脚本(構成):國岡直人/柏原寛司 作画監督:青野厚司
絵コンテ:青木雄三 演出:戸澤稔
『コナン』では一番巧いとされる「青野厚司」作画監督の回ってだけで、もう見る前からお腹いっぱいでございます(笑)
ストーリーの方は、少年探偵団と阿笠博士と蘭姉ちゃんがキャンプに行った先で事件が、というもの…
…って、蘭はこのメンバーとキャンプに行くようなキャラじゃないだろ。
一体どういう理由というか、いきさつがあったんだろう?
そして、キャンプ場でケンカするカップルと関わる一同。
お約束~。
しかし、いつもなら殺される人物に多く見られるキツイ性格のお姉さんが少年探偵団に自分の弱い部分さらすなんて、今までになかったパターンだなぁ。
そして、公衆の面前で、寝不足のため寝ていたテントから“堂々と”さらわれる蘭姉ちゃん。
トリックも何もなさげな状況で、ここまで堂々とさらわれるなんて、これも初の展開だなぁ…。
身内が事件に巻き込まれて被害者になっちゃうのも久々。
必死で車を追おうとするコナンの姿は、なんかいいシーン。
で、事件の様子から受けた印象の通り、トリックも何もなしに犯人捕まる(笑)
キツイお姉さんの恋人が、金を積んで第3者にお姉さんの殺害を依頼し、その男が間違えて蘭を連れ去ってしまった、とのこと。
…なんか、こんな地味だけど現実味があって生々しい犯行ってのも、コナンでは目新しいぞ。
でその後、少年探偵団が蘭が取り残された車を沢の川の中で発見するのですが、ダムの放流が始まり、
車は蘭とコナンを乗せたまま流されます。
小さいコナンが眠らされたままの蘭と一緒にどうやって脱出すると思えば、
蘭の寝袋をヒモでくくってポリタンクで作った浮きと結び、キック力増強シューズで岸にいる少年探偵団に浮きを飛ばす。
で、浮きを取り損ねる元太たち…
アレ? どういう展開にするつもりだ?
そこに、恋人の犯行に罪悪感を感じていたあのお姉さんが登場し、浮きとヒモをキャッチ。
コナンと蘭は何とか助かり、意識が遠退いていったコナンは気を失う直前、お姉さんに蘭の姿を重ね合わせ、笑みを浮かべるのでした…。
このシーン、盛り上がりが足りないように感じたけど、なかなか面白くて好きだなぁ。
オリジナルストーリーの割に、キャラの掘り下げも“正確”にやっているし。
(オリジナルの大多数はコナンたちの性格の描写すら履き違えてますからねぇ…)
近年の低調なアニメオリジナルの中では評価高い方ですよ。久々。
…でも全然「推理モノ」になってねぇよ…。劇場版系のアクションもの。
これは大きくマイナス。
いろいろと“毛色”が違う話だったし。
誰が脚本してるかと思えば、「柏原寛司」の名前が…!!
…ああ、どおりで。
考えてみれば、『あぶない刑事』の臭いがプンプン漂う話でしたなぁ(笑)
キャラを立てるのが巧い人だし。(最近の『ルパン』はどうかと思うけど…)
(追記:柏原寛司はアニメコナンの最初の頃の脚本を良く手がけてたみたいです。意外にも『コナン』と繋がりがあったのねぇ。今回のは“例外的”な話じゃないのかも)
で、エンディング。
そういえば長いこと変わってないなぁ、一枚絵だけがずっと表示され続ける手抜きエンディング(笑)とエンディングテーマ…
…と最近思っていたら、
今回ようやく「ガーネット・グロウ」の大人しめ、というか、物悲しげな曲に変わり、背景動画も変更。
水彩画のよう景色が浮かぶ白い背景の中で、ランドセル背負ってコナンくんがトボトボ歩く姿は、どうということもない画なのに、なんだか観ていて哀しくなってきますなぁ(―_―。)ウル
しかも、幻のようにオーバーラップしていく他のレギュラーメンバーたちをコナンが追いかけていくなんて、小さくなった身体を元に戻そうともがく彼の姿を示しているようで、余計にダーーーッ(T0T)
ああ、なんか今日のコナンはええなぁ。