まぁ、このキレイにまとまった感に迎合しときましょう。
如何せん、不規則な軌道を経てここまで来たので、バンザイで見送る気にはならないけれど。
結局ギアスという力を使った代償は払わされたけど、ギアスの力そのものについての総括はなかった気が…
「ギアスは願いに似ていないか?」というキレイな言葉でまとめるには、「お前たちは死ね!」とか、願いにしては物騒すぎる気が…(汗)
最後になってまで、ボロボロになったナナリーとか、ネタ要素を投入してくるなぁー
私の目が腐っていますかそうですか(汗)
物語的には殺してもらった方がまとまり良く終われるからいいのだが、劇中の作戦的には、別にルルーシュを殺さなくても終わらせることはできたよね?
でも、死人に口なしということで、より大きな憎しみを一転集中させることができるのか。
ルルーシュ亡き今、自分に従うようにギアスをかけたシュナイゼルはどうする気だろう、と考えたが、前回のセリフは「ゼロに従え」なので、スザクがゼロであり続ける限りは大人しいままということか。
変なところが細かいなぁ~
結局、ギアス能力は古からのそういう魔法でした、で解決する気なんだろうか
総括的に言うと、演出的には全体的にさらりと流すスタイルが貫かれていたのだが、重要なところまでさらりと流すなんてことが多かったりして、納得できん部分もあったり、しかしそれもさらりとした描写を隠し蓑的に巧く使って後々の衝撃展開の伏線を紛れ込ませるという手としても使われていたのではあったのだが、おかげで回収できてない伏線とかが残っているのにも言い訳ができるズルイ作りでもあって、そこら辺が効果的でなく、残念だったかもしれん。
まぁ、一番ツッコみたいのは…
オレンジが本当にオレンジ畑耕してやがる!!
そのネタは以前、二次創作か何かのパロイラストで誰かが作ってただろ!
『エヴァ』のロンギヌスの槍が出てきたような気がするが……まぁ、気にしなーい(笑)
お話的にも、画ヅラ的にも最終決戦に相応しいボリュームで、眼福モノ。
落下していくアヴァロンを真下から映して、中空域でのナイトメア同士の乱戦と、さらに上空に鎮座するボス要塞・ダモクレスなどとの対比を狙うという画面の奥行きの使い方とか、壁外から雨あられのように撃ち込まれる攻撃を避けつつ、狭い基地内で間合いを取り合いながらも激突する強豪ナイトメア同士の決闘とか、今回の須永司コンテはかなりリキが入っている。
気になったのは、ロイドがブリッジに戻ってくる箇所…
ルルーシュが咲世子やセシルたちと話している合間を縫うタイミングで、相槌のようなセリフを何となく喋って、画面の手間を脚だけが何となく通り過ぎる、という登場で、その後ルルーシュのアップが出た後で、ロイドの上半身ミドルショットが出てくるが、不真面目っぽく背中越しに顔を向けた画で、場の流れでそのまま会話に参加する、というシーケンスが、アニメではあまり見かけない撮り方のような気がする。
あまり力が入っていないカットの連続なのに、緊迫感のある場の雰囲気を掴みながらメインストーリーに充分絡んでくる、という変なギャップがあるのが、どこか興味深い。
しかし、盛り上がる一方で、シナリオに納得いかんところもチラホラ…
死んだと思われていたキャラが生存していた、というネタを繰り返すのは、何か安っぽくはない?
コーネリアが生きていたのは、まぁ納得できなくはないけれど、ギルフォード、あんたは生きてちゃダメーッ!!!!
あんたの死に方は、生きている可能性のあるかもねー、というレベルじゃなくて、どう考えても死んでなきゃおかしいという状況だったじゃないかッ!!!
シュナイゼルに使った手は、まず時間的にあんなものを撮る時間的余裕があるように見えないし、5分近くに及ぶ長い会話を先読みして完璧に合わせてみせる、というのも不可能の域(録画の停止・再生を少し操作していれば、タイミングは図れるだろうケド)だし、ちゅーか、そもそも、シュナイゼルを堕とすのに必要な手なんだろうか(囲めた時点でもうちょっと直接アタックしても良かろうに)、と考えることしきりだが…
知略に富んだ敵の、その最も得意とする分野において、相手の知略を読みきって凌駕して見せた上に屈服させた、という勢いと雰囲気ができていたので、ルルーシュの勝利は分かりやすかったかな。
ルルーシュ最後の試練が、“遂に”目を開いたナナリーにギアスをかけるか否かを迫られる、という、この番組の物語の始まり(ギアスという力を得て、ギアスをかけられない盲目のナナリーにとっての幸せな世界を作ろうとする)を見返すかのような要素で、最後に相応しい形になった。
ギアスとは何だったのか、ラグナレクはどういう出自のテクノロジーなのか、いろいろ取りこぼしてきた謎は多いが、もうここで終わってもいい雰囲気が出来上がっている。
…ていうか、たぶん、いい加減疲れてきたのだろう、私が(汗)
毎週毎週、1週間の心のモヤモヤを持ちながら見てきた者だけが、感じることが出来る気持ちだとは思う。録画やDVDで一気見すると、また違った感想が出てくるかもしれない。
このまま最終回が、意外性とかどんでん返しなしに、ドラマ的に諸要素をまとめて終わってくれれば、すっきりとした話になりそうだが、この番組のことだからそうもいかんのだろうなァ…
何か技術的に上のものを見せ付けて当て付けにするというより、引き写して作り直してるって感じが少しあるような…
ある意味、『SEED』の商業的成功を引き継いで、その手の路線でがんばってみせる仕事をする律儀なフォロワーなのかも。
ルルーシュのブリタニア帝国とシュナイゼルの超合衆国との決戦が否応なく迫っていくお膳立ては、本来『ガンダム00』の14話みたく時間や各キャラの描写の時間を割いて徐々に緊張感を高めていくのが定石なのだけど、BGMオンリーの場面ツギハギ編集で1分内に済ますという、あまりの端折りっぷりに笑う。
その決戦は、双方が相手の動きの意味を読みつつ裏をかき合う様子が描写され、ちゃんとキャラの性質に合った、知略をかけた戦いのようになっていて緊張感を高めているのは良いなぁ~
ルルーシュが富士山を噴火させて敵を撃滅する作戦は、そんなにタイミング良くすぐに噴火するかい、とかいうツッコミどころはあるだろうけど、富士山が崩壊するという地獄絵図によって、最終決戦臭が醸し出されてきた。
黒の騎士団の母艦が墜ちるというシチュエーションやボリュームのある作画も、その臭いを後押ししていて良し。
そのほかでは、敵要塞の内部がちゃんと広さが実感できるカメラレイアウトになっていたのが印象的だった。
あと、学生には到底似合わない仰々しい衣装が気になってしようがない(笑)
結局あの1ヶ月間の事情は語り直すことなく話を前に進めるわけですか。
不親切極まりないなぁ…
思わせぶりに「ゼロレクイエム」を成し遂げるとか何とか言ってるけど、あの1ヶ月間の出来事はそれが成し遂げられて真意が語られるときに、二人の間にどんな密約があったのか併せて説明されるのだろうか?
でも、ユフィの悪名が霞む悪行を、というルルーシュの意図をスザクは知らなかったみたいだし、本当に意思疎通できているんだろうか?
問答無用で人々を奴隷にしまくるルルーシュは、正義とか道理とか関係なく、もう何でもありだなぁー
ただ、ギアスの力で帝国を支配しているのは前回ラストでも描写されたことなので、別にここで確認的に見せるべきシーンだとも思えないが…
ただ、そのおかげで、学生の分際で皇帝やってるという、「どこまで恥ずかしい思い出にしたいつもりだ!?」(笑)とツッコみたいルルーシュの、その行動について自らの意志で賛同してくれる人はいないという虚しい皇帝っぷりは示された。
やっぱり生きてたナナリー。
悪意を持っておらず、力も持っていないので、圧倒して罰することはできないが、主人公と敵対する意志は強く、何より近しいキャラということで、主人公がも最も苦戦しそうだという意味では、ラスボスとしてこれほど相応しいキャラもそうはいない。
アーニャ「今はマリアンヌ。ルルーシュとナナリーのお母さんよ」
誰か、この頭のイっちゃったようにしか見えない娘に、「はぁ~!?」とツッコミ的リアクションをして欲しかった(笑)
もう臆面もなく『エヴァ』の「人類補完計画」だなぁ…
子煩悩でウソのないキレイな世界を望んでいたのがゲンドウ皇帝の真意という説明だったけど、その割には子ども時分のルルーシュにかけた言葉の辛辣さが独創的で、演技っぽくなかった(本心だったんじゃねぇの?)ですけど。あと、負けたものには容赦なしな、かなり残酷な強硬手段に打って出ていたし、その人物セッティングに持っていくのは苦しい気が…
その場にいるどのキャラにもギアスがかけらない状況だと思ったら、「キャラじゃなくて、神様にギアスをかける」という一発逆転のアイデアは面白いなぁ~。能力が制御不能になるのと紙一重のギアス両目侵食による出力アップで神に挑む、というシチュエーションも盛り上がるし。
…そのギアスの力は、その神様とやらからの出自ではないのか、という想像の余地がある中で、ラグナレク装置とギアス能力との関係についての謎解きがまるでなされていない現状においては、それは本当に有効な一発逆転だったのかと疑えて白けるものだったりするが(汗)
なんか、自分の与えた力に自分が滅ぼされる形で、ものすごくマヌケだから。
ルルーシュの物語はあと何話かで終わるが、番組自体は『コードギアス』シリーズとして続いていくというウワサもあるので、それが事実だとしたらここでギアスやラグナレクの謎を明かすわけにはいかないということか?
…それよりもだ。
―1ヵ月後
ルルーシュ「私が第99代ブリタニア皇帝、ルルーシュ・ヴィ・ブリタニアである」
待て。
まぁ待て。
なんじゃこの展開は!?
皇帝は倒したし、お母ちゃんの死の真相は語られた上にお母ちゃんに助ける価値はないと判断して切り捨ててしまった今、もう元々ルルーシュが目指していた目的は果たし失われたという状況だから、別に新たな目的に向かって行動なさるのは、シナリオ展開としては問題ないだろうけど…
今まで容易には手の届かなかった敵の陣地を、あっさりと占領してしまう拍子抜けなぶっとび具合が許されるほど、これまでのシナリオの流れが整備されていたわけではなく、見ていて唖然とすること仕切り。
特にこれといった目的も見えず、ギアスという強硬手段で皇帝宣言しちゃったルルーシュに、何の密約があるのかルルーシュに従って、阻む敵を容赦なく薙ぎ倒すスザク、という、失うものは何もない、後は破滅に向かってガムシャラに突き進むだけ、っていうコンビになっちゃった。
この流れが許される手順を踏んできたのか、この番組は!?
もう、結局はオレも皇帝と変わりなかったか、とルルーシュが悟って死亡エンドしか先が見えない…
「彼は裏切りでのし上がってきた男ですからねぇ」とはっきりとセリフで指摘されてしまうスザク。
スザクが『SEED』のアスラン・ザラへの当て付けキャラであることを番組が自白してしまったなぁ(汗)
1期の25話から思ってるんだけど、神根島と東京の距離ってどういう設定になってんだ?
島から見た水平線上には全然島影がないので、本土からはかなり距離のある離島(占領国軍の基地があることと照らし合わせると、硫黄島のことを指している?)だと判断できるけど(ていうか、前回地図が出てきた気がするが)、そうそう長距離を飛べそうにないナイトメアの飛行能力でも、それもかなりの短時間で到着できていたので、遠いんだか近いんだか…
いい加減な距離感でも構わない場合もあるんだけど、あまりにも物語の時間的進行に深く関わってくる事項なので、かなり気になる。
ついでに言わせてもらえれば、東京決戦から今回のラストまでわずか1日(24時間前後)の事件。
その間に、フレイア弾頭による東京消滅があり、ブリタニア帝国と黒の騎士団の和解協議があり、ゼロに対する叛乱があり、神楽耶たちが九州から東京に向かう移動時間あり、なんでこのタイミングなんだか皇帝の計画始動あり、スザクを通してのシュナイゼルのクーデター行動あり、神根島でのルルーシュ・スザクの各々の戦闘行動あし、帝国と騎士団のトップ会談あり…
歴史的にも重大そうだし、個々キャラのストーリーとしても重大な出来事が、なんでこんな急ぎ足で起こりすぎなんだ!?
そこらへんの違和感などはまだいい方で、C.C.の記憶喪失にいたっては、まさかここまで露骨なご都合主義に終わるとは、と落胆するぞんざいさ。
わざわざ主要キャラを記憶喪失にしたのは、記憶がないからこそのイベントを発生させたり、記憶が戻る瞬間を盛り上げに使ったりする手続きだといろいろ予想していたのだけど、特にイベントがないままに、ものすごく些細なキッカケであっさりと元に戻ったりしたので。
ただ単に、皇帝が閉じ込められた時に、脱出してくる可能性があるとルルーシュに教えないためだったり、死んだ人間とも喋れるらしいC.C.の口から死んだナナリーの言葉を、あまり好ましくないタイミングで出させないためだったり、シナリオの都合に合わせたったのが明白。
目的はそうでも、ルルーシュに気合を入れたり誤解を招く発言で場をかき回したりする程度ではない、もうちょっと身のあるイベントを差し挟んで誤魔化してくれれば良かったのに…
「東京は死にました」という印象深い重いセリフも、地表がただ単にすっきり丸く削られたキレイな被害状況を見せられると、全然重みも印象深さもなくなってしまう。
作画は悪い。それに引きずられる形で絵コンテも、作画労力があまりかからないように作り変えられていて、悪くなってしまっている。
たとえば、スザクが皇帝暗殺という強硬手段をとることの論理を語るとき、今までの彼の考え方から大きく変わってしまったということを示すために、スザクの顔とかを大映しにするべきところで、なぜかそれを聞いている
ジノの目元のどアップスクロールになってしまい、ジノがスザクの言葉をどう受け止めるかが重要であるとでも言いたげなカットに変貌していたところとか、作画が楽できる方法で絵コンテを切っている(切り直している)のがよく分かる。
どーでもいいけど、スザクが生身でナイト・オブ・ワンと戦って劣勢に立たされたとき、「ボクにかかった『生きろ』のギアスが逃げろと言っている。それほどに強い相手なのか!?」という解説が丁寧な感じで入っていたのが、少年マンガっぽい強さの表し方だなぁ、とふと思った。
うーん、このタイミング…
延々と築いてきたものルルーシュがすべてを失うには、あまりにもあっさりすぎないか…?
失われるときはあっさりと、なのが世の常ではあるが、ドラマチックじゃないのはどうしたものか。
スザクという道徳的な柱を対抗として用意していたことから考えて、人を利用するだけ利用して殺すような褒められたモンじゃない行為の積み重ねでのし上がってきたルルーシュには、どういう形になるせよ、こういう道を辿ることは決まっていたようなものなのに、その“待たれていた”決定的瞬間が演出的にもお話的にも淡白に通り過ぎていくんじゃあねぇ…
まぁ、ナナリーが失われたという重大事態にして動機の根底の喪失を前にしては、黒の騎士団の離反はルルーシュにとって大したことではないので、重く描く必要がないのかもしれんが。
このあっさり風が現代風味? あるいは、雰囲気的に重くなると見ていて鬱になるから、ということへのストレス軽減策?
ロロが起こしたサプライズと、キレイな最期は、この番組の実直な仕事ぶりが出てた気もする。
皇帝が世界を塗り替えるとかどうとか言ってたが、『エヴァ』っぽくなってきたなぁ…
…ていうか、世界中にシステムはあるみたいなのに、なんでわざわざ日本でやるんだろう?
説明はこれからあるんだろうか?
アーニャ「あなたのシールドが上か、私のシュタルク・ハドロン砲が上か?」
ルルーシュ「クッ、こ、これは、いくら絶対守護領域でも!」
大層な名称をお持ちの攻撃ツール/防御システムの名前を独り言の中に使いながら、どちらが強いかの一騎打ちって、スゲェ厨臭いなぁ(笑)
ルルーシュが死を急ぐスザクに対して心からの善意でかけた「生きろ」のギアスが、逆にルルーシュの大切なものを奪ってしまう結果を生む、という皮肉なめぐり合わせは、なかなかに面白い。
ところでカレンは、このスーパー紅蓮の登場のお話の都合のためだけに囚われたのかね?
牢獄での拘束をナナリーから救われたり、スザクに自白廃人化剤を打たれかけたり、捕虜を身体的に痛みつけようと企むラウンズからジノに助けられたり、やけに数々の危機をすんなり回避していて、物語(脚本家)から「あまりヒドい目に遭ってもらっては困る」とストップかかってるなぁ、とは感じていたけど。
長々引っ張ってきた割に、それだけの意味しかないのは、何か物足りん気が…
「敵の動きが変」というあまり特別妙なことではない状況下で「こちらも後退する」と判断して、大量破壊兵器“フレイア”の事情を全く知らない黒の騎士団のメンツがその攻撃から結構生き残ってるのは、ご都合に感じられるかも。
予告は、最愛の妹を失ったルルーシュの「何も考えられない」状態を表すかのように、BGM以外無音。
その回で主人公が言えなかったことや裏の心情を語る場になっていて、本当に次回予告をしない次回予告だなぁー(笑)
過去の時代の人間が現代に迷い込んだときの混乱ぶり(テレビを見て「箱の中に小さい人間が!!」等)を丁寧に描写しているのは、展開が速いこの番組にしては意外。
しかし本当の狙いは「テレビリモコンで電源を切る要領でボタンを押して何かを止めようとしたら、間違って大爆発の悲劇発生!」の伏線か?(笑)
ルルーシュが立ち上げた超合衆国の1号決議で、日本の奪還戦争を仕掛けることが決まって、それを悲願だと語る黒の騎士団。
おおっ、やっぱり日本列島という国土に固執してくれていたか! 良かった良かったー
先週だけかと思ったら、これからずっとなのか『ガンダム00(第2期)』の予告。
何やらこの番組に『ウルトラマンネクサス』臭が…(笑)
描写のされ方や設定が魔法みたいな能力だから、地に足の着いた科学的(SF的)な解説がなされるとは思っていなかったけど、教団で人為的に能力者を量産できているのだから、常識人では手の届かないような異世界的(ファンタジック)な能力でもなく、もっと科学寄りだったりするし…
そういう感じで、どっちに転んだらこちら(視聴者)が納得できるのか自分でも分からない、変なバランスの上にこの能力が存在しているので、「ギアス能力がどうやって生まれたか、どんな原理でそれが可能となっているのか」ということが謎解きされる場合、結構デリケートな感覚でもってやってもらえんと、平手を叩いて「なるほど!」とは思えそうにないのだが…
C.C.が、その先代から(特に説明もなく)受け継いだ力で何百年も生き続けている不死の魔女であり、ギアス能力はその魔女が与えることができる魔法(的な何か)である、ということをバラされても、「えー、そんなに単純な魔法寄りの解答でええんかいなー!?」という気になってくる。
まだ隠された真相や過去がありそうなので、これからの謎解きで科学寄りに持ってきてくれるのかもしれないけど。
ところで、冒頭でルルーシュが鏡の反射を利用してギアスの力を飛ばしていたけど、確かギアスは有効範囲が700メートル程度で、ある程度遮光効果のあるものは透過できないという設定だったはず…
あれだけ反射させたら、反射させた分だけ光が減衰しまくって、マトモに届かないのでは?
それでも届いたギアスで、ルルーシュが皇帝に命じたことは「死ね!」。
そしてそれが達成された直後に、「殺してしまった… まだまだ聞きたいことがあったのに」と後悔するルルーシュ。
…普通だったら性格破綻者か大バカ者以外の何者でもない行動の支離滅裂さだが、シリーズを通して「ルルーシュはその場のノリで行動してしまう性格」ということが示されているので、さほど違和感はなかったなぁ~
しかしその反面、彼の内面には繊細で、特に身内や友達に対しては非情になることができない。
そんな主人公の心を理解し、恋慕の気持ちから彼に寄り添って助けになろうとするヒロイン。
しかし、主人公を敬愛する暗殺者の嫉妬によって、彼女は殺される。
主人公は彼女の死を前にして激しく打ちのめされるが、暗殺者は主人公の正体を知った危険人物を処理できて良かったと心底嬉しそうに報告する。
暗殺者はこの先の戦いにおいても計り知れない利用価値があるが、彼がヒロインを殺したことは容赦することなどできない最大事である。
しかし主人公は暗殺者に対して事も無げに言う。「よくやってくれた」
その言葉に喜ぶ暗殺者。
ところが、次に主人公が発した言葉は意外なものだった。「そうだ、ギアス教団を殲滅しに行こう。手伝ってくれるな?」
それまでの主人公の作戦スケジュールからは完全に軌道を逸した突発的な行動。
主人公の頭にあるのは、暗殺者にヒロインを殺す特殊能力を与えた教団に対する復讐。
彼の精神は根本から壊れてしまっていたのだ…
…というシナリオの場面を、映像として演出するとき、普通ならばどうするだろうか?
先週の話であれだけヒロインの死を悲しんでいた主人公だ。
まず人間的な感情が、冷静に殲滅作戦を打ち立てるまでぶっ壊れてしまうという、心境(精神)の変化を伝える、という方法を考えるだろう。
直接的に顔の表情の変化で表す必要はない。顔の表情が読み取れない位置…例えば背中…からの画を数瞬間、数カット、話の中に紛れ込ませるだけで、容易に気持ちの変化の筋道を読み取らせない「負の感情の蓄積」というものが彼の中に起こっている、ということが表現できるだろう。
この画的な表現によって、シナリオの流れを補強するのだ。
ところがこの作品では、その心境の変化の過程を描く演出を、バッサリと切り落とす。
切り落とす、と言うよりも、何事も無かったかのようにさらりと流して、主人公が得意げな顔で「よくやってくれた」と返答する。
視聴者はここで引っかかりを覚える。「どういうことだ!? 悲しんでたんじゃないのか!? アレは芝居!? それともこっちの方が…?」
そのような考えを巡らせていると、しばらくして次のセリフが耳に入ってくる。「じゃあ、教団をぶっ潰しに行こう☆」
…ここでようやく視聴者は、主人公が怒りを通り越してどこか別の境地に到ってしまったことを悟るわけだ。
普通だったら、今回のこの演出は、感情の変化を描写できていないダメな例として挙げられることになる類のものだ。
しかし、この話の中では、これはそう間違いではない演出として機能する。
視聴者のテレビ画面への興味を、画的な演出ではなく、お話の流れが引っ張っているからだ。
あるいはお話の流れのために、演出がお話の流れの邪魔にならないよう、お話の流れに任せている感じになっているとも言える。
そしてこの感情の流れの画的演出を“省略”する方法は、分かりやすい説明過多の演出をクドいと感じる者にとって、無駄を削いだスマートでスタイリッシュな現代的演出として好意的に捉えられ、それがこの番組の視聴者層の求めるものとなっている、という状況…
相変わらず、不思議なバランスの上にあるなぁ、この番組。
えーっと……
なんだこの、作品の雰囲気と全然合ってない、微笑ましさ溢れるOP映像は(汗)
OPで、藤堂のナイトメアが画面奥の巨大なメカに向かっていくのは、『ガンダムSEEDディスティニー』のOPで、デストロイガンダムに向かっていくディスティニーガンダムへの当て付けっぽいぞー
本編の方は、シャーリーの乙女チックモード大暴走(笑)
ルルーシュが親の敵であるという記憶を取り戻すものの、「あっ、この人、孤独なんだ…」と勝手に思い込んで同情してすっかり許してしまった挙句、テロリストである彼に助力しようとまで考え、さらにその愛する人が戦っているとなぜか察知するや、別に来なくてもいいのに、警官の制止を振り切って立ち入り禁止地区に侵入し、「あなたはルルが好き?」という具体的なようでいてポエムのように抽象的な質問の返答で相手を敵か味方か判別し、「それでもあなたが好き…」という少女マンガのような言葉を最後に呆気なく死んでしまいうという、思い込みだけで突っ走っていく刹那的な行動が、とっても青春人っぽいリアリティがあったように思える。
スザク「モルドレッド(=軍用兵器)が出動した!?」
ギルフォード「黒の騎士団か!?」
オペレーター「学園地区にて暴動が発生した模様。ナイトポリス、緊急出撃」
学園内のお祭り騒ぎがエスカレートにエスカレートを重ね、遂に勘違いした軍隊まで乱入しかけるという展開。
今までのギャグ回は学園内のメンツで繰り広げていたから、外部の、それも国のトップの連中までドタバタに巻き込まれるところまでスケールアップしてしまう暴走っぷりは、その収拾の付かなさっぷりが個人的に好みで、大爆笑。
このままドタバタに絡んできてくれてたら良かったのに、ただの賑やかしに終わって残念。
物思いに耽って立ち尽くすシャーリーの背景で、様々な人や物(馬も)が大量に右往左往していた画ヅラも、どこかギャップがあって可笑しくて好き。
ただのお遊びにアーニャが軍用マシン・モルドレッドを持ってきてしまったことに対しての、ルルーシュの一言。
ルルーシュ「アーニャまで一般常識に欠けていたとは…!」
…なんか、完全なるキレイごとの理想主義(しかしその実、排他的な偏向思想)で世界を統べてハッピーエンドと謳う常識外れっぷりを見せ付けた某番組への当て付けに見えてきたヨ、ハハハハ…
ルルーシュの108人デート、ミレイの思いつきイベント、天然娘・咲世子の暴走、ルルーシュ正体バレの危機、恋煩いで思い悩むシャーリーなどなど、話を四方八方に動かすという暴走をしてここまでいろいろやらかしたのに、最後にはミレイ会長卒業の物語として今回の話がまとまっていたかのようにキレイに終わらせてしまう強引な演出力は、月並みだけどスゲェ。
ミレイが満足げに成立カップルを眺めて、少し本音を呟いて、「これにて、モラトリアム終ー了ー!!」とにこやかに叫んで帽子を放り上げ、それをカメラが追ったと思ったら落ちて来た帽子に画面が遮られ、その次の瞬間には場面が一気に変わって、慣れた様子でお天気お姉さんやってるミレイを大写しにする…
…という演出の仕方が、「どうやったら物語を総括したように見せられるか」というお手本みたい。
…その演出・その総括がこのタイミングで視聴者やシリーズ構成的に求められていたか、物語的に有意義だったかどうかは、甚だ疑問だが(汗)
それに、コーネリアが何となく復活。
満を持した再登場なのに、演出的に何の重みもなく、(この番組は情報量が多いから整理が必要とはいえ)あっさり流されすぎなのは、あまり効果的な演出が施されているとはいえないしなぁ…
その上で、この後に気分をドーンと落とす衝撃の展開を用意している手際の良さは、毎度のこととはいえ、スゲェ。
ミレイの「これにて、モラトリアム終ー了ー!!」というセリフは、これからの物語展開の予告だったわけか。
シャーリーが深刻に思い悩んでいる最中に、ルルーシュがギアス関係の能力を持った敵と対決、という流れは、前期の2クール目突入時期と同じ展開。
しばらくこういう流れはなかったのに、またまたなぞってるなぁ。
でも、同じような展開でもこちらの期待度が衰えているというわけではなく、そこら辺は巧み。
…ひょっとして、1期とまるで同じ展開を芸もなく続編で繰り返してしまって呆れられてしまった某番組への(以下略)
そんな中、ナナリーに助け出されるカレン。
…チッ!(←オイ
まぁ、つまらんというよりも、この手の謎の解答としては無難の域か。
…でも、だったら先週の「仮面越しの顔の描写演出の違い」は、ただこちら(視聴者)の予想を翻弄するためだけの仕掛けであって、違うということに物語的な意味を持った有意義的な演出ではなかったということで、なんか引っ掛け問題みたいでイヤだなぁ。
あの見せ方だと、中国にいた方が替え玉で、日本の学園にいた方がホンモノという感じになってたから、どんなトリックを使えばそんなことが可能かと、解答をかなり期待していたのに…
それに、誰にもバレないレベルのカンペキ変装が「あり」ということになってしまうと、もう何でもアリな感じがしてしまって、「自分の能力の限界内で何とか危機を凌がなければならない」という緊張感がなくなるなぁ…
まぁ、別人が変装しているということを、トリックのオチとして使うだけではなく、別人の勝手な行動で本人が危機的状況を迎えてしまうというドラマを生み出す仕掛けにしていて、安易な解決策と思わせない工夫をしているのがこの番組の侮れないところではあるけれど。
でも、ギアス発祥の秘密、なんてこの番組のかなり重要なポイントを、何の伏線もなしに主人公が視聴者よりも先に既に承知していて、おまけにその技術を狙う策を前々から巡らせていた、というところまで行ってしまう進行の稚拙な駆け足ぶりを見ていると、シナリオの出来がプラスマイナス0な気もする。
四面楚歌の状況で新型ロボを駆って颯爽と登場し、華麗なるキーボードタイピングでロボを操って敵を殲滅してしまう主人公…
…って、これはひょっとして、『ガンダムSEED』のキラの引き写しか!?
純粋な正義感から出てきたのではなく、ドス黒い計算を腹に秘めてみかけを繕って行動しているというのを見ると、引き写しではなくやはり当て付け。
じゃあ、主人公側に付いてた赤髪の少女が敵軍にさらわれる、って展開は『SEED』のフレイへの当て付けかも…
…って、ここまでこじつけると、もはや言いがかりだなぁ~
でもこれが当て付けだとしたら、カレンはこのまま物語と絡まないままフェードアウトしていくことに…
…って、当て付けだったら、原点に対するアンチテーゼがないと、当て付けにならんわな。
つまり、カレンが捕まったことで、物語的に何らかの意義が生じるということでないと。
捕まってる最中に敵軍の重要な情報を掴んでしまい、それを聞いた後で助け出されて、主人公側に情報を提供することになる、とかが無難?
一番キツい展開は、皇帝のギアスで記憶を書き換えられて敵軍に寝返るという辺りか…
…ええ、大好物のシチュエーションです(笑)
藤堂「フッ。まさかこの斬月(=新型メカ)の初仕事が、花嫁の誘拐とはな」
しまった!!
これは、『ガンダムSEED DESTINY』のカガリ誘拐エピソードへの当て付けか!!
先週の段階で勘付いても良かったのに、このセリフが出てきて初めて気付くとは、ちいと悔しい。
味方になってくれる可能性もあった星刻をわざわざ裏切って強引に天子をさらって、ブリタニア帝国・中華連邦・星刻一派の三方を敵に回すような危険なマネをしたのは、何か裏の秘策があってのことかと思ったら、全然何もなかったのにはガッカリ…
…という登場人物の考えのなさも、当て付けじゃあないだろうな(笑)
しかし、ここまで分かりやすい当て付けは久しぶりだなぁ~
充実した頭脳的戦術バトルあり、圧倒的数量でせめぎ合う迫力のロボ戦あり、体育座りで露出過多になる少女天子のサービスカットあり、危険を承知でヒロインを救いに行く主人公のヒロイズム行動あり、などなど、あらゆる層の視聴者を惹き付けられる要素を、あざとすぎずバランスよく物語に組み込んでいくストーリーテリングの手腕は見事。
視聴者が「見たいと思っている」だろうポイントを外さず盛り込むだけでなく、敗北するしかない絶望的な状況下に追い込まれる主人公サイドという緊張感で、次回も「見たいと思わせる」要素もちゃんと組み込んでいて、その両輪をコントロールできてるのはスゴイな。
しかも、ラストは東京の学園で電話受けてるルルーシュのカットで〆。
ち ょ っ と 待 て 、 お 前 は 今 中 国 で ピ ン チ の 真 っ 只 中 に い る ん じ ゃ な い の か !
クソッ! ゼロの仮面越しにルルーシュの表情を見せる演出が、いつもは顔を全部見せていたのが、今回ばかりは顔の半分しか見せない演出になっていて、違和感感じた時に何か気付くべきだった!
…という謎も謎な、どういうトリックを使ってるのか知りたくてしょうがない展開まで用意していて、次回も「見たいと思わせる」仕掛けに抜かりがないのがスゲェ…
…って、いかんいかん。
見かけのストーリーのことに対してしか目が行っていないじゃないか。
作品の見方が浅くなっとる…