で、それに対して、
真っ当に現実的な政治論を語っているオーブ議員のユウナなのだけれど、“悪役キャラ”としてしか描かれてないから、現実論が悪役論に見えてイライラしてくるこの鬱陶しさよ…
こういう理想論って大事ですよ。
でもただ言ってるだけじゃダメ。
理念だけが原動力で、他に実効性がある手立てがないから。
だから、多少残酷とか卑怯とかに見えても論理的に筋が通っていたり実現性のあったりする政治論の方が、意見としては強い。
そして、後者を大きく重く取り扱うのが『ガンダム』というブランドだったはず。
『ガンダムSEED』にはそれが大きく欠けている。
でも、『SEED』の主な視聴層って、小学生以下の子どもだからなぁ…
どんなに論理性や実現性がない空論でも、カガリの言っている理想論の方が「正解」。
だから、それを否定するユウナの論は「悪の論理」に見えてしまって、ユウナが地に足の着いた理由でもってカガリを納得させようとしているという状況が伝わらないと思うのだけど…
あ、子どもはロボットバトルしか注目しないか…(笑)
で、こういうときには
庶民的には「悪」である“現実論”を、物語に必要な「真っ当な」“現実論”として視聴者に感じさせるため、つまり、ユウナの意見をカガリの側の「正解」の意見として持ってくるために“味方として”カガリに現実論を納得させるクッション役を置いておくと分かりやすくなるんだけど…
この場合、適役はアスランだろうが、現在アスランは、カガリのもとから遠く離れて、プラントに…(汗)
肝心なときに役に立たないんだから…
プラントに行ったおかげで、旧友イザークたちとの絡みが出てきて、観てて微笑ましくなるからいいんだけど。
イザークに「お前は一体オーブで何をしているんだッ!?」と聞かれて黙り込むアスラン。
いや、そこで黙ったらダメでしょ。
前作の戦いの中で、「いがみあって戦争することに得るもの無し」との確信に到って中立のラクス派として戦争を止めるために奔走してたのだし、だからこそ前回、戦争推進派だった父を否定する発言をしたのだから、
そういう信条があって中立国のオーブに留まっていたんじゃないの?
黙ったら、そこまで確固だった信条に“揺らぎ”が生じてるってワケだけど…
前回のデュランダル議長の言葉って、信条を揺るがすほどの威力あったけ?
確かに悩んではいたけど、「平和のためにこれから何をすべきか」という疑問であって「オーブでしていた」ことと基本のところが変わっていないんだから、言葉に詰まるほどのことではないと思うけど…
ちょっと考えすぎ?