誰なんだ今日の脚本担当!?
クレジットミスか、絵コンテマンが兼任してたのか(それは荷が重過ぎない?)、表記拒否か(汗)
というわけで、割と久々のオリジナルだが、地味にスゴイ。
次の画面で何が出てくるのか身構えてしまう緊張感…
ひょっとしたら、次に映る物は人間の形をしていないかもしれない…
そうそう、真の作画崩壊ってこういう感覚が伴ってくるんだよねぇ~(笑)
|||○| ̄|_
前半はむしろ良くできたカットが多かったと思うけど、後半はマシなカットを探すのがラクなぐらいの不安定さ…
キャラの顔がカットごとに違っていたり、等身が変なバランスになっていたり、遠近法が怪しかったり…
↑遠近法が怪しい図
↑人体デッサンが怪しい図(右端は嘘をついてるせいか、ピノキオ並みの鼻)
↑細かい破片が一切ない割れ方のステンドグラスと、スッカスカなレイアウト
ストーリーの方は、オーソドックスすぎる作り。
周囲に当り散らす高慢な性格の女性キャラが出てきて、登場人物たちが各々部屋の隅とかで、彼女に脅迫された腹癒せに握りこぶし震わせながら鋭い眼光で睨みつけてたり、仕事を奪われた怒りを包丁を持って食材に思いっきりぶつけてたり、と殺される人間は出てきた瞬間に丸分かり、全登場人物を容疑者たらしめんとする演出を重ねに重ねまくる、ってどこまでパタナリスティックなんだ!?
殺人の行われた密室に、突入アイデアを率先して出して一人だけ先に入っていくヤツが現れた時点で、犯人とトリックも即効で読みきれる。
たまにはこんな単純なトリックや伏線でもいいとは思うけど、いかんせん単純すぎるぞ。
動機以外で怪しいと思わされる材料が一人の人間の言動に固まっている、ってのは、トリック説明のときにそれらについて言及されることを考えると、もうその人以外犯人はありえないということになって、複数人の容疑者が出てくる推理モノストーリーとしては全然面白味がなくなるんだ、というのは前々から思ってきたことなんだけど、その不毛な歴史を繰り返しますか…
タイミング良く「君、まさか“あの”ことを怨んで殺したんじゃ?」と他人の動機をペラペラ喋るとか、セリフ内容の単純さ共々、スケープゴートにする気満々という感じにしか聞こえないわよ!(笑)
原作23巻の事件で、あからさまに怪しい行動をしている人間がいて、「どうせこの人が犯人なんでしょ?」と思っていたら、その人は犯人がトリックを使ったせいでその行動を取らざるを得なかった=怪しい行動をしているから別の人間が犯人、という「疑惑と証拠の分散」を行なっていたのが見事だったので、そういう工夫を何かしてくれんかなぁ…
そういうのがないから、「スケープゴートにされる」という役割がある女中はともかく、女優はただ小五郎に勘違いで一瞬疑われるだけだし、編集者のレコーダーマンはそういう役割さえない(あれだけの役割なら他の人がICレコーダー持ってても話上は問題ない)、という偏りすぎな設定配置になってしまうんだけど…
なぜか他人の家の客を本人に代わって出迎える編集、高い天井からかざしてるのに遥か下のドアまで鮮明に聞こえるICレコーダーのスピーカー、生きてるように見せかける音声トリックが話的に要らない、とか、常識感に欠けるところもあったり…
ただ、もう後一歩でいい線いけてたところもあった。
占いがテーマ(でも、今回特にそれなりすら意味はなかったよね、この設定;)のひとつということで、新一のことを想う蘭を絡めてくるところとか。
もう少しその辺がメインのエピソードに絡む形になっていたら、いつもオリジナルでは「居るだけ要員」でしかない蘭を有効に扱えたのに…
あと、『金田一少年』とかで密室の完全性の証明のためによく出てくる、どないなテクノロジー使っとるねん「絶対複製は不可能」な鍵を、「メーカーしか複製できなくて、複製に本人証明が必要」というより現実的で今風な設定にしていたのが、ちょっとした工夫。