「ずっとアナタのこと想ってました~」と言って、陰謀に巻き込まれ不当に追われる正義の人をなりふりかまわず助ける献身的で素直な女の子…
いやぁ、いいねぇ! 萌えるねぇ!(←死にさらせ
秘めたる想いを口にせず、ただただ好きな人のために尽くす。
自分の唯一の居場所だった組織を裏切って、新しい世界…想い人が信じる別の正義の砦へ単身向かう。
素敵な展開になってきたじゃありませんか!
…ただし、それは「女の子がずっと好意を寄せていた」という前提条件がしっかりしていればの話。
メイリンがアスランのこと気にしてた描写なんて、今回の短い回想シーンで出てきたので全部だろ。
その程度で「密かに想っていた」ことを表現していたのならば、しっかりしているとは全然言えない。
なんとか出番があるルナマリアでさえ描写不足なのに、背景キャラ同然のメイリンなら言わずもがな。
先行情報のあらすじには今回のことを「意外な人物がアスランの脱走を手助け」とあったが…
作り手にしてみれば「今までそんな素振りも見せなかった子が急に助ける側に回るなんて意外でしょ?」と言いたいのだろうが、人はそれを「唐突」と呼ぶ。
(しかし単なる背景キャラを、一瞬の回想を挟むことだけで、“そういうキャラ”に昇華させた技術には賞賛を与えるべきなのだろうか……?)
そもそもアスランの方だって仕えるに値すべき正義の人物とは言いがたいしなぁ…
今まではもとより、今回だって冒頭の議長との会話だって議長に押し切られていて、アスランが理論面で正当で、頼るべき正義の人であるようには見えないのだから。
ここでの議長の意見は現実の論理に当てはめれば全くの正論だし、劇中での扱いだって「悪人(かもしれない人物)が正論を盾に押し切った」というもので結局正論を言ってることになる。正論言う相手に反論できないってことは、アスランの方が間違ってると言われても文句は言えないわけで、曲がりなりにも確固たる信念を持っているキラならば明後日の方向を向いたような返答でも相手の意見に屈せず反論はできるわけで、アスランの場合はそうした信念さえもない、と。
人前で公言できない偽ラクスのことを敢えて言って反論したとしても、それは理由としては軽すぎるし、それさえも議長に覆されたらアスランの反論材料はもう無く、対する議長はまだまだ言えそうな(ように演出されている)ので、結果は同じこと。
正論を前にただ駄々こねている人のようにしか見えない。
そんな人のどこに物語を引っ張っていく「正義の味方」的な要素を見出せと? どこに人が慕って付いていくような人徳を見出せと?
感情をストレートに出すことでしか反論できない「素直な人」で、誰にも理解されずヘタレていて孤立した「可哀想」な「主人公格」だから正義の人なのですかそうですか。
…もうちょっとマシな描き方無いんかい!?
それにしても、散々なことを言われ続けてきたデスティニーガンダム…
新型機の見せ場である初陣が「アスラン捕縛のため」なんて地味な名目で、しかも話のメインはデスティニーの活躍ではなくアスランが逃げ切れるかどうかということだなんて、OPには最初からずっと出てたのに3クールも終わりになってやっとの登場、その割に呆気ないお披露目のされ方、に続いて、つくづく扱われ方が可哀想な主役MSだ(笑)
しかしまぁ、世界一斉蜂起、フリーダム破壊、最終決戦準備、アスラン脱走、と怒涛の展開ですなァ…
まるで今まで遅れた分を巻き返そうとしてるかのよう………なんだか、前作の4クール目を見ているかのようだ。
またグダグダになって最終回迎えるんだろうな…