迷走しすぎて暴走した(笑)
(↑放映方針) (↑話と作画)
作画演出力を無駄使いするアニメ会社ボンズが作った、土曜6時の看板番組としてはあまりにも地味ィ~な時代劇アニメで、ジャンプ・コロコロ系嗜好、S級ハリウッド映画嗜好の派手好きTakeには面白味の欠ける作品であるし、実際人気がないらしく、始まったばかりなのに早くからテコ入れが開始されたりして、その明らかに切羽詰った様子が寧ろ面白くなってきたこの番組。
高年齢向けの作りなのに、『メビウス』終了後のCMスポットが「ルビとひらがないっぱいの子ども向け怪獣大図鑑」化したのを始め、DVD商品展開に支障が生じかねないほどの露出狂的なWeb公開(YahooとGyaoで全話配信)、OPテーマ明けのコマーシャルタイムを外してシームレスに本編へと繋げる変則編成、初期と比べての最近のシナリオの駆け足っぷり、など放映形態や宣伝方針が現在進行形で迷走状態である。
そして今回は、そんな外的な動向が作品内部に影響を及ぼしたのでは、と疑いたい突き抜けっぷりを披露してくれた。
まず、今までやったこともない(最近のアニメではしない)「前回のおさらい」が始まって笑う。しかも、出番がハブられたレギュラーキャラが自棄気味に説明するという捨て身の自虐ギャグ。いつからこの番組はコメディ化した?
『名探偵コナン』とかでは、キャラが驚いた時には大きな瞳が点ほどに小さくなる、のように、主に眼において表情の変化をオーバーに、記号的に付けるのだけど、殊ボンズの(特に今までの妖奇士の)表情演出においては、顔パーツ(眼、口、眉)の基本形態は変えずに、芝居(身体の動き)だけで感情を表現する高度な手法をとり、顔の同一性と表情のリアリティを保たせていたのだが、今回に限っては…
目ん玉グ~ルグル、目が点、涙ジャバジャバ、などメチャクチャマンガ的な(子供向けの)表情のつけ方がされていて、「なんかフッキレちゃったのかボンズ?」と心配になった(笑)
個人的には好みの演出なんだが、このアニメでやられると違和感がありますな。
次第にストーリーが視聴者に媚びながら加速していくのだが、そんな中でもしっかり作画力と画面演出力を発揮すべく、作画と演出が暴走。
見た目の派手さと動きの凄まじさもある中で、緑系で統一された画面ほか、赤系単色、青系単色で進行するシーケンスが登場。
誰だ、こんなアホな色彩設計したのは!
後半は、必要以上に怪獣映画してました(笑)
融合ケツァールから往壓が分離される所は……おっ、『ウルトラマン』。
大谷サウンドが『ガメラ』してて笑った。
いやぁ、これでいいのかボンズ!?と思ってしまうけれど、そんなハラハラ感もあった御蔭か、Take的には今話は、お話的にも画的にも派手で勢いがあって、時折ギャグっぽくて、面白かった。
後半は勢いだらけで、どこがケレン味の一番の見せ所なのかよく分からなかったりしたが。
あと、細かい芝居だけならお話的には面白くなかった前々回の方が芸を凝らしていたかもしれん。
しかし、初回から通じて止め絵の部分を全く作らないアニメだなぁ
各シーンで何かしら芝居(動き)が入っている…
設定紹介も終わった感があるから、これをベースにしたアクション(事件・活劇)を有効に展開すべくエンジン蒸かすならこれからだろう。