全パートにわたって、思いのほかレイアウトに偏りがあるとか画面のバランスが悪くて、いったい誰が今回の話作ってるんだと絵コンテ・演出をチェックしたら、畑博之…
えーっ、6話の時はもっとがんばった画面構成だったじゃないか!
『銀魂』とか『宇宙ショーへようこそ!』の演出担当もしてたんだぞ。
なんで今回に限って…と思ったが、作画が殊のほか冴えていなかったので、連動してレイアウトも崩れたのかも…
何せ今回一番作画が良かったのが、“美味しそうに焼けた肉”だったからな(^^;) 人体デッサンがんばれよッ!
「焼かなイカ!?」
原作9巻「焼肉じゃなイカ?」
このサブタイトルだと、イカ娘がムキムキマッチョを目指して日焼けに挑戦するあの話(原作1巻)がまずよぎってしまう……そんな原作読者の私(^^)
原作ではそうでもないのだが、焼肉争奪戦に相沢家内で火花が散る話。
でもこの手の話だと、自分のプライドを保ちつつ如何なる手段を使ってでも他のヤツを出し抜こうとする登場人物の腹の黒さが足りないなぁということが感じてしまう……そんなアニメ『銀魂』ファンの私(^^;)
というか、栄子だけが焼肉に執念というか怨念めいた執着見せているに過ぎないので、要らない気を回しすぎている栄子に空回り感がせんではない。
こーゆー話にするなら、欲望の赴くまま素直に焼肉パクついてないで、イカ娘や千鶴にも参加させろよ、焼肉争奪計略戦線!
また栄子中心に話が進む、イカ娘の影が薄い話になっているなぁ…
栄子・イカ娘・千鶴で焼肉争奪戦して、最後に千鶴が勝ったと思ったら、蚊帳の外だったたけるにみんな気付いて反省して、おいしいところを全部譲るというオチなのだが…
争奪戦の様子がヌルい割には、3人が受ける「(しまった、たけるのこと、忘れてた…!)」というショックが、演出的にデカすぎ。
逆を言えば、ショックのデカさを演出している割には、争奪戦部分の演出にしつこさがなさすぎ。
「護らなイカ!?」
原作10巻「護身術じゃなイカ?」
鮎美、護身術を習う/千鶴、護身術を教えるの巻。
画面レイアウト手前に座ってる栄子と鮎美の背景に浜辺のゴミを拾うイカ娘の構図で、栄子が「護身術を学びたいなら私よりも他に…」と言ったところで、早苗がイカ娘に突っ込んできたと思ったらいつものごとく触手で弾き飛ばされて、「あれは参考にならんな」と吐き捨てられるのを、ワンカットで全部見せてしまうのが、なんだか好きな笑いの演出だったなぁ~
護身術をマスターした鮎美が、不意に近づいてきた南風のおっさんまで合気道で投げ飛ばしてしまって「反抗期か…」とか勘違いされてしまうのが一応のオチなのだが、アニメ版のおっさんはそれでもまだまだ余裕の表情だった。
原作では、愛娘に邪険にされた親父という生き物の悲哀っぽいのが感じられたのが好きだったし、オチがはっきりしてて良かったのに。
ある意味千鶴以上に手強い存在のおっさんのキャラを大事にすると、アニメ版みたいな解釈になるか。反面、オチがはっきりしないけど。
「寒くなイカ!?」
原作9巻「寒くなイカ?」3巻「侵略!イカ娘 in Winter」
“ずっと真夏の地上侵略コメディ”が冬になる話。
今回のパートの中では一番料理しやすいネタだけに、オリジナルも面白い形で膨らませていた。
ベースは3バカが海の家れもんに超強力冷房機を付ける話で、そこにイカ娘たちが雪遊ぶする番外編を接続しているが、侵略部の面々や早苗もうまく合流させていた。
「いやー体感的に3年くらい夏が続いてるような暑さだったからな」という原作のメタセリフは、アニメ1期の開始時期に合わせて「夏が1年以上続いてるような」に変更。
でも、原作は間断なくずっと続いているからメタセリフがくすりと笑えるものになっているけど、アニメは断続だからちょいとセリフの改変具合がお笑い的に弱い気もする。
EDアニメーションは雪降る浜辺を歩く冬着イカ娘、という大幅改変。
でも、サビ開始以降が夕方の光景になるのに合わせて、雪verのEDでも暗くなるのだけど、曇り空をそのまま暗くしているので、なんか文字通り灰色な気分がする色彩設計に…
色彩、もうちょっと何とかならんかったのかなぁ…
次回予告ナレーションは清美。侵略部副部長だったことがこんなところで判明(^^)
OPが関ジャニ∞の「T.W.L」から、AKB48の派生ユニット・渡り廊下走り隊7の歌に変更。
最近のOPはタイアップばかりだなぁ…
まぁ、『クレしん』のおバカで元気な雰囲気に合ってたらいいか。
以前の倖田來未のオシャレな感じのがあまり合わなかったので、むしろポップなAKB系の方が…
…と思ったら、新OPテーマ「希望山脈」は演歌調だった。
子ども向け番組にわざわざ演歌調のものをよこしてくるなよ、○元康!
しかし、OPアニメーションは舞台演劇風のノンストップ・ワンカット構成、キャラクター同時多数登場&ダンス、という技巧的な仕上げになっていて、意欲的かも。
9/2「古着で遊んじゃうゾ」
ごっこ遊びで、ミミコと同じ髪型(?)を自発的にする、シロかわいい。
10/21「オラはプロ野球選手だゾ」
しんのすけが5歳児のプロ野球選手だったら、というIFストーリー。
西武の中村剛也選手が本人役でアテレコ。
しかし…
中村選手「もう、おかわり君じゃない、中村だ」
しんのすけ「棒読みだねェ。監督のOK出ないゾ」
球団監督「?」
しんのすけ「アニメの監督」
子ども番組で毒というか本音吐いちゃダメー!(笑)
10/28「鑑識しんちゃんだゾ」/「20周年特別企画 クレヨンしんちゃん名作ランキングベスト1」
IFストーリーその2、というか、『クレしん』キャラを使った番外編。
『臨場』と土曜ワイド劇場のパロディですな、こりゃ。
子ども向け番組らしく、動機がテキトーすぎるとかおそろしく単純な筋書きなのだけど、ギャグで使ったメザシ帽が伏線になるとか、脚本の変なところが案外技巧的。
ひまわり誕生の「赤ちゃんが生まれたゾ」が人気得票数第1位になってたけど、これは、ひろしとしんのすけが春日部のセミレギュラーキャラみんなの助けを借りつつ何とか病院に辿り着く、これの前の話と合わせての面白さだと思うんだけどなぁ~
11/4「たいやき屋さんだゾ」
店主が倒れて息子が切り盛りしている寂れたたいやき屋にかすかべ防衛隊がちょっかいを出す話。
何かの店にしんのすけが介入する時、壊滅的打撃を受けるか、飛躍的に良くなるか、どちらかになることがほとんどなのに、どちらでもない雰囲気で終わるのは珍しい。
隣のおばちゃんに美味さが伝わったので、爆発的に口コミで広がりそうだ、という希望が残されてはいるけれど。
11/11「オラの車が吠える時!だゾ」
普段の扱いが扱いなので、しんのすけにモフられて遊んでもらっているシロを見るだけで、なんか安心する(笑)
まぁ、その後の扱いがアレでしたけどネ!
そうか、犬の唸り声はエンジン音に聞こえるのか…
ちなみに、ラジコンの中でもヘリのラジコンは特段に高いのに、躊躇なく破壊してしまってて良かったのだろうか?
11/18「箱の中身は何でしょねだゾ」
こういう話で最終的に明かされる箱の中身は、どれだけしょーもなくても、どういう理由でコレをこう隠したか、ちゃんと理由がつくはずなのに…
一切理由がつかずに、箱とまったく関係なく、夕飯のメニューが決まってオチとは。
11/25「自由なあいちゃんだゾ」/「銀河の危機をお救いするゾ」
酢乙女家のSP集団に追いかけまくられるシロ、ごくろうさまです。
『スタートレック』ネタはどこまで通じるのだろうか…
12/2「こだわりのコーヒーショップだゾ」
コーヒーに一家言あるマスターの店の客第一号としてやってきた野原母子によって、マスターの理想がことごとく破壊されていく話。
メイン視点がゲストキャラにあって、しんのすけたちレギュラーがあくまでも介入者、という構造の話は久々な気がする。
初期の、セールス記録に致命傷与えられた売間久里代とか、バイトクビになりまくるしのぶ(ななこの友人の神田鳥忍ではない)、閉店に追い込まれたかすかべ書店とか、理想砕かれた上に生計立てられるのか不安になる人々ばかり見てきたせいで、カレーが美味い店として繁盛しているマスターはまだ良い方だなぁと思える(笑)
12/9「あいちゃんに初体験させるゾ」/「上尾先生、何かヘンだゾ」
あいちゃん@川澄綾子に初体験させるゾ…って、監督、どこらへんまで狙ってますか?
私の目が腐ってますか、そうですか(汗)
かすかべ防衛隊にスパルタできたむさえちゃんも、あいちゃんというか酢乙女家には形無しだったな。
ドーナッツのことしか頭にない上尾先生が、動物の絵本を「どのドーブツがいちばんおいしくて味が美味いか」と読んでしまうあたり、ちょっとネタが黒い気がする(笑)
アフター5にカラオケに連れ立って遊びに行こうとする吉永先生とまつざか先生の仲の良さはちと意外。
12/16「玄関の大そうじだゾ」
鉄板のひろしの足のニオイネタだったなぁ。
今回、風間君までれっきとした被害に遭ったのは、ちょっと笑った。
うーむ
私の知っているリニュドラは、何でも感動方面に持ってくのを方針としてたと思うだけど、ここ最近は、「うそつきかがみ」「どこでも大砲」など原作初期のネタのアニメ化が多くなっていて、ナンセンス&カオスなことこの上なし!
巨大化したスネ夫の話では、怪獣映画のパロディが多い気がしたぞ(笑)
↑「巨大スネ夫あらわる」での、逃げる住民、店のシャッターを閉める店主たち
↑『三大怪獣 地球最大の決戦』での、逃げる住民、店のシャッターを閉める店主たち
↑パノラマ的なレイアウトを使った大きさの対比。半鐘櫓は『ゴジラ(1954)』で印象的だったなぁ
↑「巨大スネ夫あらわる」での、野次馬が見守る中走り回る緊急車両
↑『三大怪獣 地球最大の決戦』での、群衆が逃げる中走り回る緊急車両
↑「巨大スネ夫あらわる」での、対策本部
↑『ゴジラVSビオランテ』での、ビオランテ(花獣型)対策本部
↑「巨大スネ夫あらわる」での、対策本部の自衛隊隊員たち
↑『キングコング対ゴジラ』での、対策本部の自衛隊隊員たち
↑「巨大スネ夫あらわる」での、鳥居が目立つレイアウト
↑『三大怪獣 地球最大の決戦』での、鳥居が印象的なキングギドラ襲撃シーン
「ひるね王選手権」は、ひるねにかけては傑出した才能をもったのび太が、各国のスパイどもに狙われる、というのが終盤の展開になっててシュールで面白いが、だがしかし、大山ドラ時代にやってた「うつつ枕で天才少年」でも似たようなネタがあったな(汗)
「重力ペンキ」は、家が貧しくて大家族で、友達と一緒にクリスマスを自分の家で祝えないあばらや君の、夢を叶えるほんわかエピソード。
一家総出で内職に励んでたり、今どきこんな昭和な感じの貧乏家族ありか?…と思ってしまう描写だったが、反面、泣かせの演出はかなり本気だったな。
あと、何が何でも“貧乏”などの単語をセリフに使わず、あくまであばらや君の家は「部屋が狭いことが問題なんだ」ということを強調していたな。
バイオ燃料の開発ラボで起こった死亡事件に絡み、バイオ燃料の一人者教授が殺害したのではないかと睨んだ右京と神戸は教授を探るが、バイオ燃料の将来性に期待する政権上層部が邪魔しにかかってくるという話。
櫻井脚本回では久々の社会派全開“ではない”ストーリー。
国家利権が絡んできて特命係に牙を向いてくるところで、100パーセント社会派ではないとは言えないけれど、『杉下右京最初の事件』みたく、幸福な未来への到達に不可欠な人材・偉人の喪失を賭けてでも事件を暴くかという杉下右京の在り方を描いているような『相棒』のキャラ側に寄り添った回でもあるので。
一方で、米沢さん受難の回でもあったなぁ(笑)
次から次へと右京に無理難題押しつけられて寝る間も奪われ、挙句、右京「こんな時間にどうしました?」―米沢「警部に頼まれた鑑識作業をいしてたんですケド…(イラッ」となった日にゃ、特命係最大のシンパである米沢すら失いかねないぞ、右京サン(笑)
その代わり、捜一トリオが特命係に近くなってきたなぁ。
強引に事件を結論付けて捜査を打ち切る内村刑事部長への怒りを隠さない伊丹、内村の機嫌を取りながらも裏で捜査を続けようと持ちかける三浦、特命係が得た情報を横取りしつつも捜一の捜査結果を特命係に報告しに来る芹沢、となんからしくない正義感っぷり・特命シンパっぷりであった。
しかし、ここまで旧来からのレギュラーキャラが出張る回になっては、神戸クンの存在価値がますます薄くなる…
理屈で進む右京に付き添いながらも、「思うんです、あの人が犯人でなければな、と」と感情的な部分を補う発言をして、後から右京に「君が考えたのと同じことですよ」と言ってもらったり、
日本のエネルギー問題解消の希望を潰す捜査を続けて、殺されかけてでも捜査の比較実験のために入手した後、犯人の自業自得によって希望が潰れた際、比較実験用に持ってたその希望を将来に託す、というところは今話の中で重要なポジションかもしれないが…
いかんせん弱い。
比較実験用に入手するなんてところは、右京サンのアイデアだからね。
あ、刑事部長室から右京が勝手に退出したのを部長たちが激怒したときに制止して「代わりにボクが怒られておきます」と言った時は面白かったな(笑)
次回太田愛脚本での正月スペシャルで名誉挽回となるか、神戸尊…
(書きかけ)
2期のこれまでは、6巻以降の原作をアニメ化していたのに、この回はそれよりも前の巻から中心だなぁ…
「おままごとじゃなイカ!?」
原作4巻「おままごとじゃなイカ?」
サブタイトルは“おままごと”ですが、実情は『クレしん』名物“リアルおままごと”です(笑)
ままごとのパパ役をやってとお願いされて、新聞読みながら誇らしげな澄ました表情で「ああ、仕事はうまくやっているでゲソ。この調子でいけば来週には全世界の80パーセントは侵略できそうでゲソ」と演じてるイカ娘の様子が、パパ像がズレてるような合ってるような可笑しみがあって、個人的に何かツボな箇所だ。
イカ夫を巡り、正妻・栄子とストーカー・早苗の攻防が原作のオチだったが、アニメでは愛人・清美も参戦。
いつぞや感想で「『イカ娘』の人物相関関係って複雑じゃないから、こじらせてもそんなに…」と否定的に書いたが、今回は面白い。
こじれるだけこじらせて、最後はなんかのトレンディドラマよろしく、事故から子どもを守ってイカ夫無念の死ですっきり終わらせて、イカ娘オチに持ってくのも良い。
最後まで「…みんな、あとの侵略は頼んだでゲソ(ガクッ)」とパパ像がブレないイカ娘は何気にツボ。
「予定じゃなイカ!?」
原作5巻「予定じゃなイカ?」8巻「マイバッグじゃなイカ?」
予定とバッグの合わせ技だが、予定の立て方を分かっていないイカ娘の描写中心で組み立てられていた。
事あるごとに清美に相談する形になっていた。
どんだけ清美押しだ!
温泉入ってる早苗の胸の谷間だけを大写しにしてた箇所があったのは、『イカ娘』のスタンスから外れてる感じがして、驚いた。
「遊園地に行かなイカ!?」
原作5巻「遊園地に行かなイカ?」
個人的に『イカ娘』の大半の話は、無味無臭というか、流し見できる程度のもので、その中で好きな話が幾点かあるという感じなのだが、この話だけははっきり「嫌い」といえるシロモノなのだなァ…
イカ娘が中心にならないどころかこの回限りのキャラ薄いおっさんが話引っ張る、遊園地ネタの割に出てくるネタがあまりにしょぼすぎる、しかも下ネタオチ…
原作の短いページ数で遊園地ネタを描こうとすると、どうしても遊具数の多い描写はできないので、こういう話運びになるのかもしれんが。
アニメでは、“一人遊びマイスター・イカ娘”の話を先にやっていたお蔭で、コーヒーカップ一つにエラく長く楽しそうに遊ぶイカ娘の描写が強調されていて良かったかな、と。
EDに、着ぐるみ着込んだ遊園地のおっさん発見。
『ミッション・インポッシブル』の最新作が公開間近ということで、日曜洋画劇場が応援企画として、スパイアクション映画を一挙放送。
『ミッション・インポッシブル』3作の放送は勿論するというが、それを差し置いて第1弾が、おバカスパイアクション映画『ゲットスマート』の放送。
スパイの茶化しネタが初っ端とは、日曜洋画劇場は応援する気あるんかい!(笑)
アメリカの1960年代テレビドラマ『それ行けスマート』のリメイク映画らしいが、ワタクシ不肖、『それ行けスマート』は見たことがない。
なぜかクツに通信機仕込んでてクツを脱いで電話するという鉄板ネタがあるらしいが、そちらは定番ギャグとしてよく知っている。
“おバカスパイアクション映画”というのがこの映画の謳い文句だが、同様のおバカスパイ映画である『オースティン・パワーズ』シリーズみたいに徹頭徹尾バカとギャグで話進めていくタイプかと思いきや、意外にもかっちりしていた。
個人的な印象ではあるけれど、ギャグ3割、シリアス1割、アクション6割ぐらいの配分にはなっていて、結構アクションをがんばってやっている。
最近のアクション映画のような、凝りに凝ったアングルとかシチュエーションとかはないが、『007』の中期作品ぐらいの迫力は十分感じられるもの。
スパイを扱う上では欠かせない二重スパイネタもちゃんと仕込んでいて、作りは意外とマジメだ。
ギャグも主役のマックス・スマートの行動が可笑しいだけで、周囲はマトモなキャラが多く、しかもマックス当人はボケ役だけど天才という設定なので、自分のボケで犯した失態を自分で回収していることが少なくないため、そこまでボケも強烈ではないという。
どっちつかずとも言えるけど、個人的にはまぁ好きな方かもしれない。
「僕たちが見ていたものは少しフォーカスがズレていたようです」
それは、私の橋本一監督に対するイメージですね(汗)
撮り方が平板と言い続けてきたけど、案外そうではなくて、本筋に絡まないところで結構遊んでいるような感じ。
予告でも使われていた上記のセリフを言う、神戸・右京・角田課長をガラス板デスクの下から撮ってそこに雑誌を投げ捨てさせてカットチェンジするシーンとか、アングルとか寓意に凝ってる気もしないではない。
無駄に通路が長狭い安宿での、捜一トリオと犯人との捕物劇は、手持ちカメラでの撮影が緊張感と迫力出してて、比較的定点長回しの多い『相棒』の中では面白いカットだったなぁ。
『相棒』初登板の守口悠介脚本。
今後の『相棒』の主戦力となるか、はたまた1シーズンに必ず1,2回あるゲスト脚本か…
通り魔事件発生の光景―神戸「スクープが撮れりゃそれでいいってコトかよッ…」―右京「そのようですねぇ」―角田課長「そのカメラマン、遺体となって発見された」
…と前回の予告や番宣でこの解説的なセリフが使われていて、随分話の展開を語るなぁ、と思ったら、全部冒頭3分で出し切りましたね(笑)
その予告から流れやオチが想像できる感じで、大筋は『相棒』平常運航型のストーリーで、捻り方もさほど凝ってはいない内容。
ただし、変な喋り方の展示会女チーフとか、殺されたカメラマンの友人がやたら軽い感じ、とかキャラの濃さが印象についた。
こーいうキャラ作りのは、脚本指示なのだろうか、P判断なのだろうか、役者任せなのだろうか?
その一方で、通り魔の被害者女性の物語進行上の扱われ方が、いち登場人物というよりも、謎解きのためのピースみたいな扱われ方だったりアンバランスだが、登場人物の扱いの軽重がスッパリしているのは実に『相棒』的。
最近存在感希薄な神戸クンは、今話でもワトソンポジションに終始していて大人しかったが、行くとこ行くとこ遺体写真にぶち当たって、その都度気分悪くしまくるのは、それだけでキャラが立ってたなぁ~(笑)
サブタイトルが「フォーカス」ということで、最後はカメラマンという職業の真髄を犯人に思い知らしめて、“報道カメラマンは実はこういう点で素晴らしい所があるんだよ”という讃歌的なテーマを炙りだして、後日談なくスパッと話が終わり、テーマを絞りきった感じだったが…
だがよく考えても、殺されたカメラマンが写真ばっかり撮ってて、目の前の被害者を助けるために何一つしなかったのは、全然褒められたことじゃあないよねぇ…
せめて右京サンのセリフで「確かに彼が被害者を助けるための行動を何もしなかったことは道義的責任を問われることは避けられないでしょうが、しかしその一方で…」という枕詞ぐらい付けた方が片手落ちにならなくて良かったんじゃないだろうか?
テレ朝というか朝日新聞の都合上、そこら辺の領域にはあんまり踏み込みたくなかったんかもしれんが。
米沢ですら勘付けない、右京サンの「何か気付きませんか?」という質問に対して、まぐれあたりの回答をしてしまう神戸クン。
だがこれは実にマズいぞ、神戸クン。
時々発動する神懸かり的なヤマカンは亀ちゃんの専売特許なんだからなぁー(笑)
その点でも、今回の神戸クンはバディムービー中のバディとして細かいところで輝いていたなぁ
(書きかけ)
OP
医者がチアに戻ったと思ったら、メイド服が警官コスに変わった。
今話は、古風な笑いの手法というか大げささが堅実な笑いのコンテが特徴。
「留守番しなイカ!?」
原作4巻「留守番しなイカ?」7巻「空き巣じゃなイカ?」
「空き巣じゃなイカ?」は原作では好きな話。
前話で侵略部結成の話をしていたのを活かしているのは好ポイントだけど、オリジナル部分とのつなぎ方がちょっと強引かな?
「絶たなイカ!?」
原作8巻「エビ絶ちしなイカ?」
やりたくないと決心したらそれが次々と襲いかかってくる、欲しいと思い始めたらそれが運悪く全然手に入らなくなる、という定番ネタ追加。
エビ着込んでる時の早苗の動きがキモイ(笑)
禁断症状で町中の物がエビに見えてくるに至っては、早苗のイカ娘断ちのイカ娘バージョンだな、もう。
…案外早苗と気が合うんじゃなイカ?(笑)
「熱中症じゃなイカ!?」
原作9巻「熱中症じゃなイカ?」
所々正規の位置関係を無視したレイアウトをしている。
原作での演出よりも、本当に具合悪そうになってて、早苗の悪意が減少。
EDは警官に捕まってる空き巣のオッサン追加。
(書きかけ)
おーい、『ルパン』見てたはずなのに途中から『ラピュタ』になったぞー
テレコム、好き放題しすぎ!
…というわけで、これでTVスペシャルのシリーズ終了とのウワサもあった『the last job』以降久方ぶりの『ルパン三世』TVスペシャル。
しかも、長年声の出演をしていた納谷悟郎(銭形警部役)、井上真樹夫(石川五ェ門役)増永恵威子(峰不二子役)が降板し、新キャストが声を吹きかえるサプライズ。
今年5月に放送された『ルパン三世 DEAD OR ALIVE』で「今秋新テレビシリーズ開始!」告知をされていたので、満を持しての放映となった…
…なったんだけど、ちょい待ち。
“テレビシリーズ”ってのはどーなりましたか?(笑)
結局単発のテレビスペシャルなんだけど。
しかも「秋」に放映とか言いつつ、もう完全に冬と言っていい12月になっとりますがな。
以前のテレビシリーズでも制作スケジュールが切迫していたようで、そのせいかいろいろと話作りや作画に難があり、当初から評判良くなかったが、特に近年の作品は目も当てられないという出来だった。
近作は、声優の高齢化に配慮しまくって話の内容まで改変していたのが丸分かりで、そのせいで話作りに支障が出てさらに評判悪いというのもあったのだろうが。
声優の若返りでその辺の事情が解消されそうな気配があり、なおかつ作画力には定評のあるテレコムアニメーションが実質的な制作を行うので、その辺の悪評が立たないレベルのところまで改善されるのかな、という期待もあった。
あったのだが…
…やっぱり例年通り、開始後30分ぐらいでシナリオと作画に息が切れた感があった。
まぁ、開始30分は掴みの部分なので、視聴者を食いつかせられるよう、ありとあらゆる手が注ぎ込まれているから、という事情もあろうが…
もう誰が作っても一緒か、ルパンスペシャルは!?
銭形警部の新声優にはご存知・山寺宏一
五ェ門には、浪川大輔
不二子には、沢城みゆき
脚本が、『鋼の錬金術師FA』で多くの担当回があった土屋理敬。
絵コンテが滝口禎一・友永和秀・横堀久雄の連名。
演出が富沢信雄。
キャラクターデザイン・総作画監督が『世界名作劇場』の佐藤好春。
監督は実力派アニメーターの滝口禎一。
八百比丘尼なんて伝承をさも実在のものとして取り扱って、なお財宝まで所有していたとするホラの吹き様がなんか白ける…
まぁ、アルセーヌ・ルパンを実在のものとして扱ってるのがこの作品の根幹なので、それと同等か。
そして、強引だろうとあくまでも科学的に解釈をしているのは好意的かも。
線数を少なくしたシンプルなキャラデザでグリグリ動かすのは、好印象だった。
新声優のご披露場だった今作だが、それよりも悪役の石田彰の独壇場だった印象の方が強いかも!(笑)
今作のとっつぁんはマジメ一辺倒で、コメディリリーフというか、声を演じる上で遊びがないのが気になった。
山ちゃんなんだから、その辺のお笑い的なものはうまくこなしそうなのに、もったいないなァ
前半の都市部では、なんでもかんでもキレイに、そしてコントラストきつめに描きすぎる背景が気になった。
担当脚本回がさほど多くないせい、というのもあるだろうけど、『相棒』におけるオールマイティ脚本家・徳永富彦の脚本回。
『相棒』における犯人当ての場合、多くの回は「こういう状況を分析していくと、その人が犯人としか考えられない」という、証拠・証言・何気ない一言などパズルのピースを組み合わせて辿り着く形式になっている。
『金田一少年』とか『名探偵コナン』みたいな「トリック殺人を解き明かす!」というのは、珍しい印象があるくらい。
徳永脚本回では、トリック殺人というか、犯行において犯人が悪意的・作為的な処理を施している、というケースが多い気がする。
そして、Season7以降に『相棒』に登板してきた人材なので、亀ちゃん時代の感覚が馴染んでしまっている他の脚本家より神戸尊の作中の扱いが巧い気もする。
「今シーズン、神戸クンの存在意義が薄い」などと思っていたところ、今話はそれを払拭してくれるような話になった。
東大時代の旧友・加藤からの依頼を受けて研究所の不正帳簿についての捜査を単独で始める右京。同じ頃、尊は加藤の娘・美咲からの電話で「父は人を殺したのでしょうか?」との話を聞き、加藤の妻の不審死・研究所職員の自殺に関して加藤の容疑を調べるため研究所に単身赴くが、加藤を庇う右京に対し尊は不満を募らせ…という内容。
同じ研究所に関連した二つの事件を全く違う二方向から攻めて、捜査していた双方が激突する、という内容が面白い。
あんまりにも対立しすぎて途中二人の間に起こる出来事は、普段のキャラ付け見てるとありえない展開であることが分かってしまうので、オチが分かりやすいのが難点かもしれない。
ただ、最後のシーンの「強く殴りすぎですよ」「なぜだが力が入ってしまいました(笑)」というやりとりを見ると、元鞘に収まったように見える二人に火種がまだ残っているような感じもして、双方がべったりになりすぎないコンビ=“対立軸あってこそのバディムービー”というレベルを保とうとしているようにも見えるなぁ~
ある意味、右京の豹変ぶりが愉快だったSeason9の「招かれざる客」に近い匂いも感じる。
右京所縁の人物が登場、しかもこの人も結構な変人ということで、右京のキャラクターに厚みが増したのも好みの展開だ。
もう少しゲストキャラのキャラ付けが濃かったり途中の展開が違っていたら、レギュラー入りしてても良さそう。
最後に、真犯人を逮捕するためだけに出てきた(そのシーンだけの出演になった)ことに捜一トリオが愚痴るのは、なんかメタフィクション的な感じがあるなぁ(笑)
ちなみに今話のサブタイトル…シャーロック・ホームズの「緋色の研究」のパロ?
OPサビ後のイカ娘のコスプレが、チアガールからドクターに変更。
アニメも折り返し地点を過ぎて、新しい試みを始めたか?
今話全パートの絵コンテは宮崎なぎさ。
『魔法先生ネギま』第1期のTVアニメの監督でヒドい出来になった戦犯とさえ言われたスタッフだが、おっさんの家に訪れた時に驚愕の光景が飛び出した瞬間にBGMストップさせる演出とか、「お前らは何がキライだ?」―「いきなり言われても…」―「私はエビが嫌いでゲソ!」―「知らん!」のテンポの良さというのが笑いを分かってる演出になっているし、イカ娘が記憶をなくす瞬間を色反転させて印象深くする演出をしているので、地力はあるんだろーな。
レイアウトやキーポイント以外の作画がかなりの箇所でビミョー
… ま さ か 、『 ネ ギ ま 』 の 呪 い か !? (笑)
あと、イカ娘のいわゆる帽子部分のことがAパート・Bパートの双方でネタにされていたり、B・Cパートでイカ娘から血液代わりのイカ墨が垂れてきたり、なんか小ネタの取り扱いが緩やかに繋がってる回のような気もする。
アニメでは感情のブレをほとんど見せない千鶴だが、おっさんのペースに惑わされたり、記憶喪失状態でもイカ娘に距離置かれて焦ったり、珍しくも動揺する千鶴の姿が見られる。
千鶴を単なる“笑う冷血者”ではなく、いちキャラクターとして当然な人間的感情の描写を入れてくるのは、女性スタッフならではの配慮なのかな?
原作では、それまでの単行本のコメントで「名前出す機会なくなっちゃった」と作者が漏らしていた、ニセイカ娘=鮎美の本名を明かすためだけに用意されたシナリオといっても過言ではない気もする回。
アニメでは、2話目でさくっと本名明かされたので、おっさんの面倒臭い性格を相沢家一同で体験する部分を増幅。
おっさんの真意が分からずに、「監禁されて危害を加えられるのでは…?」という勘違いサスペンス部分が、話の厚みを足していた。
冒頭のニセイカ娘再利用花壇の応用で、常田家のトイレの特殊さを描く部分が追加された。
あのおっさんの性格なら、さもありなんという感じで、さらに中の描写がおぞましくて笑える。
「記憶喪失じゃなイカ!?」
原作6巻「記憶喪失じゃなイカ?」
2期決定の一報を知った際、2期の最終回にアレンジ込みで利用されるならこの話だろうな、と個人的に予想していたのがこの原作回だった。
なので、このタイミングで持ってこられて、予想が外れた。
元々こういう軽い扱いがちょうどいい原作回だとは思うけど。
シンディと早苗のホラ話が肉付けされた。
ただ、その御蔭でシンディと早苗の話がつながったので、イカ娘が「どちらの話が本当なのか?」と悩むのは無用だと思ったりする。
「海から来たなんてそんな話あるわけないじゃなイカ」「そこ否定するの!?」のところは、カット割ってほしかったなぁ…
そして、あの辺りの大半のカットが、腰から上の作画しか出てこない原画家に配慮したレイアウトばかりだった。
今話の作画能力的に細かいカット割=作画枚数の増加が無理だったのか?
「部活しなイカ!?」
原作9巻「入部しなイカ?」8巻「プールに行かなイカ?」
清美たち野球部4人(原作ではバド部3人)とイカ娘で、侵略と称して一緒に遊び歩く部活を結成する話。
侵略とは名目だけで、イカ娘の本分とは関係なく、女の子たちがキャッキャと楽しそうにしている光景を延々描き続けるこの原作が好きな部類になっている私は、『けいおん!』好きなヤツのことをとやかくは言えない。
原作では、ただただ楽しそうな部員たちを描写しているだけだったが、アニメでは原作ラストの清美不在ネタを深めて、廃部の危機を追加。
徹頭徹尾楽しさを謳う話に、ちょっとしたマイナス方向の刺激を与えることで、元々の楽しい部活に繋げるラストを盛り上げ、「楽しい部活」というテーマを強調する作りに深化していたような気がする。
部活の様子は、「侵略ノススメ☆」に乗せてダイジェストに描写。
8巻「プールに行かなイカ?」のネタもダイジェストでさらっと流されたのがもったいない。
赤い血も黒いイカ墨も同じ黒ベタで描くマンガ表現を活かした「なかなかエキサイティングじゃなイカ(鼻からダラリと流れる体液)」「イカスミ!? イカスミなんだよね!?」のネタが好きなんだが、アニメで再現は厳しいか…
それよりも、ウォータースライダーでケガするのは、マナー無視して頭から滑っていって水底に顔をぶつけるからケガをするのであって…
滑降後の減速部分無いここのウォータースライダー、危険すぎるだろ!
ちなみに、今話の各パート全てのラストカットが、イカ娘による〆ではなく、他キャラ(A・Cパート栄子、Bパート早苗)だったな。
EDアニメーションの追加は、おっさんの家のニセイカ娘再利用花壇。
も う そ れ 生 首 地 獄 じ ゃ ね ぇ か
チャンネル回していたら、テレ朝でブラマヨ司会のバラエティ番組が目に付いたので、途中からながら視聴した。
調べてみると関東では7月に放送されていた『ブラマヨとゆかいな仲間たち アツアツっ!』という番組らしいが、私は初視聴…
何が目に付いたかといえば、前のスネ夫役の肝付兼太とか『ドラゴンボール』孫悟空役の野沢雅子が出演したのだもの。
他にも三ツ矢雄二や神谷明、田中真弓、杉山佳寿子、日高のり子、堀川りょうが出演していて、この回はブラマヨと声優でトークを繰り広げていた。
肝付さんと前のジャイアン役のたてかべ和也さんが、一緒に飲んで駄弁ってたら、スネ夫とジャイアンがいるぞといつの間にかみんなから凝視されていた、というお笑いエピソードに和んだ。
テレ朝の番組なのに、肝付さんの口から日本テレビ版の旧ドラのことが言及されたのは特筆すべきこと!
「(旧ドラの時は)僕はジャイアン役で、その時のドラえもん役が野沢さん」とまで言及された。
ちなみに、野沢さんは二代目ドラえもんで、初代は平成のバカボンパパ・ヒゲオヤジ役でおなじみの富田耕生だったというところまで言ってもらうと、濃ゆいドラファンも満足のトークになっただろうが、富田さん来てないし、一般バラエティでそこまでマニアックに解説されたら逆にファンの方が引く(笑)
『タッチ』関係者として呼ばれた三ツ矢雄二と、ハイジ・ガンモ役で呼ばれた杉山佳寿子が、ちゃんと『キテレツ大百科』で共演してたと解説されたのは満足。
三ツ矢雄二の口から“キテレツ”の単語が出た途端、突然「ワガハイは『キテレツ大百科』のコロ助ナリぃ~」と叫び出した杉山さんには、意表突かれて笑ったが。
ちなみに、以前の『SmaStation』で取り上げられてた、“鼻のカラーが青いコロ助”(『キテレツ大百科』初アニメ化・単独スペシャル時)の時は、『Dr.スランプアラレちゃん』初代アラレちゃん/『報道ステーション』ナレーションの小山茉美だったりして、杉山さんもこれまた二代目なのだが、もう当日出演者と関係ないのでいいですね(汗)
肝付さんが「子どもには自分の仕事のこと明かさなかった」と言っていたけど、自然に喋っててもスネ夫声にしか聞こえないのだから、明かさなくてもバレてたんじゃないのか?…というツッコミをしたくなる(汗)
こういう肝付さんの普段の喋り声のスネ夫っぽさを聴いていると、今のスネ夫役の関智一がどんだけ無理して声作ってるか分かるなぁ~、と番組と全く関係のないことを思ってしまった。
トークを進めてく中で、出演者の相関図をどんどんと書き足してく進行になっていたのだけど、「声優業界の密接な相関関係が分かってきたのう」とナレーターが言ってるにも関わらず、最終的に神谷明さんにだけ、この日の出演者の誰とも相関関係の矢印が付かなかったのはどうしてくれよう(汗)
ブラマヨ小杉に「『CITY HUNTER』の冴羽リョウ(の演技)やって~!」と言われた時に、もっこり連呼のお笑いモードの演技だけ見せて、シリアスモードやらなかった報いか?(^^;)