Aパート「45年後…」
雑誌「ぼくドラえもん」のてんとう虫コミックス未収録作品集の最終刊に載っている作品。
珍しくやる気を出したのにジャイアンたちにからかわれ落ち込むのび太のもとに45年後ののび太がやってきて「入れかえロープ」を使って現代の世界を懐かしむ話。
こいつを未収録作品集の最後に持ってきた編集はよく分かってると思う。
なぜならこの作品にはどことなく最終回臭が漂っているから。
大人になったのび太は何度か登場しているけど、45年後ののび太が来るのはこの話だけ。
45年後ののび太といえば、還暦を目の前にした老年期。いろいろな経験をしてきて人生を達観できる年齢であり、人生の終焉も近い。
そんな背景が予想できるのび太が出てくると、この作品自体からもちょっと寂しさが感じられるというもの。
寂しさは最終回の持ち味とつながる。
しかも最後に45年後ののび太が
「君はこの先何度もつまずくけど、そのたびに立ち直る強さを持っているんだ」
と言って今ののび太を励ます辺りもまた最終回的な印象が。
『ドラえもん』の最終回は大々的でない方がいいと思ってる自分としては、いつも通りの話でシリーズ終焉っぽくなるこの話が最終回に相応しいのでは、とか考えていたりする。
だからなんで来週の旧声優陣引退スペシャルにこれを持ってこなかったのかなぁ…とか思ってしまうわけだが。
それと、45年後ののび太の声。
『ドラえもん』らしく、姿が子どもに変わった後も同じ声のままなのだけど、子どもらしく演技しているのにはキツいものが…
老人のときは渋く、子どもの姿のときは幼く、そんな声の使い分けができる人が良かったなぁ…
誰が声の担当なんだと思ったら、大川透。
ややッ、マスタング大佐でしたか!
『ハガレン』以外では、『クレしん』の靴屋の中年店長とか、パッとしない役ばかりですなァ~(笑)
Bパート「ママネット」
まだインターネットが出始めた頃の話なのにネタにしてるのがスゲェ
でも道具の効果はインターネットとはあまり関係ない(笑)
自分や他人の母親をこき使うのび太たちの姿は、ある意味怖い(笑)
子どもたちを酷使して逆襲に転じるママたちもすさまじいが。