こんな『みつどもえ』に誰がした!?
…というわけで、『みつどもえ』の第2期放送開始だが、1話まるまる劇中劇…というか、劇中特撮劇の『ガチレンジャー』を本編そっちのけでやってしまった異色回。
ただでさえ、「週刊少年チャンピオンのアニメ化の“明”が『イカ娘』で“暗”が『みつどもえ』」と言われているのに、実験的な第一話で新規視聴者を取り逃してどーする!
ただし、かつての戦隊モノをツッコミつつも楽しく見ていたオトコノコたちにとっては、細かいところに手が届く演出が多くて、ニヤニヤしながら見れたなー
お話自体はこの手のお約束を踏襲しつつ、ギャグで茶化してた部分もあったけど…
・建物の写真に爆発エフェクトを合成しただけの爆発シーン、
・カメラの手前に炎を置いて役者を奥に配置して爆破された建物のモノを映さずを誤魔化すカメラアングル、
・車と役者が一緒に映っているカットで車が爆発されるところをノーカットっぽく見せようとしたら爆発の瞬間車が消えて役者の位置が微妙に変わっている編集、
・女性レンジャーが大型バスを運転しているはずなのにバスの外観を遠景で撮ったカットでは女性レンジャーの衣装を来たおっさんが運転しているスタントシーン部分、
・たった3カットの間しかないのに合体シーン・着地シーン・殺陣シーンでプロポーションや動き方がまったく変わっちゃう戦隊ロボ、
などなど、演出部分は昔の戦隊モノの再現に生真面目に労力が費やしていて、感心するやら何やら…
怪人を生み出す工程に割と時間割いていたけど、そーいえば子どもの時分は、ヒーローの活躍の次点ぐらいに、毎回出てくる悪役側のお約束シーンも楽しみに見ていたんだよなー、と懐かしい気分に。
この手のヒーロー番組って、割と悪役側の描写も重要よね。
『けいおん!』映画化決定!
…って、何を映画化するんだ、この日常アニメで?
日常ギャグアニメの映画化でも、「世界を揺るがす強大な敵や事件に巻き込まれて、レギュラーメンバー大ピンチ!!」という『ドラえもん』・『クレヨンしんちゃん』方式はモチロン絶対に使えないし、キャラの性格を入れ替えるというイレギュラー要素を目玉にしていた『あたしンち』方式も、レギュラーキャラが卒業を迎えた今無理だしなぁー
京アニムービーだし、『MUNTO』様の前例をならって、総集編映画ってのが最有力か…
アニメの映画で、日常のだらだらとした光景を延々写し出す、ってのも退屈な気がせんではないが。まぁ、そういう雰囲気の映画ってのは実写映画には多いですけど。
……。
…ん?
まさか、実写化?(笑)
スローテンポで進む、特にストーリーに起伏のない、2年生ズ中心回。
落ち着いた話運びと演出が、まさに雰囲気アニメという感じで、心地は良かったけど、ギャグ分がかなり少なめで個人的には食い足りなかったなぁ~
純の、楽器捨て置いて缶蹴りしてる軽音部のイメージ図とか、梓の、やる気のある軽音部のイメージ図とか、土産忘れてくる軽音部のイメージ図とか、修学旅行組が出演できない都合上想像カットが多くて、ちょっと新鮮。
缶蹴りのイメージシーンはほとんどセルフパロディだなぁ。ほとんどの感想サイトで「梓と憂は否定してたけど、ほぼ相違ないだろ」とツッコミが入っていたのが笑えた。
今話の作画は前回とは打って変わって、丹精に可愛く描かれていた。
植野千世子作画監督のクセか、まぁ今回に激しい動きのある作画が少なかったからか…
ところで、3年生が修学旅行に旅立った次の日に、梓たちが家でゴロゴロしている様子を見ると、この学校では金・土・日曜に修学旅行に行っていることになるんだけど、この日程はかなり珍しいような…
教師の勤務時間内に行かないといけないので、だいたい平日3日間の日程で行くものでは?
中盤の、瀕死で倒れた日向を抱きかかえる音無が生徒会長代理からこの世界の仕組みを解説されるシーンが、(雨粒の軌道以外)まるで動画を使わずに一枚絵の省力作画だったにもかかわらず、やたら陰影の使い方が写実的で目を惹くカットになってて、『エヴァ』で効果的に使われていた「作画の手を抜くシーンには、視聴者に考えさせる伏線セリフ等を被せて誤魔化す」という演出っぽいなぁ、とか考えていたんだけど、エンドクレジットを確認したら、絵コンテ・作画監督がGAINAXスタッフの平松禎史だった。
今回も唐突に始まった“私の悲惨な過去語り”だけど、同ポジ演出とか寓意的なカットが巧くて、惹かれたなぁ~
…それと同時に、回想&ナレーションしてるのが生徒会長代理@緒方恵美なので、『エヴァ』のシンジが精神世界突入してるようにしか見えないのは、もはや狙ってるとしか(汗)
あと、今回でようやく確信できたのだけど、この作品って泣きエロゲーの皮を被ったBL作品だよね(笑)
でなけりゃ、敵キャラだけど苦悩している生徒会長代理を音無が抱きかかえて存在を認めるシーンに、渾身の作画力と演出力を投入するバランス感覚の意味が分からなくなっちゃう(笑)
修学旅行回。
あるあるネタが充実してて面白かったし、修学旅行という特別な状況で登場人物それぞれが取る行動もさもありなんという感じだったし、関西弁縛りゲームや枕投げにノリノリで乗ってくるムギとかトラブル続きすぎて緊張が度を越えてしまってフとしたキッカケで笑いが止まらなくなる澪とか、テンション違う登場人物の一面も見られて、ニヤニヤできる一話だったなぁ~
軽音部4人とさわちゃん先生の様子を、誰かの描写に偏ることなく配分よく見せていたのがバランス良かった。
それにしても、さわちゃん先生、初担任で初長期旅行の引率ということで、かなりテンパってらっしゃる(笑)
あと、律は、1話の他クラブスパイで茶道部に潜り込んだときに、抹茶の苦さに悶絶してたはずだけど、今回抹茶飲む際は、全然堪えてないか覚えてないかのような反応だった…
西尾作監だからか、なんか作画が1期っぽい省略作画に戻ってた気がする。
些細なことだけど、いつもギャグ調の涙を表現するときは、黒の実線を残したままなんだけど、今話は実線消して白色一色にしていたのが気になった。
あと、まくら投げの時の、まくらがぶつかった際の動きが砂利枕っぽいリアルな動きだったなぁ~
修学旅行編なので、当然のごとく2年生の梓の描写がないんだけど、次回は梓たち2年生組オンリー話になるのか…
1話よりもギャグ多めで見やすかった。
個人的に、これぞ『けいおん』という感じがしたなぁ~
あと、1話の感想で書き忘れてたけど、今期のOPで、ようやく梓がレイアウトに収まりよく入った。
1期のは、後から差し込めるところにだけ梓刺し込み、という感じで、梓抜きの4人だけカットがよくあったから。
…しかし、なんで一人だけ水着姿なんだ(笑)
フィギュアか? 日焼けVer.フィギュアが売れたからか?(笑)
この1話見た感じだと、「リキみすぎ」って印象だったなぁ~
人気作の続編にありがちの。
OPは楽器から部室に到るまでCGモデルを使いまくりだし、作画というか仕上処理が丹念になっている気がするし、色彩設定も陰影を強調する作りになってて、お話の方も、桜舞う校庭の様子を長映ししたりして風景描写に尺を取っててペシミスティックな印象を強調してるし…
なんか、いかにもお金かけてます、重厚な雰囲気作ってます感があった。
もっとライトなイメージというか肩の力が抜けた作りなのが『けいおん』だったよーな……という気がしないではない。
ということで『けいおん』1期の1話を見直してみたんだけど、作画の線数を比較的削ってて動かすことを重視したやや崩れ系の作画だったり、陰影のつけ方も割りとフラットで、萌えよりもギャグに重きを置いて話を進めていく構成になってて、やっぱり2期目は雰囲気変えてきてるなぁ~、という感じが改めてした。
まぁ、2クール続くというウワサだから、尺伸ばしの意味も含めて雰囲気作る必要はあるのかもしれないけど。
とはいえ、1期と変わらず、まったりとした気分でぼんやり視聴できそうで、不満感ないなぁ~
美琴たちの寮で主催される祭に、初春や佐天たちも参加してお送りする、文字通りのお祭騒ぎの30分。
前作『とある魔術の禁書目録』で、登場人物の姿が入れ替わるエンゼル・フォール編の開始話である海水浴回を、萌え系のサービス回としてだけではなく、ギャグ回としてもレベルの高い演出していた橘秀樹演出回なので、コントで笑わせるタイミングがバッチリで、面白く見られた。
それにしても↓のシーン…
初春「この活花、全部ご自分で活けたんですか? とてもステキです!」
寮生「恐れ入ります。でも、あなたのお召しの髪飾りの方が素適ですよ。私たちなんかより、よっぽど」
初春「……? 何のことですか?」
一同「…(シーン)」
自分の髪飾りに無自覚な初春……ちょっと戦慄が走った。
これが初春の超能力…? それとも何かに意識操られた…?
毎年恒例のルパンTVSPは今年で終了!?…という話もあってか、タイトルが「the Last Job」
最近のテイタラクぶりを見てると、個人的には終わりになろうが続こうがどーでもいい感じなので、とにかく面白いモノが見られればそれでいいや~、という視聴態度なんだけど…
なんだけど…
だから面白いものが見たいんだって!
よくファンの議論に挙がる“『ルパン』的かどうか”なんてどーでもいいから!
去年と同じくアミノテツロ監督×大川俊道脚本で、ほとんど去年と同じガッカリな出来……いや、去年が「ルパンが記憶喪失!?」という売り文句に基づくシナリオのフックが前半は面白く機能していたのに比べて、今年はそれすらもない状態だからなぁー
一応「銭形警部死す!?」という強烈なフックはあったけど、そんなモン真に受ける視聴者なんているわけないし、シナリオ上も有効活用できてないのは諦めるとしても、ほとんど“なかったコト”扱いで話進めてくのだから、銭形の出番を減らして担当声優の納谷悟朗(御齢80!!)の負担を少なくする、という意味以外何もないってのが…
さらに言えば、この作品の主人公は犬です(笑)
ギャグパートにシリアスパートに縦横無尽の大活躍で、最後の決着のキーマンまで任される重用っぷり。
ちょっと『ストレンジア』思い出したぞ。
犬好きの私には嬉しい要素ではあるが、エンタメ的な意味がほとんどないし、犬を主役級の扱いにしてスタッフは『ルパン』の枠で一体何がしたかったんだか…
舞台がイタリア・ドイツなのに敵は白人マッチョが首領の忍者軍団というズレっぷり、そのズレに理由を付けようとしているのに恐ろしく強引に中世欧州と中世日本を結び付けようとする解説、忍者の正統末裔なのにAVぐらいでしかお目にかかれない“水着より恥ずかしいくの一衣装”をまとって行動するヒロインの扱い、オーパーツっぷりも甚だしくサイズ的にもどーなのよとツッコミまくりたい科学的な秘宝、いろいろアイデアは注ぎ込んでるんだろうけど最終的に撃つか爆破か避けるかの選択肢しかない怖いぐらい単調な戦いっぷり…
今話をつまらなくしてる要因はいろいろあるけど、何というか、B級映画に共通している部分が多いぞ。
『ルパン』は元からB級映画の要素がいろいろと詰められている作品だけど、今回はつまらなさの部分だけが突き抜けて共通してしまっている印象がある…