元祖『スピード』(1993・監督ヤン・デ・ボン)がMBSナイトシアターに推参(笑)
時速80キロ以下になると爆発する爆弾が取り付けられた新幹線・ひかり109号1500人の乗客の運命や如何に!?
なんか今年に入ってから映画観まくってます。忙しいハズなのに…(汗)
年明けは深夜放送の『ペイフォワード』に始まり、次の日には『アメリ』、TSUTAYAからは『フォーン・ブース』と『ダンサー・イン・ザ・ダーク』借りてきて観た。
『ペイフォワード』は「自分が受けた恩を別の3人に返すことを続けていけば世界は変わる」という子どもの提案が本当に世界を変えていくという現代ファンタジーをどこまでリアルに描くのか注目していたのだけれど…
アレ?メインは母親と教師の恋愛話?
夢のある提案した本人がヒネてて一番失敗確信してたのは面白く、話も転がしやすいなと思ったけれど、ヒネる原因を作った家庭の方に話をシフトさせるか…
まぁ、現実味のない夢物語をリアルに描くのに労力を費やすよりは、まだ扱いやすい方法で手堅く頑張った方が良いんだろうけど。
…じゃあ、あのラストは何やねん?
『アメリ』は、うん愉快だね、という感想ぐらいしか浮かばないなァ…
何でもアメリの思い通りに進んでいって、かなり後の方にならないと主人公が挫折しないのしないのがプロット的に疑問だけど、あまり深読みしないで愉しむには良いんでしょう。
というか、これはそういう類の映画。
『エイリアン4』の監督の作品じゃねぇ(笑)
『フォーン・ブース』と『ダンサー・イン・ザ・ダーク』は主人公追い詰め型のシナリオという点で類似性があるけど、やっぱりハリウッド製の『フォーン・ブース』は追い込み度が浅いなァ……とか言いつつ、どんどん追い詰められていく主人公の状況をニヤニヤと楽しんで見てたんですけどね。ドキュメンタリータッチでシビアに追っていく『ダンサー・イン・ザ・ダーク』にそんな余裕なんて無いって。
『フォーン・ブース』は「電話ボックスの周辺だけで話が進む」「追い詰め犯と警察の間で板挟みになる」というところに魅かれてて、前々から観たかったんですが、なかなか良いんじゃないでしょうか。アイディアが詰まっていて、不条理から来る心地良いストレスが味わえます。
さすがに全編追い詰めだけでストーリーを通すことはできなかったようで、途中から夫婦愛の要素が絡んできたりしますが、その話の放り込み時もタイミング的に良い感じ。
解決への道が割と容易かったり、あっさり解決したのは物足りない気もしますが、最後まで犯人の真意が謎だったことも考えると、何がしたかったのか非常に分かりやすい作品(笑)
吹き替えで観たから犯人役のキーファ・サザーランドの生演技(声演)は堪能できなかったけど、その代わり吹き替えの大塚明夫がハマリ役過ぎて、これはこれで良い(笑)
…だいぶ脱線して長々書いてしまったなァ(汗)
それでは本題(汗)
私が何を期待してこの映画録ったかといえば、当時国鉄の協力が得られなかったせいで撮影できなかった分の新幹線映像をミニチュアで撮ってるから、という非常に特撮オタっぽい理由(笑)
肝心の特撮部分はプラレールと大差無かったんで、拍子抜け(佛田洋以前の東映じゃ無理か)の上、あまり新幹線パニックの方に重点が置かれず、犯人側の描写に偏っていて、ほとんど刑事ドラマのノリだったのが残念だけれども、高倉健と宇津井健の好演を堪能できたのは掘り出し物ですぜ。
他にも、千葉真一とか北大路欣也とか田中邦衛とか小林稔侍とか志村喬とか丹波哲郎とかが出演していて、なにげに出演者が豪華だなァ…
『スピード』と違ってアクション重視のパニックサスペンスの勢いに任せてストーリーが進むんじゃなくて、始終シリアスに進展していくのがいいねぇ~
(いや、前者も話も好きだけど)
おお、宇津井健さん、あなたの真面目すぎる苦悩っぷりが観ていて心地良い~(笑)
頭にキレがあるけど平凡とした犯人を演じる高倉健も良くて、「成功させてうまく逃げ切ってくれ」と肩入れしてしまうほど。
尼崎脱線事故と東北特急脱線事故の後によく放送できたもんだと感心する逸品(汗)
『日本沈没』はマンション耐震強度偽装事件の最中だろうとSMAP草薙でリメイクできても、こっちはしばらく無理だ。