原作には無いオリジナルの部分も面白くキマってきて、これはこれでいいなぁ、とリニュドラを普通に楽しめるようになってきた今日この頃。
リニュ前の低調ぶりと比べなくとも、単体で判断して90年代中期の水準ぐらいにまで復調してきた感じ。
しかしそれはドラえもんがギャグマンガとして冴えていた頃の話ばかりをアニメ化しているからで、大山ドラの雰囲気に合わせてきた原作後期のが中心になると、わさドラの雰囲気では途端に転落しそうで、不安ではある。
まぁ、今はそれ関係ないか。
「おかしなおかしなかさ」
「しずかちゃんには貸せておれさまには貸せないってのか」と強引に奪ってのび太を行動不能に陥れる不条理なジャイアン最高(笑)
できればもっと凄んでほしかった。なんか話の先を急いでいたせいか、このへんの描写があっさりしてて物足りない気がした。前半は大体そんな感じ。
しかし、傘のせいで話が暴走出す後半になると面白くなってくる。
原作はとにかく変な傘が出てくる話だから、そこに出てくる道具にプラスしてオリジナルの道具も出して、さらに豪華な傘話に。
あいあい傘とかマラソン傘とかおばけ傘とか原作にありそうで、出てきても不自然じゃないもんな。
オリジナルの部分が浮いてなくてちゃんと消化されてるのは良いことだ。
原作では名前が無かった最後の台風傘。
ジャイアンが借りた傘返す代わりにマラソン傘借りるつもりがおばけ傘差してしまったというオリジナル話が伏線として機能してたのがいいなぁ。
「普通の傘だよ」と言って返してもらったヤツ渡したら、似たような形した台風傘だった、と。
そして「やっぱり変な傘じゃないかッ」と怒るパパから逃げる最中の
のび太「台風傘なんて何に使うんだよー!?」
ドラえもん「1号から18号までありますー!」
というセリフのテンポ良さに大爆笑。
台風傘というコンセプトをムダに活かしているのが最高だ(笑)
「まあまあ棒」
大山ドラ版では、怒り爆発寸前のジャイアンを裏山に避難させるまでの描写ってのは全くなかったけど、今回のはその部分がメインっぽくなっていた。
たぶん、原作にもないんじゃないかな?
怒りが溜まりすぎて、殺気を辺りに散らしながらドスンドスン地響きさせながら進行するジャイアン、という描写が溜まりすぎた怒りを効果的に表現できてて、いい感じ。
故障した機械みたく目から火花がバチバチ出てたのも面白くて良いなぁ
なにやら怪獣映画の怪獣行進のように見えて笑える。
爆発寸前なのに「なんで空き地に行かなきゃならねぇんだ」などと逐一冷静なツッコミを入れるジャイアンの様子はなんか好きだ(笑)
ドラえもん「そっと歩かせろよ、石につまづきでもしたら即爆発だぞ」
ジャイアン「(コテン)」←転倒
のタイミングが素晴らしい。ベタだけど。
ベタといえば、ジャイアンの怒りを鎮めようと必死に道具探すドラえもんとのび太のところに、そんなことなど気に留めずまあまあ棒の性能を過信しているスネ夫が平然とやってきて、
スネ夫「このオンチゴリラ!」
と罵った直後にBGMストップって演出…
ベタである種卑怯な手段だけど、こういう演出は何度見てもツボに入るなぁ~
最後に、本当に爆発を起こすジャイアンを3アングルから撮影したものをリピート風に見せるってのもバカっぽくていい(笑)
木や電線を盛大に揺らすほどのすさまじい爆風…
怖いよ~、怖いよ~(笑)
次回の『ドラえもん』は1時間スペシャルで「天井裏の宇宙戦争」ほかを放送。
只今公開中の大ヒットSF映画2本に殴り込みをかけます(笑)