私はアニメの作画やら演出やらの上手い・下手について詳しいわけでは決してない。
アニメのスタッフとして働いた経験なんてもちろんないので、作品の作り方に関してあーだこーだと偉そうにグチを垂れる資格もない。
じゃあ、今まで散々書いてきたアニメの感想は何だったのかと考えれば、私の狭い了見による偏見と妄想を元に語っていただけだったりする(笑)
…というか、マトモな日本語書いてるのかも怪しい気もするが。
しかし、そういう至らない部分があることを踏まえて、敢えて言おう!
今回のはヘタである、と。
そろばんの少年の話をブラックジャックの回想ということにして、ピノコをむりやりストーリーに絡めることを回避させていたのは、まぁ良い。
今どきそろばんはないだろー、というツッコミも、回想だから昔の話ですので、という理由で防げるし。
けれど、回想なのになんで手術後は少年視点で物語が進むねん?……というツッコミは防げんなぁ。
まぁ、それには目をつぶらにゃならんとして、他の箇所には言いたいことがいろいろ…
「足りない手術料は、ボクがそろばんの名人になって稼いだお金で払います」と少年が決意表明するシーン。
でも……ブラックジャック:「本当に払えるんだな?」―少年「ハイ!」の流れが普通の会話になりすぎてて、ブラックジャックの心を動かすほどの決意が込められてるような描かれ方には到底見えなかった。
演出が弱いなぁ…
そこは、手術室でそろばんへの熱くて人情味溢れる思いを語る少年、というシナリオ面でカバー。
手術後のまだ不自由な手でそろばんの猛練習をした結果、少年は全国大会に出場するのだけど、猛練習のシーンを画面分割で見せてわずか数秒で終わらせていたのはちょっと…
練習時間が短いように感じられて、本当に全国大会まで行けるほどの実力が身についたのか疑問に思ってしまう。
直前までそろばんの練習に挫折していたから余計に。
もっと尺を取って、話にタメが欲しいなぁ…
「決勝戦であの子の指は動かなくなる」と事態が起こる前に宣言するブラックジャック。
見え見えの展開ではあるが、そうまで自信たっぷりに言われちゃ、興味を一気にそがれるというもの。
端的な思わせぶりセリフに留めて軽く伏線にするとか、確証がない風を装ってボソッと漏らすとか、演出方法はいろいろあったろうに…
舌でそろばんを弾くのは、冒頭の診療所のデモンストレーションで直接描写せずに、しっかり伏線にしていたなぁ。
でも、「最後の切り札が実はあの時の…」という流れよりも、「嘲笑を恐れて一度は止めた技だったが、最後になってその経験によって救われ喝采を浴びる」という直接描写をする流れの方が面白いだと思うんだが。
まぁ、これは感じ方は人それぞれ。
ラストのNG集でもかましてくれる。
そろばんをスケートボード代わりにして遊ぶピノコ、そしてブラックジャック(表情は分からないけどおそらくあの仏頂面のまま)、というのは見た目スゴく面白かったんだけど…
そろばんを大事にする少年のエピソードだったというのに、そのそろばんの使い方はなんだ!?
物は大事に使いなさい!
なんか扱ったテーマと笑いにしてるポイントが矛盾してて興醒める…