真下の魅力が見えてきません。
登場人物たちが織り成すドラマを描くことよりも、続発する事件に人々が翻弄される様や印象的な事件が次々と起こっていくサスペンスフルな展開を中心に描くというのは、『踊る~』の劇場版第1作から変わってないスタンスで、今作は前2作よりもこれを前面に押し出している感じです。
まぁ、私がこれを観たかった理由の全ては、この「事件」だったから良いんですが(笑)
しかし、よく考えてみれば、この「事件」を取り扱った映画、よく公開差し止めにならなかったなぁ…
基本的な内容が「地下鉄(=鉄道)パニック」で、急ブレーキで「車内が阿鼻叫喚」の状態になったり、電車が「衝突」したり、「急カーブで脱線」しかかったり…
例のJR福知山線脱線事故を髣髴とさせる、などの苦情が来ても不思議ではないですよ。
(「乗客の阿鼻叫喚」以外の描写はだいぶ異なりますが)
でも全然言及されてないということは、それだけ世間の注目度が低いってことか(笑)
それに、後半になるに従って、地下鉄関係なくなるし(笑)【ネタバレ】
脚本をもうちょっと考えてほしかったなぁ…
まぁ、話のメインは交渉人としての真下の活躍だから、地下鉄からシナリオが遠ざかっても問題はないんですがね。それに地下鉄の話をほったらかすワケではないし。
でも、“交渉人”の活躍ってのも正直ビミョーですよ。
真下と犯人との交渉合戦、何とかして相手から重要な証言を引き出そうとする会話の駆け引き、ってのを期待していたんですが、姿の見えない愉快犯から出されるクイズまがいのヒントが一方的に提示されて、通話終了後に真下と仲間たちがそのヒントから「答え」を推理して、次にかかってきた電話でその答え合わせのため犯人に「正解」と言わせるために交渉術を使い、そしてまたヒントが出され、内々で推理して、次の電話でまた……という流れの繰り返し。
それって交渉かい?
駆け引きの面白さが出るのはクライマックスの最後の交渉の時だけだし。
そもそも交渉人ってのは、誘拐犯とか立てこもり犯みたいに相手の行動が予測できる状況下で犯人の行動を誘導するのが主たる任務では?
『踊る2』でもそうでしたが、電話し続けてくる確証もない顔の見えない犯人に、交渉人が交渉するのは違う気がするんですが…
まぁ、そんなことを言ったら元も子もないんで、純粋に「推理ショー」を楽しんでいけばいいんでしょうが。
まだまだ言いたいことはありますよ~
真下は基本コメディ性格でマヌケ+不意にマジメな活躍をわずかにしたりするのがキャラ的に「おいしい」のに、マジメ顔の方が多かったのはキャラが映えなくてダメだと感じること…
今作で『踊る~』では禁じ手(ってほどではないけれど)が破られて、銃撃戦(もどき)や爆発といった派手なシーンが出てきた上、架空の列車や路線を描くために特撮やCGをガンガン使ってて、低予算番組だったドラマシリーズと比べるとかなり大規模化してきたなぁ……と思うこと…
この効果的な特撮の使い方を現行のゴジラスタッフにも見習ってほしかったということ…
(↑またそれかッ)
ここのスタッフも“自分たち流の『劇場版エヴァンゲリオン』”をやってみたかったんだなぁ……と後半の真下と犯人の会話聞いてて思ったということ…
暴走列車のヘッドが『ガンダム』の「ザク」の顔に見えてきてしょーがないこと…
前2作同様、今回も衝撃的な犯人像が提示され、投降の仕方も含めて面白かったのだけれど、「それでいいのか?」と実は納得できてないこと…
そういうのは全部、監督が暴走して趣味をバクハツさせちゃった結果なんだろうなぁ……ということ…
……と、まぁ、なんかツッコミ入れたり文句垂れたりしてますが、これ以上言うと作品の内容に関わってさらにネタバレしかねないので、この辺で。
でも、これでも観ている間はかなり楽しんで観てたんですよ。
私がこういうノリが好きだというのもありますし、ここのスタッフはこういうエンタメ映画作らせると上手いですからね、『踊る~』の続編的作品というのを考慮に入れなくても充分楽しめます。
さぁ、実際に劇場に足を運んで確認せよ!【宣伝】
ちなみに9月には、ドラマ設計に定評のある実力派脚本家・君塚良一が監督も努める『容疑者室井慎次』が公開されます。
こっちはアクション性の強い『交渉人~』と違って、濃厚なエンタメドラマを見せてくれそう。