リアルタイムでは観られず、録画しておいたものを今日視聴。
けれどもそれを観る前に観た『せやねん!』で、新生『ドラえもん』を観た子どもたちの反応をチェックするというコーナーが…
(しかし前々から思ってたけど、TBSとテレビ朝日って何かリンクが深いよねぇ… 元が同じ会社だったとは言え。)
子どもたちの反応は上々。相当気に入ったようだった。
むしろ、「前のドラえもんはオバケみたいな声で恐かった」と、大山ドラを否定する発言が…
うむ…… そんなにダメだったか、あの声…
感想サイトなどでの評価も悪くはない様子。
しかし、当然のことながら、ファンサイトの掲示板は凄まじいバッシングの嵐。
こんなところでも領土問題が発生だ。
「昔のドラえもんを返せーー! 返せーー!!」
「私たちの夢を返せーー! 返せーー!!」
と、かなりの人数が今回のリニューアルに憤慨している。
新声優はもとより、一新された作画、キャラデザ、舞台設計、演出、音楽までブーイングの対象は多岐にわたる。
「こんなドラえもんなんか二度と観ない!」と宣言した人も相当いた。
中には「今回の改悪を著作権違法として訴えよう!」という企画を立ち上げた人まで。
…まぁ待て、落ち着け。
声優が替わることに怒るのは分かるけど、じゃあ声優替わらないままでキャラデザとかが変わっててもここまで文句言うか、といえばそうではない気がする。
そりゃ揚げ足取りというものですぜ。
なんか、キャラと一体と思っていた名声優が降板したことが許せなくて、脊髄反射的にリニューアルを全否定してるファンが多い気がする。
まぁ、ファンは別名「保守派」ともいいますから(←いいません)仕方のないことではありますが。
私なんかは、声優の交代と同時にスタッフの交代もやってくれたおかげで、以前の『ドラえもん』とは違うということを強烈に意識させられたので、新しいドラえもんの声をそれほど抵抗なく受け入れられて良かったと思ってるクチですがね。
まぁ、声優替えるぐらいなら終わらせてくれ、とか思ってる不届き者ですが(笑)
もう過ぎたことなので、それはそれ。
新しいドラえもんのスタンスを否定する理由にはならんわな。
今回から以前とは別のアプローチで『ドラえもん』を作っていく別番組に変わったと思えばいいわけで。
でも、不満を言うところは言うよ(笑)
良いところを挙げることは、私の視聴能力が低いので、あんまりないだろうけど(大笑)
(ダメなトコ指摘するのは楽。良いトコ探すのは審美眼的なモノが必要。)
前置きが長くなったけど、以下、本編感想。
まぁ、まず言うべきことはもちろん新声優のことでしょう。
やっぱり、旧声優と新声優の声質のギャップは気になりますねぇ。
生まれたときから刷り込まれていたものを払拭するのはかなり難しい。
とりあえず、ドラえもん@水田わさびの声は、原作初期の元気でドジなドラえもんの印象そのままの声なので受け入れられないこともない。
…というか、オバQの声に近い(笑)
ただし、その声でのび太に保護者的な発言をするのはいただけないなぁ~
保護者的な大山ドラと違って、水田ドラは「友達」って感じが合うと思うんだけど。
あと、賢いこと言ってても、まるで賢いように聞こえない(笑)
まだ大山ドラの印象に声優と演出が引きずられてる感アリ。
せっかく替わったんだから、水田ドラのらしさを出してほしいなぁ…
のび太@大原めぐみは、ダメな少年の声に聞こえないのが難点だわ。
なんか、声がマジメな人すぎ。
のび太がキテレツに見えてくるよ~(笑)
これ重大。
ジャイアン@木村昴(14)は、イメージに合ってる合ってない以前に演技力に難がある気がする。
悪くはないけど、中学生くさい声に聞こえてくる。
スネ夫@関智一は………ああ、文句ねぇや(笑)
しずかちゃん@かかずゆみは、なんか4人と比べると浮いてる印象があるなぁ…
他と違ってハキハキとした声質だから。
スネ夫と一緒で、落ち着いて観られるレベルではあるけど。
さて、替わったのはレギュラーだけではございません。
脇役の声も替わってますよ。
しかし、いきなりのび太のママが三石琴乃@セーラームーン!
その声で「のび太!」と怒鳴られるとかなーり違和感が…
三石琴乃の声って子どもを叱るような声質じゃないからなぁ~
ほ~ら、『ガンダムSEED』でもキラを叱ったことなんてないんだし、マリュー艦長@三石琴乃(笑)
しかし、この役にこんなベテラン連れてきますか…
いいのかそれで?
おまけにしずかちゃんのママが折笠愛。
スネ夫のママは高山みなみ@名探偵コナンの予定だし…
うむ、ママ陣営はスゴイことになってますよ。
今回はちょい役で川澄綾子登場。
ええっと……………なんで?
なんでこんな端役にアイドル声優が?
いいのかそれで?
かかずゆみに関智一に川澄綾子…
みんなオタにファンの多いだよなぁ…
もしかして、視聴者にオタク層の取り込みでも目論んでますか!?
(まぁ、新世代の声優にはオタが注目する声優が多いからなんだけど)
声以外のところで言いたいこと。
オープニングが女子十二楽坊の演奏のみによる「ドラえもんのうた」になった件について。
う~ん… 有名ドコ使って姑息な視聴率アップ狙ってるのが見え見えでイヤな気になる…
演奏だけのオープニングってのは何なのさ?
十二楽坊使ってるから仕方ないけど、しかしなぜか謎の歌詞テロップ付き。
「カラオケ感覚で見てもらいたい」という制作者の意図が理解できない…
どうせ新しくするんだから、テーマ曲も新しく作るぐらいの冒険をしたっていいと思うのに…
制作スタッフも一新されたので、キャラデザ、背景美術、音楽は元より、のび太の家の設計まで変わってる。
以前はアニメ向けにかなり設計が変更されていた間取りを、完全に原作の設計に直している。
(ネットの各所で「引越ししてるよ!」というボケが展開されていたが)
キャラデザも原作準拠。よろしいんじゃないかしら。
(でも、CMでマスコットに使われてる旧デザインのアニドラが懐かしい…)
演出は、変な間とかをとっていて、タルい部分が往々にしてあるのだけれど、ここ数年のドラえもんの過剰なまでのギャグ演出(しかもヘタレ)がなかったので、だいぶ観られるものになってる。
(しかし、80年代後期~90年代前期の演出の方が好きだ。というか、最高)
脚本は高橋ナツコと大野木寛か…
以前のドラえもんではありえないメンバーだな。
しかし、『あたしンち』布陣が流れ込んできてるだけだぞ~
う~ん、個人的には合わなそうな演出だなぁ…
しかし、ここ数年の迷走した演出の方が合わないというかダメだったから、それよりはマシ!
(↑そればっかかい)
これから観続けてたら肌に合ってくるかも知れないし。
内容のこと。
リニューアル最初の作品「勉強部屋のつり堀」は、テレ朝版『ドラえもん』が始まる前にテストタイプとして作られたモノと同じ原作。
狙ってやってるんだろうか?
しかし、タコの話は余計のように見える。
「タイムマシンがなくなった!」は、以前にも「モンスターボール」のサブタイトルでアニメ化されている。
個人的には前の方が好みだなぁ。サブタイでオチがネタバレしてるという落ち度があるけど(笑)
けれど、『ポケモン』隆盛の御時勢に「モンスターボール」の名称そのまま使うのはどうなんだ?
リニューアルに合わせてちょっと変えりゃ良かったのに。
「思い出せ! あの日の思い出」は、今回の3作品の中では一番良い。
ギャグの要素を前面に押し出してるからだけど、それは原作準拠。原作の持ち味を的確に演出するいい仕事っぷり。
冒頭のやり取りはかなり好き。最後のところは、不覚にもちょっとホロリときてしまった。
だが、これに味をしめて、感動話だけを連発するのはやめていただきたいなぁ。前がそうだったから、二の舞になるな。
あと、「はじめてポン」なんてネーミングセンスのなさは未だ健在(笑)
さてさて、リニューアルした『ドラえもん』、不安要素もあるけど、これからどうなるか…