第3話
反ノ塚「するだろ普通。何の責任も後腐れもないんだぜ」
野ばら「あんたの普通って、サイテーね」
…というやり取りをギャグ的に見せるのに、どーしてカットを割るんだ、テンポが悪くなって笑いが薄くなるのに!
…などとギャグの演出部分に不満があることもあるけれど
野ばら「やる気出ないのよ、あんな黒くてデカくて汚い男のお守り。シュレッダーに巻き込んでやりたくない?」
(想像で、シュレッダーに「おー」と巻き込まれる反ノ塚)
凜々蝶「(反ノ塚、逃げろォ!!)」←必死
…の箇所は、全て同じワンカットで見せてたりしていて、笑えるテンポになっているので、少し命中率が上がってきたか。
物語の舞台となるアヤカシ館自体が最高クラスの居住地という設定であるし、主人公が通う学校もセレブ学校、おまけに主人公は成績トップの超優秀児、御狐神もあまりにもイイ男だから言い寄る女性が出てきたり、と出てくる設定に何でも箔が付いている。
凜々蝶が学校生活のスタートに不安を抱いているというのは細かく描写するのに、実際にどういう登校初日の様子だったのかの描写は省く。主席入学なので新入生代表挨拶をするのにどういう内容の話をしたのは描写を省く。御狐神に言い寄ってきた女性はキスシーンが終わると出番がなくなりバックグラウンドは説明は最小限。あれだけ悪態を吐きまくる凜々蝶が実際にそれを発動させたのはたったの男子生徒2名に対してだけで、その2名も多少後のシーンで凜々蝶をさらに落ち込ませる敵役として分かりやすく登場し、御狐神と凜々蝶のやり取りによってストーリーから退場…
描いても良さそうな厚みを出す部分を描かれない、というか、意図的に排除しているのか…
何というか、古風な考え方なのかもしれないけど、必要なことだけを純化して描いてそれ以外を徹底的に排除するというのは、きわめて少女マンガ的だなぁ、とか思ってしまう。
良いか悪いか、というか、そういう構造をしているなー、と思っただけだけど。
少女マンガなら、主人公と美男子の恋愛成就が物語自体を終結させる目標になるけど、この作品というか、“雇われ人とその主”という関係性を主人公と美男子が持つ構造の作品は、今回みたいな“主従関係の契約をするかどうか”っていう段階を一つ作れることで、疑似告白みたいな雰囲気を創造できて、最終目標に至るまでに一つ山場を作れてしまう、という意味でズルいなーというか巧い設定だなぁ~と思ってしまう。
それはさりとて、反ノ塚…
…野ばらサンのセリフじゃないけれど、学ラン制服姿がこの上なく似合わねぇー(笑)
第4話
あれだけ個性的なマンションのメンツを紹介する回でもあるんだから、もっと本気で笑わせにかかってほしかったなー、と思ってしまう。
…とはいえ、本気で笑わせにかかる演出なんてしようもんなら、この作品の大部分を占めるセンチメンタルな雰囲気をぶち壊しにしかねんところもあるか……などとも思ってしまうので、難しいところかもしれないのだけれど。
前回のラストで思わせぶりに登場した渡狸だったが、Aパートであっさり可愛いカワイイ豆狸姿を披露して、思わせぶりな登場シーンの印象を早くもぶち壊してしまう辺り、この作品の分かりやすさというか、そんなに複雑にしたくない制作側の思い・スタンスみたいなのが感じられる。
殺し屋少女が出てくる4コマギャグと聞いて、殺し屋稼業で鍛えた感覚を平和な日常生活時にも出しまくって周りがメーワクを被るような、『フルメタル・パニック』の短編みたいな話と思いきや、殺し屋少女の設定はほぼ死に体で、殺し屋少女にちょっかい出す一般友人少女のボケで話が回っていくのが、意外。
友人少女・やすなを演じる赤崎千夏の演技力というか、テンションが素晴らしく面白いなぁ~
声質的には『おジャ魔女どれみ』の千葉千恵巳、テンションは一時期の三石琴乃に近い気がする。あと高音域のセリフ喋るときは豊崎愛生に近いような感じもある。
アニメの方は、OPの電波ソングっぷりが頭に焼き付いて離れない!
殺し屋少女・ソーニャの名前が北欧的だからか、ロシア民謡風のイントロという、他のアニソンやJ-POPにはまず無い曲調で始まったかと思ったら、あとは主旋律と伴奏がてんで噛みあわない(意図的にずらしてる)メロディラインに載せて、ひたすら「キルミーベイべー!キルミーベイベー!」と連呼しまくるんだもの!
OPアニメーションの序盤、UFOからの攻撃をかわしつつもちょこちょこした動きで駆け上がり空中でピストル連射するソーニャの動きがかわいい。
登場人物紹介を兼ねるOPアニメで、三白眼というか、黒目を小さく描いた呆れ顔のカットが多めに描かれる主役も珍しいような…
しかし、日常ライフを描くこととしかない本編からかけ離れた異星人侵略OPアニメは、ある意味この番組一番のギャグだが、どういう発想でここまで辿り着いたんだろうか…?
本編は、とにかくテンポがダラダラ。如何に時間を引き延ばすかを考えてるような演出が気になるが、なんかこの緩くてまとまりない雰囲気が、ある意味萌え4コマと言われるジャンルを正しく…というか、忠実にアニメ化しているような、そんな気分にさせられてくる。
どこぞかの情報で、監督の山川吉樹は桜井弘明の弟子的存在、というようなことを聞いて、そんなことを頭に入れてこの番組を見ていると、どことなくアニメ『魁!クロマテイ高校』に近いノリを感じてきた(笑)
やった! 今年から我が家は、京都テレビが(もういい
『Angel Beats!』『花咲くいろは』のP.A.WORKSが、『xxxHOLiC』『BLOOD-C』の水島努監督を招いて、綾辻行人原作のホラーミステリーをアニメ化。
キャラ原案は『シャナ』『ハルヒ』の、いとうのいぢ。
ちなみに、音楽は大谷幸。過去にサントラ聞きすぎたせいで、この人の音楽は今でも“平成ガメラ”にしか聞こえないのが私の業(^^;)
シナリオとしての進展が3話ラストまでほぼなく、隠された情報を小出しに明かしていくことだけで話をもたせているかのような感じが、現時点ではある。
1クールある話の中でまだまだ序盤というか基本説明時期なのかもしれないので、作品の構成的には問題ないのかもしれないが、華はないなぁ…
…しかし、そこは映画オタクの水島努、現状まだまだシンプルな話の筋を演出力でしっかりとホラー仕立てにして、先が気になる雰囲気作りがなされている。
深夜の霊安室に向かう少女を闇に溶け込むように描写したり、場面転換時のカットに謎の人形の姿をインサートさせるとか、雰囲気ばっちり。
BGMの使い方が特にホラー映画っぽさ満載。無人のエレベーターが動く何でもないシーンでも、怖さを煽る煽る。
元々ミステリー作家の原作者の作品なので、結末に至るまでのヒントというか伏線がいろいろと散りばめられているけれど、伏線部分も時間をかけて描写するなど、演出側で丁寧に拾い上げているところもある。
そして3話ラストで起こる大事件と、今後の展開…
バイオレンス&ブラックユーモア大好きの水島監督の趣向が悪意ある方向で発揮されないことを祈るばかりだ(^^;)
今期から読売テレビ月曜深夜のアニメ枠が「MONDAY PARK」から「MANPA」に名称変更。
どういう判断での改名なんだろう…?
1話Bパートの、宇宙から地球見ていた連中が「あれが地球か、我々が目指していた場所だ」とか地球侵略匂わす発言したりとか、
地球防衛軍よろしく地球側の軍隊が戦艦や砲台などの通常火力の大奮発で敵に攻撃するも全く効果なく撃沈とか、
様々なアラームと分析結果・状況報告が飛び交う司令室の様子とか、
司令室に飛び交う説明のほとんどが専門用語だらけでワケ分からんとか、
見て第一声、「おお、懐かしー」とか思っちゃったりしたが…
そんなんでいいのか、オレ(笑)
『ナイトライダー』と勇者シリーズを見て育ち、ゴジラシリーズの平成メカゴジラとMOGERAに偏った情熱を持ち続け、「最近ロボットモノ少ないよなぁ~」とか嘆いていた私が待ち望んでいたロボットアニメだぞー!
懐かしい、とか思っちゃったら、ロボットアニメが過去の遺物になってることを自覚してることになるぞー
…とはいえ、近年のロボットモノと言っても『ガンダムSEED』『コードギアス』『ギルティクラウン』とかのライン―イケメン押しで、基本設定の説明は二の次のシナリオ展開―が主流になってるっぽいから、それと比べれば、舞台設定やシナリオの状況設定は相当手垢が付いているものかと(汗)
あと、“ロボットモノ少ないとか言うけど、『ガンダムAGE』とかはどうした?”などのツッコミは無しの方向でお願いします(汗)
上のは直感で思ったことだけ書いているので、どうぞ堪忍。
総監督が、今期『モーレツ宇宙海賊』のシリーズ構成・監督をしている佐藤竜雄(サトタツ)
原作が、Production I.G.
アニメ制作が、XEBEC
日産自動車がロボットのデザイン協力している
…という謎の布陣。
企画・プロデュースのところに諏訪道彦プロデューサーの名前が。
今までの諏訪サンの来歴から見ると、この作品の毛色は浮いているよーな気が…
サトタツ監督は掛け持ちしてて大丈夫なのか? あ、でも『モーレツ宇宙海賊』はもう全話作り終わっているんだっけ…
原作がI.G.ならなぜ自社で作らないのだろうか? 『ギルティクラウン』に注力したいのかな…
小難しい専門用語も葛藤多そうなシナリオ進行具合も問答無用で張り倒して話を進めていく、元気な主人公・まどかがいいねぇ~
町を守るべくロボットで戦いに行くのに、まだ何もしてない敵に向かっているところで、「待ってて、鴨川ぁー!」というズレたセリフセンス爆発させてる辺りとか、好み。
まどかを演じる石原夏織の声色は、一時期の水橋かおりを髣髴とさせる気がした、少し。
ロボットに乗って負けて傷心のまどかに、姉ポジションのキャラが気持ちを回復させる一言を告げて、形勢逆転!…という定番ネタに、“しんみり良い話をする”“がんばれと喝を入れる”という定石を使わず…
「責任取れねぇーんなら、ジャージ部なんてやめちまえぇーッ!」―「ムっカツくー!」という力技のシナリオ展開だったところとか好きだな。
どーみてもジャージ羽織っただけのハイレグ姿を「制服です(キリッ」と言い切ったところで、ちょっと『BLUE DROP』アニメ版を思い出してしまった(笑)
敵の男パイロットがしっかりした長丈の衣装を着こんでいて、対する主人公側の女の子たちはぴっちりしてところどころ肌が露出してる(っぽく見える)丈の短いエロいパイロットスーツ着てる上、その二人が乗るロボットが互いに高速で近づいていく様子を、パイロットの姿の交互カットで見せている箇所は、どーにもギャグにしか見えんなー(汗)
女の子キャラにぴっちりスーツ着せたがってるアニメ作品は、恥ずかしい見た目の言い訳として「この世界のパイロットスーツはこうなんです!」と男女のスーツデザイン統一して言い訳するモンだが、むしろギャップを高めて、薄着が笑われる方に意識誘ってどーする!(笑)
今のところは好きな部類。
パイロットフィルムの雰囲気が終わった4話以降ぐらいが正念場か…?
やった! 今年から我が家は、京都テレビが映る!
『とらドラ!』・『とある科学の超電磁砲(レールガン)』・『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない』で名を馳せた長井龍雪監督の新作!…ということで上がってきた作品のビジュアルを見て…
ヒロインが赤髪の巨乳メガネっ子で、主人公の年上キャラ…
…というところだけで、『おねがい☆ティーチャー』っぽいなぁ、とか『おねティ』見てないのに思ったのだけど…
内容も想像以上に『おねがい☆ティーチャー』してますなー、こりゃ。
まぁ、今作のシリーズ構成が『おねがい☆ティーチャー』書いてた黒田洋介、キャラクター原案も同じく『おねティ』の羽音たらくだから、狙ってる部分はあるんだろうけど。
主人公とヒロインとの接近理由は『円盤皇女ワるきゅーレ』っぽいかもとか思ってしまった。
…うん、『おねティ』とアニメの放映時期近いから思っただけ(汗) ウルトラマン方式ってだけで、あんま似てないな。
画面の見栄えというか、映像の雰囲気は、長井監督のおかげか、結構今風というか、キャラクターに寄りすぎず離れすぎずの、世界観を切り取るのに距離感のあるものに仕上がっているんじゃなかろうか?
…いや、どこがどう?とか尋ねられるとヒジョーに返答に困る程度の感想なのではあるが(汗)
低血圧系キャラのくせして、場をこれ以上ないぐらいかき回し、事あるごとに感情のなさそうな棒読みで「ふふふ」と笑う檸檬先輩のキャラ造形が面白い。
演じるは、この前まで『C3-シーキューブ-』で「呪うぞー」とか言って媚びた演技(ばかりではないだろうけど)してた田村ゆかり。
『おねがい☆ティーチャー』森野苺(演:田村ゆかり)との関連は?
『機動戦艦ナデシコ』で名を馳せた佐藤竜雄(サトタツ)監督の作品で、『マクロスF』のサテライト制作。
サトタツ監督作で全話フルで見たのが『学園戦記ムリョウ』ぐらいなモンで、おまけに今作は原作小説がある作品ではあるものの私は未読で、個人的に認識不足な点は多いですが…
ああ、『ムリョウ』っぽいですな(^^;)
なんかこう、敵意と緊張感の不在、と、日常生活の細かいところを気にする演出、スローペースなシナリオの進展、そしてどことなく低血圧っぽい雰囲気、というのが。
敵意と緊張感の不在というか…敵っぽい人物が出てきても、実は良さげな人でしたというのが早めに示されたり、外部の干渉で早めに沈静化されたりする辺り。
あと、主人公の達観具合というか落ち着き具合も、成長物語の路線を半ば捨ててるという点で似てるな。
若いアニメオタクたちにSF作品が全然浸透してない現在で、ソーラーセイルとか若干専門的な科学・宇宙工学用語を知ってて当然のごとくバンバン出してくるのは、あまり得策とは言えないのでは…?
というか、“太陽風”という存在からして分かる世代なのだろうか、とすら…
いやまぁ、私も言うほどSF方面に明るいわけでも何でもないんで、何をかいわんや、なんだけど。
でもあの辺の、SF的風景が日常的なもの化している(宇宙航行がヨット航海程度、宇宙服の確認がライフジャケットの確認程度の認識になっている、など)のを丁寧に描いている箇所はちょっと好きかもしれん。
…それにしても、OPソングはヒドいなぁ
個人的な好みとかの問題で歌の好き嫌いというのはいろいろあるけど、歌い方がヘタで聞きたくなくなるという、私にはあまりない経験をさせられているという点で。
『ドラゴンクライシス』のエンディングの時もそうだったし、ももいろクローバーZの楽曲全般的にこんな感じといえば、そうなのかもしれんけれど。
原作が少年エースで連載中で、『けいおん!』の京都アニメーション制作したが、宣伝費の投入具合に比べてなにやら盛大にコケたらしかったのだけれど、民放で放映後なぜかNHKが拾ったこの作品。
滋賀じゃ京都放送が映らず、ネット配信も見逃しているので、これが初視聴。
繰り出されるギャグがシュールすぎたのが敗因とか言われていて、かなり高度というか、分かる人にだけ分かるストライクゾーンの狭い笑いが連発するのではと予想していたのだが…
案外面白い。
本放送時のネタを細切れにして再編集している御蔭かもしれないけれど…
ありったけの作画リソース注ぎ込んで、精一杯バカやってるギャグがいいなぁ~
貸した宿題に書いてあった卑猥な落書きを隠そうと、みおが逃げるゆっこを生命力の限界を超えて追いかけるネタがまさにそれ。
Youtubeで見たことがある、同じく卑猥な絵の存在を隠そうと、出会った人全員にもれなくドラゴンスクリューかけまくる話(動作画がすごくキレイだった)も見たいな。
…NHKの倫理基準内で放送できるのだろうか?
大福バイトの話は、みおが多すぎるツッコミどころを逐一ツッこんでいくところで、ハイテンションなツッコミがバシバシ繰り出される割に、平穏なレイアウトで見せているせいで、ツッコミによる笑いの威力が落ちているように見えて残念。
細切れ再構成の仕方が謎。
夏の話やったと思ったら、次は長袖着てるとか、カットするのはいいけど季節順にやらずにバラバラすぎるのが気になる。
原作未読、アニメだけ見ているクチだけど、好みのキャラクター設定とストーリーラインだな。
根は優しいのに他人に対して悪態ばかり吐いてしまう凜々蝶と、そんな凜々蝶に絶対服従とばかりに異常に丁寧に付き従う御狐神のコンビの立ち位置がいい。
ちょこちょこと笑わせてくれるギャグが入っているのも好感。反ノ塚は重宝できるギャグ要員だなぁ~
問題は、演出がもっさりしすぎているのでは…というところ。
主人公・凜々蝶の心情を時間をかけて丁寧に描いているという風にも捉えられるけど、ちょいと時間かけすぎというか、演出のテンポが悪いような…
ギャグシーンでは短いテンポで応酬してきてくれたらもっと笑えるのに、と思えるところ多数なので。まぁ好みの問題かもしれませんがね。
ちなみに、頭身の低いSDキャラ状態も出てくるが、背景絵がリアル調のままで進む(SDキャラ登場シーンだともっと簡略化した背景になることが定石)ので、すごく違和感があったりする。
以前『謎解きはディナーの後で』の感想で、「そんなSP職も兼務してるような執事はいねぇよ!」と書いたが、本作のSP…もといシークレットサービス(SS)は執事職を兼務してるようなハイブリッド業務だな。
まぁ、具体的に仕事ぶりを描写されているのが、「僕はあなたの犬になりたい」とか真顔で言ってくる御狐神なので、この人だけ世話焼きで特別なのかもしれんが。
そして、第二話で披露されたEDアニメーションに大爆笑。
御狐神がストーカーすぎる! そしてお似合いすぎる!(笑)
(書きかけ)
おーい、『ルパン』見てたはずなのに途中から『ラピュタ』になったぞー
テレコム、好き放題しすぎ!
…というわけで、これでTVスペシャルのシリーズ終了とのウワサもあった『the last job』以降久方ぶりの『ルパン三世』TVスペシャル。
しかも、長年声の出演をしていた納谷悟郎(銭形警部役)、井上真樹夫(石川五ェ門役)増永恵威子(峰不二子役)が降板し、新キャストが声を吹きかえるサプライズ。
今年5月に放送された『ルパン三世 DEAD OR ALIVE』で「今秋新テレビシリーズ開始!」告知をされていたので、満を持しての放映となった…
…なったんだけど、ちょい待ち。
“テレビシリーズ”ってのはどーなりましたか?(笑)
結局単発のテレビスペシャルなんだけど。
しかも「秋」に放映とか言いつつ、もう完全に冬と言っていい12月になっとりますがな。
以前のテレビシリーズでも制作スケジュールが切迫していたようで、そのせいかいろいろと話作りや作画に難があり、当初から評判良くなかったが、特に近年の作品は目も当てられないという出来だった。
近作は、声優の高齢化に配慮しまくって話の内容まで改変していたのが丸分かりで、そのせいで話作りに支障が出てさらに評判悪いというのもあったのだろうが。
声優の若返りでその辺の事情が解消されそうな気配があり、なおかつ作画力には定評のあるテレコムアニメーションが実質的な制作を行うので、その辺の悪評が立たないレベルのところまで改善されるのかな、という期待もあった。
あったのだが…
…やっぱり例年通り、開始後30分ぐらいでシナリオと作画に息が切れた感があった。
まぁ、開始30分は掴みの部分なので、視聴者を食いつかせられるよう、ありとあらゆる手が注ぎ込まれているから、という事情もあろうが…
もう誰が作っても一緒か、ルパンスペシャルは!?
銭形警部の新声優にはご存知・山寺宏一
五ェ門には、浪川大輔
不二子には、沢城みゆき
脚本が、『鋼の錬金術師FA』で多くの担当回があった土屋理敬。
絵コンテが滝口禎一・友永和秀・横堀久雄の連名。
演出が富沢信雄。
キャラクターデザイン・総作画監督が『世界名作劇場』の佐藤好春。
監督は実力派アニメーターの滝口禎一。
八百比丘尼なんて伝承をさも実在のものとして取り扱って、なお財宝まで所有していたとするホラの吹き様がなんか白ける…
まぁ、アルセーヌ・ルパンを実在のものとして扱ってるのがこの作品の根幹なので、それと同等か。
そして、強引だろうとあくまでも科学的に解釈をしているのは好意的かも。
線数を少なくしたシンプルなキャラデザでグリグリ動かすのは、好印象だった。
新声優のご披露場だった今作だが、それよりも悪役の石田彰の独壇場だった印象の方が強いかも!(笑)
今作のとっつぁんはマジメ一辺倒で、コメディリリーフというか、声を演じる上で遊びがないのが気になった。
山ちゃんなんだから、その辺のお笑い的なものはうまくこなしそうなのに、もったいないなァ
前半の都市部では、なんでもかんでもキレイに、そしてコントラストきつめに描きすぎる背景が気になった。
水島監督、ギャグ畑で鍛えた演出力を使うのに、いよいよガマンできんかったのか?(笑)
「女子校生が日本刀をエモノに化け物とバトル」というコンセプトあれば後はどうにでも肉付けしていいのが『BLOOD』ブランドだと思っていたのだが、制作会社的には、サヤというキャラクター自体の同一性もブランドの柱として必要と思っているのかも。
CLAMP召喚して世界観を一新すべくせっかく用意した学園生活舞台をぶち壊すというオチは、そこら辺のコンセプトへの意識が働いてのことか…?
カラーリングと(今までのスーツに比べ)スラッとしたスタイルがウルトラマン
エメリウム光ぅー線!
こちらはウルトラセブンですか?(笑)
そして富士山麓で最終決着は、東宝特撮映画のド定番。
夏が舞台の作品で、雪原の中でのバトルという格好のシチュエーションを出すのが不自然じゃなくなる、というのも、富士山周辺という舞台を活用している。
誰だ、円谷系の特撮が好きなスタッフは?(笑)
…それとも、私の穿った見方しすぎのせいですか、そうですか(汗)
あれだけバトル重視の話になっていながら、軸となるストーリーラインは、それまでの話数で小出しにしてきたネタ、登場人物が抱える心や気持ちの問題やそこからの解決で得られたものを集約させて、巧いことまとまった最終回になっていて、個人的に好きだなぁ~
無難なところに落とし込んだと見える『TIGER&BUNNY』の最終回に比べて、出した要素をすべて使い切って走り終えた、という好対照な最終回になっていたな。
皆さんあまり注目されませんが、急に小物臭くなった研見さんを、その小物臭さを演出する異常なテンションで演技力発揮してた小西克幸は、当然かもしれないけど、流石だなぁと
シナリオ的には、ただの伏線張りに使う捨て回だったのかもしれないけど、映像演出が、怪獣映画好きの心理を突きすぎて、面白い(笑)
メインとなる被写体の手前に建物などを置いたり、遠目から撮影したカットの背景に爆炎などのエフェクトを起こして、敵の大きさを測らせるとか…
第1防衛ライン・作戦の第3段階、とかの用語にこだわるとか…
狭い路地から見上げた建物の間に君臨する敵の巨大な姿と、そして怯えるモブ(メイド隊)の姿をわざわざ映すとか…
逃げる車側に固定したカメラから遠ざかる巨大化途中の敵を映すとか…
激しい力の何かが近づいてきて揺れる室内の小物を丁寧に描写するとか…
空を飛んでいくシーンでの、レイアウトの移動を斜めに動かして空間の広がりを強調するカメラワークとか…
強敵を倒すためのヒントとかが前半で伏線的に描かれる、ということもなく、自問自答の根性論で危機的状況を力づくで脱出、というあんまり捻ってない逆転劇は、ちょっと懐かしい感じがする。
味方の勢力の万策尽きてまでやっと強敵を倒したところに、更なる敵が登場して、限界を超えての戦闘になるという、スペシャル感もまた良し。