慣れてきたせいもあるんだろうか、最近意外と『マックス』が楽しい。
良作とは断定しがたいんだけど、序盤に繰り広げられていた退屈なストーリーに比べると格子がしっかりしてきて、エンタメとして鑑賞に耐えられる出来になっていると思う。
それらの話に私がどのような感想を抱いたのか、以下に記す。
12/03「甦れ青春」
イデ隊員@二瓶正也がダテ博士として登場して、ハヤタ@黒部進(トミオカ長官)、フジ@桜井浩子(ヨシナガ教授)とともに、科特隊の半分が揃った感慨深い回。
ハヤタ長官が「我々の世代の過ちの責任を今の若者に背負わせるわけにはいかん」と単身出撃する姿はステキ過ぎ。新メカ・ダッシュバード3号も見せ場満載で楽しいぞ。
それ以外はどうでもいいんだな、コレが(笑)
12/10「狙われない街」
実相寺監督による『ウルトラセブン』「狙われた街」のなぜか“続編”。
前々回の「胡蝶の夢」で「『ウルトラマン』なんて所詮空想のお話に過ぎないぜ」というメタ視点を最高に変態な演出によって無垢なお子様たちに提示した性格の悪い実相寺監督ですが、今回はコミカル演出に突っ走ったりしながら結構まともで、お話的にも面白かった。
前半が刑事@六平直政が謎を追うストーリーで、後半が真相とその延長という流れがね。
かつての侵略者も地球で長く暮らしてみれば地球が愛おしくなり、だから人間の愚かさに愛想が尽きて嘆いてくれる、人間以上に良い人に…というところとか、テーマ的に良い。
『セブン』で死んだメトロンが奇跡の手術で生き返り(笑)40年経った今無事に故郷に帰っていくというのも感慨深い。
メトロンが始終ギャグメイカーだったのは、そこら辺の描写を押し付けがましくない程度に軽くしてくれたので、素直に見やすくて良かった。
落書きガヴァドンに倉庫で生きるシーボーズなんて小ネタも要チェック(笑)
12/17「遥かなる友人」&12/24「クリスマスのエリー」
太田愛による堅実な脚本はそれなりに良いんだけど、型通りすぎてちょっと物足りないところもあるかな。
12/31「奪われたマックススパーク」
熱い! 熱くてなんか良いぞ、このシナリオ!
強大な敵・量産型エレキングに対してDASHが文字通り必死の総攻撃とか、「オレに構わず先に行け」的な男気溢れるカイトが空中から生身で宇宙船に降下強襲とか、魅力的な要素が過不足なく展開されていて、平成ウルトラの始祖・小中千昭の脚本はバトルモノとして満足な出来。
01/07「邪悪襲来」
低年齢対象デザインコンテストの優勝作の素人怪獣が出てくる時点で嫌な予感はしていたが、脚本家の名前見て余計に不安になり、その予想は見事当たって、毒にも薬にもならない退屈な回に…
01/14「怪獣は何故現れるのか」
唐突に全編『ウルトラQ』テイストでお送りする逸品。
今度は『ウルトラQ』レギュラーが揃っちゃった(佐原健二、西條康彦、桜井浩子)
おまけにマックスそっちのけで、過去話で勝手に怪獣やっつけちゃってます。
渋谷とか代々木公園とか具体的な地名がやたら出てくると個人的に楽しい。
それと関連して作戦指示も具体的で、やってることが分かりやすく面白かったし。
01/21「勇気を胸に」
至極まともで健全な「シリーズ中のエピソード」。充実したドラマに加えて特撮部も素晴らしく、非常に手堅い一作。
01/28「燃えつきろ地球!」
真面目な前回の後にこんなギャグ話持ってくるんかい、と次回予告で笑いながらツッコミ入れたが、ちゃんとテーマがドラマとして結びついてたりして意外にも手堅かった。
ギャグもなかなかパンチが効いてたしね。特撮部も良い出来。
しかしメインの見せ場はまたまたご老体たちの大活躍(笑)
ハヤタ長官のみならず、イデ博士も参戦させるとは…
良いよ、良いよ(笑)
オールドキャストが奮闘する姿は格好良くて気分が良い。
そして次回はレギュラー陣の人間関係に異変を生じさせる「エリー破壊大作戦」
おいしい要素満載の予感で楽しみだ。
でも脚本に初期メンバーが降臨したら…(泣)
与太話。
「狙われない街」は例外的に『セブン』とリンクという設定だけど、旧作キャストがたびたび出てくるので、
『マックス』は『ウルトラQ』『ウルトラマン』『ウルトラセブン』世界とれっきとした繋がりがある世界なんじゃないのか、
と最近思えてきた。