本日、我が家では毎年恒例の餅つきを行いました。
臼と杵は数十年使ってなお機能性にまったく問題なしという、天然素材と職人の腕で仕上げた威厳と歴史感漂う逸品を使用。
もち米を炊くのも、屋外に業務用バナーを持ち出して専用のせいろで蒸し上げるという、本格的なやり方。
厳格な祖父が作り上げた鉄壁の規則と順序に則って厳かに行いますよ。
…餅つきがなんでこんなに仰々しいんだよ、ウチは。
しかしそんな空気を築いてきた張本人の祖父は、今や「餅つき」が一体何を指す語なのかも分からぬボケ老人。
ルールと雰囲気だけ残して去っていったようなモンだよ……(鬱
祖父に代わって陣頭指揮を執るのはノリノリの祖母。
二日前から準備に余念がなく、買出しを全て済ませてしまうほどの張り切り様。
当日働かない者は容赦なく、明日の井戸端会議で話題に出されて晒し上げられます。うーん、恐ろしい…
で、何だかんだ言っても、力仕事専任で餅つき要員の私と父は重宝されて優遇されるんだけれども、準備だけ義務と称して強制的にさせられる母は始終イライラ。
自主的に参加すると「出しゃばるな」と言われ、命令を待っていると「役立たず」と罵られ、卒無くこなしても「餅つく人間は偉いけど、準備だけ頑張れば済む人はどうってことない」と相手にされない、とくればそりゃ神経逆立つわな。
だから母は餅つき大っ嫌い。
こんな悪しき風習は早く廃止してしまいたいと心の底から思っているんだろうが、
ところがどっこい、今年祖母は大枚はたいてバナーを新品の物と交換。
「これであと十年は餅つきができる」と齢八十の餅つき大好き人間はかなり嬉しそう。
受難の行事はまだまだ続きそうです…
【おまけ】
今日実働してた餅つき要員は父と私。
本当はもう一人、予定されていた餅つき要員がいたんです。
そう、あのとんでもブラザーがね。
前日祖母からの指名受けておきながら、彼奴が当日何をしていたかというと…
昼過ぎまで熟睡。
何度叩き起こしても強制居眠りモードに突入し、再起動不可能…
嗚呼、貴重な労働力がぁぁぁ……
で、当人が起きてきた頃には餅は既につき上がっていて、出来立ての餅をブランチ代わりにガツガツ食って、悠々と友達の車に乗って遊興に出かけていきましたよ。
ほほう、まったく餅つきに貢献しなかったというのにいい身分だな…
踏ん付けてやるッ!