本日のヤッターマンの女性キャラ作画が艶やかだった。
そうか、ドロンジョって年齢24設定だったか。声だけ聞いてると、そんな感じでは…(汗)
でも、親分が一番年下って、どういうチーム構成?
…そんなことはさておき。
トムス自社作画陣の底辺:アベ正己・岩井伸之共同作監の回ということで、全然修正ができていなくて顔の同一性が取れていない、死んだ魚のような目のキャラたちが画面を彩るショータイムがやってきました(汗)
しかしその一方で、一部のキャラのアップ画面では、劇場版クラスのキャラ作画で魅せていたりして、何ともアンバランス。
全編低調作画になってしまう事態は維持でも阻止した形か。
だが、そんな残念な作画の一方で、今日の絵コンテは巧い!
雰囲気が読めている。
ただ原作の話だけをそのままダラダラアニメにするようなやる気のない感じではなく、その話内で各シークエンスがどんな役割を持つのか、どのようなテンションで話が進んでいるのか、ちゃんと原作の諸要素を読み込んでアニメ向きな演出を施している。
あるいは、原作とは違う解釈をしてアニメにしているが、ちゃんと前後の演出や話の流れとの整合性がとれていて、不自然に感じさせず、むしろ面白味を加味していた部分もあった。
当然といえば当然かもしれないが、原作がビミョーにアニメ向きじゃない素材であるのが影響しているのか、これができていないアニメ回が『コナン』では常態化してたから、今回は良く見える。
例えば、冒頭の探偵事務所でのシーン。
取材されると浮かれる小五郎と、冷めたコナンと蘭。事件起こしてと茶化す小五郎と、不謹慎を怒る蘭。唐突に「夫婦?」と尋ねる蘭と、目が点な依頼者たち。
コミカルで微笑ましい雰囲気が出てくるストーリーラインだが、ここでの画面は、ことあるごとに探偵事務所内をロングショットで捉えた固定ショットに戻ってきていて、離れた位置から見せることで視聴者が客観的にこの場を眺めて、コミカルさをツッコみながら楽しんで見られる工夫がなされている。
車で電話しているシーンでは、結構長回しで、ビミョーなアオリ構図という割と難しいレイアウトになってて、あまり力量がない作画陣ながらも奮闘させている。
時間延ばしの意味もあるだろう、依頼者が社長室でうなだれているオリジナルのシーンも、直前で追い詰められている話があるため、ダラダラしているという印象を受けさせずに、物語の補完を行なう的確な描写になっている。
今回の被害者となる男性が自殺しているかもしれないと聞いて部屋に突入するシークエンスでは、原作では結構皆さん慌てて行動しているように描かれているが、原作の段階において元々「~かもしれない」という確信のない理由で行動しているという短絡さというか違和感があるせいか、アニメではそこを考慮して、結構ゆっくりとしたペースで進められていて、これも時間稼ぎと見ることはできるけれど、始終落ち着きを持ちつつ行動している雰囲気がそれをそれと感じさせないようにしている。
目暮が「またまた君か」という長いセリフのくだりで、タイミングの取り方が変だったり、終盤のおさらいがここから番組を観る人向けぐらいに妙に詳しすぎてアンバランスだったり、ところどころ変な部分もあるけど、全体的に絵コンテ・演出はいい感じ。
…と思ったら、演出が劇場版監督の山本泰一郎。
力量はあるはずの人なので当然な出来かもしれないが、この人が監督した劇場版はグダグダした印象が強いからなー(汗)
今回のレギュラー放送回は、それの芸風が合ってたってことも。
絵コンテ:鈴木吉男 演出:山本泰一郎 作画監督:アベ正己・岩井伸之