前作には登場していなかった新主人公(一応)の視点で前作の歴史を見つめ直すという試みは面白いと思う。
でも、肝心の語り手であるシンたちの描写が皆無に近かったから、どうにも薄味なんだよなぁ…
シンのナレーションでフォロー……というか、ナレーションでその代役をさせようとしていたんだろうけど…
セリフの緊張感のない内容によって、戦争の最前線で過酷に戦い続けてきたキラたちと、それを遠い土地の出来事として真剣に受け止めず平凡な日常を送っていたシンを対比しようとしていたことも良いとは思う。
…でも、あまりにも緊張感がないというか、ナレーションとして不適切というレベルだったので、それが真剣に繰り広げられる戦闘シーンに重なるとギャグにしか見えない…
とにかく、物語を別視点から組み立て直す面白味は何一つ出ていない。
前作を見ていない視聴者に対する説明的な総集編として側面もあるけれど、これも説明不足があんまりにも過ぎているので、そういう機能すら果たしていない。
それに、こういう類の話はせめて年明けぐらいにやってくれ。できれば、ガンダム強奪編が終わった後ぐらいに挿入するのが理想的で、もっというなら、物語の中でさりげなくよく分かるように説明される方がなお良し。
「今度こそ守りたいものを守る」ために戦うと話したシン。
てっきり、怒りのやり場を探すために軍に入ったものと思っていたのに、意外な事実が明らかになった。
…でも、現時点でシンの守りたいものなんて全然提示されていないんですが。
仲間?
いやいや。ルナマリアやレイとの関係ってそこまで緊密には見えん。
新撮シーンのザフト入隊時の様子で補足しておけばまだ聞けるセリフになったと思うけど、シンに関するあの前後のシーンはほとんど話を不合理を解消するための言い訳ですな。
夏に発売されるデスティニーガンダムのCM…
そんな先のことを宣伝するなんて、なんかよく分からん…
前作でシードガンダムが出なかったのに、今作でデスティニーガンダムが出るということは、『ガンダムSEED』が『ガンダム』や『仮面ライダー』や『ウルトラマン』みたいな基本ブランド名という位置づけで、『~デスティニー』っちゅーのは『Zガンダム』の「Z」みたいなモンということか