;・(ノД`)ノ;・(涙)
だぁーーーー!! 『金八』観続けてて良かったぁーーー!!!
冷静に考えればツッコミどころや粗がいろいろとあるけれど、感性に直接訴えかけてくるから、画面に注視している間は理屈抜きでずっと涙、涙…
目の肥えた人には、たぶん、取るに足らぬ内容だっただろう。
しかし、半年間素直な目で番組を観ることができた私は、審美眼を持てていなかったことが不幸でも、感動を味わえて幸せでしたッ!
『金八』程度で感動できる人は頭が相当おめでたいんでしょうけど(マテ 私はおめでたくて良かった。
事細かにあーだこーだ文句言いながら感動できる要素をつぶしていって冷めた目で観ていたら辛かっただろうし。
それではこの辺で、事細かにあーだこーだと文句をつけてみるか(笑)
6時55分の番組開始直後、この作品の舞台である桜中学の撮影に長年にわたって使われた足立第二中学校が今年度で廃校になったというニュースVTRが流される。
いつもとは違う趣向だが、今回が『金八』シリーズとしても最後になるかもしてないということで、時期も時期だし、特別にドラマの開始方法を変えたんだろうなぁ~…と思い、VTRが終わって3-Bの教室が映し出された瞬間「いよいよ本編が始まる!」と身を躍らせたのだが…
なぜか安住アナ登場!
どうも、バラエティ番組形式で本編の前説をやって盛り上げるつもりらしい…
だから4時間スペシャルは、実は[1時間の前説特番+3時間の本編]という構成。
何というか、逆に興醒めして気分が盛り下がる…
あらすじ紹介は評価できるとしても、芸能人のコメントを流すのはいただけないなぁ…
どうせ大した内容のコメントなんてしないんだし。
しかも出てくる芸能人がランク低い人ばっかり(失礼)だから、さらにどーしょうもない。
しかし、それはまだいいとしても……
叶姉妹を出すのはやめてくれ!
映るだけで番組の品が下がる!
そして、こんなコーナーに元3-Bの杉本かおるとか健次郎@風間俊介とか直@上戸彩出すぐらいなら、本編に出してほしかったよ…
さてさて、本編に入れば、3-Bが謝恩会の催し物について議論中。
極めて民主的で、伸太郎のセリフじゃないけど(ありえないぐらい;笑)いいクラスだよなぁ~
しかしこのシーン、ひどい脚本芝居…
みんながきれいに声をそろえて「えっ?」「なになに?」と言うのは明らかに不自然すぎだ(笑)
なんだかんだで、辞表出したことがみんなにバレちゃう金八先生。
どんな挑戦的な言葉や非難の声を浴びせられても、何も言わずに目を背けてしまう金八の姿が悲しい…
生徒と教師の立場が完全に逆転してて、放送開始当初みたいに、弱気な金八が大勢に取り囲まれてるのも情けない…
全然金八らしくない、という風にものすごく違和感を感じて、胸くそ悪い。
私のその気持ちは伸太郎の「あんたダレだ?」というセリフに集約されているけれど、う~ん、こういうセリフってものすごくズシーンと来るものなので、やっぱり胸くそ悪くなる…
金八に突きつけられた「逃げるのか!?」というセリフも重く、印象的。
しゅうがヤクザに襲われた次の日みたいに、金八のセリフを伸太郎がそのまま返して口撃したのは面白かったけど、ここのシーンは生徒が先生にケンカ吹っかけてるみたいで、なんかイヤだったなぁ…
しゅうの裁判に嘆願書を出すために署名活動をする3-B。
世間の反応が冷たい…
3-Bを散々冷やかしたり、罵声を浴びせたり、配ってるチラシを投げ返したり、わざわざ見えるようにポイ捨てしたり、加えて、殴り倒したり…
まぁ、普通は署名なんてそう集まるもんじゃない。
みんな、立ち止まって書く時間を作るのを面倒臭がるモンだからねぇ~
あと、興味もないチラシをしつこく押し付けてくるのはホントにウザイし。
しかし、ここで描かれているのはそうしたことが原因の苦労ではなく、3-Bへの敵意による困難。
覚醒剤を使った者は悪以上の何者でもないから、それを助けようとする3-Bも当然悪、という一般的な考え方に基づいた自然な(醜い)人間の対応。
人間は赤の他人のバックグラウンドなんて考えてくれないもの。
様々な苦難が原因で自暴自棄になって間が差して使ってしまい悪循環にはまったしゅうと、享楽で覚醒剤打ってる自業自得の非社会的で無思慮な人間の区別なんてしない。
ともに「覚醒剤使用者」という共通要素のみを取り出して単純記号化し、それだけを元に人間性を判断して、同じものとしてその存在を拒否する。
さらに、その存在(3-Bにとってはかけがえのない友人、世間にとってはただのドラッグ中毒不良)を擁護する3-Bを同質のものと見なしグループ化。これもまた同じように拒否する。
それが個人と密につながりを持ち感情も共有できる小さなコミュニティとは違う、単なる人間の集合体にすぎない世間というもの。
世間に自分たちの気持ちを伝えようとがんばってる3-Bの連中には何とも酷な話だ…
……などと、このシーンを見ていて、そんな風に本編にあまり関係ないことを考えてしまった。
謝恩会の代わりに、ソーラン節を踊ることにした3-B。
最終回でソーラン節踊るのは『金八』の伝統。
伝統を受け継ぐ者の踊りは腰の入れ方からして違うねぇ~
みんなおそろしく型がキマっている。
演技指導の担当者は相当な鬼教官だったに違いない(笑)
ソーラン節は元々編み引きの漁師が踊っていたものだからといって、わざわざ網まで使って練習する精神には恐れ入るというか、「そこまでしなくてもいいんじゃないの?」と激しくツッコミを入れたいというか(笑)
金八の最後の授業は、「“人”という字は、人と人が支えあってできている」という、あの有名なヤツ。
なつかし~!
金八が辞めるかもしれないから、総決算みたく、第1シリーズ初めての授業のと同じにしたんだろうか。
そして、同じ日に行われる判決いかんによっては、しゅうが参加できるかもしれない卒業式。
なかなか体育館にやってこないしゅうに始終ハラハラさせられっぱなし。
その緊張感を引きずりつつも、数々の小ネタを交えて、桜中学卒業式はフツーに、本当にフツーに進んでいく。
途中に何のドラマスティックな展開もありはしない、本当にフツーの卒業式。
卒業生に胸飾りをつけるところから始まり、廊下に並んで体育館を目指し、拍手で迎えられ、開会の言葉があり、校歌を歌い、生徒一人一人に卒業証書を渡していく、いつもと違って正装して改まっている先生にいたるまで、何もかもがフツー。
あまりにもフツーすぎて、懐かしくてそれだけ涙が出てくる。
それだけでなく、教室で金八先生が生徒一人一人に言葉の贈り物をするところも、まったくもってドラマスティックじゃない。
金八と生徒が話をする様子が、ただ延々と繰り返されるだけ。
こんな退屈な展開を2時間も続けていられる『金八』は、もう、スゴイの一言につきる。
他の番組だったら許されないないよ、こんな暴挙。
今回だけ観た人には、退屈な時間以外の何者でもなかったと思うが、
『金八』を観続けていた者にとっては、この上なく快適な時間…
穏やかな展開だからこその快適さである。
演出も、観続けてきた者の心を惹きつけて離さないようにしているからこそ、可能な展開。
まったくうまいことできている。
細かい話だが、卒業証書、ようやく今作で悲願の校長(代理)まで登りつめた村井先生に渡してほしかったなぁ…
答辞を読むのが伸太郎と聞いて、みんなが一斉に「えーーー!?」
ハイ、こっちも同じ意見です(笑)
作り手はよく分かっていらっしゃる。
粗暴なタメ口で語り出したときは、「あ~~……答辞に相応しくねぇ無礼な言い方だ…」とイライラしてたけど、最後にはちゃんと敬語になって、答辞らしく、在校生にメッセージを送っていたし、良し。
しゅうと自分のことばっかり話してるときは、前作の『ごくせん』の答辞の内容で私が文句っぽく指摘してたことと変わらないじゃないか、と冷や汗モンだったけど。
結局、金八は辞任撤回。
「生徒に教えられてるようじゃ、私もまだまだ修行不足」云々と金八節で教師を続ける理由を語る様子は、金八先生が辞めないでいてくれるという安堵感も手伝って、非常に心地よい。
「散々煽って盛り上げといて、結局オチはそれかいッ!」という批判は甘んじて受け入れましょうぞ(笑)
しかし、前々回に「教師が生徒に全力でぶつかっていって気持ちが伝わらないときは、教師は教師は辞めるべき」という自分の信念(第2シリーズのセリフ)に従って辞めるとか言ってなかったけ?
修行不足だから続けるという理由とつながらない気が……
……純粋に教師を続けていたいんだなぁ、このオヤジは(笑)
しゅうは少年院送りが決定し、卒業式には出られず。
覚醒剤使用者に与える罰としては、順当なシナリオだと思う。
しかし、卒業式に全員そろわないというのは、掟破りの展開。
そこまでして事態の重さを伝えたかったということか…
3-Bがしゅうに贈るソーラン節。
少年院に向かう途中の車を止めるのはかな~りフィクションに走ってるなぁ。
だからこそ、その後の展開も現実との整合性を気にすることなくドラマの様式として楽しめるのだけど。
しかし、別れの言葉がシンプルすぎて、もう一言二言ほしい気分…
これも『金八』の伝統といえば伝統。
踊りで互いに全てを語り合えるってか?
ところで、千田校長は(略