Take@管理人が、知ったかぶりのテレビ番組批評やとりとめもなく面白くもない日記などを書く、オタク臭さ全開のくどい不定期更新ページ(泣)
まだまだ続いております、『相棒』個人的祭り(笑)
おお、このseasonから地デジ対応画面。
横長になったレイアウトを持て余してる感があるのは、草創期だから仕方ない……ってか、今だってほとんどの番組でアナログ放送に配慮してそうなってるし。
第6話「第3の男」
脚本:砂本量 監督:長谷部安春
「特命係に新しいメンバーがやってくる!」というアイデアが出た時点で勝ち、という視聴者・制作者共にお得なお話。
出てきたキャラクターの造形がこれまた素晴らしく、思い込みが激しく勝手に行動して場をかき乱し、張り込みのたびに監視対象と親しくなっていったり、特命コンビが真相を掴み始めた頃合になって「勘違いかもしれないから捜査をやめましょう」と弱気になって話を後退させたりという空気の読めなさっぷり、しかし顔立ちも性格も誠実そのものだからタチが悪い、という暴走気味なキャラで、どうにでも話を転がせる体制にしているのは心憎い。
ちゅうか、感情移入ができなさそうなのにできそう、というビミョーなラインを狙って狙えているバランス感覚がすごいなぁ~
右京とは元より、薫とも正反対のようでどこか似ているので、互いにぶつかり合ってしまう、というバディムービーの基本もちゃんと抑えられている。
自分が思い込み捜査をしているのを自覚せず、終いには「自分を怒ってばかりの薫はダメダメ、頭の良い右京最高!」(←これは一理ある^^;)と自己肯定してしまう辺り、蔑ろにされる薫の悲哀と相まって、なんか好きだなぁ~
この3rd Seasonでは薫と美和子が別れてしまっているんだけど、他の話ではそれが無かったかのように、毎回「花の里」で顔を合わせていたり、ちょっと薫と痴話ゲンカをして登場シーンが終わるぐらいで、あまり触れられていなかったりする。
でもこの話では、その設定をストーリーに関連させながらちゃんと膨らませていて、ボリュームがある内容になっているのが嬉しい。
1~5話までのスペシャルエピソードが終わって初めてと言っていいレギュラー話の第1回目だから親切めに描写したという理由もあるだろうが、こういう部分でシリーズ構成を踏まえた仕事をしている砂本量がステキ☆
第8話「誘拐協奏曲」
脚本:櫻井武晴 監督:猪崎宣昭
えーっと……
渡辺哲、お疲れ様でした(笑)
登場人物全員から泥を顔目がけて投げられる役回りのためだけに出てきたと言っていい登場だったのは、ちょっと可哀相な気がするわ。
部屋の壁のど真ん中にデカデカと飾られている渡辺哲の肖像画がファーストカット、というどこか妙な画ヅラだったり始まり方をした時点で、「今回の話は何か違う…」と気付けてしまう。
話の4分の3が同じ部屋の中で進んでいくという、ゴールデンの刑事ドラマでそんなのやっていいんかい、いいぞもっとやれと言いたくなる室内劇(笑)
ちょっと、ヒッチコックの『ロープ』を思い出した。
最後まで室内劇だったら面白かったかも。
そして、終盤に向かうに連れて濃くなっていくギャグ色。
『相棒』でギャグをエッセンスじゃなくて、こんな風に出してきて良いのか、スゲェなぁ~
物騒なしゃれこうべを出してもシャレになってる辺りもスゲェ…………
…って、ヘタなギャグ、スミマセン(汗)
でも、パニック障害がギャグになりかけたのは、「オイオイ、いくらなんでもそれはちょっと…」と思ってしまったが、寸でで止める辺り、匙加減が分かってるなぁ制作者。
第10話「ゴースト」
脚本:東多江子 監督:長谷部安春
女性脚本家らしい、というとセクハラになるんだろうか、心の機微を面白く捉えた脚本。
第11話「ありふれた殺人」
脚本:櫻井武晴 監督:和泉聖治
そうそう、櫻井武晴はこういう重い話を担当することが多いのよねぇ。
その割に、セリフ回しに気を遣っていないような気もするが(汗)
時効を迎えた後に犯人が見つかったことから始まる、数々の悲劇……ってな具合で、社会派色の強い作品。
同じように社会派的でも、『チーム・バチスタの栄光』をパクったような「Season6-18 白い声」でキレイにすべての伏線が回収されたのと違って、犯人は何に狙われていたのかとか、「あの時、娘は何が言いたかったんだろうか…?」とか、意味ありげな伏線がボロボロ取りこぼされて解答が与えられていないのが、逆にリアリティを感じさせる。
人並みらしく人情を見せた薫を、情をかけたからこそ他人を傷つけ自らを窮地に追いやり罰を受ける役回りにし、心理的に徹底して追い詰めるところには、人情を大事にする刑事ドラマの定石から外れた、『相棒』らしいシニカルさというか非情さが見られるんだけど、最後に薫が非情なセリフを吐くものの、それもまた人情であるということを強調して、だからこそ被害者を納得させられて物語が〆に向かうという辺りもまた、『相棒』らしい。
っていうか、人情を捨て非情になることをキャラの成長と捉え、しかしその非情が人情となるという逆説的な物語構造がドラマ的に面白く仕上がってるってのは、もう何と言って良いか、スゲェ…
第16話「人間爆弾」
脚本:砂本量 監督:和泉聖治
緊張感のあるシナリオを書かせると一品だねぇ、砂本量は。
制作予算の制限の問題で地味になりそうなところを工夫して、物語に爆発性のある推進力を持たせられているのが素晴らしい。
第17話「書き直す女」
脚本:林誠人 監督:橋本一
驚くほどにオーソドックスな推理物。捻ったところがほとんどなくストレートな作りで、卒ない仕事ぶり。
さすが、ゴールデンの『TRICK』で、迷走し始めた旗上げ役の蒔田光治・堤幸彦よりも『TRICK』らしい物語を書いた林誠人だけのことはある。
最後、何故か舞台上で謎解きを始め、犯人が投降して特命コンビと共にフェードアウトしたところで、拍手のサウンドエフェクトがかけられたと同時に幕が下りてきてEND、というこの番組自体を演劇的に見せてしまうメタ的な画面演出は、他の連続刑事ドラマにはないオサレさで、『相棒』らしいなぁ、と。
おお、このseasonから地デジ対応画面。
横長になったレイアウトを持て余してる感があるのは、草創期だから仕方ない……ってか、今だってほとんどの番組でアナログ放送に配慮してそうなってるし。
第6話「第3の男」
脚本:砂本量 監督:長谷部安春
「特命係に新しいメンバーがやってくる!」というアイデアが出た時点で勝ち、という視聴者・制作者共にお得なお話。
出てきたキャラクターの造形がこれまた素晴らしく、思い込みが激しく勝手に行動して場をかき乱し、張り込みのたびに監視対象と親しくなっていったり、特命コンビが真相を掴み始めた頃合になって「勘違いかもしれないから捜査をやめましょう」と弱気になって話を後退させたりという空気の読めなさっぷり、しかし顔立ちも性格も誠実そのものだからタチが悪い、という暴走気味なキャラで、どうにでも話を転がせる体制にしているのは心憎い。
ちゅうか、感情移入ができなさそうなのにできそう、というビミョーなラインを狙って狙えているバランス感覚がすごいなぁ~
右京とは元より、薫とも正反対のようでどこか似ているので、互いにぶつかり合ってしまう、というバディムービーの基本もちゃんと抑えられている。
自分が思い込み捜査をしているのを自覚せず、終いには「自分を怒ってばかりの薫はダメダメ、頭の良い右京最高!」(←これは一理ある^^;)と自己肯定してしまう辺り、蔑ろにされる薫の悲哀と相まって、なんか好きだなぁ~
この3rd Seasonでは薫と美和子が別れてしまっているんだけど、他の話ではそれが無かったかのように、毎回「花の里」で顔を合わせていたり、ちょっと薫と痴話ゲンカをして登場シーンが終わるぐらいで、あまり触れられていなかったりする。
でもこの話では、その設定をストーリーに関連させながらちゃんと膨らませていて、ボリュームがある内容になっているのが嬉しい。
1~5話までのスペシャルエピソードが終わって初めてと言っていいレギュラー話の第1回目だから親切めに描写したという理由もあるだろうが、こういう部分でシリーズ構成を踏まえた仕事をしている砂本量がステキ☆
第8話「誘拐協奏曲」
脚本:櫻井武晴 監督:猪崎宣昭
えーっと……
渡辺哲、お疲れ様でした(笑)
登場人物全員から泥を顔目がけて投げられる役回りのためだけに出てきたと言っていい登場だったのは、ちょっと可哀相な気がするわ。
部屋の壁のど真ん中にデカデカと飾られている渡辺哲の肖像画がファーストカット、というどこか妙な画ヅラだったり始まり方をした時点で、「今回の話は何か違う…」と気付けてしまう。
話の4分の3が同じ部屋の中で進んでいくという、ゴールデンの刑事ドラマでそんなのやっていいんかい、いいぞもっとやれと言いたくなる室内劇(笑)
ちょっと、ヒッチコックの『ロープ』を思い出した。
最後まで室内劇だったら面白かったかも。
そして、終盤に向かうに連れて濃くなっていくギャグ色。
『相棒』でギャグをエッセンスじゃなくて、こんな風に出してきて良いのか、スゲェなぁ~
物騒なしゃれこうべを出してもシャレになってる辺りもスゲェ…………
…って、ヘタなギャグ、スミマセン(汗)
でも、パニック障害がギャグになりかけたのは、「オイオイ、いくらなんでもそれはちょっと…」と思ってしまったが、寸でで止める辺り、匙加減が分かってるなぁ制作者。
第10話「ゴースト」
脚本:東多江子 監督:長谷部安春
女性脚本家らしい、というとセクハラになるんだろうか、心の機微を面白く捉えた脚本。
第11話「ありふれた殺人」
脚本:櫻井武晴 監督:和泉聖治
そうそう、櫻井武晴はこういう重い話を担当することが多いのよねぇ。
その割に、セリフ回しに気を遣っていないような気もするが(汗)
時効を迎えた後に犯人が見つかったことから始まる、数々の悲劇……ってな具合で、社会派色の強い作品。
同じように社会派的でも、『チーム・バチスタの栄光』をパクったような「Season6-18 白い声」でキレイにすべての伏線が回収されたのと違って、犯人は何に狙われていたのかとか、「あの時、娘は何が言いたかったんだろうか…?」とか、意味ありげな伏線がボロボロ取りこぼされて解答が与えられていないのが、逆にリアリティを感じさせる。
人並みらしく人情を見せた薫を、情をかけたからこそ他人を傷つけ自らを窮地に追いやり罰を受ける役回りにし、心理的に徹底して追い詰めるところには、人情を大事にする刑事ドラマの定石から外れた、『相棒』らしいシニカルさというか非情さが見られるんだけど、最後に薫が非情なセリフを吐くものの、それもまた人情であるということを強調して、だからこそ被害者を納得させられて物語が〆に向かうという辺りもまた、『相棒』らしい。
っていうか、人情を捨て非情になることをキャラの成長と捉え、しかしその非情が人情となるという逆説的な物語構造がドラマ的に面白く仕上がってるってのは、もう何と言って良いか、スゲェ…
第16話「人間爆弾」
脚本:砂本量 監督:和泉聖治
緊張感のあるシナリオを書かせると一品だねぇ、砂本量は。
制作予算の制限の問題で地味になりそうなところを工夫して、物語に爆発性のある推進力を持たせられているのが素晴らしい。
第17話「書き直す女」
脚本:林誠人 監督:橋本一
驚くほどにオーソドックスな推理物。捻ったところがほとんどなくストレートな作りで、卒ない仕事ぶり。
さすが、ゴールデンの『TRICK』で、迷走し始めた旗上げ役の蒔田光治・堤幸彦よりも『TRICK』らしい物語を書いた林誠人だけのことはある。
最後、何故か舞台上で謎解きを始め、犯人が投降して特命コンビと共にフェードアウトしたところで、拍手のサウンドエフェクトがかけられたと同時に幕が下りてきてEND、というこの番組自体を演劇的に見せてしまうメタ的な画面演出は、他の連続刑事ドラマにはないオサレさで、『相棒』らしいなぁ、と。
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