母親が『北の零年』観てきて、「胸がすぅ~っとする映画だったわー!」と高評価。
…一体、実生活の何を映画に投影して憂さを晴らしていたのだろうか?(笑)
そんな胸のスッキリする映画を観てきた後で私と一緒にテレビで観てたのが、胸にモヤモヤ感が残って後味が悪くなるに決まっているホラー映画(笑)
本日放送された『呪怨』でございます。
あの大ヒット和製ホラー映画『リング』がハリウッドでリメイクされたのに続いて、この呪怨もハリウッドリメイクされたということで、元のはどんな恐怖映画なんだろうと観たんですが…
…う~ん、『リング』ほどの怖さは感じなかったなぁ
恐怖を盛り上げていく演出は上手いんですけどねぇ、恐怖の絶頂であるはずの肝心の怨霊登場シーンになると途端に萎える。
怨霊が唐突に画面に出現する一瞬はかなりドキドキするんですが、その後ずーっと長い時間出てるし、しかも何回も何回も出てくるから、しまいには慣れて怖くなくなっちゃいましたよ。
それに、伝統的な薄ぼんやり浮かぶ幽霊じゃなくって、肉体がくっきり見えて存在感のある怨霊だから、全身真っ白に塗ったブキミメイクに慣れればただの人間にしか見えませんからねぇ。それに動きが妙に「この世ならざるもの」っぽくないし。
怨霊たちが生きた動きで引き戸ガラガラ開けながらゾロゾロ出てきて近付いてくるシーンなんて、思わず笑ってしまいましたよ。
ただ、これは『リング』の貞子にも言えることなんですよね。
怨霊とはいえ完全に肉体を持った(ように見える)存在ですし。
でも、貞子の方がよっぽど怖い。
ウチの一家4人を一時間もテレビの前に凍りつかせて、トイレも寝室も4人で肩を寄せ合っていかないと行けないぐらいの強烈な恐怖を与えた存在ですから。
しかしまぁ、それも初見のときだけで、2,3回観てるうちに、笑い話しながら観れるようになりましたけど。
…ああ、『呪怨』の敗因ってやっぱりそこなのかな?
作品の最後に衝撃的な登場を飾った貞子と、複数回登場して恐怖を作品内に蔓延させようとした俊雄と伽椰子の違い。
まぁ、何回も出てきた方が怖いっていう人もいるかもしれないけど。
これは出てくるまでの恐怖感を味わう映画だよな、というのが私の感想。