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Take@管理人が、知ったかぶりのテレビ番組批評やとりとめもなく面白くもない日記などを書く、オタク臭さ全開のくどい不定期更新ページ(泣)
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なんだこの公開処刑授業!?(笑)
…という感想を抱かせる先週の放送。

薬物禁断症状で苦しむしゅうをみんなに見せて「これがドラッグの恐怖だ!」と教えるのは、倫理的に問題があるように見えてしまう…
しゅうをモルモット扱いしてるからなァ…
ドラッグの恐怖を教え込むには、実際に恐怖を見せるのがイチバンではあるんだけど…

その状況に持っていくために、
禁断症状で暴れ出す生徒がいるのを承知で、同意の上で他の生徒を一緒の教室の中に入れて授業を行う、という危険を金八に冒させている。
こちらも道徳的に問題アリ。
しかし、『金八』でやる教育的チャレンジとしては許容範囲だとは思う。これは、まぁ良し。

ただ、授業の内容が……
金八ならではのドラッグの授業というよりは、どこかで聞いたような通り一遍の内容で、薄さを感じてしまう。
それに、感情的にドラッグの存在を否定しているように見えて見苦しい…
授業は冷静におこなってほしいなぁ…
何かの否定をするにも、冷静に論理的な筋立てをする、あるいはしているように演出する方が、その説明が心に染みやすいのに…
精神崩壊状態のしゅうに愕然とする生徒を前に

「よく見ておけ! そして一生涯忘れるな! ドラッグを憎め!」

感情的に言うのはドラマ演出として自然の流れで、『金八』的でもあるんだけど、先ほど述べたように、ドラッグの説明に内容の薄さが感じられるので、延々と「ドラッグを憎め」とだけ聞かされても、これも薄く感じられる…
しゅうの惨めな様子が言葉よりも「ドラッグを憎しまなくてはならない理由」を雄弁に語るのかもしれないが、延々と続くしゅうの悲惨な描写がクドすぎて、そちらの方ばかり気になってしまって…
なにより「憎む」ということ自体が、事件・事態への対応として原始的で単純だから、これでいいのかなぁ…と思わされてしまうし。
つまり、自慢の金八節が授業として活かされていない感じがする…
(ここで使われた金八節は「ドラッグ憎め!」という提示と、しゅうを正気に戻すための詩の引用に留まる)

さらに気になったのは、話をドラマスティックに仕上げすぎているということ。
警察がしゅうを“逮捕”しに来る時間が迫っている(中学生相手に問答無用で逮捕ってどうなのよ?)、暴れるしゅうを抑えるためにみんなが必死になる、しゅうが逃げて警察が追う(逃げたと言ってもただ廊下に出ただけで、スローモーションで大ゴトに仕立て上げているのだけど…)、そして何より、金八がしゅうの覚醒剤常用を知ってからしゅうが逮捕されるまでわずか1,2時間での出来事でしかないという話の急ぎ方…
何かとドラマスティックに描きたがるのがここのスタッフのクセで、最近の『金八』の味にもなっているけれど、それにしてもムリに盛り上げすぎ…
それとは逆に物事を地味ながらじっくり描くことも『金八』ではよく行われており、これも『金八』の味なのだから、こっちの線で描いても良かったと思うのに…
…というか、こっちの方が問題点がより浮き彫りになると思う。

それとも、アレか?
第2期の荒谷二中騒動の再現でもやりたかったんかね?
そういえば、中島みゆきの「世情」が今にも聞こえてきそうな雰囲気だったし…

♪シュプレヒ・コールの波~ 通り過ぎていく~

…ってな具合に(笑)
けれど、2期の加藤は正義を貫いた末の捕縛で、今期のしゅうは悪に身を染めた上での捕縛…
立場が正反対ですわ…

 

もう一つ、しゅうのために生徒が動く理由が描写不足…
しゅうがクラスを敵に回した例の学級崩壊以降は、車掌とか伸太郎とかヤヨなどしゅう以外の生徒の話が中心となり、しゅうの描写はドラッグ汚染が進む様子を描くのみで、そのせいで他の生徒とのからみがあまりなく、関係が充分に修繕されたという描写がなかった。(明確に関係が修繕された様子を描くと、誰かがドラッグの存在に気付いてしまう可能性を生み、今回の話につなげられないから)

伸太郎のハンストに生徒が協力したときは一致団結する描写がなされていたので行動が自然に見えたけど、今回のしゅうにはそれがないから違和感が…
そのくせ、ドラッグ汚染が進む様子は何話にもわたって細かく描くもんなぁ…
この時期主役になる他の生徒のエピソードを食う勢いだったし…
バランス悪い…

とにかく、先週の違和感は、問題を授業で解決するという『金八』のスタンスを貫き、なおかつドラマスティックにしようとしたために起こったことでしょう。
(5期の健次郎のときに学校の外で事件を終わらせてしまった反省なんだろうか?)

その状況を描くために、事前の先生の討論、妙にしゅうのドラッグ使用に物分かりが良くなってる生徒など、シナリオの下準備を時間をかけて慎重に描いている。
そこに多少のムリが生じているので、今回の“後始末”もタイヘン…
保護者説明会では、当然金八は糾弾されまくるし、学校はなじられまくるし。

保護者会の音声に帰り道で葛藤中の生徒の描写をオーバーラップさせているところをみると、尺が足りないんだなぁ…と感じさせられる。
他の部分を時間かけて描きすぎなんだよ…
『金八』の主役であるべき生徒の描写がぁ……

 

…などと散々文句を言ってきたけど、後半から金八の描写にチカラが入れられているところを見ると、これも計算済みだったのかなぁ…?

チカラ及ばず、モノも充分に言えず、生徒を守れなかった金八……という金八先生自身の葛藤を描くために。
結果、疲れきった表情で辞表を出す金八が何とも……(泣)
『金八』を今シリーズで終結させるつもりか?
次回は救済措置が出されるみたいだからまだ分からないけど。

 

葛藤の最中に、乾先生の昔話が出てきたり(回想シーンの二人が若いぞ~!)、服部先生のところに行ったり(こっちの回想シーンも若い!)と、懐かしい人や映像が出てきたのは、昔のことを描く面でも、今の金八の苦悩を描く面でも印象的だった…
どうでもいいけど、昔の映像出してこれるのがこのシリーズの強みだよなぁ~(^^)

さらにどうでもいいけど、せっかく幸作が大学受かったのに、しゅうの問題に潰されてしまったのがヒジョーに可哀想だ……(汗)
笑顔で祝ってやってほしかった。
みんな忘れて、本人が居眠ってるときに「おめでとう」とか、あんまりだ。
だから尺が(以下略)
それから、途中退場した千田校長はどうした?
以後のフォローがまったくないんですが。

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