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Take@管理人が、知ったかぶりのテレビ番組批評やとりとめもなく面白くもない日記などを書く、オタク臭さ全開のくどい不定期更新ページ(泣)
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 『相棒Season7』も終わってしまった…
 まとめて感想。


No.15「密愛」

 右京に、フランス文学が苦手らしい、という設定が追加された。やっぱり、古沢脚本回には右京のバックボーンが増えるなぁ~
 実際の登場人物は右京と先生の二人だけで、放送時間の話の半分は右京の想像話に映像としての形を与えて、事件が起こるまでを回想的に振り返る、という、撮影場所も登場人物も時間の経過も限定されたすごく実験的な回。
 お話的には、情に訴えかけるある種のパターンをストレートに進めているだけで、話の筋だけを追うと面白味はない気はするが、この実験的な構成自体は好きかも。

No.16「髪を切られた女」

 “捜一”芹沢が相棒となった今回。
 芹沢@山中崇史が亀山@寺脇康文っぽい演技を出そうと奮闘していて、好感度高いヨ~
 『刑事貴族3』のしのぶを思い起こさせる「勉強になるナァ~」のセリフには、思わず笑った
 捜査一課等々から隠れて右京とコンビ組んで行動しなければならないという変則的な相棒設定も、もっと続けてくれてもいいのにと思えるぐらい魅力的ではあった。
 徳永富彦脚本は『相棒』の外枠を見極めて堅実に話を作ってくるなぁ~
 途中から映画撮影所の話にシフトしてしまい、警視庁での芹沢のコソコソぶりが出てこなくなったのは残念だった。

No.17「天才たちの最期」

 これも、無難の域のシナリオだなァー
 話の進み方が無難でも、被害者の部屋を調べているシーンで、右京が面白い言動をするとか、キャラで遊んでくれる部分があれば、満足が少し以上違うのに。

No.18「悪意の行方」

 存在自体がネタとも言える特命係第3の男・陣川が出てくる回を、『相棒』の格子を理解してキャラの言動を書く櫻井武晴が脚本担当なのだから、ハズレなわけがないじゃないですか( ̄ー ̄)ニヤリ
 陣川のキャラクターがよく滲み出た回になって、陣川ファン(?)としては嬉しい限り。右京との絡みも可笑しさがあって、良い感じ。
 薫がいなくなってからパッタリなくなっていた「侮蔑的に“特命係の○○”と呼ぶ」ネタが、やり方を変えてちゃんと盛り込まれていたのもポイント高いですよ~
 陣川の魅力はお話の進行自体をかき乱すところにあると思うんだけど、今回は全容が知れない謎の事件に巻き込まれたせいで話にかき回されてる感じがあって、そこら辺は少し残念。
 ネットの問題点の数々をできるだけ挙げながら、挙げるだけに満足せずに、各要素がストーリー的に生きて話が進行していくのは、伏線回収作業をきちんとやっている感じがあって面白さがある。
 やっぱり櫻井脚本はバランス感覚がいいなぁ~
 『踊る大捜査線 The Movie2」で、斬新な犯人像として「リーダーの居ない集団犯罪」というのが出てきたけど、『踊る』のはその実斬新でも何でもなく強敵っぽさもなかったのに対して、今回の話のはその完成形といえるのではないかなぁ、と思った。そこら辺も、また面白いなァ~


No.19「特命」


 冒頭のシーンで、この間『クイズ雑学王』で「『必殺仕事人』で走るシーンの迫力が増す演出」として説明されていた、靴に発煙筒を括り付けて疾走感を出す方法が使われていたっぽくて、こんなシーンでそんな演出してどーすると少し笑った(^^)

 ミッチーが新相棒として正式に決まったという一報を目にした時は、大丈夫なのかと不安でいっぱいだったが、まぁ何とかなるか、という感じ。
 ただ、体育会系の薫との対比ですこぶるエレガントなキャラとして描かれていた右京なのに、同系統のミッチーが来ると、相対的にそのエレガントさが弱くなって、キャラlクター的に堕ちた気がするのは、なんか哀しいなぁ…
 右京@水谷豊には老いが見える一方、ミッチーはまだまだ若々しいから。
 それはともかく、新スカイラインは大活躍でしたねぇ~(笑) でも、この車のあの顔はどうも好かんのだよ。

 じわじわとどーしょーもなく苦しい結末に向かっていく話は悲劇性のドラマがあって見応えがあるんだけど、大 きく引っかかる点が一つ…
 イデオサヴァンが描いた絵を実際の出来事として取り扱う右京だけど、「“絵だから証拠能力に大いに欠ける”と思っている人(これが普通の感覚)と、サヴァンの能力に絶対の信頼を置いているから“絵を現実のものとして扱う”右京(この作品的には真実に近い優れた判断)というそれぞれの立場が強調されて説明されていなかった(ただ単に、犯人だから絵を否定する、刑事側だから絵を信頼する、という単純な対立構造に見えた)ので、ミッチーたちが「でもこれ絵ですよ」という理由で否定しているのに、右京は「この絵に描かれていることと実際が違っているから、実際の方に隠滅工作がされている」という反論をして、ズレた会話になっていたりするのが、難だった。
 一つの事件が終わってから、それとはあまり関連しないもう一つの事件が起こって、でもすぐに解決しちゃう、という構成も、お話を面白くするために有効なのか疑問だけど、輿水脚本的だなぁ、で済む気も(笑)

 とりあえず、特命係に半年属することになったミッチーだけど、来シーズン開始時点(ちょうど半年後)ではどうなっているんだろう…

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「5-12.狼の行方」

 予告編見たときは、捜一や特命係がもっと子どもに翻弄される事情の入り組んだ話になるかと思ったけど、流れとしては相当にストレート(子どもに嘘をつかれた男が復讐しにくる、という下手な捻りがないシナリオ)だった。
 ストーリーの意外性はないが、これはこれで面白い。
 ストーカー男の「気弱で相当不器用だが表面上はフツーっぽい人が、表面上はフツーなまま、程度も分からないほどイカレてしまっている」演技がナチュラルすぎてスゴイ!


「5-13.Wの悲喜劇」

 「6-17.新・Wの悲喜劇」はお笑い要素多めの割に推理モノとしてもしっかり作ってあるバランスが素晴らしくて大好きなので、その原型であるこの話にも期待したのだけど、基本シリアス調で、あまり分かりやすい笑いどころが多くなかったのが残念。
 美和子スペシャルの奇怪さと周りのリアクションは分かりやすい笑いどころだし、夫の目論みがデブ専によって阻まれるというのは高度な滑稽さがあるので、お笑い分が少ないということはないのだけど、雰囲気としてもうちょっと緩くてもよかったなァ~


「5-14.貢ぐ女」



「5-15.裏切者」

 金田明夫は、どの作品に出ても「憎まれポジションだけど憎めない性格で、かつ何かの板挟みになっている」という似たような役が回ってくるなぁ~(笑)
 しかし、櫻井脚本回にハズレなし。
 善良な主婦が銃殺されるという理不尽な事件が、警察の裏帳簿作りという不正が絡んで起きたという社会性のある問題が絡む理不尽なもので、その追究をすると同じ警察に薫が襲われて危機に陥るというキャラ側のドラマもあり、それですべての証拠が隠滅されたかと思ったら、そもそもの裏帳簿作りがアダとなって事態が明るみに出る、というドラマ性も伏線にするかっちりとした構成は見事。
 かっちりとはいえ、病室のシーンでは、目の前にいる美和子より右京に事情を話すことを選ぶというウホッな選択をした割には何を話すわけでもなく、「助けが必要な時は必ず頼るから」と美和子に入れたフォローを数分後に“何をどう助けて欲しいのか分からん”タイミングで実行して、説明不足感があるところには、輿水脚本にも通じる緩さを感じたりはしたけど。
 薫は性格がお人よしで真っ直ぐだから、先輩刑事を追及することとの板挟みになって警官に襲われるし、それを受けて右京が真実の追究に向けて最後の手を打つ、という感じで、キャラがドラマに組み込まれて進む理想的な形態の話だったなぁ~


「5-16.イエスタデイ」

 “昨日のことだけ記憶喪失”という、実際にそんな都合のいいモンねーだろ、何か裏があるだろ、というツッコミ待ちのネタなので、リアリティ重視で考えると「誰かの謀略で一日中眠らされるか何かされて、その間に犯人だと疑われる状況に仕立て上げられた」というのが順当だと思ったのだけど、本当にそんな都合のいい記憶喪失だったから、想像と外れて驚いたわ(^^;)
 そういう設定を「アリだな」と納得すると、今回の話は、残された物証から昨日の自分の行動を探っていくという、少し捻った形の推理モノになっていて、なんで持っているのか分からない意味付け不能の物証が、次々と意味が与えられていて、話が繋がっていく様はなかなか面白い。
 ラストもホロリと〆て満足が高いし、勢い(=設定)で突っ走ってる割にフォロー効いてる、という古沢脚本らしい回だったなぁ~


「5-17.女王の宮殿」

 特命コンビが山中に置いてけぼりを食らう、という滑稽ながら一風変わったアバンに始まり、雨宿りに立ち寄った館の中のうろうろするだけで、途中まで事件らしい事件が起こらず、途中から判明した事件もそれほど大きいものではない、という『相棒』のパターンを外しにかかっている変則回。
 個人的には、小さい事件の積み重ねがあって話の刺激が絶えず供給されてることもあって、こういうゆったりした話も面白く見れたなぁ~
 戸田山脚本回はやっぱりネタが小粒なほど細部が光る。


「5-18.殺人の資格」

 街中での殺人未遂を目撃し、交換殺人が行なわれることを知る、という目を引く設定から始まり、次第に行き過ぎたジャーナリズムが人を殺すことがある、という社会性のあるネタが絡んでいることが明らかになっていき、その悪意も意図も罪もない間接殺人的な行為になぞらえて、悪意と意図を込めた犯罪として実行されようとしているというクライマックスに雪崩れ込んでいくも、しかし最後に良心が勝つという怒涛の流れは、ドラマ的にも充実しているし見ていて面白い。
 テーマ的には櫻井武晴が扱いそうなものだけど、岩下悠子が書くと、エンタメ寄りで後味の悪くない話になるので、これはこれで好きな方針だな。


「5-19.殺人シネマ」

 森山周一郎@紅の豚に星由里子@三大怪獣地球最大の決戦!!
 …という配役だけで興奮するアニオタ&ゴジオタ私は、まだまだ青いでしょうか?(笑)
 話的には特に捻りがない順当だったもので、どうしても他の部分に興味が…(汗)
 ていうか、捻りがないのは「映画」という題材それ自体に、この番組のスタッフが入れ込んでいるせいじゃないだろうか、とふと邪推してしまうのだが…(映画系のネタが毎シーズン必ず1本はあるし)
 珍しくビミョーにしおらしい内村部長は、なんだかんだで面白い。



「5-11.バベルの塔」

 うーん、2度も見るもんじゃねぇなぁ~……というのが、DVD見た感想(^^;)
 オチが分かっていながら見ると、尺を取って緊迫感を演出しようとしている部分が、余計な引き延ばしであるということが強く感じられてしまうので。
 後、前回再放送で見たときは、事件が起こった辺りから見始めて、話の基礎設定は想像で補っていたので、事件が起きるまでの状況設定の説明的な部分を実際に見てみると、想像よりも描写が薄い(娘を思う母の気持ち、とか)と思えて、その後の展開の説得力も薄まっているのが分かってしまったし。

 でも先が読めない初見の時は、本当に面白かったんだよ…
 愛娘を人質に取られているために犯人に言いなりになって犯罪に手を染めなければならない母@大塚寧々が、縁も所縁もないテロリストに仕立て上げられて味方する者なく、警察によっていとも簡単に射殺されて真犯人と真実が葬られる理不尽な展開になるはずのところに、偶然その場に居合わせ唯一真実に近付いていたものの毎度のように蚊帳の外に追いやられている特命コンビがヒーロー然とその目論見を阻止し、なおかつ真犯人のあずかり知らぬところで密かに包囲網を狭めていき、特命コンビの助力のおかげで真犯人を確保して事件解決かと思いきや、実は真犯人は別にいることが分かり、まったく手がかりを失って急速に絶望感に襲われていく…
 …という、大塚寧々、真犯人、警察、特命コンビそれぞれのラインの話があって、互いの知らない部分で互いの目論見がせめぎあって話が進んでいく構成が、とても緊張感があって面白かったんだ。

 暗殺に失敗して一旦逃げたはいいものの、どう考えたって多勢に無勢で捕まるしかない大塚寧々のところに、運よく通りかかったウエイトレスが人質にされて、その後の展開を乗り切る、という一見ご都合展開も、後でちゃんとフォローが入って「なるほど」と思わされる憎い作りだし。

 話を一旦「結局誰一人救われなかった悲劇」として終わらせる思い切った結末の付け方と、最終的に犯人グループの一人が改心や後悔することなく「関係者全員に悲しみを与えられた」ことで満足して高笑いしたままフェードアウトする、というシナリオの側が犯罪者に一切の反省を求めない終わり方…あるいは「ここまでの大事件を計画・実行するぐらい憎悪が強い犯人なら改心・反省なんかするはずもなくから狂ったままの方が自然だろう」というリアリティがあるともいえる終わり方は、「こんなやり方アリか!」というサプライズと悲劇ドラマとしての見応えがあって、そこも良いんだよなぁ~

 そして、狂った犯人から誰も手出しできない(逃げる者もいる)中、娘を失った悲しみを越えて、ただ一人残った愛する人=大塚寧々を救うのために、犯人に向かってがむしゃらに突っ込んでいって元妻の代わりに撃たれてしまう父親の行動は、ベタ過ぎるがゆえに何度見てもグッとくるし、もう一人の犯人の方が最後に贖罪行為を取るのも、同じ理由で涙腺にクるものがあるなぁ~


 …まぁ、人質を取って篭城してから、全然犯人側のアクションがないのが不自然なのと、観覧車から狙撃するという銃の土台の安定性を考えたら全然オススメできない方法をとっていたり、新たに見直してみたら気になる部分は出てきたけど(汗)

 この回で右京が手話ができることが判明するが、やぱり古沢脚本回は右京に新たな設定を与えることが多いなぁ~

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「4-16.天才の系譜」

 右京の姪っ子・杉下花が登場して、ダブル杉下が縦横無尽に動きまくる話。
 「3-9.第三の男」みたいに主人公サイドの設定をいじくるネタは、個人的にはずれなしの勝ちだと思っているので、これも例にも漏れずという感じだけど、古沢脚本回って、右京のバックボーン設定を増やしていく話が多い気がする。
 ある意味、真実追求マシーンのような完璧性があって動じないのが右京というキャラクターだと個人的には思っていて、そんなキャラクターと相反するように、花の推理活動をことごとく否定して意地になったり、先に花に真相に辿り着かれたことを突かれて動揺したり、そんな今までにない右京の反応は確かに面白いんだけど、右京はこんなときでも無敵であって欲しいなぁ、と残念な思いもあったりして、少し複雑(^^;)
 しかし、意地になっているから配慮がなくて当然ではあるが、右京が花にダメ出ししたこと全部、普段の右京の行動にはね返ってきて「お前が言うな」状態になっていたなぁ~
 そりゃ、薫も思わず笑いがこぼれるわ(笑)

「4-17.告発の行方」

 この社会性のある話題を問題提起的に描くやり方は、まぎれもなく櫻井脚本回。
 今回は、「いかなる真実も追究し尽くしてこそジャーナリズム」というテーマを右京が援護しすぎていて、ちょいと内容が“左”過ぎる気がせんではないが。
 おかげで、中立公平であるべき警察官の職務を右京が無視しているかのような感じが(^^;)

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 図書館に置いてあったので、ついつい手を取ってしまった。

 こういう作品分析本とか論評本とかは、新たな視点からの面白さを気づかせてくれたり、自分の知らない作品情報が手に入ったりするから、読むの好きなんだ。
 そうかそうか、「5-9.殺人ワインセラー」とか「6-14.琥珀色の殺人」に出てきたあの酒種の数々は実在しないのか、そうかそうか…
 …あれだけ「詳しく調べてるなァ~」と感心した感想を書いてたのが、ひどく滑稽だ(汗)
 ていうか、ネットが発達したこのご時世なんだから、自分で調べなさいよ、という話がないではないが(汗)

 いろいろな作品情報が載っていてありがたいし興味深いのだけど、でも文章とか章立ての構成は感心しない。

 「数字で読む『相棒』マトリックス」という章にかなりのページを割いてあるのだけど、なぜ『相棒』を数字を読み解かなきゃならんのか、その必然性がよく分からない。結局、各話の話題がバラバラに出てきてまとまりがなくなってしまってるし。
 そして、そういう章立てを作って小節ごとにテーマを出して分析してるのに、どの章でも事あるごとに「(テーマとは関係ないが)この話では、この部分がなかなか面白い」という所感じみた記述が出てきて、脱線しまくってるのが、『相棒』ファンのための作品分析アイテムというよりは、著者の随想になってるようだし。

 …まぁ、私も似たようなものか、それ以下の文章をこのブログで書いているので、真っ向から批判する筋合いなんてあるはずもないんだけど(汗)
 それに、こういう類の本で、どういう構成にしたり、どういう話題をネタにまとめるかは著者の自由の部分もあるし、私個人には合わなかったということだけ。


 ただ…


 サブタイトルの打ち間違えが多いのは、誰が見たって納得できないぞ。
 たぶんパソコンで各項目の様式をコピーアンドペーストして書いているので、それでコピー元のサブタイトルを直し忘れてこんなことになっているんだろう。
 おかげで、6-19.黙示録の説明しているのにそのサブタイトルが6-18.新・Wの悲喜劇

 日本の死刑制度の問題点を炙り出し、事件を取り巻く人々の悲劇のドラマを描く社会派のお話に、「なんで歯磨きのチューブ、真ん中から押すねんッ!? お尻から押さんかい!! あと、目ェ開けたまま寝るなッ!!」というしょーもなさすぎる理由で夫婦がドタバタの殺人計画を練る話のサブタイトルが付いてるのは、あまりにもあんまりだろうて!!(笑)

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No.12「逃亡者」

 犯罪人引渡し条約についての日本の脆弱性をネタに、「外国に逃げたから逮捕できない」という事件の始まりを復讐として逆に利用するという話の持っていき方は、「4-9.冤罪」っぽくて、実に櫻井脚本的。
 国家レベルの大事件という視聴者が興味をそそられる題材で話をかき回しつつ、ちゃんと1時間の放送時間内で落としどころまで持っていけるように要素を配置し、拡げた風呂敷を閉じられるようにしてある行儀の良さがありながら、なおかつその解決にも考えさせられる部分が合ってドラマ性を持たせているのが、見事。
 そして、そんな重い題材を扱っているのに、小野田の「相手国に犯人を引き渡してもらうには、もっと頭を下げないといけないねェ」などなどの言葉に逐一反応して御辞儀の角度をどんどん下げていく刑事部長&参事官のお笑いネタも練り込んでいるところも、何気に好きだなぁ(笑)


No.13「超能力少年」

 米沢相棒回。
 予知能力というトンデモネタを扱いながら、そのネタを見事に話の主軸としてストーリーを描ききると同時に、親子関係にも言及してドラマ的な要素も交えて話の厚みを見せつつ、最後の科学的裏付けがあることを説明する、というパワー押しの部分が見えるのは砂本量的にも見えた。
 ポスト亀山の相棒として最も納得できる描き方で、米沢の扱い方を心得ている辺り、さすが古参脚本家。


No.14「男装の麗人」

 ブレイクタイム。ここ最近の技巧凝らしまくりのハイクオリティから見たら、だいぶ楽に、オーソドックスに作ってる感じがする。
 今話は右京の相棒役がいないので、「これってどういうことですかね?」と聞いてくれる薫ちゃん的役割というかワトソン的役割不在のせいか、右京が聞かれてもいないのに勝手にベラベラと解説をしている感じになっていたのが、ちと滑稽だったかもしれない(汗)
 帝都劇団の事務社員が、なんか見覚えがあるなと思ったら、『ウルトラマンネクサス』の副隊長だったヨ。印象代わるもんだなァ

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 地デジで見ると、水谷豊の顔に寄る年波がありありと分かって、何か辛い…


 冒頭、両親が娘の誘拐事件を警察に知らせる時に「はい、110番です。事件ですか、事故ですか?~」以降の普通は省略するだろうやり取りに長く尺を取ってるところの演出意図を考えたときに、「ん?」と違和感を覚え、警察がやってきた時に、割かし丁寧で礼儀正しい態度の刑事たちなのに、黒澤監督『天国と地獄』以降誘拐事件ネタでは御馴染みの「家を監視しているかもしれない犯人に備えて、宅配業者等に変装してやってくる」ような配慮なしに“警察がやってきました感”丸出しでやってくるガサツさに疑問を持って見ていたせいで、オチが完全に読めてしまって、素直に楽しめなかった私…(汗)

 それでも、隠れたレギュラーとも言える大木が撃たれるという緊張感を作りながらもかなりマヌケな(というかギャグ的な)捕まり方をする拳銃犯、拳銃犯に捕まってた時は必要以上に脅えまくった一方で助かったら警察がモタモタしていた等必要以上に文句を浴びせかける化粧の濃いオバさん、どんどん話が長くなっていく家政婦、などなど、脇キャラの濃さが面白かったし、キャラの面白さで引っ張っていた『相棒』原点を改めて意識した感じにも見える。

 今回の話は、薫がいるとやりにくい話だったように思え、制作者側が配慮したかも。
 …いや、4-19.ついてない女みたいに、今話の角田課長ポジションに据えれば、居ても大丈夫だったか。


 拳銃事件と誘拐事件が同じ地区で起こる、というあらすじを聞いた時、「警察には知らせるな」というのが定番の誘拐事件に、拳銃事件捜査で警察が堂々と歩き回るようになって、犯人が勘違いして、予想も付かない方向へ話が転がりまくる、そんな話の勢い主導のシナリオになるかと妄想し(そして、私はそういうのが好みである;笑)、その予想が外れて悔しいやら面白くないやらな気持ちだったんだけど、そういう流れだと、推理で物事にオチを付ける『相棒』っぽくなくなってしまうので、今回ので正解なんだよなー


 やっぱり撮り方がオーソドックスすぎるぞ、橋本一。

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(書きかけ)

「No.01 複眼の法廷」

櫻井脚本をいろいろと見てくると、かっちり作られていたと思っていたこの話も、割かし輿水脚本寄りな緩いところがあるなー

「No.02 陣川警部補の災難」

うーむ…
ひとたび動けば話がマズイ方向にズンズン転がっていって本当に話が終わるのかどうかすら怪しくなってしまう陣川のキャラがだいぶ弱くなってるなー

「No.03 蟷螂の幸福」

この話を見た母親は、話が難しすぎてキライと申しました(笑)

「No.04 TAXI」

サブタイトルの付け方には気を遣ってる方だと思う『相棒』で、あまり巧くないサブタイトル。
3つぐらい違う事件が起こっていてそれが重なり合っているシナリオ構造なのに、その一つだけを取り出したサブタイトルだと、何かなー…
その事件の重なり具合=ネタが練りきれていないとも見えるんだけど、1つの事件に3つのまったく違う事件があったことを暴くのが今回のテーマだったと考えれば、それはそれで面白い。

「No.05 裸婦は語る」

右京が犯人を出し抜いていっているようで、犯人に翻弄されている感じもして、先行きがなかなか見通せずに期待させられるので、なかなか面白い。
でもやっぱり、最後に何の伏線もなく、視聴者にすら隠された過去の事件が暴かれるという流れは引っかかりを感じるし、シナリオ整合性も、特命コンビがどうやってその事件に辿り着けたのかイマイチ不明なのがなー

「No.06 この胸の高鳴りを」

事件の発端となった歌のタイトルと心臓移植と恋心か復讐心かの葛藤が絡まって進むストーリーのサブタイトルとして、付け方が巧いなぁ~

「No.07 空中の楼閣」

人間的な感情がなさそうな作家が、見るのも嫌がるほどコケにしていた美和子の原稿を素直に読んで情に訴えられて、社会に大影響を与える決断をするまでに到るオチには、本放送当時「ご都合だなぁ~、『相棒』的じゃないよ」と思ったりしたが、地道なジャーナリズムが葬られるリアルさを描きながらも、それを読んだセンセーショナルなフィクション作家が世の中に訴えるようになるという活かし方の匙加減は、実に『相棒』的だったりするのかも。

「No.08 正義の翼」

前半で大きな花火を打ち上げ、後半は戦争を題材に地味だが骨太な話を紡いで火の粉を回収していくこのバランス感覚が見事。

「No.10 寝台特急カシオペア殺人事件」

やっぱり、乗客のどいつもこいつも問題抱えすぎで偶然が重なり過ぎてる感が

「No.11 ついている女」「No.12 狙われた女」

警察権力(囚人護送車)が襲撃される、というデカイ花火を初っ端から打ち上げたにもかかわらず、右京がファインプレーで逃走を阻止するというせめぎ合いの頭脳戦を繰り広げ、しかし『相棒』ならではの特命係設定と上層部のおよび腰でファインプレーが妨害されることで、右京の天才性を曇らせることなく、話がすぐ終わるようなことが無いよう話を引っ張るやり方で、火の粉を延々と燃え続けさせるのが巧い。
更生できそうな者が真逆の考えを持つ者に阻まれるという巻き込まれ型ストーリーもドラマ性があって興味深い。
しかもその強引な話運びにも、ちゃんと裏があったとフォローも入れられているし、面白い!

「No.13 マリリンを探せ」
「偶然も3つ重なれば(必然があると)疑うべき」とか言いつつ、2つは本当に偶然だった件について(笑)
はるな愛が出てたのかー

「No.14 琥珀色の殺人」

延々と続くウイスキー談義に、シガー(葉巻)の蘊蓄も加わって、本当に櫻井脚本の趣味の世界だなァ

「No.15 20世紀からの復讐」
だぁからぁ、サブタイトルの付け方が巧くないんだよ、期待持たせる感じにしてるのに。
話の方も、事件が徐々に解決していく後半になると、どんどんショボくなっていくのがなぁ…

「No.18 白い声」

やっぱり『チームバチスタの栄光』(笑)
工場で毒が手に入るなら、まず大学だけを疑ってかかった特命コンビはいろいろ推理の可能性を溢し落としているのでは?
病室で「オレたち二人だけですけど、必ず真相を明らかにして見せます」と宣言する薫ちゃんは、いいねぇ~

「No.19 黙示録」

いかなるハッピーエンドも拒絶するかのような冷たい感じのするストーリー運びは、見ごたえがある。
このシーズンがいかに櫻井脚本の流れになっていたかを象徴する話でもあったのだなぁ

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(書きかけ)

薫がいないとここまで物寂しいものか。
セリフの掛け合いが、セリフの掛け合いがぁぁ…

今回限りとはいえ、田畑智子に右京の相棒役は荷が重過ぎるのでは?
っていうか、演じてたキャラもこれといった特徴とか面白味がないまっすぐなキャラだったからなぁ…
捜査を辞めるときっぱり言った後で右京の推理を聞いて真逆にやる気になったり、かと思ったら右京の意見も聞かずに勝手に飛び出していったりとか、ワガママなところが見える辺り、『ガリレオ』の柴咲コウに近いものを感じて、「硬派な『相棒』が、フジ系の視聴者に擦り寄った?」とか思ってしまった(笑)

まぁ、そういうキャラの弱みも、話の勢いで持たせている感じなので、そこまでのパワー不足感はなかったが。
規模のデカい題材扱ってる割に、ちょっとシナリオが行儀よすぎた感じはある。もうちょっと端の部分で遊んでくれても…

エコテロリスト組織が起こした事件ということで、グリーン○ースとかシーシェパー○あたりにケンカ売ってるシナリオかと思ったら、エコテロ組織はただ利用されてただけの可哀相な団体で、真の悪は営利企業である、という結論で敵がすり替えられた…
やっぱりテレ朝は…

停電時に、何かに蹴つまずいて、「痛でッ!」と素の演技かと思う行儀悪い声を上げるたまきさんは、何か新鮮で面白かった(笑)

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 1巻で3話が入ってお得な第5巻……って、Season4のDVDと同じ感想じゃん(笑)

「5-8.赤いリボンと刑事」

 時効間近になった事件のあれこれ。
 時効制度を題材にしたり、非情さを前面に押し出すハードな雰囲気は、櫻井武晴かとも思ったが、最後の最後に情に流れていく話づくりは櫻井脚本にはあまりないもので、スタッフロールに岩下悠子の名前を見つけて納得。
 岩下悠子もなかなか骨太な話を作る脚本家だなぁ~


「5-9.殺人ワインセラー」

 右京さん、他にも証拠を見つける方法があるだろうに、犯人の最後の楽しみをジワジワと奪っていくような自滅型の罠にハメるのは、ヒドいんじゃないですか?(笑)
 佐野史郎がちょっち可哀相かもしれん。


「5-10.名探偵登場!」

 頭から高橋克実主軸でやってもらった方が嬉しかったかもしれんが、右京と薫から始まってあの素っ頓狂なキャラクターに行き着くという、特命コンビ主軸の構成にしているバランスは『相棒』らしい。
 戸田山雅人はやはりこういうキャラ的な話を書く方が栄えるなぁ~

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 1巻に3話も入っているお得な第5巻。

「4-8.監禁」
 薫、捕まる。
 誰も知らないところで薫に命の危機が迫り、右京がそれに気付くかどうか、というタイムクライシス形式になっているのは、今までの『相棒』パターンから外したバリエーションで、なおかつ面白い。
 本当にヤクで頭イッちゃってんじゃないの?としか思えない佐藤江梨子の悪女ぶりは凄まじい…
 「戦時中から続く話なのに、セットが徹底してないなぁ」と思ったら、ちゃんとそれで納得な話になるフォローっぷりは相変わらず巧いよ、古沢脚本。


「4-9.冤罪」
 やはり櫻井武晴はスゲー
 冤罪による冤罪隠しを、冤罪によって跳ね除けて復讐を果たすという、冤罪という題材の重ね方が、とても興味深い。
 「3-13.警官殺し」で小野田官房長が都合よく動きすぎたのを、同じ脚本家自らが戒めたというか、より現実的で非情な逆のパターンを見せるクライマックスも、シリーズもののバリエーションとして面白いし、心地いい話から最悪のケースへ進化を遂げるという方向性もなかなか無いパターンで、これもまた面白い。


「4-10.殺人生中継」
 割かしフツー。
 しかし、あのトリックには、スタッフが都合よく全員いなくならないと不可能……っていうか叫び声があそこまで聞こえるだろうか?
 アナウンサーオタクであることが発覚する米沢鑑識、穏やかなるノリツッコミが面白い特命と捜一の絡み、犯行の再現で偶然を重ねまくる薫に右京が「無理がある思いませんか?」「…ありますね」辺りの特命コンビ、最後の最後に登場する生気が抜けた角田課長、など、キャラの扱いは面白い。

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 前回の感想で『ブラッディマンデー』との比較について書き忘れていたことを思い出したが、もうそんなことはどうでもいい…

 やっぱりそのオチかいッ!!!!

 第1・2話の話で殺されたNGOボランティアの友人の遺志を継ぎ、薫、窮国の人々を救援するため、警視庁を去る!
 先週予想してた栄転オチは見事に外れ、外したと思っていた当たってほしくない以前の予想が的中…

 だーから、急遽作った(テレ朝が好きそうな)動機で、必要不可欠な主役を降ろすなって…


 それに、前回疑う余地もなく悪役だった袴田義彦が、ウィルスを騙し取られていたことが判明したことで被害者的に描かれて黒幕役からあっさり滑り落ち、大量虐殺を起こしてでもその野望の発覚をもみ消そうとする情け容赦ない集団として扱われ、「5-20 サザンカの咲く頃に」での描写にダブらされることで、同情の余地のない極悪の黒幕になってしまった自衛隊…
 おのれ、テレ朝め…

 ウイルスパニックと薫との別れはあんまり関連性ない気もするが、右京と薫の相棒パワーを見せ付けるには、これぐらいの大事件であるぐらいがちょうどいい規模だったのかもしれない。
 ていうか、事件の内容がレギュラーキャラの生活に全然影響せず、それぞれが関わりなく別々に進んでしまうところが、『相棒』らしいところだったりするのかも。
 しかし、薫が防護服を奪ったヤツが偶然犯人だった、どんなご都合主義だ(笑)

 殺人ウィルスに感染しても逃げ出すどころか、パニックと恐怖で人並み以下になった他の警官たちを制止し喝を入れる米沢は今回カッコイイなぁ~

 右京と薫の別れの描き方は型通り。
 右京との別れよりも、はるかにドラマがあるように見える伊丹。
 薫の辞職を聞いた内村刑事部長の、新聞ポトッ、がベタベタながらも何気に好き。辞めさせるために特命に薫をとばしたのアンタだろ!(笑)


 海外でボランティアとして人々を救おうとする決意は立派ではあるけれど、実際の現場でそんな生やさしい正義が通用するわけはなく、数々の壁と妨害と権力者の慢心と悪意の仕打ちに打ちひしがれ、薫は失意のうちに心を闇に染め、現実を知らずに私腹を肥やす無神経な日本人に報復するため、犯罪者として帰国…
 …って、それは別の映画か(汗)


 正月SPは、薫がいないと、右京はここまで暴走する、というのを見てみたい気がする。
 まぁ、そうでなくても面白そうだが。
 エコテロか…
 グリーン○ース辺りに睨まれないかなぁ(笑)

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 レンタルDVDにSeason4が全部揃っていなかったので、飛ばして、Season5を借りてきた。
 残りのSeason4はまたの機会に借りたいと思うが、交互に見てたら、薫が結婚していたりしてなかったり、頭の整理が大変だ(笑)



第02話「スウィートホーム」

脚本:古沢良太 監督:森本浩史
 「5-11 バベルの塔」が私の初古沢脚本回であり、その後「6-11 ついている女」「6-12 狙われた女」を見て同様の面白さを感じたので、私の中の『相棒』古沢回は「怒涛の勢いで突っ走って面白さを撒き散らし、大雑把に見える割には整合性と巧いフォローが付いている良回」という評価なのだけど、勢いをなくすとこんなものなのか、エピソードの質にしろ量にしろ何か物足りない…(でも、「4-2 殺人講義」と「5-7 剣聖」は勢いなくても面白かったぞ)
 薫の「…買っちゃったッ!」宣言と、不審な物音の正体を探るために慣れない豪邸を探索して回る薫・美和子夫妻のオドオドぶりが、今回の面白さのすべてだった気もする。ラブリー(笑)

 「オレに任せておけ!」とか言いながら、ガラスを割って侵入してきた犯人に美和子が気付いたのに、サウナで熱唱していて気付かず、「美和子、逃げろ!」と大声で叫んで犯人に美和子の存在をわざわざ気付かせてピンチに陥れてしまう薫ちゃん、マジ役立たず(笑)



第03話「犯人はスズキ」
脚本:岩下悠子 監督:森本浩史
 あまりにストレートすぎるサブタイトル、住民の証言の数々をフラッシュバックさせて強調する編集、右京の「真実は極めて残酷なものかもしれません」という意味深な発言、という予告の諸要素を見た時点でオチが分かるという、推理モノ好きの悲しい性分(汗)
 御陰様で、見ていてあまり楽しくありませんでしたとさ。

 その場にいた全員が犯人って、Season4の同じく3話と被ってるぞ。狙ってるのか?(笑)
 「居もしない人間が実際に居るように…」というネタだったら、一人の犯人が多数にそう思わせるように細工していたり、偶然が偶然と重なってそうなる状況が出来上がってしまうという風に持っていく手もあるけれど、私としてはそういう、「虚無の存在を作り上げたのは虚無の意識であった」という押井守的なネタの方が好みかも。

 伊丹の薫探知能力がまたまた登場し、「お前はエスパーか」と脚本家がセルフツッコミ入れていたのが、何か可笑しかった。



第04話「せんみつ」
脚本:戸田山雅司 監督:和泉聖治
 嘘ばかりつく小悪党が本当の事ばかり言うようになる、というネタを推理モノで使うとしたらこういう手しかない、というオチに辿り着いたストレートな作りになっていた印象がある。
 ただ、「千に三つしか本当のことを言わない」犯人のキャラや嘘のつき方・その論理といった肉付けの部分はなかなかに面白く、今回出てきたどの要素を除外してもこういう構成の話以外にはなりえない(今の話、別に入らなくね?とか、今の話があるならこういう伏線がないと変じゃない?というのがない)、というかっちりした作りになっていたのも良かった。

 戸田山雅人は、劇場版みたいな勢い勝負の脚本よりも、こういうチマチマとした話を書いた方が面白いじゃないか。

 …偶然にも免許書だけ落としてチンピラに身元がバレるってのは、劇場版で犯人を示す証拠をストレートに出しすぎた時みたいなテキトーさを感じる気がせんではないが(汗)

 レギュラーキャラの扱いも面白く、三浦にクロースアップしていくネタの使い方とか、特に、伊丹に「オレに向かって言え!」と何度も向き直されてるのに、そのたびに伊丹を無視して薫の方に向き直って鑑識状況を報告し続ける米沢は、漫才みたいで笑った。



第05話「悪魔への復讐殺人」
脚本:櫻井武晴 監督:和泉聖治
 『相棒』Season1~3をパワーで引っ張って支えていた亡き砂本量が作った話の続編を、今『相棒』をテーマで引っ張って支えている櫻井武晴が書き継ぐ、というのは、『相棒』の時代の移り変わりを感じさせてくれる。
 「いや、Season1~3でも櫻井武晴がテーマで支えてたじゃん」というツッコミはなしね(汗)

 中身はものの見事に櫻井脚本世界観。書き継いだというよりは、精神鑑定をネタにしたかったので、過去の話から使えるネタを拾ってきた、というだけの感じはする。
 「4-4 密やかなる連続殺人」から続く話だが、私は砂本脚本のパワーに惹かれていたので、この続編については別段どうとも思わないなー
 面白いけど、心底ハマってる「密やかなる~」で感じた衝撃性を求めて比較してしまうのが、私の悪いクセ(笑)

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 川原和久(伊丹役)・大谷亮介(三浦役)に親しく絡むこともなく、変なタイミングで相槌っぽく二人の会話にポツポツ割り込み、自分が語るとなると、自己分析はよくできてるんだけど修飾語ばかりでダラダラと長く脈絡なく話し続ける…
 Disk1特典映像のトリオ・ザ・捜一の山中崇史の人間性のどんくささに、とてつもないシンパシーを感じて仕方ない!(笑)


 それはさておき、Season4である。
 私が『相棒』という作品に開眼した記念すべきシリーズだったりする。

 その他のシリーズに比べると相当オーソドックスではあったんだけど、テレ朝×東映の刑事モノにしてはやけにスタイリッシュな、それでいて尖がりすぎてない落ち着きもあるOPタイトルの映像と音楽に惹き付けられて、「ちょっと見ててみよう」と思って以来どっぷりハマってしまったのだから、Season4のOPが私に与えた影響は偉大である。

 群像劇の要素もある刑事ドラマでは多数の登場人物(出演者)を紹介するのがOPの定石なのに、たった二人しか出てこない、それも薄暗く青系の彩に統一されていて目を惹かれる部屋で、明るいスライドを証拠品写真をパッパッパッとテンポよく映し出し、スクリーンの前に一人が紹介がてら立つのだけど、途中でもう一人と交代する時にカメラの低速度撮影による高速早回しになるのがこれまた目を惹き、その後種類の違う様々な静止画がモンタージュされていって、二人がそろった画が最後に出て、タイトルが表示される…
 いやぁ、いいねぇ~

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 珍しいことに、薫が体を鍛えていて、机の上をキレイにしていて、コーヒー豆を切らせている…

 次回予告では、殺人ウイルスに対処するために薫が危険を承知で飛び込んでいって死ぬ、みたいな雰囲気を匂わせてはいるけれども、フツーに考えて、薫が特殊部隊か自衛隊に転任・転職して『相棒』卒業フラグが立った、ってことだよな。予告はミスリードってことで。

 もっとシリーズでの積み重ねを活かした去り方をするのかと思ったら、今回急に辞める理由がわいてきたような形で、そんなポッと出の話に飛びついていいのか?…と、何やら引っかかる気持ちがある。
 とはいえ、劇場版ではあるけれど、「特殊部隊からお声がかかっている」という伏線は張られていたので、そこまで唐突ではない気もする。
 少なくとも、私が第1話で勘違いしていたような、急に現われて死んだ友人の跡を継いでボランティア化よりは(汗)
 
 『はみだし刑事』で私情ながら危険を承知で犯人を追って降格左遷されたり、『はぐれ刑事ファイナル』で故郷の親の面倒を看るために辞めたりして、悲しい理由で作品から去って行った登場人物を見てきていると、特殊部隊に引き抜かれるなんて理由はかなり優遇されている感じで、「亀山薫というキャラクターを大事にする」というプロデューサーとも合致する感じではあるけれど、ちょっとベタベタすぎる理由な気もする。パターンから少しばかり捻ってくる『相棒』では、特に。っていうか『逮捕しちゃうぞ2nd』で見たぞ、それ。
 まぁ、『相棒』のことだからちょっと捻ってあるかもしれないので、本当に薫が死んでしまうかもしれないし(笑)、柱はベタベタでも内容というか肉付けはかなり独特になるかもしれない。


 今回は、鳥インフルエンザの脅威が叫ばれる昨今にタイムリーな、ウイルスパニックを題材にした話だが、私にはあまり馴染みのない題材のせいか、そういう専門的な描写を雰囲気で巧く誤魔化してきた『相棒』をもってしても、何かリアリティがなかったように感じた。
 というか、刑事モノじゃなくて、ほとんど近未来SFのセットだぞ、それ(笑)

 前に劇場版公開記念と称して土曜ワイド劇場で再編集の再放送をやっていた「名コンビ誕生編」のオリジナル部分と今回のクライマックスが繋がるのだけれど、その時に撮られた映像と符合するようには作られていない。
 特命コンビが袴田吉彦を待ち伏せてはいたけど、地下駐車場ではなく廃ビルの外で鉢合わせてるし、間に柵はあるし、袴田を追うのに階段の上下どちらに行くかのコイントスは明らかになかったし、薫が捕まったウイルス保管場所はだだっ広い廃ビルのワンフロアじゃなくて、もちょっと狭い一室になっていたし…

 セリフは全く一緒だけど、撮り直していて、映像的に見るとパラレルワールドの話みたい。
 これで、待ち伏せている間にコンビ結成時の思い出話に花を咲かせていたかどうか、時系列の接続が曖昧になってしまった感じだけど、後編で薫が特命係を去ることを考えると、特命配属になった時分を思い出して話し始める場面が今回の話の隠れ部分として存在してたとしても、不自然ではないのだなぁ~

 しかし、後編で薫卒業、な感じだけど、おそらくやるであろう正月スペシャルは、薫抜きで行くつもりか…?
 そうだとしたら、2時間もの長丁場に準主役不在とは、博打すぎやしませんか?
 ああ、新相棒が出てくる話にすれば、充分もつか。



 『相棒』は家族で見ることにしているのだが、母親が「なぜ警察が、(右京と会話中の)犯人とのケータイの位置を把握できるのか」分からないとのたまわれた。
 いや、右京のケータイに逆探知機が仕込んである、ぐらいのことは考えてくれ。

 でも実際は、有線ではないケータイにそんなもの仕込めるわけはない。
 ケータイが通話電波を発信するときに、街中に張り巡らされたアンテナから、一旦NTT等の交換機に集められた後に、相手のケータイ電波が発せられる地区のアンテナへ送られ、相手のケータイに届くので、交換機に集められる電波の中に犯人のケータイの番号があるかどうか解析をかけて、その番号を受信したアンテナに遡って突き止める、という感じで位置を把握しているんだろう。

 だから、逆探知のように、話の内容は分からないので、犯人が右京に電話してるのは捜査本部では分からず(まぁ、もっと詳しく調べれば分かるんだろうけど)、毎度の通り刑事部長に「首を突っ込むな」と怒鳴られることなく、話が進んでいったわけだ。

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 取調室で暴行を受ける容疑者、「右京さんは強いですね……そして、いつも正しい」と沈痛な面持ちで呟く薫…

 …という予告編を見たときから丸分かりな櫻井脚本回(笑)

 警察内の不祥事もみ消しが主軸になった櫻井脚本回って、私が知ってるだけでも今回で3回目で、もういい加減マンネリな気がするけど、いやぁ、個人的には面白い。
 今回は今までと違って倒叙型だったり、味付けがそれぞれ異なってるのも、見飽きないし。



 警察自身で警察の取調べを監視するという監察官制度ひとつをネタに、いろいろと波状に話を広げていくなァ~

 不祥事を隠したくない良心と不祥事を犯した仲間の刑事への同情との板挟みで苦んで自殺した監察官の無念に酬いて、そもそもの根源である不祥事を犯した刑事が良心に従う決意をしたら、異動で監察官に任命されて、自分も苦しみを抱えて死ぬかもしれない立場に追いやられてしまうラストは、「ミイラ取りがミイラになる」的なホラー映画的なエッセンスが入っていて、話のオチのまとまりがいい感じ。

 そこから、警察官同士の仲間意識を、自分も持っていると語る薫と、「諸刃の剣」であると評する右京のラストカットで、『相棒』という作品自体のテーマにも問いかけを行なうと同時に、今シーズンで薫が卒業することに対して、薫と右京の別れが近いことを印象付けるところまで持って行くストーリーテリングは、なかなか見応えがあった。
 雰囲気的に、これは櫻井武晴なりの最終回という意気込みだったのかも。


 そんな主役二人の姿も印象的だが、それよりも捜一の伊丹と三浦の方がキャラ的に光ってたなぁ~

 結論ありきの単なる張り子捜査に嫌気を差してる伊丹が、張り子は張り子なりに妥協して割り切って同僚に知らせずに上司にホイホイ報告した三浦にも嫌気が差して、厳しく突き放すが、割り切れずに捜査を続けて真相に辿り着くも、追い詰めたせいで渦中のホシに自殺されて激しく落ち込んでいると、三浦に「お前は間違ってない」と言ってもらえ、しかしそれでも伊丹の気持ちは晴れない…
 特命コンビが、困難に遭遇しても割とそのまま突き進んでしまうのと比べ、屈折した感情とすっきりとしない悩みと葛藤を抱えて人間臭いドラマチックな要素を含んでいているので、その点ではより惹かれて見れてしまう。

 二人組として括れるコンビが多く出てくる番組だけど、今話においては特命コンビに匹敵する主役相棒といってもいいんじゃないだろうか。

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